JPS621889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、育苗室や組立式育苗器に対して適度
の温度と適度の湿度を与えるために用いられる育
苗用加温加湿装置に関するものである。

周知のごとく理想的な育苗のためには適度な温
度と適度な湿度の雰囲気を作つてやることが必要
である。これを実現するため耐熱性保温カバーに
よつて育苗室を構成してその中に育苗棚を適当な
間隔をもつて設置し、育苗箱を収納すると共に育
苗室内に、シーズヒータを投入した水盤などを設
置して蒸気を発生させる方式が考案された。

しかし、この方式の装置は可搬性に乏しく、
個々の機器の設置が面倒であり、育苗室内の温
度・湿度が不均一になるという欠点があつた。
又、育苗室や育苗器内下部にヒータを設けるた
め、育苗箱の搬入・搬出に際して足下の邪魔にな
るという欠点もあつた。

したがつて本考案の目的は、かかる欠点を除去
し、集約化できて可搬性があり、設置も容易であ
つて育苗室内の温度・湿度を大幅に均一化し得る
育苗用加温加湿装置を提供することにある。

この目的を達成するために本考案は、フアンと
このフアンの吐出側に形成された絞り部を有する
送風管と、この送風管内に配置されたヒータと、
前記送風管の側壁を貫通して導入され、前記絞り
部に開口する霧吹きノズルと、この霧吹きノズル
に供給する水を溜めておくために少なくとも前記
絞り部の周りに設けられた貯水室と、育苗室内の
温度もしくはその近似温度を検出する温度センサ
ーと、この温度センサーによつて検出される温度
が所定値を超えないように前記ヒータを制御する
手段とを備えて成る育苗用加温加湿装置を構成し
たものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細に
説明する。

第１図は本考案の一実施例を示すものである。
モータ２によつて駆動されるフアン３（例えばシ
ロツコフアン）は送風管４の中に配置されてい
る。送風管４の吸込側には吸込口５が設けられ、
吐出側にはフアン３の収納部よりも相当狭い絞り
部６が形成されている。絞り部６は図示していな
い育苗室の吸入口に連通され、吸込口５は循環式
の場合はその吐出口に連通され、非循環式の場合
は例えばフイルタを介して大気中に開放される。

送風管４の下方には貯水室７が配置されてい
る。送風管４の側壁を貫通して霧吹きノズル８が
設けられ、その吸水口は貯水室７の底面近くに開
口し、他端すなわちノズル先端は絞り部６内に開
口している。ノズル８にはこの中を通る水と、こ
の周囲を通る空気を加温するための防水型ヒータ
９、例えばシーズヒータが熱的に密着して配置さ
れている。

図示していない育苗室内の温度またはその近似
温度を検出するための温度センサー１０が設けら
れ、その検出温度に基づいて例えば育苗室温度が
30℃を超えないように温度制御器１１を介してヒ
ータ９を制御する。

貯水室７は絞り部６の周りのデツドスペースを
有効利用して構成するのがよく、そこだけでは不
足する場合にはじめて図示のごとく送風管４全
体、さらにはモータ２を含めた装置全体の下部ス
ペースを利用して構成すればよい。

第１図の装置構成によれば、ノズル８内で予熱
された水が絞り部６の急速な空気流により周知の
霧吹きの原理によつてノズル先端から霧となつて
吹出され、ヒータ９によつて加熱された空気と共
に図示していない育苗室に供給される。これによ
り育苗室への加温・加湿が行われる。

なお図示はしていないが、ノズル８からの霧吹
き量が不足する場合には、貯水室７側から附加的
にポンプ、超音波発生手段、あるいは遠心力発生
手段などにより、より積極的に給水するようにす
ればよい。

第２図は本考案の他の実施例を示すものであ
る。ここでは貯水室７は絞り部６の周りのデツド
スペースのみに設けられ、ヒータ９はノズル８か
ら離して送風路に関してノズル８の上流側に配置
されている。この構成によつても育苗室への加
温・加湿を行い得ることは明らかである。

両実施例とは異なり、ヒータ９は図示のものの
代りに、またはそれのほかに霧吹きノズル８より
も下流側に配置してもよい。

以上述べたように本考案によれば、育苗に必要
な熱源、湿度供給源およびフアンを集約化して可
搬性のあるものに構成できるので設置や移動が容
易であり、育苗室内の温度・湿度を大幅に均一化
することができる。

なお、本考案の装置はコンパクトに構成できる
ので、これを育苗室の中に配置しても大して蛇魔
になることはない。

又、育苗室内に湿気を含んだ温風を送り込め
ば、相対的に冷たい外気と接する保温カバー内面
に結露が生ずる。この結露によつて生じた水滴は
育苗室の底部に流下するので、これを集めると共
に、ここよりも相対的に低い所に本考案の装置を
設置し、前者と後者の貯水室１０との間をリター
ンパイプを介して連通しておけば、育苗室内の結
露によつて生じた水分を加湿のために再利用で
き、水の有効利用および水の補給という両方の観
点から都合がよい。

さらに又、貯水室７に対して、別置の予備タン
クを追加設置できるようにしておけば長時間運転
などの場合に便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の異なる実施例を
示す縦断面図配置図である。 ２……モータ、３……フアン、４……送風管、
５……吸込口、６……絞り部、７……貯水室、８
……霧吹きノズル、９……ヒータ、１０……温度
検出器、１１……温度制御器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ フアンと、このフアンの吐出側に形成された
   絞り部を有する送風管と、この送風管内に配置
   されたヒータと、前記送風管の側壁を貫通して
   導入され、前記絞り部に開口する霧吹きノズル
   と、この霧吹きノズルに供給する水を溜めてお
   くために少なくとも前記絞り部の周りに設けら
   れた貯水室と、育苗室内の温度もしくはその近
   似温度を検出する温度センサーと、この温度セ
   ンサーによつて検出される温度が所定値を超え
   ないように前記ヒータを制御する手段とを備え
   て成る育苗用加温加湿装置。 ２ 前記ヒータが前記送風管内において前記霧吹
   きノズルに密着して設けられている実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の育苗用加温加湿装
   置。 ３ 前記霧吹きノズルは、前記貯水室から霧吹き
   の原理によつて吸水すると共に、貯水室に設け
   られたポンプ、超音波発生手段あるいは遠心力
   発生手段によつて附加的に給水される実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の育苗用加温加湿
   装置。