JPS62192297A

JPS62192297A - ステンレス鋼用フラツクス入りワイヤ

Info

Publication number: JPS62192297A
Application number: JP3342486A
Authority: JP
Inventors: Shiro Aoki; 青木　司郎; Hajime Motosugi; 本杉　元; Tatsuo Enomoto; 榎本　達夫; Kikuo Ishitsubo; 石坪　紀久雄
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1986-02-18
Filing date: 1986-02-18
Publication date: 1987-08-22

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、ステンレス鋼用溶接材料に係り、さらに詳し
くは、ステンレス鋼のＣ０２またはＡｒとＣＯ２混合の
シールドアーク溶接において、高温多湿雰囲気下であっ
ても、溶接部のＸ線性能と溶接作業性に優れる難吸湿な
ステンレス鋼用フラックス入シワイヤに関する。

〔従来の技術〕

ステンレス鋼の溶接分野においても、高能率で溶接作業
性の良いフラックス入りワイヤの使用が普及しつつある
。然るに上記ワイヤは外皮の内部に充填剤として合金剤
の他にアーク安定剤やスラグ形成剤として各種の金属酸
化物や弗化物が添加されており、その断面形状も帯鋼の
端面を突合せて管状にしたもの、帯鋼の端面を重ねて管
状としたもの、帯鋼を複雑に内部に折り込んで管状とし
たものなど様々であるが、外皮としてパイプを用いるか
、帯鋼の幅方向両縁を長手方向に沿って溶接し、内包さ
れた充填フラックスと外気との遮断を完全にしだもの以
外は、溶接時あるいは保管時などにワイヤを大気に暴露
させた際、外皮に内包された充填フラックスは外皮の合
せ目を通し大気と接触し吸湿する問題があった。この現
象は特に梅雨時など大気の湿度が９０チを超えるような
多湿雰囲気下になるほど顕著に現れ、その結果、溶接部
にビットやプローホールが発生し、Ｘ線性能を劣化させ
る原因となっていた。

ＣＯ□シールドガスを用いるステンレス鋼用フラックス
入りワイヤのビットやブローホールを防止する方法とし
て、ワイヤ中に脱酸剤を添加したり、ワイヤ中の水分や
水素を低減させる方法の他、充填剤中にＣａ　Ｆ　２、
ＭｇＦ２、Ｂ　ａＦ２、ＡｔＦ、、ＮａＦ、ＫＦなどの
金属弗化物を添加することが有効であることは既に一般
に知られており、例えば特開昭５６−８６６９９号公報
にＣａＦ２、Ｎａ５ＡｔＦ６、ＭｇＦ２、ＡｔＦ３の弗
化物を添加した実施例が開示されている。

これらの方法のうち、ワイヤの吸湿が原因で発生するビ
ットやブローホールは、脱酸剤を添加しても防止出来ず
、またワイヤを乾燥し、水分を除去する方法でも、充填
剤中の酸化物や弗化物が吸湿し易すければ、ワイヤ外皮
の合せ目を通して吸湿し、すぐに再乾燥が必要となる。

フラックス入りワイヤは通常、熱に弱い合成樹脂製のス
プールに１２．５ｋｙを最小重量単位として巻かれてい
るため、ワイヤの再乾燥が極めて困難な上、１２．５ｋ
ｌ？巻のワイヤを連続的に溶接しても、全量使用するま
でには、長時間を要するので、完全にシールド包装され
たワイヤであっても、開封後溶接中に吸湿する問題があ
る。

この様に吸湿したワイヤは、アーク雰囲気中の水素分圧
を高め、溶融金属への水素の溶解を促進して、ビットや
ブローホールの発生を助長することになり、公知の従来
方法においては、高温多湿な、所謂大気中の水蒸気圧の
高い雰囲気下においても、難吸湿で溶接部のＸ線性能に
優れた、しかも溶接作業性が良好なステンレス鋼用フラ
ックス入りワイヤを得ることは極めて困難であった。

〔発明が解決しようどする問題点〕

本発明の目的とするところは、前述の問題点に鑑み、ス
テンレス鋼のＣＯ２またはＡｒとＣＯ２混合のガスシー
ルドアーク溶接において、高温多湿な雰囲気下であって
も、ワイヤの長期放置が可能な難吸湿タイプのワイヤで
ある。即ち、ワイヤの長手方向に合せ目を有しながら溶
接部にビットやブローホールを発生せずＸ線性能が良好
、かつ下向、横向、水平すみ肉立向の全姿勢溶接の作業
性に優れるステンレス鋼用フラックス入りワイヤを提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、ワイヤ長手方向に合せ目を有する外皮の内部
に充填するフラックス中に吸湿、Ｘ線性能および溶接作
業性を考慮して、各種の弗化物から特ＫＫ２ｚｒＦ６、
Ｋ、ＺｒＦ、　、Ｎａ２ＳｉＦ６、Ｋ２ＳｉＦ６、ＫＢ
Ｆ４を選択し、積極的に適量添加させることによって、
３０℃、９０チの雰囲気下でもワイヤの難吸湿性を損う
ことなく、溶接金属のＨ量を減少し、Ｘ線性能を向上さ
せる性質と同時に、溶接作業性にも優れた効果を発揮す
る性質を兼ね備えており、他の弗化物の添加効果からは
得る事の出来ない特有なものが得られるとの結論を見い
出した。

しかし、上記弗化物を適量添加させたワイヤであっても
、ＫＦとＮａＦやその他の弗化物、あるいはＮａやＫの
酸化物も適量に添加することにより、吸湿性の増大によ
るＸ線性能の劣化、もしくはスパッタ発生量の著しい増
加の、どちらかの常置を来たす事になるので、これら成
分の添加量をそれぞれ規制する事とした。

本発明は、以上の様な相乗効果によればＣＯ２またはＡ
ｒとＣＯ２の混合ガスシールドアーク溶接において、高
温多湿雰囲気でも難吸湿で溶接部のＸ線性能や全姿勢溶
接の作業性が良好なワイヤの長手方向に合せ目を有する
ステンレス鋼用フラックス入りワイヤが得られるという
知見によるものである。

本発明の要旨は、ステンレス鋼を管状に成形した外皮内
の充填フラックス中に、ワイヤ全重量比で、Ｋ２ＺｒＦ
６、Ｋ、ＺｒＦ、　、Ｎａ２ＳｉＦ６．　Ｋ２ＳｉＦ６
、ＫＢＦ４の合計を０．３〜１．５　’１６含有し、Ｋ
ＦおよびＮａＦの合計を０，２％以下、その他弗化物の
合計を０．２チ以下、ＮａおよびＫの酸化物をＮａ　２
Ｏおよびに２ｏに換算して、その合計が０．６　％以下
にそれぞれ規制することを特徴とするステンレス鋼用フ
ラックス入りワイヤにある。なお本発明でいうチは、重
量（ｗｔ）％を意味する。

以下本発明について説明する。

〔作用〕

まず本発明にいうフラックス入シワイヤは、第１図（イ
）、（ロ）、ｆ′９にその一例を示すように、ステンレ
ス鋼の帯鋼を管状に成形した外皮１の内部に充填フラッ
クス２を充填し、ワイヤ長手方向に合せ目３があるもの
である。

なお、外皮の形状は第１図以外に帯鋼を外皮として用い
て、帯鋼を複雑に内部に折シ込んで管状とした形状など
、種々の形状とすることは、本発明の趣旨を損うもので
はない。

次に充填フラックスの成分範囲限定理由を述べる。

Ｋ２ＺｒＦ６．　Ｋ、ＺｒＦ、　、　Ｎａ、５ＩＦ６、
Ｋ２Ｓ　ｉ　Ｆ６、ＫＢＦ４はアークの安定性を良好に
し、スノ４　ツタ発生量も少なく、スラグの流動性やは
くシ性を良くする。

またＸ線性能も向上させ、しかも吸湿性が小さいので、
高温多湿な雰囲気になっても、Ｘ線性能への効果が優れ
ている。しかし、これらの効果は合計０．３チ未満では
発揮されず、１．５　％を超えると急激にスパッタが多
発するので、０．３〜１．５チに制限する。

ＫＦやＮａＦも上記弗化物と同様な溶接作業性が得られ
るが、高温多湿な雰囲気になると著しく吸湿し易い点で
性質を異にし、同類の弗化物とは扱えず、これらの弗化
物の合計が０．２％を超えるとＸ線性能が劣化するので
、０．２　％以下に規制する。

さらに前記した以外の、その他の弗化物とはｃａｒ２．
　ＭｇＦ２、Ｂ　ａＦ２、ＡｌＦ２、ＬＩＦ　、　Ｎａ
５ＡｔＦ６などを指し、これらの弗化物は水素低減効果
があるものの、０．２％を超えると、アークを不安定に
してスノク、夕を多発させるので０．２　％以下に規制
する。

ＮａおよびＫの酸化物とは、カリ長石、ソーダ長石、チ
タン酸カリ、チタン酸ソーダあるいは重クロム酸カリな
どの中のＮａ２Ｏおよびに２Ｏを指し、これらの成分は
、いずれも、アークの安定性を向上させ、吹付は状態が
ソフトになり、スミ４ツタ量を減少し、スラグのはくシ
性も向上する反面、吸湿性を有し、高温多湿雰囲気にな
ると、ピットやブローホールの発生を助長し、Ｘ線性能
を劣化させるので、前記各複合酸化物中のＮａ　Ｏおよ
びに２Ｏへの換算値合計を０．６チ以下に規制する。

本発明の構成は上記した通りであるが、その他スラグの
被包性、アークの安定性、スラグのはくシ性向上、塩基
度調整などのためＴｉＯ２、Ｚ　ｒＯ２％５１０２、Ａ
Ｌ２Ｏ３、ＭｇＯ、ＣａＯなどの酸化物と溶着金属の成
分調整のために、Ｍｎ　、　Ｃｒ　、　Ｎｉ　、　Ｍｏ
、　Ｎｂなどを添加出来る。

外皮はオーステナイト系あるいはフェライト系ステンレ
ス鋼を用い、オーステナイト系ステンレス鋼はＣｒ１６
〜２８チ、Ｎｉ　７〜１５チを主成分として、用途によ
Ｆ）　Ｎｏを１．２〜６％、Ｃｕｔ　〜２．５％をそれ
ぞれ単独および両方を含有し、且つＭｎ　２．５チ以下
、Ｓｉ　２チ以下、Ｐｏ、０４０’１以下、８０．０３
０−以下を含有するものである。

また、フェライト系ステンレス鋼はＣｒ　１１〜２７、
５　％を主成分とし、用途によりＭｏ　０．７５〜２．
５％、Ｔｉ％Ｚｒ、Ｎｂを単体または組合せでｏ、ｉｏ
〜１．００１をそれぞれ単独および両方を含有し、且ツ
Ｍｎ　１．０　％以下、Ｓｉ１．０％以下、Ｐｏ、０４
０％以下、８０．０３０％以下を含有するものである。

ここで本発明のステンレス鋼フラ、クス入りワイヤの製
造手段について言及すると、例えば外皮を帯鋼により成
形する場合、配合、攪拌した充填フラックスをＵ形に成
形した溝に満たした後、丸形に成形し、所定のワイヤ径
まで伸線し、その間の加工硬化の除去など必要に応じて
熱処理を施し、ワイヤの仕上げ梱包を行なう前に、充填
フラックスの水分や外皮中の水素あるいは外皮表面に付
着した油脂類などを除去する目的で１００〜ＳＯＯ℃で
乾燥するものである。

以下に本発明の効果を実施例により、さらに具体的に述
べる。

〔実施例〕

第１表に外皮とするステンレス鋼の化学成分を示す。

第２表に外皮と充填フラックスの組合せによるフラック
ス人シワイヤの組成を示す。

外皮の形状および寸法は、肉厚０．２　ｍ　、幅８電の
帯鋼を外径１．８〜２．６簡φに成形した外皮を用い、
フラックスを充填後、最終ワイヤ径の１．２■φに伸線
した。

第３表に母材の化学成分を示す。板厚は１２ｍである。

第４表に第２表のフラックス入りワイヤと第３表の母材
を用いて行なった下向溶接作業性試験結果、立向上進溶
接作業性試験結果、溶接金属の化学成分、溶接継手部の
Ｘ線透過試験結果とワイヤの吸湿槍測定結果を示す。

なお、下向溶接作業性試験は、ワイヤ径１．２閣φを用
い、溶接電流２Ｏ０Ａ、溶接電圧３０Ｖ、溶接速度３０
　ｉｉｎ　、電源は、直流定電圧、極性は棒０→、突出
し長さが２Ｏ■、シールドガスはＣｏ２ガス流ｉ　２Ｏ
４／１ｍ１ｎ　、バス間温度は１５０　’Ｃ以下とし７
、第２図に示す開先を溶接して試験した。

第２図において、板厚ｔ−１２１、開先角度θ＝６０°
、ルートフェースｆ　＝　２　ｍ　、この時のルートギ
ャップｇ＝２ｍ、ｂはバッキング材で初層の裏ビードを
良好に形成させるために用いた。

立向溶接作業性試験は、ワイヤ径１．２　ｔｍｓφを用
い、溶接電流１４０Ａ、溶接電圧２５ｖ、溶接速度６〜
８　ｃｎｉ／ｒｍｉｎ　、電源は直流定電圧、極性は棒
（ト）、シールドガスはＣＯ２ガス流量２Ｏ４／ｒｎｉ
ｎ　、突出し長さは１５〜２Ｏｍとし、第２図に示す開
先を溶接して行なった。

溶接金属の化学成分は第２図の開先形状において、前記
の下向溶接作業性試験の条件で溶接し、室温まで空冷後
、第３図に示す位置より試料りを採取し、分析した。

溶接継手部のＸ線透過試験は第２図の開先形状において
、前記の下向溶接作業性試験の条件で溶接し、ＪＩＳ　
Ｚ　３１０６に準じて判定した。

ワイヤの吸湿ＭｋＳは、４００℃で１時間乾燥したワイ
ヤを室温まで炉冷後、室温３０℃、湿度９０％に制御し
た恒温恒湿室内に３日間放置し、サンプリングしたワイ
ヤにおいて、重量Ｗ１を測定し、そのサンプリングワイ
ヤを４００℃で１時間再乾燥後、その時のワイヤ重ｊｉ
ｌＷ２を測定して、（１）式より求めた。

１１間［ＩＵ６２−１９２２９７（１３）フラックス人
シワイヤ記号Ａ１〜５，２５〜２７は比較例であり、扁
６〜２４は本発明である。

第４表の結果から明らかなように、Ａ１と２６のワイヤ
は充填フラックス中のに２ＺｒＦ６．　Ｋ５ＺｒＦ、、
Ｎａ２ＳｉＦ６、Ｋ２Ｓ１Ｆ’６、ＫＢＦ４の合計量が
０．３％未満のため、アークの安定性、スパッタの発生
量、スラグのはぐり性が悪い。また溶接金属のＨ量が高
く、Ｘ線性能も悪い。

Ａ２と２５のワイヤはＫＦおよびＮａＦの合計量が０．
２％を超えており、ワイヤの吸湿量や溶接金属のＨ量が
高く、Ｘ線性能が悪い。

Ａ３と２７のワイヤは、その他の弗化物であるＣａＦ２
．　ＭｇＦ’２、Ｂ　ａＦ　２、ＡｌＦ２、Ｌ　Ｉ　Ｆ
　ｓ　Ｎａ　５ＡＺＦｂの合計量が０．２チを超えてお
り、アークが不安定でスパッタ量が多い。

扁４のワイヤはＮａとＫの酸化物をＮａ　２Ｏおよびに
２Ｏに換算して、その合計量が０．６％を超えており、
ワイヤの吸湿量や溶接金属のＨ量が高く、Ｘ線性能が悪
い。

Ａ５のワイヤはに２ＺｒＦ６．　Ｋ３ＺｒＦ、、Ｎａ２
ｓＩＦ６、Ｋ２ＳｉＦ６、ＫＢＦ４の合計量が１．５チ
を超えているため、スノヤツタ発生量が多過ぎる。

これに対して、本発明になるＡ６〜２４のワイヤは、い
ずれも下向および立向姿勢の溶接作業性が良好で、しか
も、ワイヤが難吸湿であり、溶接金属のＨ量も低く、良
好なＸ線性能が得られた。

なお、第４表はＣＯ２シールドガスを用いた結果でちる
が、他にＡｒ＋２ＯチＣＯ２のシールドガスを用いても
、４６〜２４のワイヤは第４表と同様に良好な結果を示
した。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明におけるフラックス入りワ
イヤは、外皮内部の充填フラックス中にに２ＺｒＦ６．
　Ｋ３ＺｒＦ７、Ｎａ２５ｔＦ６、Ｋ２ＳｉＦ６、ＫＢ
Ｆ４を適量添加させ、　ＫＦおよびＮａＦどその他の弗
化物の添加量を規制し、またＮａ４’にの酸化物をＮａ
　２Ｏとに２Ｏに換算し、その添加量も規制することに
よって、これら成分の相乗効果から、ステンレス鋼のＣ
Ｏ２シールドアーク全姿勢溶接において、良好な作業性
とＸ線性能に優れた良好な溶接部が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）、（ロ）、（ハ）はフラックス入りワイヤ
の形状例を示す断面図、第２図は下向および立向溶接作
業性、溶接金属の分析、Ｘ線透過試験用の開先形状を示
す図、第３図は溶接金属の分析試料採取位ｆｕを示す図
である。１・・・外皮、　　　　　　２・・・充填フラックス、
３・・・合せ目、　　　　　４・・・母材、５・・・溶
接金属、　　　ｔ・・・板厚、θ・・・開先角ｉ、　　
　　ｆ・・・ルートフェース、ｂ・・・パッキング材、
　ｇ・・・ルートギャップ、ｈ・・・分析試料。第１図（イ）　　　　　　　　　　（ロ）　　　　　　　　　
　　（ハ）第２図Ｔルートキ゛マ・・／ア第３図　　４：分Ｍｒ＠式科

Claims

【特許請求の範囲】

　ステンレス鋼を管状に成形した外皮内の充填フラック
ス中に、ワイヤ全重量比で、Ｋ＿２ＺｒＦ＿６、Ｋ＿３
ＺｒＦ＿７、Ｎａ＿２ＳｉＦ＿６、Ｋ＿２ＳｉＦ＿６、
ＫＢＦ＿４の１種以上の合計が０．３〜１．５％含有し
、ＫＦおよびＮａＦの合計を０．２％以下、その他弗化
物の合計が、０．２％以下、ＮａおよびＫの酸化物をＮ
ａ＿２ＯおよびＫ＿２Ｏに換算して、その合計が０．６
％以下にそれぞれ規制することを特徴とするステンレス
鋼用フラックス入りワイヤ。