JPS6216375Y2

JPS6216375Y2 -

Info

Publication number: JPS6216375Y2
Application number: JP1981177249U
Authority: JP
Priority date: 1981-11-28
Filing date: 1981-11-28
Publication date: 1987-04-24
Also published as: JPS5880347U

Description

【考案の詳細な説明】考案の技術分野本考案は、自動車などの安全装置として用いら
れるエアバツクシステムにおけるエアバツクカバ
ーに関する。

考案の背景技術一般に、エアバツクシステムは、第１図に示す
ように、ステアリングシヤフト１の上端部にステ
アリングホイール２を取付けたものにおいて、ス
テアリングホイール２の内側にガス発生器３を内
蔵したエアバツク４を配置し、このエアバツク４
を覆つてエアバツクカバー５を設けている。

そして、自動車などが衝突したような際に、そ
の衝撃を検知器が検知するとともに、ガス発生器
３を作動して高圧ガスを発生し、その圧力により
エアバツク４がエアバツクカバー５を破断しなが
ら膨張展開し、この展開したエアバツク４により
人体を車輌構造物に激突する前に受け止め保護す
るものである。

ところで、従来のエアバツクカバー５は、第２
図および第３図に示すように、下面を開口した円
筒状のカバー体６を半硬質ウレタン原料によつて
成形し、このカバー体６の側壁部７に下端から上
端近くまで、下端部に複数個のステアリングホイ
ール２への取付脚８を有する鉄板製の円筒体９を
インサートするとともに、カバー体６の表面部１
０に十字状の薄肉部１１を形成している。そし
て、カバー体６の内部に折りたたまれて収納され
たエアバツク４の膨張展開によつて薄肉部１１で
破裂するようになつている。なお、薄肉部１１
は、厚さ0.5〜1.0mm、密度0.9〜1.1ｇ／cm³に形成
され、他の厚肉部は、厚さ５〜10mm、密度0.75〜
0.85ｇ／cm³に形成されている。

背景技術の問題点しかし、このようなエアバツクカバーによる
と、とくに高温雰囲気、たとえば60℃程度での破
裂においては、薄肉部と厚肉部の強度差が小さく
なるため、厚肉部の密度が低い場合には、薄肉部
で破裂するとともに、第４図に示すように、薄肉
部の延長線上にも亀裂ａが生じ、さらに、インサ
ートに沿つて亀裂ｂおよび薄肉部から横走りする
ように亀裂ｃが生じ、これらによつて、インサー
ト露出によるエアバツクの破裂、表面部分の一部
の飛散、エアバツクの好ましくない形での展開な
どの問題が起る。

したがつて、厚肉部の密度を高くしなければな
らず、重量が増加する。また、薄肉部と厚肉部の
強度差を出すため、薄肉部は一層薄くしがちなの
で、成形後の収縮により、表面に薄肉部の形状が
でてしまいやすい。

考案の目的本考案は、このような点を改良し、上記のよう
な好ましくない破裂状況が生ぜず、しかも、軽量
のエアバツクカバーを提供することを目的とする
ものである。

考案の概要本考案は、エアバツクを覆い、エアバツクの展
開時に破断個所となる薄肉部を有し、発泡ウレタ
ンのインテグラルスキンフオームで一体に形成さ
れたものにおいて、上記薄肉部の末端部を囲むよ
うに単位厚さ当りの強度が厚肉部スキン層より強
い合成樹脂からなりかつ厚さがスキン層よりも厚
い補強体を設けたことを特徴とし、エアバツクを
好ましい展開にしようとするものである。

考案の実施例以下、本考案の一実施例を第５図ないし第７図
を参照して説明する。なお、上記第２図および第
３図のものと同一部分には同一符号を付して詳細
な説明は省略する。

カバー体６は、発泡半硬質ウレタンインテグラ
ルスキンフオームによつて一体に成形し、厚肉部
は、厚さ５〜12mm、密度は0.6〜0.75ｇ／cm³に形
成するとともに、薄肉部１１は、厚さ0.5〜1.5
mm、密度0.8〜1.0ｇ／cm³に形成する。

また、上記カバー体６内に各薄肉部１１の４個
所の末端部に末端部を囲むようにほぼコ字状の補
強体１２を埋設する。この補強体１２は、単位厚
さ当りの強度、とくに引裂強度が厚肉部スキン層
より強い合成樹脂、たとえば、軟質ないし半硬質
の高密度ウレタンまたは塩化ビニルなどで形成す
る。そして、補強体１２は、厚さＬを上記カバー
体６のスキン層よりも厚くなるように、たとえ
ば、２mm、コ字状部の縁部の幅L₂を５mmに形成
する。なお、カバー体６の成形時に第７図に示す
ように、金型の各薄肉部成形部の端部に対して補
強体１２を配置し、粘着テープなどで固定してイ
ンサートすればよい。そうして、カバー体６の厚
肉部は、スキン層、発泡層、スキン層、補強層と
なり、薄肉部１１と薄肉部１１の末端部の周囲の
厚肉部の強度差が非常に大きくなる。

このような構成において、エアバツクカバー５
の内部に折りたたまれたエアバツクが衝撃の検知
器により急速に膨張すると、カバー体６は薄肉部
１１に沿つて破裂し、エアバツクは展開する。こ
の際、カバー体６の破裂は薄肉部１１よりもはる
かに大きな強度を有する補強体１２の手前または
補強体１２の途中で確実に止まり、エアバツクは
好ましい展開をする。

なお、第８図は、補強体１２を有する場合Ａ
と、補強体１２を有しない場合Ｂとの厚肉部断面
（第５図Ｘ−Ｘ線）における密度と強度との関係
を示している。

また、実施にあたつて、第９図および第１０図
に示すように、補強体１２の下部に係合溝１３を
形成し、この係合溝１３をインサートする円筒体
９の上端縁部に係合し、カバー体６の厚肉部内に
埋設するようにしてもよい。

このようにすると、カバー体６の厚肉部の断面
がスキン層、発泡層、スキン層、補強体、スキン
層、発泡層、スキン層となり、さらに強度が向上
し、したがつて、厚肉部の密度を0.6〜0.75ｇ／
cm³と軽量化することができる。

また、薄肉部１１の厚さを厚くして破裂強度を
合わせるために密度を下げてもよいので、カバー
体６の表面に薄肉部１１の形状を出にくくするこ
ともできる。

考案の効果本考案によれば、エアバツクが膨張する際、薄
肉部より厚肉部が補強体により大きな強度を有す
るため、好ましくない破裂状況が生ぜず、エアバ
ツクを好ましい展開にすることができ、また、強
度が向上して密度との関係で軽量化も果すことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的なエアバツク装置の断面図、第
２図は従来のエアバツクカバーの裏面図、第３図
は第２図−部の断面図、第４図はその側面
図、第５図は本考案のエアバツクカバーの断面
図、第６図はその補強体の斜視図、第７図は成形
状態の説明図、第８図は特性図、第９図は他の実
施例の一部の断面図、第１０図はその補強体の斜
視図である。４……エアバツク、５……エアバツクカバー、
１１……薄肉部、１２……補強体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エアバツクを覆い、エアバツクの展開時に破断
個所となる薄肉部を有し、発泡ウレタンのインテ
グラルスキンフオームで一体に形成されたものに
おいて、上記薄肉部の末端部を囲むように単位厚
さ当りの強度が厚肉部スキン層より強い合成樹脂
からなりかつ厚さがスキン層よりも厚い補強体を
設けたことを特徴とするエアバツクカバー。