JPS6216371Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のエンジンルームと室内と
の間を隔てるボデイパネルに添設されて、エンジ
ンルームからの騒音を遮断するインシユレータダ
ツシユの取付構造に関する。

インシユレータダツシユは、エンジンルームか
らのエンジンの振動や騒音を室内に伝えないよう
にするために、室内とエンジンルームとの間のボ
デイパネルの室内側面に敷設されるもので、この
ものの材料は、その遮音特性上、厚手のフエル
ト，ポリウレタンフオーム等の多孔質材料からな
る吸音（振）材上に、ゴム、塩化ビニール等の遮
音性シートを添着したものが用いられている。こ
のインシユレータダツシユを上記ボデイパネルに
取り付けるには、従来は第１図ａに示す如く、ボ
デイパネル１に所定間隔で固設された鉄板等から
なるペグ２の位置に対応して、上記インシユレー
タダツシユ３の吸音材４および遮音材５を共通に
貫通するスリツト６を設け、さらに同図ｂに示す
如く、ペグ２をスリツト６に貫通させて、ペグ２
の突出端２ａをかしめることにより、ボデイパネ
ル１にインシユレータダツシユ３を取り付けるよ
うにしていた。

しかしながら、第１図ｂに示した状態からも推
察されるように、先ず、ペグ２の突出端２ａをか
しめるときにペグ２がその基部２ｂから曲げられ
てしまつて、ペグ２の片面側に大きな開口が生
じ、さらにインシユレータダツシユ３がその自重
によつてペグ２の縁端部から引き裂かれやすくな
り、この結果、十分な遮音効果が得られなくなる
とともに、取付状態も悪く不安定であるという欠
点を生じていた。

この考案は、以上のような欠点を鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、遮音効果を
十分に得ることができるとともに、インシユレー
タダツシユがその取付部にて引き裂かれたり大き
く開口させられたりすることなく、非常に良好か
つ安定な取付状態を得ることができる自動車用イ
ンシユレータダツシユの取付構造を提供すること
にある。

以下、この考案の一実施例を図面を用いて詳述
する。

第２図は、この考案によるインシユレータダツ
シユの取付構造の一実施例を示したもので、同図
に示す取付構造では、先ず、エンジンルーム７と
室内８とを隔すボデイパネル９の室内側面にイン
シユレータダツシユ１０が敷設状態で取り付けら
れている。このインシユレータダツシユ１０は、
それぞれ前述したものと同様の吸音材１１に遮音
材１２を積層して構成されている。上記ボデイパ
ネル９と上記インシユレータダツシユ１０との連
結部には、ボデイパネル９とインシユレータダツ
シユ１０とにそれぞれ互いに位置対応すべく穿設
された１対の取付孔９ａ，１０ａが設けられてい
る。また、この１対の取付孔９ａ，１０ａに、後
述するクリツプ１３が室内８側から挿入されてい
る。さらに、上記インシユレータダツシユ１０の
室内側面上にワツシヤー１４が着座させられてい
る。ここで、上記クリツプ１３は、ゴムまたは合
成樹脂等の弾性部材で形成されるものであつて、
このクリツプ１３は、上記ボデイパネル９側の取
付孔９ａの内径よりも大きな最大外径部１５ａを
有するアンカー状頭部１５と、上記ワツシヤー１
４が遊嵌着させられるように形成された幹部１６
とが一体に連接されている。さらにクリツプ１３
は、上記頭部１５と上記幹部１６との間に、鍔状
に張出し、かつ上記頭部側にわん曲して施蓋機能
と弾性機能とを併せて有するように形成された皿
状張出部１７が一体に設けられている。これとと
もに、上記幹部１６の側部に、上記ワツシヤー１
４を上記頭部１５側方向（エンジンルーム７方
向）へ一方的に係止するように形成された爪部１
８が一体に設けられている。この爪部１８は、実
施例では、図示するように、その位置を変えて複
数段設けられ、上記ワツシヤー１４は、その何れ
かの段の爪部１８によつて係止されるようになつ
ている。

さて、本願考案においてクリツプ１３は、予め
ボデイパネル９またはインシユレータダツシユ１
０に取り付けられており、この状態において、イ
ンシユレータダツシユまたはボデイパネル９へ室
内８側から取り付けられるように構成したもので
あるから、皿状張出部１７が取付孔９ａ，１０ａ
をくぐり抜けることなく、インシユレータダツシ
ユ１０をボデイパネル９にクリツプ１３を介して
取り付けることができる。また、このような取付
構造によれば、クリツプ１３の最大外径部１５ａ
が上記ボデイパネル９側の取付孔９ａを室内８側
からエンジンルーム７側へ強制的にくぐり抜けさ
せられ、ボデイパネル９の取付孔９ａに当接して
いるため、クリツプ１３にはボデイパネル９から
抜け出る方向に力が作用する一方、皿状張出部１
７は弾性を有しており、パネル９を押圧する方向
に力が作用しているため、この頭部１５の最大外
径部１５と皿状張出部１７とによりボデイパネル
９を確実に挾持することができる。またこのと
き、上記ワツシヤ１４が上記爪部１８で係止され
ることにより、上記インシユレータダツシユ１０
の室内３側面を上記ボデイパネル９側へ弾性押圧
しているため、これにより、インシユレータダツ
シユ１０は、第２図に示す如く、ワツシヤー１４
がインシユレータダツシユ１０をボデイパネル９
へ常時押し付けて安定な取付状態を確保すること
ができるのである。このとき、ボデイパネル９お
よびインシユレータダツシユ１０にそれぞれ設け
られた取付孔９ａ，１０ａは、上記アンカー状頭
部１５、上記皿状張出部１７、および上記ワツシ
ヤー１４によつて３重に施蓋された状態で閉塞さ
れ、さらにクリツプ１０を弾力性を有する材質で
形成し、さらになお、上記皿状張出部１７に施蓋
機能とともに弾性機能をもたせたことにより、上
記インシユレータダツシユ１０の取付状態は、非
常に良好かつ安定なものとなり、これとともにエ
ンジンルーム７側からの騒音を確実に遮断するこ
とができるようになつている。さらに、実施例で
は、上記爪部１８を位置を変えて複数段設けたこ
とにより、ワツシヤー１４の係止位置をインシユ
レータダツシユ１０の厚さに応じて設定すること
ができ、これにより厚さの違うインシユレータダ
ツシユ１０も、良好かつ安定に、しかも遮音効果
を高めた状態で取り付けることができる。

なお、上記クリツプ１３としては、例えば第３
図ａに示すように、その頭部１５を中空状に形成
してもよい。これにより、クリツプ１３をある程
度剛性のあるもので形成しても、実質的に弾力性
を有するもので形成したものと同等の効果が得ら
れるようになる。さらに、上記インシユレータダ
ツシユ１０側に設ける取付孔１０ａは、第３図ｂ
に示すように円形に設けるが、しかし第３図ｃに
示すように取付孔１０ａをスリツト状に設けるこ
ともできる。

以上のように、この考案によれば、ボデイパネ
ルへのインシユレータダツシユの取り付けを、十
分な遮音効果を得つつ、良好かつ安定に行なうこ
とができる。しかも、その取り付けは、クリツプ
を室内側から挿入するという簡単な作業手順でも
つて行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂはそれぞれ従来のインシユレータ
ダツシユの取付部分を拡大して示す断面図、第２
図はこの考案によるインシユレータダツシユの取
付部分の一実施例を示す断面図、第３図ａはその
取付部に使用されるクリツプの他の実施例を示す
断面図、第３図ｂ，ｃはそれぞれインシユレータ
ダツシユ側に設ける取付孔部分の実施例を示す斜
視図である。 ７……エンジンルーム、８……室内、９……ボ
デイパネル、１０……インシユレータダツシユ、
１３……クリツプ、１５……アンカー状頭部、１
５ａ……最大外径部、１６……幹部、１７……皿
状張出部、１８……爪部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジンルームと室内とを隔すボデイパネルの
   室内側面に、吸音材上に遮音材を積層してなるイ
   ンシユレータダツシユを添着させるための取付構
   造において、上記ボデイパネルと上記インシユレ
   ータダツシユとの連結部にはボデイパネルとイン
   シユレータダツシユとにそれぞれ互いに位置対応
   すべく設けられた一対の取付孔と、この一対の取
   付孔に室内側から挿入されるクリツプと、上記イ
   ンシユレータダツシユの室内側面に着座するワツ
   シヤとが使用され、 上記クリツプは弾性部材で形成されるととも
   に、上記ボデイパネル側の取付孔の内径よりもや
   や大きな最大外径部を有するアンカー状頭部と、 上記ワツシヤが遊嵌着させられるように形成さ
   れた幹部とが一体に連接され、さらに上記アンカ
   ー状頭部と上記幹部との間に、鍔状に張出し、か
   つ上記アンカー状頭部側に湾曲して施蓋機能と弾
   性機能とを併有する皿状張出部と、 上記幹部の側部に上記ワツシヤを上記アンカー
   状頭部側方向へ一方的に係止するように形成され
   た爪部とを備え、 上記アンカー状頭部の最大外径部が上記ボデイ
   パネル側の取付孔を室内側からエンジンルーム側
   へ強制的にくぐり抜けさせることにより、上記ア
   ンカー状頭部と上記皿状張出部とが上記ボデイパ
   ネルを弾性挾持し、また上記ワツシヤが上記爪部
   で係止されることにより、上記インシユレータダ
   ツシユの室内側面を上記ボデイパネル側へ弾性押
   圧するように構成したことを特徴とする自動車用
   インシユレータダツシユの取付構造。