JPS6219248B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はプレス機械に取り付けた金型へ入る前
のアイドルステージのブランク材を搬送するため
の装置、いわゆる中間搬送装置に関するものであ
る。

「従来の技術」 従来、中間搬送装置では、フインガーもしくは
バキユームカツプ（弾性部材からなるカツプでブ
ランク材を吸着して搬送するもの）を用い、これ
らに搬送運動させていた。あるいは産業用ロボツ
トではマグネツトを用い、これに搬送運動をさせ
てブランク材を供給することが行なわれていた。

「発明が解決しようとする問題点」 上述の従来の装置は、ブランク材の形状に合わ
せてフインガーを製作あるいは調整し、あるいは
バキユームカツプの位置調整を行う必要があつ
た。またマグネツトを用いたものは搬送端でマグ
ネツトからブランク材を突き落とす必要がある。
などの欠点があつた。

本発明の目的はこれらの欠点を除き、調整が不
要で汎用性が高く、ブランク材の受渡しに安定性
のあるプレスにおけるブランク材搬送装置を提供
することにある。

「問題点を解決するための手段及び作用」 本発明の構成は、搬送方向に所要の長さを有
し、プレスのフイードバーと連動し、機体に案内
されてブランク材を供給される位置からブランク
材をプレスのフイードバーに渡す位置までの間を
フイードバーの搬送ピツチで往復動し、その上面
にマグネツトを取りつけたマグネツト台と、この
マグネツト台の両側に平行して所要の長さに設け
られ、機体に昇降自在に案内され、マグネツト台
の後退端で下降し、その上面に載せたブランク材
をマグネツト台のマグネツト上面に渡し、マグネ
ツト台の前進端で上昇し、マグネツト上面からブ
ランク材をその上面に受けとるビームとを具備す
ることを特徴とする。従つてマグネツト台上に供
給されたブランク材はビームに渡されて順に搬送
され、最後のビーム上のアイドルステージからプ
レスのフイードバーに渡される。

「実施例」 第１図及び第４図において、プレスのフイード
バー１，１′の端部にステー２，２′上端部のたて
軸部を回動自在に組み付ける。２次元送りのトラ
ンスフアーの場合はプレート３，３′をステー
２，２′に固定してフイードバー１，１′を押さえ
る。３次元送りのトランスフアーの場合はプレー
ト３，３′は不要で、フイードバー１，１′はステ
ー２，２′のたて軸部を摺動自在に上下動できる
構造とする。ステー２，２′の下端部はフイード
バー１，１′の下方にこれと直交して設けたビー
ム４に摺動自在に組み付けられている。

従つてフイードバー１，１′のクランプ・アン
クランプ運動の際はステー２，２′がビーム４に
案内されて摺動する。

ビーム４の両端部にはコロを設け、搬送方向に
所要の長さを有しブラケツト６上に立設した支持
部材５，５′上を転走させている。ビーム４の中
央部には上向のピン７の下端部を固定している。
ピン７はマグネツト台８に回動自在に嵌合してい
る。マグネツト台８は搬送方向に所要の長さを有
し、その上面にはマグネツト９を固定している。
マグネツト９は永久磁石又は電磁石の何れでもよ
い。

マグネツト９のＮ、Ｓ極の向きは上下、左右、
前後何れでもよいが、本例の場合は搬送方向と直
角、すなわち第４図に示す向き又はこの逆向きと
する。他の例として搬送方向にNSNS……と並べ
た場合、あるいはNSSNNS……と並べた場合はブ
ランク材が搬送方向にずれるおそれがあるので好
ましくない。フイードバー１，１′はリターン、
クランプ、（リフト）、アドバンス、（ダウン）、ア
ンクランプの動作を行うが、ステー２，２′、ビ
ーム４の作用によりマグネツト台８にはアドバン
ス・リターン動作だけが伝達される。

第２図、第３図において、マグネツト台８の下
部には搬送方向と直角で搬送方向に間隔をもたせ
て水平なピン１０，１０を設け、ピン１０，１０
の両端部にコロ１１，１１′を組み込む。コロ１
１，１１′は案内部材１２に案内され転走自在と
する。案内部材１２は搬送方向に向けて所要の長
さを有し支柱１３，１３によりブラケツト６上に
固設されている。

第１図、第２図、第３図において、マグネツト
台８のマグネツト９の両側にはマグネツト台８と
ほぼ等長でかつ平行するビーム１４，１４′を設
ける。

ビーム１４，１４′の材質は鉄材、非鉄材、永
久磁石、電磁石何れでもよいが、本例では鉄材と
した。鉄材の場合は、ブランク材との間に適当な
磁力が作用してマグネツト９との間でブランク材
の吸着、切離の際の安定した動作が得られる。

ビーム１４，１４′はこれと直交する２本のビ
ーム１５の上面に固定され、ビーム１５の両端部
はブラケツト６に立設したガイドロツド１６，１
６′に夫々摺動自在に案内されている。夫々のビ
ーム１５の中央下部はブラケツト６に上向に固設
したシリンダ１７，１７′に連結され、ビーム１
５を介してビーム１４，１４′の上面をマグネツ
ト台８のマグネツト９の上面より上下に上下動さ
せる。

第１図、第６図において、ビーム１４，１４′
の搬送方向入口側のＢ位置側部には、ブラケツト
６上に斜め上向にシリンダ１８を設け、ビーム１
４，１４′に送られてきた２枚ブランク（２枚以
上のブランクが密着したもの）を突き上げて取り
除く。シリンダ１８のロツドの先端にはブロツク
１９を固定し、ブランクを確実に突き上げるよう
にしている。

第１図、第２図において、ブラケツト６はプレ
ス機械のフレームに設けるか、あるいはフレーム
と１体物としてもよい。ブラケツト６上面は油を
受ける形状とし各部の油の流失を防止している。

次に本発明の作用を第１図を主として他図を参
照して述べる。

マグネツト台８がフイードバー１，１′と連動
してビーム１４，１４′と並列する位置から搬送
ピツチだけ後退し若干休止する間に、図示してい
ないブランク供給装置によりブランク材がマグネ
ツト９上にＡ位置に供給される。このときビーム
１４，１４′は下降し、続いてフイードバー１，
１′と共にマグネツト９が搬送ピツチだけ前進し
てＡ位置がＢ位置に至り若干休止する。この間に
ビーム１４，１４′がシリンダ１７，１７′により
上昇し、マグネツト９上のブランク材をビーム１
４，１４′上に受けとる。

ビーム１４，１４′が上昇している間にフイー
ドバー１，１′と共にマグネツト９がリターン動
作を行い、後退端で若干休止する間にビーム１
４，１４′が下降しビーム１４，１４′上のブラン
ク材をマグネツト９上に渡す。同時にＡ位置で新
しいブランク材がマグネツト９に渡される。続い
てフイードバー１，１′がアドバンス動作を行い
以上上述を繰り返す。この一連の動作によりブラ
ンク材はアイドルステージＡ〜Ｅを１ピツチずつ
順に搬送され、アイドルステージＥにおいて、あ
るいはその前のＤ位置でフイードバー１，１′の
フインガ（図示せず）に受け渡しされる。

「発明の効果」 以上の説明から明らかなように本発明によれば
次の効果がある。

(1) 穴あるいは切欠のあるブランク材の搬送にも
適用できる。

(2) ２次元、３次元の何れのトランスフアプレス
にも適用できる。

(3) 搬送するブランク材の上方に構成部材がない
ので、運転中の確認、保守、点検などに有利で
ある。

(4) ２本のフイードバー１，１′がトラブルによ
りずれた（両者の動きにくいちがいが生じた）
場合に、ビーム４とマグネツト台８とがピン７
により回動自在であるから構成部材を破損させ
るおそれがない。

(5) マグネツトの磁力により吸着させてブランク
材を搬送するので、ブランク材の形状あるいは
大きさの違いによる調整あるいはアタツチメン
ト等の製作が不要であり、ユーザメリツトが高
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、第２図は側面図、第３図は第
１図の―断面図、第４図は第１図の―断
面図、第５図は２枚ブランク除去部の断面図であ
る。 １，１′はフイードバー、２，２′はステー、
３，３′はプレート、４はビーム、５は支持部
材、６はブラケツト、７はピン、８はマグネツト
台、９はマグネツト、１０はピン、１１はコロ、
１２は案内部材、１３は支柱、１４，１４′はビ
ーム、１５はビーム、１６はガイドロツド、１
７，１７′はシリンダ、１８はシリンダ、１９は
ブロツクである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ブランク材を供給される位置からブランク材
   をプレスのフイードバーに渡す位置までブランク
   材を搬送する装置において、搬送方向に所要の長
   さを有し、プレスのフイードバーと連動し、機体
   に案内されて前記位置間をフイードバーの搬送ピ
   ツチで往復動し、上面にマグネツトを取りつけた
   マグネツト台と、該マグネツト台の両側に平行し
   て所要の長さに設けられ、機体に昇降自在に案内
   され、前記マグネツト台の後退端で下降し、その
   上面に載せたブランク材をマグネツト台のマグネ
   ツト上面に渡し、マグネツト台の前進端で上昇
   し、マグネツト上面からブランク材をその上面に
   受けとるビームとを具備することを特徴とするプ
   レスにおけるブランク材搬送装置。