JPS62182257A - 成形加工用硬質アルミニウム合金圧延板の製造方法 - Google Patents

成形加工用硬質アルミニウム合金圧延板の製造方法

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JPS62182257A
JPS62182257A JP2525286A JP2525286A JPS62182257A JP S62182257 A JPS62182257 A JP S62182257A JP 2525286 A JP2525286 A JP 2525286A JP 2525286 A JP2525286 A JP 2525286A JP S62182257 A JPS62182257 A JP S62182257A
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深田 和博
Masafumi Mizouchi
政文 溝内
Takeshi Kajiyama
毅 梶山
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は強度が要求される成形加工品に使用される硬
質アルミニウム合金圧延板の製造方法に関し、特にアル
ミニウム2ピースD/I缶缶胴材や缶蓋材、必るいは王
冠、キャップ缶、そのほか深絞り加工や再絞り加工によ
り成形される食缶用アルミニウム合金材等に適した、成
形加工時における耳率の低い硬質アルミニウム合金圧延
板の製造方法に関するものでおる。
従来の技術 従来一般にアルミニウム2ピースD/I缶缶胴材にはJ
IS規格規格30金4 はH39材、また缶蓋材には5052052合金860
86合金82182合H2S材もしくはH2S材、王冠
材やキャップ材には3003003合金6材や3105
105合金8材もしくはH26 vJ、アルイハ5’Q
 5 2合金のH2S材、深絞り缶やDRD (絞り一
再絞り)食缶用材には5052052H2S材もしくは
H2S材おるいは5042042H2S材が多く用いら
れている。これらのアルミニウム合金の成形用硬質材の
製造過程においては、再結晶によって圧延性、成形性、
強度を調整するために中間板厚で熱処理(中間焼鈍)を
行なうのが通常であるが、このような調質を目的とした
焼鈍の具体的方法としては、従来は一般に箱焼鈍炉を用
いたバッチ式焼鈍を採用している。
このバッチ焼鈍では、昇温速度が20〜50℃/hrと
極めて遅いのが通常でおる。
ところで前述のような用途においては、成形加工時にお
ける耳の発生が少ないことか必要でおり、耳率が高けれ
ば材料歩留りが低下して材料ロスト増大を招くばかりで
なく、成形加工装置におけるツーリング上のトラブルも
発生する。そこでこれらの用途のアルミニウム合金圧延
板の製造過程においても成形加工に惧せられる最終板の
方向性を少なくして成形加工時の耳率を少なくするため
の対応策が種々とられているか、いずれにしても前述の
ような昇温速度が悼めて遅い徐速焼鈍を前提とした対策
でめった。
発明か解決すべき問題点 近年に至り、生産性向上やコストダウン、品質面上等の
観点から、バッチ焼鈍に代わり連続焼鈍が採用されるよ
うになっている。連続焼鈍は、連続的にコイルを巻戻し
ながら加熱・冷却を行なうものであり、従来の一般的な
バッチ焼鈍と比較して昇温速度が速いこと、また比較的
高温に到達させ易いこと、さらに冷却速度が速いことが
特徴である。このような連続焼鈍を適用した場合、合金
組成によっては、従来のバッチ式焼鈍を前提とした耳率
低減策では、成形加工に供せられる最終板の耳率が従来
と比較して極端に高くなり、材料歩留りの低下や成形加
工上のトラブルを招くことがある。
すなわち、純アルミ系の1 050合金や1100合金
のようにFe,3iの最が不純物量程度でおる場合には
、Feの固溶量が比較的高くかつ中間焼鈍前の冷間圧延
率が高い場合のみ耳率が高い問題が生じるから、その問
題が生じないように製造することは比較的容易であり、
また5052052合金うに添加遷移金属であるcrの
拡散係数が極めて遅い場合でかつその添加量も少ない場
合にも問題が少ない。これに対し、l”e,3i、Mn
が同時に添加されている合金、例えば3003003合
金04004合金42042合金86086合金821
82合金合には、Mnが主体の不溶性化合物が鋳造およ
び鋳塊熱処理時に必ずアルミマトリックス中に析出分散
してくる。この析出物は、焼鈍時にも残存し、特に連続
焼鈍のように比較的高温に短時間で到達させる焼鈍の場
合には、その析出物が、多数発生した再結晶核の成長を
抑制する作用を果たし、結果的に焼鈍後の再結晶組織が
45°方位の残存の強い組織となってしまい、所要の硬
さを得るための焼鈍後の冷間圧延においてさらに45°
方位が強く発達し、成形加工時における耳率の高い材料
になってしまう問題を招く。しかるに従来はこのような
Mnを主体とする不溶性化合物が析出する系の合金につ
いて連続焼鈍を適用した場合に、耳率を小さくするため
の具体的方法は確立されていなかったのが実情でおる。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、M
n, Fe,3 rを同時に添加した成分系のアルミニ
ウム合金において、連続焼鈍を適用した場合に従来のバ
ッチ式焼鈍を適用した圧延板と同程度もしくはそれより
低い耳率を有し、かつ成形性も劣らないアルミニウム合
金圧延板を製造する方法を提供づることを目的とするも
のでおる。
問題点を解決するための手段 本願の第1発明の成形加工用硬質アルミニウム合金圧延
板製造方法は、重量%で3i0.05〜0.60%、M
n  0.20〜1.3%、Fe0.20〜13%を含
有し、残部かA1および不可避的不純物よりなるアルミ
ニ[クム合金を素材とし、そのアルミニウム台金鋳塊中
の無析出物帯の領域が鋳塊断面の平均面積率で60%以
上を占めるように加熱調整した後、所要の板厚となるま
で圧延し、続いて0.5℃/ SeC以上の昇温速度で
450 ℃以上の温度域まで加熱して、直ちにもしくは
60秒以内の時間保持してから急速冷却し、さらに圧延
率20%以上の冷間圧延を施すことを特徴とするもので
ある。
また本願の第2発明の成形加工用硬質アルミニウム合金
圧延板製造方法は、重量%で3i0.05〜0.60%
、Mn 0.20〜1.3%、FCo、20〜1.3%
を含有し、さらにCu 0.10〜1.0%、MC10
,,30〜5.0%のうちの1種または2種を含有する
アルミニウム合金を素材とし、そのアルミニウム合金素
材中の無析出物帯の領域が鋳塊断面の平均面積率で60
%以上を占めるように加熱調整した後、所要の板厚とな
るまで圧延し、続いて0.5℃/ SeC以上の冷却速
度で450〜580′Cの温度域まで加熱して、直ちに
もしくは60秒以内の時間保持してから急速冷却し、さ
らに圧延率20%以上の冷間圧延を施すことを特徴とす
るものである。
作   用 本願の第1発明の製造方法においては、前述のようにM
n、 Fe、3 iを添加したアルミニウム合金につい
て鋳塊段階で無析出物帯の領域面積を調整し、中間板厚
での急速加熱、急速冷却を組合せることによって、連続
焼鈍においても安定して低い耳率を得ることが可能とな
り、その後の冷間圧延を圧延率20%以上の範囲で施し
て調質することにより、キャップ材等に適した耳率の低
い成形加工用硬質アルミニウム合金圧延板を得ることが
できる。
また第2発明の製造方法では、さらに高強度を有する硬
質アルミニウム合金圧延板を製造する場合の強化策とし
て、Cuおよび/またはMCIを添加した場合において
、前記同様にして耳率が低くしかもより高い強度を有す
るキャップ材、あるいは缶胴材、食缶材、缶蓋材等に適
した成形加工用アルミニウム合金圧延板を得ることがで
きる。
以下にさらに各発明の方法にあける作用を、成分限定理
由および各工程のプロセス条件限定理由とともに詳細に
説明する。
先ず本願各発明における成分限定理由を説明する。
この発明の主眼は、既に述べたように、従来適用してい
たバッチ式焼鈍を連続焼鈍に切替えたことによって生じ
る耳率制御技術上の問題点を、従来から使用されている
成分組成域の合金でも解消できることでおる。そこでこ
の発明においても、基不的には連続焼鈍法を適用した場
合に耳率の点で問題かおったMn、Fe、S iを添加
した系の合金を対象とし、次のようにFe、Si、Mn
を必須成分としている。
Si: 3iはFe、Mnの析出を促進し、再結晶粒の方向性を
制御するために欠くことのできない元素でおるが、0.
60%を越えて添加した場合、熱間圧延の段階でも新た
な析出を促してしまい、初期の鋳塊段階で無析出物帯を
調整した効果が薄らぐ。
一方Siが0.05%未満では析出を促進する効果自体
が小さくなり、かえって鋳塊での無析出物帯の調整が困
難となる。したがって3iは0.05〜0.60%の範
囲内とした。
Mn: Mnは強度向上に寄与するとともに成形性向上に有効な
元素である。また器材やキャップ材に用いられた場合に
は蓋のスコア一部やキャップのミシン目における引きち
ぎりが容易であることが望ましいが、Mnはこの引きち
ぎり性向上に有効である。さらに、3iやFe等の影響
で促進されるMn系不溶性化合物の析出物は、再結晶粒
の微細化や方向性の制御に極めて重要である。但し1.
3%を越えてMnを添加した場合には、3iやl”eの
添加量を制御しなければ鋳造速度が遅い場合に巨大金属
間化合物の初品が生成し、成形性が低下してしまう。一
方Mnが0.20%未満ではMnの添加効果自体が小さ
くなってしまう。したがってMnは0.20〜1.3%
の範囲内とした。
Fe : Feは3i、Mnとともに方向性の改善と再結晶粒微細
化に有効である。すなわちFeはMnの晶出および析出
を促進させる作用を有し、均熱処理と組合せることによ
って再結晶粒を微細化しかつ方向性を安定化するのに有
効でおる。但しこの発明の場合M nを必須成分として
いる関係上、Feが1.3%を越えれば巨大金属間化合
物の生成域を外して方向性の安定化を図ることが困難と
なる。一方Fcが0.20%未満では方向性改善および
再結晶粒微細化効果が充分ではなく、したがってFeは
0.20〜1.3%の範囲内に限定した。
以上の各成分の残部は、第1発明の場合は、A1および
不可避的不純物とすれば良い。
一方策2允明の場合は、より高強度が必要となる用途向
けの材料、例えば缶の胴材、食缶材、缶蓋材などに適し
たアルミニウム合金圧延板を提供するため、前述のSi
、Fe、Mnのほか、CLJおよび/またはMCIを含
有させる。これらの成分の限定理由を次に説明する。
Cu : Cuは強度を向上させるとともに、塗装焼付は後の伸び
を向上させて成形性を良好にするに有効な元素である。
但し1.0%を越えてCLJを添加した場合には、強度
は向上するものの、成形性がかえって低下してしまう。
一方Cuが0.1%未満では大幅な強度向上が望めない
ところから、CUは0.1〜1.0%の範囲内とした。
Mq: MqはQuと同様に強度向上と塗装焼付は後の伸び向上
に有効な元素である。但しMCIが0.30%未満では
用途に応じた強度を期待することができず、一方5.0
%を越えれば成形性か4塁端に低下することから、0.
30〜5.0%の範囲内に限定した。
なお通常のアルミニウム合金においては、鋳塊結晶粒微
細化のために、Ti市るいはT1およびBを微量添加す
ることが多く、第1発明および第2発明のアルミニウム
合金圧延板においても微量のTi、めるいはTiおよび
Bを含有する場合を除外するものではない。但しT1を
添加する場合、0.01%未満では鋳塊結晶粒微細化効
果が得られず、一方0.15%を越えれば初晶T 13
Alが晶出して成形性を害するから、Tiはo、 oi
〜o、15%の範囲内とすることが好ましい。また下i
とともにBを添加する場合、Bが1 ppm未満ではそ
の効果がなく、一方500ppmを越えればT ! B
2の粗大粒子が混入して成形性を害するから、Bは1〜
500ppmの範囲内とすることが好ましい。
次にこの発明における製造プロセス条件について説明す
る。
先ず前述のような成分組成を有するアルミニウム合金鋳
塊を常法にしたがって連続鋳造法、半連続鋳造法、おる
いはDC鋳造法により作成する。
次いでその鋳塊に対して、均質化処理としての加熱を施
した後熱間圧延前の予備加熱を施すが、または均質化を
兼ねた熱間圧延予備加熱を施す。
このような均質化処理もしくは熱間圧延前の予価加熱に
おいては、鋳塊中に析出するMn系の不溶性化合物の析
出帯を鋳塊断面での平均面積率で4゜%未満となるよう
、換言すればMn系の不溶性化合物が実質的に析出して
いない無析出帯の領域の平均面積率が60%以上となる
ように調整する。
すなわち、鋳塊に対する均質化処理または熱間圧延前の
予備加熱の昇温過程においては、M n系の不溶性化合
物が分散析出するが、その加熱を高温で長時間行なうこ
とによりその析出物は次第にマトリックス中に溶は込み
、第1図に模式的に示すように、析出物が群状に残って
いる領域、すなわち析出物帯1と、析出物がA!マトリ
ックス中に溶は込んで実質的に析出物が存在しなくなっ
た無析出物帯2とに分かれて行く。なお無析出物帯2で
は(Mn、Fe)Afa等の晶出物3が晶出してるのが
通常である。このような無析出物帯の鋳塊断面における
平均面積率が60%以上となるように予備加熱または均
質化処理における加熱条件を制御するのでおる。このよ
うに鋳塊段階での無析出物帯の平均面積率が60%以上
で必れば、連続焼鈍炉を用いた急速昇温急速冷却焼鈍を
施した場合でも、従来の徐速焼鈍でおるバッチ焼鈍で1
qられる成形加工用硬質アルミニウム合金圧延板と同等
かまたはそれ以上の安定した方向性を有ししかも結晶粒
が微細で成形性および強度ともに満足し1qる圧延板を
得ることができる。一方無析出物帯の面積率か60%未
満では、結晶粒度は微細であるが方向性の点で従来のバ
ッチ焼鈍により得られた圧延板より耳率の高いものしか
得られない。
ここで、鋳塊断面の無析出物帯が占有する面積率は、透
過電子顕微鏡を用いて直接観察を行ない、10〜20視
野の無析出物帯を含む領域における無析出物帯の占有率
を直接調へる方法もあるが、次の方法が簡便でかつ測定
における個人差を排除することができる。すなわち、測
定すべき鋳塊の断面をダイヤモンドペースト研磨おるい
はマゴメット仕上研磨等によりミクロ研磨し、ケラー氏
液を約40倍の純水で薄めたエツチング液を用いて至温
にて約60〜80秒浸漬エツチングし、水洗・乾燥後、
光学顕微鏡による断面組織像を画像解析装置を用いて処
理して、晶出物の部分を消すとともに無析出物帯と析出
物帯を2値化し、無析出物帯の占有率を面積率で求める
。このように光学顕微鏡による断面組織像を画&処理装
置で2値化処理した例を第2図に示す。第2図は第1図
に示される断面組R像を処理した場合の例を示すもので
おり、白地の部分が無析出物帯2、網目を施した部分が
析出物帯1をそれぞれ示し、断面組織が2値化されてい
ることが判る。
なお均質化処理もしくは熱間圧延前の予備加熱において
無析出物帯の平均面積率が60%となるように調整する
ためには、その均質化処理等の加熱温度を従来の一般的
な加熱温度より高目とし、また加熱時間も長時間とずれ
ば良い。具体的な加熱温度および時間は成分組成によっ
て異なるが、第1発明の合金組成の場合は、600〜6
40℃程度で15時間程度以上とれば良く、また第2発
明の合金組成の場合は560〜630℃程度で15時間
以上とすれば良い。
上述のように鋳塊に対する均質化処理あるいは熱間圧延
前の予備加熱において無析出物帯の面積率を調整した後
、常法にしたがって圧延し、所要の中間板厚とする。こ
の圧延は熱間圧延のみによって行なっても良く、あるい
は熱間圧延と冷間圧延を組合せて行なっても良い。
圧延後の中間板厚の板に対しては、第1発明の場合は4
50 ℃以上の範囲内の温度、また第2発明の場合は4
50〜580℃の範囲内の温度に0.5℃/sec以上
の昇温速度で急速加熱し、その温度から直ちに急冷、あ
るいはその温度に60秒以内の時間保持して急冷する中
間熱処理(中間焼鈍)を施す。
この中間熱処理は再結晶による圧延性、成形性、強度の
調整のために行なうものであり、既に)小べたところか
ら明らかなように連続焼鈍炉を用いて行なう。ここで連
続焼鈍炉の特性として昇温速度、冷却速度は生産効率の
面から0.5℃/ SeC未渦とすることはまれでおり
、また鋳造段階での無析出物帯の面積率を60%以上と
した効果も昇温速度が速ければ速い程大きくなり、0.
5℃/ Sec未満の昇温速度では従来のバッチ焼鈍側
よりむしろ耳率は高くなってしまうから、昇温速度は0
.5℃/ set以上とした。冷却速度については特に
規制は不要であるが、生産効率の面からは0.5℃/ 
SeC以上の急速冷却が好ましく、また強度の面から溶
体化効果を期待する場合も0.5℃/ SeC以上の急
速冷却が好ましい。中間熱処理の処理温度は、長時間保
持を行なわなくとも完全な再結晶組織が得られるように
450℃を下限とした。450℃未満では60秒以内の
短時間保持では充分な再結晶組織が得られない。
また4 50 ℃以上の温度域まで加熱昇温すれば、そ
の温度域に到達後保持は行なわなくても再結晶は完了す
るが、溶体化効果による強度向上を期待する場合は60
秒以内の保持を行なっても良いとした。
またこの中間熱処理におりる処理温度の上限は、第1発
明の場合は特に定めないが、通常は620 ℃程度以下
とする。一方MCIおよび/またはCIJを添加した第
2発明の合金組成の場合は、580℃以上では共晶融解
を招くおそれがあるから、上限を580℃とした。
このようにして中間熱処理を行なった後には、成形性と
強度を調整するために最終冷間圧延を行なう。この最終
冷間圧延ににおける圧延率が20%未満では、用途に応
じた必要強度を有する板か得られなくなるから、20%
以上の圧延率で最終冷間圧延することとした。
以上のようにして得られた成形加工用硬質アルミニウム
合金圧延板は、従来のバッチ焼鈍方式により1qられた
圧延板と比較して、この組成域の特徴である結晶粒が微
細であることに加え、成形加工の際の耳率の点において
も従来と同等以上のものが得られる。
実施例 [実施例1] 第1表に示すようなほぼ同一の成分組成を有する合金符
号A−Hの合金を常法にしたがってDC鋳造し、得られ
た鋳塊に対し、熱間圧延前の加熱における加熱温度、時
間を調整することによって無析出物帯の面積率を調整し
た。その加熱温度、時間および無析出物帯面積率を第2
表に示す。引続いて3.0.の板厚まで熱間圧延し、さ
らに0.85mまで第1次冷間圧延を施した。その後連
続焼鈍もしくはバッチ焼鈍による中間熱処理を施した。
その条件も第2表に示す。なお連続焼鈍における急熱急
冷は、昇温遼度約25℃/ 5eC1冷f、(J速度約
22℃/ SeCとし、保持は行なわなかった。さらに
中間焼鈍の後、最終冷間圧延を施して0.36.、、、
Inの圧延板とした。
以上のようにして1qられた各仮に対し、方向性、再絞
り性、しごき加工性、およびフローラインを調べた結果
を第3表に示す。なお第3表において再絞り性、しごき
加工性、およびフローラインの評価は、合金C(従来プ
ロセス材)を%Qとし、それを良(O印)として、やや
良を△印、不良をX印、従来プロセス材よりも優れてい
るものを◎印とした。また方向性は深絞り後の耳率(イ
ヤリング率)で示した。なおまた、鋳塊の加熱処理1箋
の無析出物帯の面積率は、既に述べたようにミクロ研磨
した後エツチングし、光学顕微鏡で1qられた組織像を
画像解析装置で処理して、2(1M化して求めた。
第 1 表 : 成分組成 第 3 表 : 成形性 第3表から、この発明の条件に従って製造したアルミニ
ウム合金圧延板く本発明例)では、従来例もしくは比較
例により得られた圧延板と比較して、方向性は従来例に
よる圧延板と同等以上であり、かつ再絞り性やフローラ
インの点でも優れた素材となっていることが明らかであ
る。
なお鋳塊段階で無析出物帯の面積率を調整しかつその面
積率を測定しておいた多数の鋳塊に対し、前記の実施例
と同様に熱間圧延→第1次冷間圧延→中間焼鈍(連続焼
鈍)→最終冷間圧延を行ない、その最終冷間圧延後のR
綿板について圧延方向と平行な断面をミクロ研磨して、
前述の方法でエツチングし、さらに光学顕微鏡と画像処
理装置を用い、直接析出物の占有面積率を測定した。そ
の結果を鋳塊段階での無析出物帯面積率と対応して第3
図に示す。第3図から明らかなように熱間圧延前の鋳塊
段階での測定結果と最終板にお(プる測定結果とは直線
的な相関関係が得られている。
[実施例2] 第4表に示すような種々の成分組成を有する合金符号■
〜Nの合金を常法にしたがってDC鋳造し、得られた各
鋳塊に対して熱間圧延前の加熱温度・時間を調整して第
5表中に示すように無析出物帯の面積率を調整した。続
いて2.5〜4.2#厚まで熱間圧延し、さらに一部の
ものを除いて1.0〜2.0#厚まで第1欠除間圧延を
施した。その後第5表中に示すような種々の条件で中間
熱処理(但し、第5表中の1急熱急冷」は、連続焼鈍に
て昇温速度25℃/ sec程度、冷却速度22℃/ 
SeC程度、保持なしで行なったもの)を施してから最
終の2欠除間圧延を施し−C0.20〜0.30.厚の
最終圧延板とした。さらにその圧延仮に必要に応じて第
5表中に示すように安定化焼鈍もしくはベーキングを行
なった。なお第5表中において合金符号Jのものは、熱
間圧延上りて第1次の中間熱処理を行ない、次いで0.
33mmまで冷間圧延してから第2次の中間熱処理を1
1ない、さらに最終の2欠除間圧延を行なったものでお
る。
以上の各材料について方向性、LDR(限界絞り比)、
エリクセン値を調べた結果を第6表に示す。
第 4 表 ; 化学成分 第 6 表 : 性能比較 Mn、Fe、S iか含有される合金の特徴として、急
熱焼鈍によりいずれも結晶粒か微細化され、フローライ
ンは良好となるが、それに加えて第6表から明らかなよ
うに、本発明例によるものは、従来例のものと比較して
方向性か同等以上に低く安定化され、かつ副次的にLD
R、エリクセン埴も従来例の場合より良好となっている
発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、この発明の方法に
よれば、3i、Fe、Mnを添加した系の成形加工用用
硬質アルミニウム合金圧延板を連続焼鈍を適用して製造
するにあたって、鋳塊段階での無析出物帯の面積率を調
整することにより、成形加工時の耳率が従来のバッチ焼
鈍を適用した場合と同程度以上に低く、しかも成形加工
性も優れた材料を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋳塊段階において無析出物帯の面積率を調整し
た状態の鋳塊断面組織を模式的に示す模式図、第2図は
第1図の断面組織について画像処理により2値化した状
態を示す模式図、第3図は鋳塊段階での無析出物帯の面
積率と最終圧延板での析出物面積率との関係を示す相関
図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%でSi0.05〜0.60%、Mn0.2
    0〜1.3%、Fe0.20〜1.3%を含有し、残部
    がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金
    を素材とし、そのアルミニウム合金鋳塊中の無析出物帯
    の領域が鋳塊断面の平均面積率で60%以上を占めるよ
    うに加熱調整した後、所要の板厚となるまで圧延し、続
    いて0.5℃/sec以上の昇温速度で450℃以上の
    温度域まで加熱して、直ちにもしくは60秒以内の時間
    保持してから急速冷却し、さらに圧延率20%以上の冷
    間圧延を施すことを特徴とする成形加工用硬質アルミニ
    ウム合金圧延板の製造方法。
  2. (2)重量%でSi0.05〜0.60%、Mn0.2
    0〜1.3%、Fe0.20〜1.3%を含有し、さら
    にCu0.10〜1.0%、Mg0.30〜5.0%の
    うちの1種または2種を含有するアルミニウム合金を素
    材とし、そのアルミニウム合金素材中の無析出物帯の領
    域が鋳塊断面の平均面積率で60%以上を占めるように
    加熱調整した後、所要の板厚となるまで圧延し、続いて
    0.5℃/sec以上の昇温速度で450〜580℃の
    温度域まで加熱して、直ちにもしくは60秒以内の時間
    保持してから急速冷却し、さらに圧延率20%以上の冷
    間圧延を施すことを特徴とする成形加工用硬質アルミニ
    ウム合金圧延板の製造方法。
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