JPS6219195B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子ミシンのボタンホール縫い制御装
置、特に電子速度制御を用いる電子ミシンにおい
て、この速度制御装置の速度検出信号を用いボタ
ンホール縫い時のホール長を決定するための針目
数制御を構成した電子ミシンに関する。

従来から用いられているボタンホール縫いのホ
ール長を決定する方式の中で縫い目毎にパルスを
発生する同期パルスを計数することにより、記憶
した縫い目数と、パルス計数を比較した信号によ
りミシンモータ駆動停止をしたり、または模様選
択を行つて、同一大きさのボタンホールを形成す
る装置を有したものがあつた（参照特許公告昭54
―88443）。すなわち、従来のものは第１図に示す
如く、縫い目毎に発生する同期パルス発生器を針
棒近傍に設け、それを計数記憶する装置を備えた
ものである。第１図において、ブロツクＡは針棒
１に同期したパルス３を発生する同期パルス発生
器２を有する縫い目数制御部にして、発生した同
期パルスを計数する計数器４と、ボタンホール長
に相当する計数値を記憶する記憶器５が設けられ
て、これら各々の記憶値６と記憶数値７はこれら
を比較する比較器８に入力され一致信号９の発生
させる。また、ブロツクＢは、ミシンモータ制御
部にして、ミシンモータ１１は針棒と一定比で機
構的に連結駆動されると共にその速度制御はミシ
ンモーター１１に直結された速度検出信号発生器
１２よりの信号１３を速度検出回路１５で検知
し、速度制御部１６の出力で駆動部１４により行
われる。又ミシンモーター１１の駆動停止信号１
７は速度制御部１６へ入力される。

ブロツクＣは、模様発生部にして、多模様１８
を発生させるもので、模様発生機構１９と、これ
を選択する選択回路２０を有し、かつ任意の模様
を選択する選択信号２１にて構成される。そし
て、これらＡ，Ｂ，Ｃの３ブロツクによる計数器
４の同期パルス計数値、比較器８の一致信号、記
憶器５の記憶値設定信号１０、速度制御部１６へ
のモータ駆動停止信号及び選択回路２０の模様選
択信号を用いて、同一の大きさのボタンホールを
形成可能にするのが主制御部２２である。

次に主制御部２２であらかじめ記憶器５に設定
されたボタンホールを形成するタイムチヤートを
第２図に示す。

先ず主制御部２２から速度制御部１６へ入力さ
れる駆動停止信号１７によりミシンモーター１１
が駆動されて針棒１が上下する。この針棒１の上
下動により発生する同期パルス３を計数器４が計
数して、この値が記憶器５の値Ｎと一致するまで
動作する。この一致信号９が発生後ミシン駆動を
駆動停止信号１７により停止しボタンホールを形
成する他の模様１８を模様発生機構１９と選択回
路２０を介して選択する。選択後は再度駆動停止
信号１７でミシンモータ１１が駆動されると共に
針棒１が選択信号２１にて選択されたボタンホー
ルを形成する模様を設定針目数まで縫いを行う。

第３図は、第２図のタイムチヤートにおいてミ
シンモータ１１の駆動中の詳細なタイムチヤート
を示したもので、一般にAC電源（交流電源）に
よるミシンモーター１１の速度制御を位相制御で
行う場合を示している。

このタイムチヤートからも分る様に、駆動電圧
（位相制御）で、ミシンモーター１１の駆動中は
同期パルス３′が発生すると同時に速度検出信号
が発生している。したがつて、この種従来の方式
ではこれらの２つの信号を同時処理することが必
要で、各々独立した信号発生装置および計数器等
が必要である。又一方、これらを設けなくてマイ
コン制御する場合は、同時処理が必要で、プログ
ラムが高速処理を要求されかつ複雑になる欠点が
あつた。

本発明は、上記従来の欠点を除去すべく、極め
て簡単な構成の制御装置を提案して、電子ミシン
の縫い目数制御および位置決め制御装置を提供せ
んとするもので、本発明では、電子速度制御を用
いる電子ミシンにおいて、上記の縫い目毎に発生
する同期パルス発生器や、これを計数する計数器
を有することなく電子速度制御装置において基本
的に有している速度検出信号を用いて、縫い目数
制御を行いボタンホール長を決定しようとするも
のである。すなわち、本発明にかゝる電子ミシン
のボタンホール縫い制御装置は、ミシンモータの
速度を検出する信号発生器の速度検出信号をミシ
ンモータと一定比で連続駆動される針棒とミシン
モータ軸の連結比に応じてキヤリーアツプするＲ
進計数器を備え、かつ該Ｒ進計数器の計数値とボ
タンホール長に相当する計数値を記憶した記憶器
の出力とを比較して主制御部へ送る比較器を備
え、さらに主制御部へ投入した選択回路の模様選
択信号に応じて上記ミシンモータの設定針目目数
縫値を制御する速度制御部を備えてなることを特
徴とするもので、針目数制御を縫い目毎にパルス
が発生する同期パルス発生器やこれを計数する計
数器が不要であり、速度制御装置に構成される速
度検出信号や、速度検出装置等を利用し縫い目数
が制御できる。また、本発明は最近のマイクロコ
ンピユーターを用いた電子ミシンにおいて、速度
制御もマイコンで実施する場合、モーターの速度
制御処理を行いながら同期パルスの計数を行うこ
とは処理時間の都合上無理が生じるのを改善でき
る。

以下、本発明を図面に示す一実施例について詳
細に説明する。

第４図において、ブロツクＣの模様発生部は第
１図のブロツクＣと同様であり、縫い模様１８を
発させる模様発生機構１９と、選択回路２０とよ
りなり、選択回路２０の選択信号２１は主制御部
２２より入力される。また、ブロツクＢのうち
で、ミシンモータ１１に速度検出信号発生器１２
が設けられ、該発生器１２の信号１３を速度検出
回路１５で検出し、速度制御部１６の出力で駆動
部を介してミシンモータ１１の駆動を制御し、か
つ主制御部２２からミシンモータ１１の駆動停止
信号１７が速度制御部１６へ入力されるようにし
た構成は第１図のブロツクＢと同様である。しか
し、本発明では第４図に示す如く、ブロツクＡに
おいては、ミシンモーターと一定比で連結駆動さ
れる針棒１のみがあるまた、ブロツクＢにおける
モータ速度制御部に従来方式に比べ次の部分が追
加されている。すなわち、速度検出信号発生器１
２からの速度検出信号を計数し、針棒１とミシン
モーター軸の連結比Ｒで、キヤリーアツプするＲ
進計数器２３を備えると共に該Ｒ進計数器２３か
らキヤリアツプパルス２４を計数する計数器２５
を備える。また、主制御部２２に接続した記憶器
２６からの記憶値２８を比較器３０に受けて、該
比較器３０で記憶値２８と計数器２５の計数値と
が一致した時にその一致信号３１を主制御部２２
へ送る一方、主制御部２２から記憶値設定信号２
９を記憶器２６へ送るようにした構成はブロツク
Ｃの模様選択部と同様に第１図のものと同様であ
る。

また、上記の如き構成よりなる主制御部２２の
動作タイムチヤートは大略第１図のものと同様で
あるが、本発明のものでは同期パルスが無い為、
これと同等のキヤリーアツプ信号２４のパルスを
発生させる詳細タイムチヤートを第５図に示す。
すなわちミシンモーター１１がAC電源の駆動電
圧（位相制御）で駆動されると速度検出信号１３
が発生しこれをＲ進計数器２３でキヤリーアツプ
信号２４を発生させ、これを計数器２５にて計数
してのち記憶器３０に予め記憶させたボタンホー
ル長に相当する計数値とキヤリーアツプ信号２４
を比較することにより一致信号３１を発生させる
ことができる。

上記の如き構成よりなる本発明の制御装置で、
実際のボタンホール縫いを、第４図にて説明する
と、先づ模様選択部３２にて、ボタンホール模様
３５を選択する。そして、ミシンモーター速度操
作部（一般にフツトコントローラー）３７を動作
させ、ミシンモーター１１を回転させ針棒１によ
りボタンホール縫いの左側半分を必要な長さ（目
数）まで縫う。（第６図Ａ）。

次に試し縫いを指示する操作キー３３にて反対
側のボタンホール３６に切換えて、右側半分を必
要な長さまで縫う（第６図Ｂ）。

ここでこの試し縫いが満足できるホール長であ
れば、記憶指示する操作キー３４にて第６図Ａ，
Ｂの針目数を記憶させる。なお、針目数Ｎは前半
と後半で異つてもよい。

針目数を記憶させると模様選択は３５，３６と
も表示し、模様パターン第６図Ａ，Ｂを自動的に
縫える状態になる。ここで、フツトコントローラ
ーを踏むと記憶針目数Ｎと一致するまで縫い自動
停止する、この過程において、本発明の機能が働
くのである。

そして、自動停止後、選択信号２１が出力され
後半のボタンホールが選択され、後半記憶針目数
まで縫いフツトコントローラーを踏んだ状態でも
自動停止する。

上記の如く、本発明にかかる制御装置は、速度
検出信号以降の計数器、記憶器、比較器を独立構
成で示しているが、これらはマイコンによりブロ
ツクＢのモータ駆動回路と、ブロツクＣの模様発
生機構を除き容易に構成ができる。

すなわち、本発明にかかる電子ミシンの縫い目
数制御および位置決め制御装置は上記の縫い目毎
に発生する同期パルス発生器や、これを計数する
計数器を有することなく電子速度制御装置におい
て基本的に有している速度検出信号を用いて、縫
い目数制御を行い、ボタンホール長を決定しよう
とするものである。

したがつて本発明の制御装置は、針目数制御を
縫い目毎にパルスが発生する同期パルス発生器や
これを計数する計数器が不要であり、速度制御装
置に構成される速度検出信号や、速度検出装置等
を利用し、縫い目数が制御できるものであり、か
つこのような速度制御装置をマイコンで実施する
場合にモーターの速度制御処理を行いながら同期
パルスの計数を行うことは、処理時間の都合上、
無理が生じるのを改善できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のブロツク説明図、第２図及び
第３図は第１図の波形図、第４図は本発明にかか
る制御装置のブロツク図、第５図は第４図の波形
図、第６図Ａ，Ｂはボタンホール縫いの説明図で
ある。 １……針棒、１１……ミシンモーター、１２…
…速度検出信号発生器、２３……Ｒ進計数器、２
５……計数器、３０……比較器、２２……主制御
部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ミシンモータの速度を検出する信号発生器の
   速度検出信号を計数してミシンモータと一定比で
   連結駆動される針棒の縫い作動に同期した信号を
   作成するＲ進計数器を備え、かつ該Ｒ進計数器の
   計数値とボタンホール長に相当する計数値を記憶
   した記憶器の出力とを比較して主制御部へ送る比
   較器を備え、さらに主制御部へ投入した選択回路
   の模様選択信号に応じて上記ミシンモータの設定
   針目目数縫値を制御する速度制御部を備えてなる
   ことを特徴とする電子ミシンのボタンホール縫い
   制御装置。