JPS62157321A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、表面に磁性層を有する基体の裏面にバック
コート層を設けた磁気テープなどの磁気記録媒体に関し
、さらに詳しくは走行安定性に優れた磁気テープなどの
磁気記録媒体に関する。

〔従来の技術〕

近年、特にビデオテープ等の磁気記録媒体においては、
ノイズを低減し、出力を向上させるため、極めて平滑性
の良好なポリエステルフィルム等を基体として使用し、
かつ非常に微細な磁性粉末を使用するなどして磁性層の
表面平滑性を可及的に平滑にすることが行われているが
、平滑な基体を使用するほど走行時のガイドロール等と
の摩擦係数が大きくなり、走行が不安定になる。このた
め、摩擦係数を低減し、走行安定性を改善する目的で、
磁性層を有する基体の裏面に、たとえば、硫酸バリウム
、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ベンガラ等の充
填剤を結合剤樹脂とともに塗着してバラフコ−Ｈｉｔを
設けることが行われれている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、バックコート層に使用されるこれらの充愼剤
は、結合剤樹脂中での分散性がそれほど良好でないため
、バックコート層の強度を充分に強化することができず
、特に、最近のＶＴＲのように低速走行と高速走行とを
含む複雑な走行機構に適用される場合は、バックコート
層の耐摩耗性が未だ不充分であった。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明はかかる現状から、バックコート層の耐摩耗性
を改善し、走行安定性を改善するため種々検討を行った
結果酸されたもので、バックコート層中に、平均粒子径
が２０〜７０ｍμｍのカーボンブラックと、平均粒子径
が０．０８〜０．１５μｍのフッ素系樹脂の微粉末とを
含有させることによって、カーボンブラックおよびフッ
素系樹脂微粉末の分散性を良好にし、摩擦係数を充分に
低減して、バックコート層の耐摩耗性を改善し、走行安
定性を充分に向上させたものである。またバックコート
層の結合剤成分として、繊維素系樹脂とポリウレタン系
樹脂、さらにイソシアネート化合物を併用することによ
ってバックコート層の耐摩耗性をさらに向上し、モース
硬度３以上の非磁性粉末をさらに併用することによって
、バックコート層の耐摩耗性を一段と向上させたもので
ある。

この発明において使用されるカーボンブラックは、平均
粒子径が２０〜７０ｍμｍのものが好ましく使用され、
平均粒子径が２０ｍμｍより小さいものでは、塗料中で
凝集しやすくて分散性が悪く、充填密度が低下してバッ
クコート層の機械的強度を充分に補強することができな
い。また平均粒子径が７０ｍμｍより大きいものを使用
すると、併用するフッ素系樹脂の微粉末の優れた潤滑効
果を阻害して耐摩耗性および走行安定性を充分に向上す
ることができず、さらにバックコート層の表面平滑性が
劣化して電磁変換特性に悪影響を及ぼす。また、この種
のカーボンブラックは、カルボキシル基、キノン基、フ
ェノール基、ラクトン基などの酸素含有基からなる揮発
成分を１重量％以上含むものが好ましく使用され、この
ように１重量％以上の揮発成分が含まれたカーボンブラ
・ツクを使用すると、カーボンブラック自体の湿潤作用
が良好になるだけでなくフッ素系樹脂の微粉末などの湿
潤作用を促進し、分散性を向上する。

また、この発明において使用されるフッ素系樹脂の微粉
末は、固形で優れた潤滑能を有し、バックコート層中に
含有されるとバックコート層の摩擦係数を小さくしてバ
ックコート層の耐摩耗性を向上し、走行安定性を向上す
る。このようなフッ素系樹脂の微粉末は、平均粒子径が
０．０５μｍより小さいものでは、凝集しやすくて分散
性が悪く、また平均粒子径が０．２μｍより大きいもの
を使用すると、バックコート層の表面平滑性が低下し、
フッ素系樹脂微粉末の優れた潤滑効果が阻害されて耐摩
耗性および走行安定性が充分に向上されず、さらに電磁
変換特性に悪影響を及ぼすため、平均粒子径が０．０８
〜０．１５μｍのものが好ましく使用される。このよう
なフッ素系樹脂の微粉末としては、たとえば、テトラフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリクロ
ロフルオロエチレンなどの微粉末が好適なものとして使
用され、市販品の具体例としては、ダイキン工業社製ル
ブロンＬ−２、旭フロロポリマー社製フルオンＬ１７０
等が挙げられる。

このようなカーボンブラ・ツクとフッ素系樹脂の微粉末
との配合割合は、重量比（カーボンブラック対フッ素系
樹脂の微粉末）で５対１〜５対３の範囲内となるように
するのが好ましく、カーボンブラックが少なすぎるとバ
ックコート層の表面電気抵抗が太き（なり、フッ素系樹
脂の微粉末が少なすぎるとフッ素系樹脂微粉末の潤滑効
果が充分に発揮されず、耐摩耗性および走行安定性が充
分に向上されない。

また、これらのカーボンブラックおよびフッ素系樹脂の
微粉末とともに、さらにモース硬度が３以上の非磁性粉
末を併用すると、この種のモース硬度３以上の非磁性粉
末によってバックコート層がさらに補強され、バックコ
ート層の耐摩耗性が充分に向上される。このようなモー
ス硬度が３以上の非磁性粉末としては、たとえば、炭酸
カルシウム粉末、硫酸バリウム粉末、α−酸化鉄粉末、
酸化チタン粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、炭化
ケイ素粉末、ガーネット粉末、酸化ケイ素粉末、酸化ク
ロム粉末等が好適なものとして使用される。また、この
種のモース硬度が３以上の非磁性粉末は、平均粒子径が
０．０３μｍより小さいものを使用するとバックコート
層の耐摩耗性が充分に向上されず、粒子径が大きくなる
に従って耐摩耗性は向上するが、０．２０μｍより大き
いものを使用するとバックコート層の表面平滑性が損な
われるおそれがあるため、平均粒子径が０．０５〜０．
１０μｍのものが好ましく使用される。使用量は、全充
虜剤のうち、２０〜４０重量％の範囲内にするのが好ま
しく、少なすぎると所期の効果が得られず、多すぎると
バックコート層の表面平滑性が劣化し走行安定性が悪く
なる。

このような平均粒子径が２０〜７０ｍμｍのカーボンブ
ラックと、平均粒子径が０．０８〜０．１５μｍのフッ
素系樹脂の微粉末を含有するバックコート層は、通常、
これらの平均粒子径が２０〜７０ｍμｍのカーボンブラ
ックと、平均粒子径が０．０８〜０．１５μｍのフッ素
系樹脂の微粉末を、充填剤、結合剤樹脂および有機溶剤
等とともに混合分散してバックコート層塗料を調製し、
これを予め磁性層を表面に形成したポリエステルフィル
ムなどの基体の裏面に塗布し、乾燥して形成される。こ
のようにして形成されるバックコート層の厚さは０．１
μｍより薄くすると所期の効果が得られず、３μｍより
厚くするとバックコート層を内側にしたカールが発生す
るため、０．１〜３μｍの範囲内にするのが好ましく、
０．５〜２μｍの範囲内の厚みにするのがより好ましい
。

ここで、使用される結合剤樹脂としては、通常磁気記録
媒体に使用されるものがいずれも好適に使用されるが、
特に、繊維素系樹脂とポリウレタン系樹脂を併用すると
耐摩耗性に優れたバックコート層が得られ、さらにイソ
シアネート化合物を併用すると一段と強靭なバックコー
ト層が得られ、バックコート層の耐摩耗性が充分に向上
されるため、これらの繊維素系樹脂、ポリウレタン系樹
脂およびイソシアネート化合物等が特に好ましく使用さ
れる。また、有機溶剤としては、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン
、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミドなど従来一般に使用される有機溶剤がいずれも単独
で、或いは二種以上混合して使用される。

また、このバックコート層中には潤滑剤を併用してもよ
く、併用される潤滑剤としては、脂肪族潤滑剤、炭化水
素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、シリコーン系潤滑剤など
がいずれも好適に使用される。使用量は全充填剤に対し
て０．５〜３重量％以下の範囲内で使用するのが好まし
い。

また、基体の表面に形成される磁性層は、Ｔ−Ｆｅ２０
３粉末、Ｆｅ３Ｏ４粉末、Ｃｏ含含有−Ｆｅ２０３粉末
、Ｃｏ含有Ｆｅ３Ｏ４粉末、Ｆｅ粉末、ＣＯ粉末、Ｆｅ
−Ｎｉ粉末などの磁性粉末を従来一般に使用される結合
剤樹脂および有機溶剤等とともに混合分散して磁性塗料
を調製し、この磁性塗料を基体の表面に塗布、乾燥する
などの方法で形成される他、Ｃ０１Ｎｉ、Ｆｅｓ　Ｃｏ
−Ｎｉ合金、Ｃｏ−Ｃｒ合金、Ｃｏ−Ｐ、Ｃｏ−Ｎ１−
Ｐなどの強磁性材を、真空蒸着、イオンブレーティング
、スパッタリング、メッキ等の手段によって基体上に被
着するなどの方法でも形成される。

〔実施例〕

次に、この発明の実施例について説明する。

実施例１〜６ ＣＯ含有ｒ−Ｆｅ２０３粉末　　１００重量部（平均粒
子径０．４μｍ） ニトロセルロース（１６％溶液）　　　５６．３〃カー
ボンブラツク　　　　　　　　４　“粒状Ｃｔ−Ｆ　ｅ
２０３　　　　　　　５　　。

Ｃｒ２Ｏ３１ｔｔ ステアリン酸亜鉛　　　　　　　　０．５〃シクロへキ
サノン　　　　　　　　９０〃トルエン　　　　　　　
　　　　９０〃この組成物を高速攪拌機で５〜１０時間
混時間数し、その後サンドグラインダーで混合分散した
。次いで、これに ポリウレタン樹脂（２０％溶液）　　　４０重量部三官
能性低分子量イソシアネ−４〃 ト化合物 ステアリン酸−ｎ−ブチル　　　　１　〃ミリスチン酸
　　　　　　　　　　　２　　〃シクロヘキサノン　　
　　　　　３５〃トルエン　　　　　　　　　　　３５
〃を適宜の順序で加え、高速攪拌機で混合分散したのち
、１μｍのフィルターを通過させて磁性塗料を調製した
。この磁性塗料を厚さ１３μｍのポリエステルフィルム
表面に乾燥厚が約５μｍとなるように塗布、乾燥し、そ
の後、カレンダー処理を行った。次いで、 ニトロセルロース（１６％溶液）１７０重ＪＬＦＩＳポ
リウレタン樹脂（２０％溶液）９５〃三官能性低分子量
イソシアネ−１０〃 ト化合物 ミリスチン酸　　　　　　　　　　　２　　〃ステアリ
ン酸−ｎ−ブチル　　　　１　〃シクロへキサノン　　
　　　　　２００〃トルエン　　　　　　　　　　２０
０〃の組成物に、下記の第１表に示すカーボンブランク
、フッ素樹脂微粉末、ＣａＣＯ３粉末およびα−Ｆｅ２
ｏ３粉末を、それぞれ第１表に示す割合で加えて、高速
攪拌機で３時間混合し、次いでサンドミルで混合分散し
てバックコート層塗料を調製し、このバックコート層塗
料を乾燥厚が約１μｍとなるように、前記の表面に磁性
層を形成したポリエステルフィルムの裏面に塗布、乾燥
してバックコート層を形成した。しかる後、これを所定
の巾に裁断してビデオテープをつ（った。

比較例１〜５ 実施例１〜６におけるバックコート層塗料の組成におい
て、下記の第１表に示すカーボンブランク、フッ素樹脂
微粉末、ＣａＣＯ３粉末およびα−Ｆｅ２０３粉末を、
それぞれ第１表に示す割合で使用した以外は実施例１〜
６と同様にしてビデオテープをつくった。

各実施例および比較例で得られた各ビデオテープについ
て、走行安定性およびバックコート層の表面粗さを下記
の方法で試験、測定した。

く走行安定性〉 ＶＨ３方式のＶＴＲを用い、５０％グレー信号を記録し
たビデオテープの実用走行試験を行い、走行前のビデオ
ＳＮ比に対する走行後のビデオＳＮ比の低下量を測定し
、３ｄＢ低下するまでの時間と、テープエツジのダメー
ジが発生するまでの時間を測定した。またバックコート
層に傷が発生するまでの走行回数を測定した。

〈バックコート層の表面粗さ〉 触針式表面粗度計を用いてビデオテープの中心線平均粗
さくＲａ）を測定した。

下記第２表はその結果である。

〔発明の効果〕

上記第２表から明らかなように、この発明で得られたビ
デオテープ（実施例１〜６）は、従来のビデオテープ（
比較例１〜４）に比べて、ビデオＳＮ比の低下およびテ
ープエツジのダメージ発生が少なく、バックコート層に
傷が生じにくくて、表面粗さが小さく、このことからこ
の発明によって得られる磁気記録媒体は、バックコート
層の耐摩耗性が良好で走行安定性に優れていることがわ
かる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、表面に磁性層を有する基体の裏面に、平均粒子径が
   ２０〜７０ｍμｍのカーボンブラックと、平均粒子径が
   ０．０８〜０．１５μｍのフッ素系樹脂の微粉末と、結
   合剤成分とを含むバックコート層を設けたことを特徴と
   する磁気記録媒体 ２、バックコート層中に含まれる結合剤成分が、繊維素
   系樹脂とポリウレタン系樹脂である特許請求の範囲第１
   項記載の磁気記録媒体 ３、バックコート層中に、結合剤成分としてさらにイソ
   シアネート化合物を含ませた特許請求の範囲第２項記載
   の磁気記録媒体 ４、バックコート層中にさらにモース硬度３以上の非磁
   性粉末を含有させた特許請求の範囲第１項ないし第３項
   記載の磁気記録媒体