JPH0243121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、バルコニーパネルの防水構造に関す
る。

（従来の技術） 建物本体の梁より室外方向に突出されたバルコ
ニー腕の突出端にバルコニーパネルが立設固定さ
れ、該パネルと腕との取合い部分に、ウエブと対
のフランジで断面溝形とされたバルコニー樋が嵌
合固着されたバルコニー装置において、バルコニ
ーパネルとバルコニー樋との納り、つまり、防水
機能を有する納りは第４図、第５図に示す構造と
されていた。

第４図に示す従来例１では、バルコニーパネル
１にフランジ２Ａ，２Ｂの高さが異なるバルコニ
ー樋２を下方から嵌合せしめ、該バルコニー樋２
における一方のフランジ２Ａはリツプ３を介して
バルコニー床下地４に係合され、他方のフランジ
２Ｂはバルコニーパネル１の室内側に後付けした
外壁板５でおさえられていた。

また、第５図の従来例２では、バルコニー樋２
の対のフランジ２Ａ，２Ｂは同じ高さであり、そ
の一方のフランジ２Ａはリツプ３を介して床下地
材４に係合させ、他方のフランジは２Ｂバルコニ
ーパネル１の室内側に別途形成した水切６を外壁
板５とフランジとの間に後からさし込むことで押
付けられていた。

（考案が解決しようとする課題） 従来例１、２のいずれにもおいて、バルコニー
樋２は断面溝形の樋部であることから剛性が高
く、しかも、長尺物であることから、第４図、第
５図の矢示Ａで示す方向から嵌合することはでき
ず、外壁板５はどうしても後貼りとなつて、バル
コニーパネル１の規格化ができないばかりか防水
構造を施すのが困難であつた。

本考案は、バルコニー樋が剛性が高い場合であ
つても上方から下方へ向つて嵌合できるように
し、このように構成しても完ぺきなシール効果を
期待できるようにしたことを目的としたものであ
る。

（課題を解決するための手段） 本考案は、建物本体の梁１０より室外方向に突
出されたバルコニー腕１１の突出端にバルコニー
パネル１４が立設され、該バルコニーパネル１４
とバルコニー腕１１との取合い部分に、断面溝形
とされた樋部の両端縁に外向のリツプ２５，２６
を有するバルコニー樋２４が嵌合固着されたもの
において、前述の目的を達成するため次の技術的
手段を講じている。

すなわち、本考案は、前記バルコニーパネル１
４はその中棧１９位置において上部側の厚みが薄
く下部側の厚みが厚くされた外装材２２，２３が
隙間２１を介して上下にそれぞれ設けられてお
り、 前記バルコニー樋２４は前記取合い部分に嵌合
されて一方のリツプ２５が前記下側の外装材２３
の上端面に、他方のリツプ２６が前記バルコニー
腕１１上のバルコニー床下地１３等にそれぞれ上
方から係合されており、前記一方のリツプ２５を
含んで前記隙間２１にシーリング材２７が嵌着さ
れていることを特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、断面溝形とされた樋部の両端
縁に外向のリツプ２５，２６を有するバルコニー
樋２４は、バルコニーパネル１４の上側外装材２
２の厚みt₁が、下側外装材２３の厚みt₂に対して
薄くされていることから、第１図の矢示Ｂで示す
方向から嵌合させられることになる。

そして、室外側のリツプ２５は下側外装材２３
の上端面に上方から係合されて支えられ、室内側
のリツプ２６はバルコニー床下地１３に上方から
係合されて支えられることになる。

このようにバルコニー樋２４がバルコニーパネ
ル１４とバルコニー腕１１との取合い部分に嵌合
されると、第２図で示す如く一方のリツプ２５を
含んで隙間２１に、シーリング材２７が施されて
防水されることになる。

なお、上側外装材２２にはモルタル等の吹付け
層３０を施すことは自由であり、バルコニー樋２
４は下側外装材２３に釘打ち等で止着される。

（実施例） 図面を参照して本考案の実施例を詳述すると、
第３図は建物のバルコニー装置が示されており、
１０は建物本体の梁であり、この梁１０の室外方
向にバルコニー腕１１が突出されている。

このバルコニー腕１１は梁１０の長手方向に所
定間隔おいて設けられるものであり、各バルコニ
ー腕１１間の上面にはバルコニー根太１２が架設
固定され、このバルコニー根太１２の上面にバル
コニー床下地１３が設けられている。

１４はバルコニーパネルであり、各バルコニー
腕１１の突出端面に立設固定されており、該バル
コニーパネル１４の上下端にはそれぞれ笠木１
５、見切木１６が嵌合固定されている。

バルコニーパネル１４は上下の棧材１７，１８
と中棧１９とを備え、各棧１７，１８，１９の一
面には室外側外装材２０が貼着されており、各棧
１７，１８，１９の地面には室内側外装材が貼着
され、該室内側外装材は、中棧１９において隙間
２１を介して上下に振分けられた上側外装材２２
と下側外装材２３とからなり、上側外装材２２は
その厚みt₁が下側外装材２３の厚みt₂に対して薄
く形成されている。

なお、上側外装材２２はフレキシブルボード、
石綿セメント硅酸カルシウム板等からなり、又下
側外装材２３は釘打可能な合板、木材等よりな
る。

２４はバルコニー樋であり、ウエブ２４Ａより
高さが異なる対のフランジ２４Ｂ，２４Ｃを立上
らせて断面溝形の樋部とされ、該樋部の両端縁に
外向リツプ２５，２６を有し、このバルコニー樋
２４は、第１図で示す如く矢示Ｂの方向から嵌合
されて一方のリツプ２５が第２図で示す如く下側
外装材２３の上端面に上方から係合されて支えら
れ、他方のリツプ２６は床下地１３に上方から係
合されてバルコニー根太１２を介してバルコニー
腕１１に支えられている。

すなわち、厚みの異なる外装材２２，２３はそ
の厚みの差がバルコニー樋２４を矢示Ｂの如く、
バルコニーパネル１４とバルコニー腕１１との取
合い部分に上方から嵌合できるものとされている
のであり、嵌合されたバルコニー樋２４は下側外
装材２３に釘止めされることになる。

２７はシーリング材であり、バツクアツプ材２
８を介して第２図で示す如く隙間２１に嵌入され
てリツプ２５の部分をシール（防水）処理してい
る。

その他、図において、２９はバルコニー床、３
０は必要に応じて吹付けられるモルタル等の吹付
け層であり、これらは後施工によりなされる。

また、３１はバルコニー軒天を示している。

（考案の効果） 本考案は、バルコニー腕１１の先端に固設され
るバルコニーパネル１４が中棧１９において厚み
が薄い上側外装材２２で、下側が厚みの厚い下側
外装材２３とされていることから、剛性が高いバ
ルコニー樋２４であつても上方からの嵌合施工が
でき、このことはバルコニーパネル１４の規格
化、バルコニー樋２４の取付の容易化及びバルコ
ニー樋２４のメンテナンスの容易化が図れるので
ある。

また、斯かる利点を奏しながら、上側外装材２
２と下側外装材２３との間に隙間２１にはリツプ
２５を含めてシーリング材２７で防水処理してい
るので、パネル内部への雨水の侵入は防止できて
耐久性をそこなうようなことはない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例と従来例を示しており、
第１図は本考案の縦断側面図、第２図は第１図Ｃ
部の拡大図、第３図は本案実施例の全体構成を示
す縦断面図、第４図と第５図は従来例の２例を示
す各縦断面図である。 １０……建物本体の梁、１１……バルコニー
腕、１３……バルコニー床下地、１４……バルコ
ニーパネル、１９……中棧、２１……隙間、２２
……上側外装材、２３……下側外装材、２４……
バルコニー樋、２５，２６……リツプ、２７……
シーリング材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 建物本体の梁１０より室外方向に突出されたバ
   ルコニー腕１１の突出端にバルコニーパネル１４
   が立設され、該バルコニーパネル１４とバルコニ
   ー腕１１との取合い部分に、断面溝形とされた樋
   部の両端縁に外向のリツプ２５，２６を有するバ
   ルコニー樋２４が嵌合固着されたものにおいて、 前記バルコニーパネル１４はその中棧１９位置
   において上部側の厚みが薄く下部側の厚みが厚く
   された外装材２２，２３が隙間２１を介して上下
   にそれぞれ設けられており、 前記バルコニー樋２４は前記取合い部分に嵌合
   されて一方のリツプ２５が前記下側の外装材２３
   の上端面に、他方のリツプ２６が前記バルコニー
   腕１１上のバルコニー床下地１３等にそれぞれ上
   方から係合されており、前記一方のリツプ２５を
   含んで前記隙間２１にシーリング材２７が嵌着さ
   れていることを特徴とするバルコニーパネルの防
   水構造。