JPS6220564Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、上下階の境に床等の水平構面がない
場合の梁・壁構造に関するものである。

通常は、外壁に加わつた風圧力は床面を通して
耐力壁に伝達される。

しかし、例えば吹抜けや階段室等は上下階の境
に床パネル等の水平構面がとれないので、第１図
に示すように、上下階の外壁接合部に水平梁１を
設け、この水平梁１を補強手段として用いてい
る。

かかる梁１の有効巾は、必然的に大きなものと
なり、従来はこの第１図に示すように、上下階の
外壁２，２′に対して梁１は外側に面位置を合
せ、室内側３に巾方向を突出させて設けていた。

このような構成では、室内側に梁１による凸部
ができてしまい、特に吹抜け等の室内デザインを
重視する場合にはこれが非常に目障りとなる。

本考案の目的は、特に上下階の境に床などの水
平構面がない外壁と水平梁との組合せ構造におけ
る上記不都合を解消することにあり、この目的は
本考案によれば、水平パネル部材を用いた梁を外
壁の屋外側にのみ巾方向を突出させて設け、この
梁の突出部分で軒を支持することにより達成され
る。

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第２図は本考案の実施例を示す縦断正面図、第
３図は第２図の要部の拡大図である。まず、この
第２図を用いて本考案の全体を説明すると、図中
２は１階の外壁、２′は２階の外壁で、この上下
に連立する外壁２，２′の接合部に水平梁１を設
けている。

上記水平梁１は、外壁２，２′に対して室内側
３には突出させずに、屋外側４のみにその巾方向
を突出させる。

このように構成すれば、室内側３には梁１によ
る凸部が全く形成されないので、デザイン上の支
障をきたさない。

次に第３図についてさらに上記構造の詳細を述
べると、本実施例では梁１として水平パネル部材
を用い、この水平パネル部材は例えば第３図に示
すごとく、木質系の芯材を格子状又は縦桟状に組
み、該芯材の両面に合板等の面材を貼着したもの
が使用される。

プレハブ建築として、外壁２，２′にも壁パネ
ル材を使用し、外壁２，２′を間隔調整材として
の胴差５で連結する。

この壁２，２′及び胴差５の室内側３での面位
置を一致させ、胴差５の外側に水平パネル部材を
用いた梁１を設置する。

梁１は単純な角材を使用する場合より巾が大き
なものとなるが、さらに必要な有効巾以上のもの
にして、この梁１の突出部分を軒６を支持する軒
天として利用する。

このようにすれば、梁１が外壁２，２′に対し
て、屋外側４にかなりの巾を突出しても、外部か
らは通常の軒構造に必要な軒天があるものとしか
見えないので、デザイン状も体裁が悪くなる恐れ
はない。

以上述べたように本考案の家屋の梁・壁構造
は、上下階の境に床などの水平構面がない吹抜け
等の構造において、上下階の外壁相互の接合部に
補強用の水平梁を設ける際に、梁は外壁の室外側
にのみ巾方向を突出させて設けたので、梁が室内
に凸部となつて突き出て目障りとなる恐れもな
く、また梁の突出部分を軒を支持する軒天として
利用しているので、外部からみても目障りとなる
ことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す、一部切欠いた斜面図、
第２図は本考案の梁・壁構造の実施例を示す縦断
正面図、第３図は第２図の要部の拡大図である。 １……梁、２，２′……壁、３……室内側、４
……屋外側、５……胴差、６……軒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下階の境に床などの水平構面がない外壁と水
   平梁の組合せ構造において、水平パネル部材を用
   いた梁を外壁の屋外側にのみ巾方向を突出させて
   設け、この梁の突出部分で軒を支持することを特
   徴とする家屋の梁・壁構造。