JPS6216091B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は眼底カメラに関し、殊に角膜あるいは
水晶体による有害光の発生を防止した眼底カメラ
に関する。

古くから使用されている大型眼底カメラの光学
系では、撮影系の光路と眼底照明系の光路が対物
レンズの所で重畳するので、照明光の一部が角膜
の表面で反射するのを防止するため、いわゆるリ
ング・スリツト照明法を採用している。この照明
法では角膜近傍にリング状の二次光源を形成して
眼底を一様に照明する一方で、眼底反射光をリン
グ状二次光源の中央遮光域から取り出し、照明光
と撮影光を分離するのは周知の通りである。処
で、最近、眼底カメラの画角が拡大されるに従つ
て遮光域の光軸方向の長さが短縮され、その結
果、水晶体で反射や散乱が生じて画質を悪化させ
る恐れがあるため、この有害光を除去する技術が
既に幾つか提案されている。

本発明の目的は、有害光の除去効率を向上させ
るとともに、瞳孔径の増加を防止することにあ
る。以下、本発明を第１図以下の実施例で詳述す
る。図中、Ｅは被検眼、Ｅ_fは眼底である。また
１は対物レンズ、２は光軸部分に円型開口を具え
た反射鏡で、光軸に対して斜設され、３は結像レ
ンズ、４はフイルムである。５はクイツク・リタ
ーンミラー、６は光路変更鏡、７は接眼レンズで
ある。８と９はそれぞれ絞りである。またＥ_f′は
第一次像、ｌは主光線である。以上の対物レンズ
１、絞り８と９、結像レンズ３そしてフイルム４
は撮影系を構成し、クイツク・リターンミラー
５、鏡６、接眼レンズ７はフアインダーを構成す
る。

次に１０と１１はリレーレンズ、１２は光路変
更鏡である。１３は第２図に描く通り、円環状開
口１３ａを具えている遮光板で、中央遮光部１３
ｂの中心は光軸に一致する。１４は第３図に描く
通り、光軸及びその近傍を覆う遮光円板、１５は
光軸近傍に円形開口を具えた遮光板である。１６
と１８は夫々コンデンサーレンズ、１７は撮影用
のキセノン管、１９は観察用のタングステン球で
ある。以上の部材と対物レンズ１が眼底照明系を
構成する。

ここで円環状開口を具えた遮光板１３は、鏡１
２とリレーレンズ１０と１１、有孔反射鏡１２、
対物レンズ１に関して、被検眼の瞳孔と共役であ
り、その共役位置は対物レンズ１に関して絞り８
と共役である。但し、共役位置における絞り８の
開口像は、中央遮光部１３ｂの像より若干小さく
しておくものとする。また遮光円板１４は中継す
る光学系に関して角膜頂点附近と共役であり、そ
の位置と絞り９は共役である。この場合も絞り９
の開口像は遮光円板１４の像より若干小さく、こ
れにより遮光円板像の外側を通つた光は絞りに入
射することがない。更に円形開口を備える遮光板
１５は中継する光学系に関して角膜の微小量前方
の位置と共役である。

なお、遮光板１３の中央遮光部１３ｂを除去す
ることが可能である一方で、遮光円板１４と開口
遮光板１５を同一位置に配することも可能である
が、後者については位置をずらした方がより望ま
しい。また遮光板は、適当な位置にレンズが在れ
ばその表面に形成しても良い。

光源１７と１９はコンデンサーレンズ１６と１
８に関して共役であつて、各遮光板の開口を照明
する。これら開口を発した光束は鏡１２で反射
し、リレーレンズ１０と１１の作用で有孔鏡の鏡
面上もしくはその近傍に一且各開口像を結像し、
次いで対物レンズ１の作用で被検眼前眼部に順に
開口像を形成する。第５図は人眼と光束との関係
を描いており、Ｏ_pは眼底Ｅ_fの中心、Ｏ_wは周辺
の１点を表わす。Ｉ_pは中心Ｏ_pを照明する照明光
束、Ｉ_wは周辺Ｏ_wを照明する照明光束であり、
Ｒ_pは中心Ｏ_pを発した撮影光束、Ｒ_wは周辺Ｏ_wを
発した撮影光束である。

同図に示した１３′は環状開口遮光板１３の
像、１４′は遮光円板１４の像、１５′は開口遮孔
光板１５の像であつて、図からわかる様に遮光円
板像１４′は周辺照明光束Ｉ_wの下側束を遮断
し、開口遮光板像１５′は光束Ｉ_wの上側束を遮
断するから、角膜および水晶体の所で照明光束と
撮影光束は十分分離されており、反射もしくは散
乱された照明光束の一部がフイルムあるいはフア
インダーに達することはない。第６図はＯ_p点よ
り水晶体方向を見た様子を描いており、環状照明
光束Ｉ_pの中心を撮影光束Ｒ_pが射出する。

第５図ではメリデイオナル断面を示しているの
で、Ｏ_w点を照明する光束は描かれていないが、
実際にはこの点はサジタル面の光束で照明されて
おり、第７図のＩ_w光束がそれである。

この様にして眼底は有害光を生ずることなく照
明され、眼底で散乱反射した光束は被検眼を射出
した後、対物レンズ１によつて一且結像（Ｅ_f′）
し、絞りを通過して結像レンズ３で結像される。
クイツク・リターンミラー５が光路に斜設されて
いれば、結像レンズ３を射出した光束はミラー５
の鏡面で反射して空中像を形成するから、被検者
は接眼レンズ７を介してこれを観察し得る。また
ミラー５が光路外へ除去され、図示しないシヤツ
ターが開放されれば、フイルム４上には画像性能
の良好な眼底像が形成される。

以上の構成の内、例えば遮光板１３の環状開口
の直径を増大させれば中央遮光部による遮光域が
増大して、本発明と同様の有害光除去効果を得る
ことができるが、大きな瞳孔径を必要とする難点
がある。これに対し本発明は従来程度の瞳孔径で
も、フレアー等の画質悪化を起すことなく広角撮
影が可能となる効果がある。又、本発明によれ
ば、角膜と略共役に設けられる軸上開口部によつ
て、水晶体（例えば水晶体後面）と共役に軸上遮
光部を設ける場合と同様の非照明域が得られ水晶
体からの有害光の撮影系への混入が防止される。

又、水晶体と共役に軸上遮光部を設ける場合に
は、軸上遮光部を支える支持部材もしくは軸上遮
光部が形成されたガラス面において、照明光量が
損失するところ、本発明では角膜と略共役に軸上
開口部を設けているため、該軸上開口部の設定に
関連して照明効率が低下することが無い。

更に、角膜と略共役に設けられる軸上遮光部と
軸上開口部を光路中同一位置に設け、１つの環状
開口を形成するようにすれば、別箇に軸上遮光部
と軸上開口部を設定する場合に比べ好都合とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例を示す縦断面図。第２図、第３
図、第４図は各々、構成要素を示す平面図。第５
図は人眼の縦断面図。第６図と第７図は各々、光
束の様子を示す断面図。 図中、１は対物レンズ、３は結像レンズ、８と
９は絞り、１３は円環状開口を具えた遮光板、１
４は遮光円板、１５は円形開口を具えた遮光板、
１７は撮影光源、１９は観察光源である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 眼底照明系と眼底撮影系の光路を一部重畳す
   る眼底カメラにおいて、眼底照明系の光路内に被
   検眼瞳孔と略共役に第１の遮光手段、被検眼角膜
   と略共役に第２の遮光手段、該第２の遮光手段を
   被検眼に投影したときの像位置を含んで被検眼眼
   底と反対側の所定位置と共役に第３の遮光手段を
   有し、前記第１の遮光手段は環状開口もしくは軸
   上開口を備え、前記第２の遮光手段は軸上遮光部
   を備え、前記第３の遮光手段は被検眼に投影した
   とき前記第２の遮光手段の軸上遮光部の像より大
   きな開口像となる軸上開口部を備えることを特徴
   とする眼底カメラ。 ２ 前記第１の遮光手段は被検眼瞳孔と略共役な
   環状開口を備え、且つ前記第２の遮光手段及び前
   記第３の遮光手段は被検眼角膜と略共役な環状開
   口を形成する特許請求の範囲第１項記載の眼底カ
   メラ。