JPS6215579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ワイヤハーネスを集束、保持するの
に好適なワイヤハーネスプロテクタに関するもの
であり、特にプロテクタ本体とクランプを確実に
係合させることができるワイヤハーネスプロテク
タに関する。

従来のワイヤハーネスプロテクタは、ワイヤハ
ーネスを集束するプロテクタ本体とこれを自動車
等のボデー、シヤーシ等の支持部材に固定するク
ランプとを一体に形成していた。そして、使用に
際しては、ワイヤハーネスの弛みや揺動防止のた
め、クランプにワイヤハーネスをテープ等で固定
する方法が採られていた。この構成では、クラン
プ間の寸法を正確にとらなければならず、クラン
プ取付用穴位置のバラツキやクランプ間の寸法誤
差等によっては、前記プロテクタ本体、ないしは
クランプの取付が不可能となり、作業のやり直し
を余儀なくされる等の欠点があった。このため、
ワイヤハーネスプロテクタをプロテクタ本体とク
ランプに分離し、プロテクタ本体の側面にスライ
ド溝を、クランプに嵌合部材をそれぞれ設けたも
のも案出されていた。この構成では、ワイヤハー
ネスをプロテクタ本体に保持させ、支持部材にク
ランプを固定し、嵌合部材にスライド溝を嵌め合
せて保持させていた。しかし、嵌合部材とスライ
ド溝は単に摺動的に嵌め合せられていることから
振動により外れるおそれのあるものであった。

本考案は上記の様な欠点に着目してなされたも
ので、プロテクタ本体を弾性材質で形成し、プロ
テクタ本体とクランプを密着するよう嵌め合せ、
振動等により容易に連結が外れないワイヤハーネ
スプロテクタを提供するものである。

また、本考案の他の目的は、プロテクタ本体と
クランプを嵌合した状態で、プロテクタのフツク
が外れないようにするものである。

以下、本考案の一実施例を図面と共に説明する
と、第１図はプロテクタ本体１を示すもので、こ
のプロテクタ本体１はゴム、軟質プラスチツク等
の弾性材質で断面形状をややコ字形に形成されて
いる。このプロテクタ本体１の連結側壁２の中央
部には、該連結側壁２の外側に開口する断面ほぼ
Ｔ字形のスライド溝３が長手方向に設けられる。

したがって、連結側壁２は、内側中央部に可撓
弾性を有する連結壁２ｃが形成され、外側にスラ
イド溝を挾んで可撓弾性を有する上下の各側壁２
ａ，２ｂが前記連結壁２ｃを介して連設形成され
る。

また、連結側壁２の上下に連設する蓋板４と底
板５の自由端部は互に対向する如く下方及び上方
に折曲され４ａ，５ａ、その先端には夫々鈎状フ
ツク６，７が形成している。

而して、前記連結側壁２はスライド溝３を凹部
底面とする如くプロテクタ本体１の内側に向けて
く字状に屈曲される。

したがって、連結側壁２の上下各側壁２ａ，２
ｂは垂直方向に角度θだけ傾斜すると共に、連結
壁２ｃもほぼく字状に湾曲する。

プロテクタ本体１は、前記連結側壁２、蓋板
４、底板５によりワイヤハーネスを集束、挿通し
て保持するロ字形の空間を形成しており、フツク
６，７は相互に係合するよう鈎の形状を対向して
形成してある。

第２図はクランプ８を示すもので、クランプ８
は硬質プラスチツク等のやや硬い材質で形成して
ある。このクランプ８は平板状の基板９の一側に
前記スライド溝３と嵌合する断面Ｔ字形の嵌合部
材１０が水平に設てあり、基板９の他側には、ク
ランプ８を自動車のボデー、シヤーシ等の支持部
材に嵌挿して固定するための鈎状の分割ピン１１
が突設してある。

第３図は分割ピン１１の構成を示すもので、分
割ピン１１は一対のピン軸１１ａと鈎状頭部１１
ｂとから構成してあり、基板９にピン軸１１ａが
植設してあり、このピン軸１１ａの先端に鈎状頭
部１１ｂがそれぞれ外側に向けて連設してある。

次に、第４図によってその使用方法を説明す
る。

まず、プロテクタ本体１の蓋体４と底板５を開
いて、ワイヤハーネスＡをプロテクタ本体１の口
字形空間に集束，保持し、この後、フツク６と７
を引掛けてワイヤハーネスＡを挟持、固定する。

次いで、スライド溝３の一端から、クランプ８
の嵌合部材１０を挿通し、プロテクタ本体１とク
ランプ８を嵌着する。このとき、通常く字状に屈
曲ないしは湾曲している連結側壁２の上下各側壁
２ａ，２ｂ及び連結壁２ｃは、その弾性変形によ
りほぼ直線状になり、各側壁２ａ，２ｂは常に嵌
合部材１０を弾性復元力により強く押圧している
状態にあるため、プロテクタ本体１はクランプ８
に密着し、上下揺動不能に確実に支持される。

次いで、クランプ８を移動し、その分割ピン１
１をシヤーシ１２の係止孔１３に挿入する。分割
ピン１１のピン軸１１ａ及び鈎状頭部１１ｂは図
中Ｂ方向に押圧すると、弾性によりその径を縮め
ることができ、分割ピン１１は係止孔１３に嵌着
できる。このことにより、プロテクタ本体１はシ
ヤーシ１２の所望位置に簡単に固定、取外しがで
きる。

そして、プロテクタ本体１を十分長くして樋状
に形成すれば、ワイヤハーネスの集束，保持のみ
ならず、ワイヤハーネス自体の保護体として使用
できる。また、プロテクタ本体１が短い場合には
ワイヤハーネスのクリツプとして使用できる。さ
らに、分割ピン１１は基板９の嵌合部材１０側に
設けてもよい。

本考案は以上説明したように、ワイヤハーネス
を集束して保持するプロテクタ本体の側面にスラ
イド溝を設け、自動車のシヤーシヽボデー等の支
持部材に着脱自在に係止されるクランプの基板に
嵌合部材を設け、この嵌合部材を前記スライド溝
に摺動して嵌合させたので、ワイヤハーネスの集
束、保持作業が簡単となり、また、ワイヤハーネ
スプロテクタ自体の製作に際し、厳密な寸法精度
を要せず製作が容易である。さらに、プロテクタ
本体は弾性材質で形成し、連結側壁は内側に折曲
げてあることから、プロテクタ本体とクランプは
密着し、振動等によって容易に係合が外れないも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のワイヤハーネスプロテクタの一
実施例を示し、第１図はプロテクタ本体の斜視
図、第２図はクランプの斜視図、第３図は分割ピ
ンの側面図、第４図はワイヤハーネスプロテクタ
の使用状態の断面図である。 １……プロテクタ本体、２……連結側壁、３…
…スライド溝、８……クランプ、１０……嵌合部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワイヤハーネスを挟持固定する断面やや口字形
   に形成された弾性材質よりなるプロテクタ本体に
   おいて、該プロテクタ本体を構成する連結側壁
   は、その中央部長手方向に設けられた外側に開口
   する断面ほぼＴ字形のスライド溝を凹部底面とし
   てプロテクタ体の内側へく字状に屈曲され、前記
   スライド溝により、連結側壁の外側に形成された
   上下各側壁が連結側壁の内側に形成された可撓弾
   性を有する連結壁を介して連設形成されているこ
   とを特微とするワイヤハーネスプロテクタ。