JPS6216828B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数個のプリントワイヤによつて印字
を行うマトリクスプリンタ用印字ヘツドに関す
る。

複数個のプリントワイヤによつて選択的に記録
媒体に衝撃を与えて、符号や文字等を印字する印
字ヘツドにおいては、最近、プリントワイヤに連
結された板バネに歪エネルギを与えておいて、こ
れを印字タイミングに合わせて解放することによ
り印字を行う形式のものが多く採用されている。
これらの印字ヘツドは、高速応答性に優れてお
り、引字ヘツドの駆動消費電力の少ないことが利
点となつている。しかし、上記板バネをアーマチ
ユアとするコアとの間のエアギヤツプ及び板バネ
のバネ定数が大きく印字ヘツドの特性に影響を与
えることを考えると、この種従来の印字ヘツドに
おいて、アーマチユアとマグネツトとが一体構造
となつていることは、上記のエアギヤツプを所定
の値に全て均一にするために、各部品の加工精度
をきびしく管理したり、面倒な調整機能等を付加
せねばならないと言う欠点をともなつた。さら
に、この種の高速印字ヘツドは、発熱を除く為の
放熱処置をとつたり、この放熱処置に相反して増
加する傾向のある振動音を低減するために、構造
が複雑になるという欠陥があつた。従つて、動作
特性の安定した信頼性の高い印字を行うために
は、必然的に高価にならざるを得なかつた。

本発明の第１の目的は、上記の欠点を除去し、
均一な動作性能が得られ、かつプリントワイヤや
アーマチユア等の部品の破損が生じても簡単に交
換ができる量産性と保守性に優れた安価なマトリ
クスプリンタ用印字ヘツドを提供するにある。

本発明の第２の目的は、放熱性が優れ、かつ動
作時におけるコアの振動を抑制してデユーテイサ
イクルの高い印字を行なうことのできるマトリク
スプリンタ用印字ヘツドを提供するにある。

本発明によれば、フランジ状の細長部分の内部
に複数本のプリントワイヤを収容し、先端部でこ
れ等プリントワイヤを長さ方向に摺動自在に保持
し、前記フランジ状のつば部分に前記プリントワ
イヤに連結した複数のバネ性を有するアーマチユ
アを固定し、これ等アーマチユアのそれぞれを個
別に吸引して歪エネルギを与える複数の永久磁石
と、これ等アーマチユアの吸引を解除せしめる複
数の電磁コイルとを備えてなる印字ヘツドにおい
て、前記フランジ状の細長部分とつば部分とによ
つて一体のフレームを形成せしめ、該フレームの
つば部周辺に前記アーマチユアのそれぞれの基端
部を放射状に固定し、別に、前記永久磁石と前記
電磁コイルとを熱伝導性の高いエポキシ樹脂によ
りモールドしてマグネツトバンクを形成せしめ、
前記フレーム側と前記マグネツトバンク側とが分
離構造をなしていることを特徴とするマトリクス
プリンタ用印字ヘツドが得られる。

次に、本発明による印字ヘツドについて、図面
を参照して詳細に説明する。第１図は本発明によ
る実施例の構造を半断面図によつて示したもの
で、構造を判り易くするために、マグネツト組立
と、これに対応するアーマチユアおよびプリント
ワイヤの一組についてのみ示している。図に見ら
れるように、フランジ型をしたフレーム１の細長
部１ａのなかには、プリントワイヤ２が挿入さ
れ、先端に近い部分でガイド１０ａにより他のプ
リントワイヤとともに決められた間隔で整列さ
れ、長さ方向に摺動できるように保持されてい
る。フレーム１のつば部１ｂの周辺には、一端が
プリントワイヤ２の他端に連結したバネ性を有す
るアーマチユア３が放射状に取付けられている。
アーマチユア３は、実際には、他の複数個のアー
マチユアとともに、それぞれのアーマチユアに歪
エネルギを与えるべく設けられたアーマチユア偏
倚用の複数のマグネツト組立４とそれぞれ対とな
つて、放射状に実装されている。これ等複数のア
ーマチユアの固定は、つば部分１ｂの対向面にお
いて、それぞれ周辺に延びたアーマチユアの基端
部３ａを環状のクランププレート５を介してそれ
ぞれネジ６の締付けによつて行なわれる。なお、
フレーム１における細長部１ａの内部中程には、
プリントワイヤ２を含む複数のプリントワイヤが
中間ガイド１０ｂによつて、互に間隔をおいて保
持されている。

一方、マグネツト組立４は、アーマチユア３を
吸引する永久磁石４ａと磁気回路を形成するコア
４ｂと印字タイミングに従つてアーマチユア３の
吸引を解除するコイル４ｃとによつて構成されて
いる。プリントワイヤ２が印字動作を行なわない
場合には、アーマチユア３は永久磁石４ａによつ
て常時コア４ｂ側に偏倚されており、印字に際し
ては、コイル４ｃに電流を流すことにより、コア
４ｂは吸引力をなくしてアーマチユア３の偏倚を
解除し、バネの復旧力によつてプリントワイヤ２
が先端に突出し、印字が行なわれる。ここに、上
記マグネツト組立４は、図には見られない他の複
数個のマグネツト組立とともに、熱伝導性の高い
エポキシ樹脂７により、次に述べる方法によつて
固定されている。

第２図は、第１図の実施例に適合するマグネツ
トバンクの製作手順を説明するための断面図であ
る。図に示すごとく、最初、永久磁石４ａの吸引
力によつて、位置決め治具１１の片面の予め定め
られた位置にマグネツト組立４を配置する。又、
エポキシ樹脂の補強とフレーム１との結合のため
の中空円筒状のサーキユラーフレーム８を、その
端面の適当な個所に幾つか突き出た突起部８ａを
介して、ネジ１２により位置決め治具１１にネジ
止めする。次に、エポキシ樹脂７の受け皿となる
モールド型１３を取付ネジ１４により、位置決め
治具１１に固定する。以上の手順が終ると、位置
決め治具１１の中央にあけられた穴よりエポキシ
樹脂８を流し込む。エポキシ樹脂がかたまつた後
に、治具１１及びモールド型１３を取り外すこと
によつて、第１図に見られるごときマグネツトバ
ンク９が出来あがる。このマグネツトバンク９と
アーマチユア２の固定されたフレームとを組合わ
せることにより、印字ヘツドの組立が最終的に完
成する。

上記のごとく構成することによつて、マグネツ
トバンク９をフレーム１の基端部に取りつけの際
に生ずる各アーマチユアの偏倚量のバラツキは、
位置決め治具１１の精度により決まるから、従来
のものに比べバラツキを無くすことが可能とな
り、製品個片の寸法精度をきびしく管理する必要
がなくなつた。従つて、本発明によれば、各アー
マチユアの偏倚量を量産的に一定にすることがで
きるから、各アーマチユアの動作特性も安定し、
信頼性と経済性の向上が得られる。また、アーマ
チユアを固定しているフレームとマグネツトバン
クが分離構造となつているため、プリントワイヤ
の摩耗やアーマチユアの破損が生じても、簡単に
交換ができるから、アフターケアに対しても優れ
ていることは勿論マグネツトバンクが熱伝導性の
良いエポキシ樹脂でモールドされているため、放
熱性が優れ、同時にコアの振動が抑制されるか
ら、低騒音の状態でデユーテイサイクルの高い印
字が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による実施例の構造を示す半断
面図、第２図は、第１図の実施例に適合するマグ
ネツトバンクの製作手順を説明するための断面図
である。図において、１はフレーム、１ａはフレ
ームの細長部、１ｂはフレームのつば部、２はプ
リントワイヤ、３はアーマチユア、３ａはアーマ
チユアの基端部、４はマグネツト組立、４ａは永
久磁石、４ｂはコア、４ｃはコイル、５はクラン
ププレート、６はネジ、７はエポキシ樹脂、８は
サーキユラーフレーム、８ａはサーキユラーフレ
ームの突起部、９はマグネツトバンク、１０ａ，
１０ｂはガイドである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フランジ状の細長部分の内部に複数本のプリ
   ントワイヤを収容し、先端部でこれ等プリントワ
   イヤを長さ方向に摺動自在に保持し、前記フラン
   ジ状のつば部分に前記プリントワイヤに連結した
   複数のバネ性を有するアーマチユアを固定し、こ
   れ等アーマチユアのそれぞれを個別に吸引して歪
   エネルギを与える複数の永久磁石と、これ等アー
   マチユアの吸引を解除せしめる複数の電磁コイル
   とを備えてなる印字ヘツドにおいて、前記フラン
   ジ状の細長部分とつば部分とによつて一体のフレ
   ームを形成せしめ、該フレームのつば部周辺に前
   記アーマチユアのそれぞれの基端部を放射状に固
   定し、別に、前記永久磁石と前記電磁コイルとを
   熱伝導性の高いエポキシ樹脂によりモールドして
   マグネツトバンクを形成せしめ、前記フレーム側
   と前記マグネツトバンク側とが分離構造をなして
   いることを特徴とするマトリクスプリンタ用印字
   ヘツド。