JPS6216251B2 - - Google Patents

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JPS6216251B2
JPS6216251B2 JP350183A JP350183A JPS6216251B2 JP S6216251 B2 JPS6216251 B2 JP S6216251B2 JP 350183 A JP350183 A JP 350183A JP 350183 A JP350183 A JP 350183A JP S6216251 B2 JPS6216251 B2 JP S6216251B2
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JP350183A
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Hidehiko Sumitomo
Hirobumi Yoshimura
Masanori Ueda
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication of JPS59129731A publication Critical patent/JPS59129731A/ja
Publication of JPS6216251B2 publication Critical patent/JPS6216251B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
    • C21D8/0205Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips of ferrous alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/02Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
    • C23G1/08Iron or steel
    • C23G1/085Iron or steel solutions containing HNO3

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼板又
は鋼帯の製造工程において、熱間圧延後の鋼板又
は鋼帯の焼鈍工程を省略して、従来の焼鈍を行つ
たものと同等以上の加工性と表面性状を有する薄
板製品の製造方法に関するものである。 一般に18%Cr−8%Ni系を中心としたオース
テナイト系ステンレス鋼薄板の製造方法において
は、従来は電気炉もしくは転炉において溶製かつ
成分調整を行つた後、熱間圧延を行つて熱延鋼板
又は鋼帯(以下総称して熱延板という)となし、
その後熱延板を1010℃以上の高温で熱処理し、シ
ヨツトブラスト等による機械的デスケーリングと
酸洗等による化学的デスケーリングを行つた後、
冷間圧延、最終焼鈍を経て冷延鋼板又は鋼帯(以
下総称して薄板製品という)を製造していた。 熱延板の熱処理の主な目的は、再結晶させ軟質
化するとともに機械的性質の均一化を図ること
と、熱延後の冷却過程で生じた炭化物を固溶化
し、後工程の酸洗で粒界腐食による肌荒れを防止
して表面光沢に優れた薄板製品を得ることにあ
る。 しかしながらオーステナイト系ステンレス鋼の
再結晶温度は普通鋼板に比べると著しく高温であ
り、熱延板焼鈍工程では高温の熱処理が必要であ
る。従つて熱延板焼鈍工程を省略できれば省エネ
ルギーと生産性の著しい向上が期待される。 冷間圧延技術の発達に伴い、熱延板を焼鈍しな
くても、薄板製品の板厚まで冷延することは可能
となつた。しかし、単に焼鈍工程を省略しただけ
では、つぎのような二つの問題点がある。第1の
問題は、薄板製品の機械的性質の面内異方性が増
大することである。異方性が大きいとは、圧延面
内において、圧延方向、直角方向及び圧延方向と
45゜方向での特性の差が大きいことをいい、この
ような薄板製品を例えば、円筒深絞りをした場合
には、イヤリングが大きく発生し、材料歩留を低
下させる原因になる。第2の問題は、熱延板を焼
鈍しないで酸洗したときに表面に著しい肌荒れを
生じ、それが薄板製品にまで残存することであ
る。従来の方法で熱間圧延された熱延板は、熱延
後の冷却過程で粒界にCr炭化物が析出し、その
周囲にCr含有量の低い領域が存在しているた
め、これを酸洗したとき粒界腐食を生じて肌荒れ
を呈する。従来の酸洗は、一般に弗酸と硝酸の混
酸が用いられているので、粒界腐食による肌荒れ
は著しいものとなり、引き続きこれを冷間圧延し
たときは、冷延・焼鈍後もその痕跡を残すため良
好な表面光沢を有する薄板製品を得ることが出来
ない。熱延板の炭化物は仕上熱延後水冷を行い、
例えば550℃以下の低温巻取りを行えば防止でき
るが、冷却中に形状不良を生じ易く、鋼帯の場合
は巻取り時に疵を発生し易い。 従来、熱延板焼鈍省略に関する報告例は多数あ
るがいずれも薄板製品で面内異方性が増大する点
が無視されている。すなわち、特開昭51−77523
号公報記載の発明は、熱延後800〜500℃の温度範
囲を急冷して粒界腐食感受性をなくそうとするも
のであるが、薄板製品の機械的性質は考慮されて
いない。特開昭52−28424号公報には、熱延板焼
鈍を省略して冷間圧延することにより圧延方向に
対して45゜方向のr値を向上させることが開示さ
れているが、角筒深絞り材料用として、製品板の
面内異方性を大きくしようとするものである。特
開昭53−100124号公報記載の発明は熱延板焼鈍を
省略し、中間焼鈍を入れない1回の冷延で製品板
厚まで圧延することによつてプレス加工性を向上
させるものであるが、面内異方性は考慮されてい
ない。特開昭55−70404号公報記載の発明は、熱
延仕上圧延条件と熱延後の冷却条件を限定して再
結晶と固溶化処理を行うものであり、特開昭56−
158819号公報には、熱延板焼鈍を省略して塩酸単
味で酸洗することが開示されているが、いずれも
薄板製品の機械的性質は考慮されていない。な
お、特開昭56−158819号公報記載の方法における
ように塩酸単味で酸洗すれば粒界腐食は発生しな
いが、酸洗に長時間を要し実用的でなく、また酸
洗時間短縮のため前処理としてのシヨツトブラス
ト処理を強化すれば表面の肌荒れを増すことにな
る。 本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼板又
は鋼帯の製造において、熱延板の焼鈍工程を省略
し、従来の焼鈍工程を経て製造した薄板製品と同
等以上の表面性状ならびに機械的性質、特にその
面内異方性の小さい製品を得ることを目的とす
る。 本発明法は、オーステナイト系ステンレス鋼の
成分組成を限定し、熱間仕上圧延における圧下率
および噛込温度を制御し、かつ熱延板を適正な成
分組成の溶液を用いて酸洗した後、冷延及び焼鈍
する製造方法である。 本発明法に用いるオーステナイト系ステンレス
鋼の成分組成は、重量パーセントでC0.005〜0.07
%、Si:1.0%以下、P0.040%以下、S0.010%以
下、Mn3.0%以下、Ni6.0〜11.5%、Cr16〜20
%、N0.005〜0.2%とし、必要に応じてMo4%以
下、Cu4%以下の一方又は双方を含み、かつ2C+
NをMn+Ni及びP含有量に応じて第1図の点
A,Bp,Cp,D(但しpはP含有量×10-2%を
示し、点Bp,CpはそれぞれP含有量によつて決
まる)で囲まれる範囲とし、残部Fe及び不可避
的に混入する不純物から成る。このような成分組
成からなるオーステナイト系ステンレス鋼のスラ
ブを熱間粗圧延した後、熱間仕上圧延において少
くとも1パス以上、望ましくは各パスを、第2図
の点A,B,C,D,Eで囲まれる範囲の圧下
率、噛込温度で行つて熱延鋼板又は鋼帯とする。 この熱延鋼板又は鋼帯を焼鈍することなく、必
要に応じて機械的デスケーリングした後、HNO3
として20〜130g/の硝酸とHClとして50〜300
g/の塩酸を含む硝酸塩水溶液にFe3+イオン
として3〜90g/を含むように第2鉄塩を添加
した溶液を用いて酸洗する。 酸洗した熱延鋼板又は鋼帯を公知の方法で冷間
圧延及び焼鈍して薄板製品とする。 本発明者の研究によると第1の問題点であるオ
ーステナイト系ステンレス鋼薄板製品の面内異方
性の増大はステンレス薄鋼板に特有の強い集合組
織が発達するためであり、これを改善するための
集合組織のランダム化には化学成分、とくにC、
N、Mn、Ni、Pの寄与が大きい。これらに加え
て熱延仕上圧延における圧下率と噛込温度も異方
性に大きな影響を与える。 まず、オーステナイト系ステンレス鋼の成分組
成の寄与と本発明における限定理由について説明
する。 C:Cは熱延板焼鈍省略を行つたオーステナイ
ト系ステンレス鋼薄板製品の異方性改善に対して
最も大きな影響を及ぼす因子であり、その効果は
0.07%以下において発揮され低い方が望ましい。
但し0.005%未満とすることは工業的に困難であ
り、あえて実施すると価格が高くなるので下限を
0.005%とした。 Si:Siは強力な脱酸剤で加工性に有害な酸素を
除去するのに有効であるが、あまり高くなると熱
間加工性を阻害するので1.0%以下とした。 Mn:Mnは異方性に関してNiと同様の効果を示
し、低い方が異方性を改善する。その効果は3.0
%以下で顕著に現われるため上限を3.0%とし
た。 Cr:Crは異方性及び加工性に対してあまり大
きな影響を示さないが、耐食性を維持するために
は16%以上が必要である。しかし、20%を超える
とフエライト量が増加し熱間加工性を劣化させ
る。このためCrの範囲を16〜20%に限定した。 Ni:Niは異方性に影響を及ぼす元素であり低
い方が異方性を改善するが、伸びに関しては高い
方が望ましい。従つて低すぎると加工性を阻害
し、高すぎると異方性を増大させることになる
が、とくに異方性はMn、2C+N及びPとの関連
において決定される。本発明では上記成分との関
連でみてNiは6.0〜11.5%とした。 N:Nも異方性に対しては低い方が好ましく、
0.2%以下が良好で工業的、経済的には可能な限
り低い方が望ましい。但し0.005%未満にするこ
とは工業的に困難でありNの範囲を0.005〜0.2%
とした。 P:PもC、Mn、Ni、Nと同様低い方が異方
性を改善する。低P化による異方性の改善はMn
+Ni、2C+Nとの関連において第1図に示され
る範囲でこれら成分の許容範囲を拡大し、更に伸
び及びエリクセン値の向上に有利に作用する。従
つて低い方が望ましいが、工業的かつ経済的に低
減しえる0.040%以下とした。 S:Sを低くすることは熱延板焼鈍を省略した
工程により製造した薄板製品の各種耐食性を向上
させる。その効果は0.010%以下で顕著に現わ
れ、低い方が望ましい。 さらに本発明は数多くの試料について実験検討
した結果、各成分は以上の添加範囲のほかとくに
C、N、Mn、Ni、Pについては第1図の点A,
p,Cp,D(但しpはP含有量×10-2%を示
し、点Bp,CpはそれぞれP含有量によつて決
る)で囲まれる範囲にすることが、薄板製品の面
内異方性及び加工性を改善するうえで不可欠な条
件であることを確めた。 第1図において線ABpCpは異方性より規制さ
れる限界でこれより上側の範囲ではイヤリング率
が急増し薄板製品の品質は劣化する。なお図にお
いて線B0C0,B1C1,B2C2,B3C3,B4C4はP量が
夫々0%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%の場
合の限界線である。 線ADはMn+Ni量の下限を示すものであるが、
Mn+Ni量がこれより低くなるとオーステナイト
相が不安定になりすぎ伸びが劣化する。線Cp
は2C+N量の下限を示すもので、2C+N量がこ
れより低くなると製造コストが急増し経済性に劣
る。従つてC、N、Mn、Ni、Pについてはいず
れも第1図の点A,Bp,Cp,Dで囲まれる範囲
を満足するものでなくてはならない。 更に以上の化学成分のほか必要に応じてMo4%
以下、Cu4%以下の一方又は双方を添加する。
Mo、Cuは通常0.2〜0.3%程度までは不純物とし
て含まれる場合があるが、本発明においては必要
に応じてこれを超えて添加する。 Mo:Moは耐食性上に有効な成分であり、とく
に熱延板又は冷延板の耐食性を改善する必要のあ
るとき上限を4%として添加する。 Cu:Cuはオーステナイト形成元素としてNiと
同等の挙動を示す。従つてCu添加によりそれに
相当する量のNiを下げることが可能であり製造
コストを安価にし得るので、このような必要のあ
る場合に添加する。しかしCuは4%を超えると
熱間加工性を著しく害し、熱延時に耳割れを生じ
る。このためCuの上限は4%とした。 以上の化学成分のほか異方性の低減には熱延仕
上圧延の影響が大きく、上記成分の効果に加算的
に作用する。 通常熱間圧延は粗圧延と仕上圧延に分けられる
が、粗圧延は1050℃以上の高温で終了するため圧
延後の組織は再結晶を完了した粗な結晶粒とな
る。しかし続いて数パスの仕上圧延を行つた場
合、圧延中に再結晶がくり返して生じ、熱延板の
組織は極めて小さな結晶粒を持つ様になる。この
様な細粒組織の熱延板を焼鈍することなく冷延
し、最終焼鈍を行つた場合には再結晶の起点とな
る粒界面積が多いため再結晶集合組織の優先成長
を促進し(211)<111>成分が極度に増大して異
方性が顕著になる。他方粗圧延後の鋼板を、例え
ばランナウトテーブル上に数秒放置し、温度を下
げてから仕上圧延を開始した場合の熱延板組織は
粗圧延で生じた粗な粒界がそのまま圧延方向に伸
びた状態、所謂、展伸粒化した状態となり、上記
条件に比べ結晶粒界の面積は著しく少くなる。こ
の様な熱延板は、焼鈍することなく冷延しても最
終焼鈍した時の薄板製品では集合組織がランダム
化し異方性が改善される。即ち熱延仕上圧延にお
ける噛込温度を低温にし熱延板組織を展伸粒化す
れば、熱延板の焼鈍を省略しても薄板製品の異方
性が改善されイヤリング率が低下する。 本発明者らは数多くの実験を行なつた結果、本
発明の目的達成のためには連続熱間圧延機により
通常の粗圧延を行つた後、熱延仕上圧延は少くと
も1パス以上、望ましくは各パスを第2図に示す
PQRSTPの範囲の圧下率と噛込温度で行う必要
があることを確めた。 第2図PQRSTPの範囲の条件は再結晶が生じ
ない、即ち粗圧延後の結晶粒を単に展伸粒化し、
粒界面積を最小に保持できる圧延条件を示すもの
である。 第2図において噛込温度の上限は線PQ及び線
QRで規制されるが、これより高温で仕上圧延を
開始した場合は、仕上圧延中に再結晶が生じ、組
織が微細粒となる。また噛込温度が線STより低
下すると変形抵抗が増大し、表面疵が急増して生
産性を阻害する。圧下率が線RSより大きい場合
は表面疵が増すと同時に耳割れを発生しだす。圧
下率が線TPより低い場合は仕上板厚が極度に厚
くなるか、パス回数が増大し、圧延効率が低下す
る。従つて仕上圧延の条件は第2図に示した
PQRSTPの斜線範囲の圧下率及び噛込温度でな
くてはならない。 つぎに、第2の問題点である表面性状について
は、熱延板のデスケーリングを、第2鉄イオンを
添加した硝塩酸溶液を用いて行えば熱間圧延の巻
取り条件にかかわりなく肌荒れのない良好な表面
肌が短時間で得られる。熱延板のデスケーリング
において、酸洗液として適正な濃度に調整した前
記溶液中ではデスケール性が著しく向上し、短時
間の浸漬でスケールの除去が可能となるのみなら
ず、熱延後の冷却速度が遅く、したがつて粒界に
炭化物が若干析出した状態の熱延板であつても、
粒界腐食が生じ難いので、デスケーリング後の表
面肌が極めて美麗に仕上ることを見い出した。 以下にデスケーリング溶液の成分組成限定理由
を説明する。 HNO3はHCl及びFe3+イオンと共存して酸洗作
用を強めると共に粒界腐食を生じる電位域を外し
て炭化物が粒界に析出していても酸洗肌荒れを起
こさせないよう作用する。この作用のためには20
g/〜130g/、望ましくは30g/〜100
g/が必要である。 HClは従来のHFに代わつてHNO3及びFe3+イオ
ンの共存下で酸洗作用を強めると共に、HNO3
びFe3+イオンと共存して、粒界腐食の生じる電
位域を外して炭化物が粒界に析出していても酸洗
肌荒れを起こさせない。この作用のためには
HCl、HNO3及びFe3+イオン量のバランスが大切
でHClとしては50g/〜300g/望ましくは
100g/l〜200g/が必要である。Fe3+イオ
ンはステンレス鋼のデスケーリングには極めて効
果的でHNO3及びHClと共存して、そのデスケー
ル作用を強め、かつ粒界腐食を生じやすい電位域
を外して炭化物が粒界に析出していても酸洗肌荒
れを起こさせない。この作用のためにはFe3+
オンは3〜90g/望ましくは10〜70g/が必
要である。Fe3+イオンを添加するには、FeCl3
Fe2(SO43、Fe(NO33等の第2鉄塩を用いる
ことができる。 なお、熱延板のデスケーリングにおいて、酸洗
の前に必要に応じて機械的デスケーリングを行
う。本発明においては、熱延板の焼鈍を行わず、
その上熱延仕上圧延の温度が従来より低いので、
スケールが従来法によるよりも薄い。したがつ
て、従来一般に行われているシヨツトブラスト等
の機械的デスケーリングを行わず、前記条件の酸
洗のみでもスケール除去が可能である。しかし、
機械的デスケーリングを行つた方が酸洗の負荷が
軽減するので好ましい。 デスケーリングを行つた熱延板は、公知の方法
で冷延及び焼鈍を行つて薄板製品となる。冷延
は、薄板製品の板厚まで、中間に焼鈍工程を入れ
ることなく1回で行つても材質上の問題はない。
製品の板厚が特に薄くて、1回で冷延できない場
合は、中間で焼鈍及び酸洗を行つて冷延してもよ
い。 以下本発明を実施例によつて具体的に説明す
る。 第1表に示すような成分のオーステナイト系ス
テンレス鋼を電炉−AOD法で溶製し、160mm厚の
連鋳鋳片とした。その後加熱炉で1250℃に加熱し
粗熱延を行つた後、第2表に示す条件で仕上熱延
を行つた。仕上熱延後のコイルは空冷状態で巻取
つた。 これらの熱延板は固溶化熱処理を行わず、シヨ
ツトブラストによる機械的なデスケーリング後第
3表に示す濃度のHNO3−HCl−FeCl3溶液中を
50秒間浸漬して酸洗を行つた。冷間圧延はゼンジ
ミアミルを用い最終板厚を0.7mmにした。最終焼
鈍は1100℃在炉55秒急冷で行い酸洗をして製品板
を得た。 製品板は表面光沢を観察した後、材質試験を行
つた。材質試験は0.2%耐力、引張強さ、伸び及
びイヤリング率に関して行つた。 イヤリング率(he)の算出は次式の方法によ
つた。 he=h−h/(h+h)/2×100(%)…
…(1) ここでh1はカツプの底から測定したカツプ縁部
の山の頂点までの高さを示し、h2は底から谷部ま
での高さを示す。 尚比較材の熱延板デスケーリングは上記と同じ
条件のシヨツトブラストを行つた後、HNO3
HF溶液に50秒間浸漬し、水洗後冷間圧延に供し
た。第3表に冷延・焼鈍後の材質試験結果を示
す。 化学成分と熱延条件がそれぞれ第1図及び第2
図で示された条件を満足し、熱延コイルの酸洗を
HNO3−HCl−FeCl3溶液で行う製造条件により
生産されたオーステナイト系ステンレス鋼板は熱
延板焼鈍を省略しても表面品質に優れていると同
様にイヤリング率が小さく、異方性が改善され、
伸びも大きく、加工性に優れていることが判る。
製品板の各種耐食性についても良好な結果を得
た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 本発明はオーステナイト系ステンレス鋼板又は
鋼帯の製造において熱延板焼鈍が省略でき、製造
コストの低減が図れる。得られた薄板製品は従来
の製造工程を経て製造された製品と同様表面品質
が優れ、かつ深絞り加工により発生するイヤリン
グが低い、従つてプレス加工後の切り捨て量の減
少、あるいは深絞り前のブランクサイズの縮小が
可能であり、多大の歩留向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に従つて限定される出発鋼スラ
ブのMn+Ni量と2C+N量及びP量との関係を示
す図である。 Bp及びCpはP含有量によつて決まり、各点の
座標はB0(10.0、0.3)、B1(9.5、0.3)、B2
(9.0、0.3)、B3(8.5、0.3)、B4(8.0、0.3)及び
C0(13.5、0.02)、C1(13.0+0.02)、C2(12.5、
0.02)、C3(12.0、0.02)、C4(11.5、0.02)によ
り与えられる。 第2図は本発明法における熱延仕上圧延の噛込
温度とパス当りの圧下率との関係を示す図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%にて、 C:0.005〜0.07%、Si:1.0%以下 Mn:3.0%以下、Cr:16〜20% Ni:6.0〜11.5%、N:0.005〜0.2% P:0.040%以下、S:0.010%以下 とし、かつ2C+NをMn+Ni及びP含有量に応じ
    て第1図の点A,Bp,Cp,D(但しpはP含有
    量×10-2%を示し、点Bp,CpはそれぞれP含有
    量によつて決まる)で囲まれた範囲とし、残部
    Fe及び不可避的不純物から成るオーステナイト
    系ステンレス鋼のスラブを熱間粗圧延した後、熱
    間仕上圧延において少なくとも1パス以上を第2
    図の点P,Q,R,S,Tで囲まれた範囲の圧下
    率及び噛込温度で行つて製造した熱延鋼板又は鋼
    帯を焼鈍することなく、必要に応じて機械的デス
    ケーリングした後、HNO3として20〜130g/
    の硝酸とHClとして50〜300g/の塩酸を含む
    硝塩酸水溶液にFe3+イオンとして3〜90g/
    含むように第2鉄塩を添加した溶液を用いて酸洗
    し、ついで冷間圧延及び焼鈍を行うことを特徴と
    するオーステナイト系ステンレス鋼板又は鋼帯の
    製造方法。 2 重量%にて、 C:0.005〜0.07%、Si:1.0%以下 Mn:3.0%以下、Cr:16〜20% Ni:6.0〜11.5%、N:0.005〜0.2% P:0.040%以下、S:0.010%以下 とし、かつ2C+NをMn+Ni及びP含有量に応じ
    て第1図の点A,Bp,Cp,D(但しpはP含有
    量×10-2%を示し、点Bp,CpはそれぞれP含有
    量によつて決まる)で囲まれた範囲とし、更に、
    Mo:4%以下、Cu:4%以下の一方又は双方を
    含み、残部Fe及び不可避的不純物から成るオー
    ステナイト系ステンレス鋼のスラブを熱間粗圧延
    した後、熱間仕上圧延において少なくとも1パス
    以上を第2図の点P,Q,R,S,Tで囲まれた
    範囲の圧下率及び噛込温度で行つて製造した熱延
    鋼板又は鋼帯を焼鈍することなく、必要に応じて
    機械的デスケーリングした後、HNO3として20〜
    130g/の硝酸とHClとして50〜300g/の塩
    酸を含む硝塩酸水溶液にFe3+イオンとして3〜
    90g/含むように第2鉄塩を添加した溶液を用
    いて酸洗し、ついで冷間圧延及び焼鈍を行うこと
    を特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼板又
    は鋼帯の製造方法。
JP350183A 1983-01-14 1983-01-14 オ−ステナイト系ステンレス鋼板又は鋼帯の製造方法 Granted JPS59129731A (ja)

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