JPS6218152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車用操作装置、詳しくは、直杆部
と曲杆部とを備えたドロツプ形ハンドルバーの前
記曲杆部に装着して前傾姿勢で握持できるように
したブラケツトと、このブラケツトに枢支し、か
つ該ブラケツトに対し下方に延びる操作レバーと
を備えた自転車用操作装置に関する。

一般に、ドロツプハンドルに装着する主として
ブレーキの操作装置は、相対向する側壁をもつた
ブラケツトの前記側壁間に操作レバーを支軸を介
して枢着する一方、前記支軸に、ボルトを挿通す
ると共に、このボルトに螺合する係止ナツトをも
つた取付バンドを装着して、前記ナツトに螺合す
る前記ボルトを回転操作することにより、前記ブ
ラケツトをハンドルバーに固定するごとく成して
おり、ハンドル操作をする場合、前記ブラケツト
を握持できるようにしている。

所で、前記ブラケツトは、以上の如くボルトの
前記ナツトへの螺着によりハンドルバーに固持さ
れているのであつて、前記ブラケツトを握持して
ハンドル操作する場合、車輪からの振動が手に伝
達され、不快感を与え、走行性を悪くするものと
なつていた。

尚、ブラケツトには柔軟な材料にて形成するカ
バーを取付けられているが、該カバーはブラケツ
トを握持してハンドル操作する場合、前記ブラケ
ツトと手との当りを柔らげるごとくしているに過
ぎず、しかも、走行時、殊に速く走行させたい場
合、ブラケツトを強く握持することから、手に負
担がかからないよう薄く形成されていて、車輪か
らの振動を防止するに十分なものとは言えないの
である。

本考案は前述の如き問題点に着目して考案した
もので、走行時における車輪からの振動を確実に
防止して握持具合を良好にすることができるうえ
に、快適なハンドル操作が行ない得る自転車用操
作装置を提供するにある。

即ち、本考案は、ハンドルバーの曲杆部に固定
する固定部材を設けると共に、ブラケツトを、前
記固定部材に対し、前記ブラケツトを握持したと
き、該ブラケツトに伝わる振動の伝達方向に変位
可能に支持して、該ブラケツトと固定部材との間
に振動吸収部材を介装し、前記ブラケツトをハン
ドルバーに対し弾性的に変位可能として、車輪か
らドライバーの手への振動伝達を確実に防止する
ごとくしたことを特徴とするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

１はアルミニウムなどの軽量材を用いて断面角
筒状に形成するブラケツトであつて、該ブラケツ
ト１の相対向する１対の側壁２１，２１間には、
操作レバー２を支軸３を介して揺動可能に枢着す
る一方、前記操作レバー２にはアウター筒４で案
内された操作ワイヤ５の一端が取付けられるよう
になつている。

本考案は前述の如く構成する直杆部と曲杆部と
を備えたドロツプ形ハンドルバーの前記曲杆部に
装着して前傾姿勢で握持できるようにしたブラケ
ツト１をハンドルバー６の曲杆部に固定する固定
部材７に対し、前記ブラケツト１を握持したと
き、該ブラケツト１に伝わる振動の伝達方向に変
位可能に支持して、前記ブラケツト１と固定部材
７との間に振動吸収部材８を介装し、該ブラケツ
ト１を前記ハンドルバー６に対して弾性的に変位
可能としたのである。第１図及び第２図に示した
ものは、前記固定部材７を金属材などの硬質材料
を用いて、頂壁部７ａをもつた角筒状に形成し
て、その頂壁部７ａに挿通孔を設けると共に、上
側壁部７ｂ及び下側壁部７ｃとにねじ孔を設け
て、前記頂壁部７ａの挿通孔にボルト９を挿通さ
せると共に、該ボルト９を、前記ハンドルバー６
に装着する取付バンド１０のナツト１１に螺着し
て、前記固定部材７をハンドルバー６に固定する
ごとく成す一方、前記固定部材７を、振動吸収部
材８を介して、前記ブラケツト１を次のごとく支
持したのである。

即ち、前記ブラケツト１の頂壁２２及び底壁２
３には長孔１２をもつた凹部１３を設けて、該凹
部１３，１３の長孔１２，１２に、頭付ねじ１
４，１４を挿通する一方、ブラケツト１の内面と
前記固定部材７の外面との間に、伸縮可能なゴム
などのパツキン材より成る振動吸収部材８を介在
させ、前記ねじ１４，１４を前記吸収部材８を介
して前記固定部材７のねじ孔に螺着して、前記ブ
ラケツト１を固定部材７に吸収部材８を介して支
持させたのである。

尚、前記ねじ１４，１４の頭部は凹部１３の底
面より外方に突出させるのであつて、ブラケツト
１は長孔１２，１２及び吸収部材８を介して上下
動するごとくなるのである。

又、前記ブラケツト１の外面は、柔軟な材料に
て形成したカバー１５で被覆している。

本考案は前述の如く構成するもので、ブラケツ
ト１を握持してハンドル操作する場合、車輪から
の振動は、車輪からハンドルバー６を介してブラ
ケツト１に伝達されるのであるが、固定部材７と
ブラケツト１との間に介在する振動吸収部材８に
よつて吸収され、ブラケツト１に振動が伝達され
ることがなく、ドライバーがブラケツト１を握る
場合でも、ドライバーの手に振動が伝わることは
ないのであつて、前記ブラケツト１の握持具合を
良好にして快適なハンドル操作が行なえるのであ
る。

即ち、車輪からハンドルバー６を介して固定部
材７に振動が伝達されると、ハンドルバー６及び
ハンドルバー６に固定する固定部材７は、上下動
するが、ブラケツト１は凹部１３，１３の長孔１
２，１２に介在するビス１４，１４及び振動吸収
部材８を介して固定部材７に支持されているの
で、ブラケツト１が前記長孔１２及び前記吸収部
材８によつて上下に弾性変位して、吸収部材８を
伸縮させ、前記車輪からの振動が、ブラケツト１
及び該ブラケツト１を握るドライバーの手に伝達
されることがないのである。

尚、前記実施例では、振動吸収部材８としてパ
ツキン材を用いたが、コイルばねなどを用いても
よい。

又、前記実施例では固定部材７を頂壁部７ａを
もつ角筒状に形成して、該固定部材７をハンドル
バー６に固定する一方、ブラケツト１に長孔１２
をもつ凹部１３を設けて、該ブラケツト１を前記
固定部材７に振動吸収部材８を介して支持するご
とくしたが、第３図及び第４図に示すごとく、ブ
ラケツト１の内部に、該ブラケツト１から延出さ
せる支持壁３１を設けると共に、該支持壁３１に
長孔３２を設ける一方、該長孔３２に、頭付ボル
ト８を挿通させると共に、該ボルト８を固定部材
７にピン３５を介して揺動可能に支持すると共
に、前記ボルト８の頭部と、前記支持壁３１に着
座するばね受３４との間に、振動吸収部材となる
コイルばね３３を介装してもよい。

尚、前記固定部材７は、バンド形式としてハン
ドルバー６にねじ３６及びナツト３７にて装着す
る如く構成するのである。

即ち、前記固定部材７は、バンド７１の頂部に
上下方向に開口した断面コ字状の取付部７２を固
定して構成するのであつて、該取付部７２に、前
記ボルト８の下端部をピン３５にて揺動可能に支
持する一方、前記固定部材７のバンド７１に、フ
ランジを設けて、これらフランジにねじ３６を挿
嵌し、ナツト３７の締込みによりハンドルバー６
に固定するごとくしたものである。従つて、前記
ブラケツト１は、前記ボルト８及びコイルばね３
３を介して支持され、該ブラケツト１をハンドル
バー６に対し弾性的に変位可能となるのであつ
て、車輪からの振動がハンドルバー６に伝わる
と、ボルト８がコイルばね３３に抗して長孔３２
内を上下に揺動することになり、前記車輪からの
振動が、ブラケツト１及び該ブラケツト１を握る
ドライバーの手に伝達されることがないのであ
る。尚、以上説明した実施例において、前記ブラ
ケツト１のハンドルバー６への接触部に、弾性体
を取付け、この弾性体を介して、前記ハンドルバ
ー６に接触するごとく成し、前記コイルばね３３
による弾性変形と、前記弾性体の弾性変形とによ
り振動を吸収するごとくしてもよい。

更に本考案は、前記固定部材７に、第５図のご
とく、支軸３より大きな軸孔７３を設けて、この
軸孔７３に、弾性変形可能な振動吸収部材８を介
装し、この吸収部材８に前記支軸３を支持し、こ
の支軸３に、ブラケツト１を支持すると共に、前
記支軸３に操作レバー２を、ブツシユを介して支
持してもよい。

本考案は以上説明したごとく、ハンドルバーの
曲杆部に固定する固定部材を設けると共に、ブラ
ケツトを、前記固定部材に対し、前記ブラケツト
を握持したとき、該ブラケツトに伝わる振動の伝
達方向に変位可能に支持して、前記ブラケツトと
固定部材との間に振動吸収部材を介装し、前記ブ
ラケツトをハンドルバーに対し、弾性的に変位可
能としたので、前傾姿勢でブラケツトを握持して
ハンドル操作する場合、車輪からの振動がハンド
ルバーに伝達されたとしても、振動吸収部材を介
してブラケツトがハンドルバーに対し弾性変位し
て、振動を吸収するので、前記車輪からの振動
が、ブラケツト及び該ブラケツトを握るドライバ
ーの手に伝達されることがなく、前記ブラケツト
を静止させることができるのであつて、ブラケツ
トの握持具合を良好にすることができるうえに、
快適なハンドル操作が行ない得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側断面図、第２
図は第１図Ｘ−Ｘ線における断面図、第３図は他
の実施例を示す側断面図、第４図は第３図Ｙ−Ｙ
線における一部省略断面図、第５図は更に別の実
施例を示す縦断面図である。 １……ブラケツト、２……操作レバー、６……
ハンドルバー、７……固定部材、８……振動吸収
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直杆部と曲杆部とを備えたドロツプ形ハンドル
   バーの前記曲杆部に装着して前傾姿勢で握持でき
   るようにしたブラケツトと、このブラケツトに枢
   支し、かつ該ブラケツトに対し下方に延びる操作
   レバーとを備えた自転車用操作装置であつて、前
   記ハンドルバーの曲杆部に固定する固定部材を設
   けると共に、前記ブラケツトを、前記固定部材に
   対し、前記ブラケツトを握持したとき、該ブラケ
   ツトに伝わる振動の伝達方向に変位可能に支持し
   て、前記ブラケツトと固定部材との間に振動吸収
   部材を介装し、前記ブラケツトをハンドルバーに
   対し弾性的に変位可能としたことを特徴とする自
   転車用操作装置。