JPS6215390Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バルコニー、階段等に設けられる手
摺等の支柱固定具に関するものである。

従来、手摺等が設置された現場にこの種支柱を
後付で固定するには、第４図に示す如く、床面に
起立させた柱体ａの基端部をアングル材等の支持
部材ｂで挾持状に支持したり、あるいは柱体ａの
基端部が嵌合する立上り部ｃを一体的に形成した
支持部材ｂで支持しているが、このものでは柱体
ａと支持部材ｂとを貫通する取付ネジｄを用いて
柱体ａを固定しなければならず、しかも支持体ｄ
を２本の取付ボルトｅで床面に固定するものであ
るため、支持部材ｂに設けてある取付ボルトｅの
挿通孔ｆに対応して２個のボルト打込孔を床面に
穿設しなければならないので、孔開け作用が面倒
である許りでなく、柱体ａの側面や床面に取付ネ
ジｄや取付ボルトｅのネジ頭が突出して外観を損
う欠点がある。

本考案は、上記の如き実状に鑑み創案されたも
のであつて、押圧体の垂直応力によつて拡開した
アンカー金具の開放部外面が筒状支柱体の内壁面
に圧接して筒状支柱体を固定可能に構成すること
により、押圧体をアンカー金具よりも若干高さが
低い高ナツトと、その上面から高ナツトに螺着す
る締め付けボルトを介してアンカー金具の開放部
に嵌入させる操作のみで支柱を固定することがで
き、支柱の側面や支柱を固定した床面から取付ネ
ジのネジ頭等が突出することのない手摺等の支柱
固定具を提供しようとするものである。

本考案の構成を図面に示された実施例に基いて
説明すれば、１は床面に固定されるアンカー金具
であつて、該アンカー金具１は、ボルトアンカー
２に挿通される取付孔３が穿設された底板４と、
上記底板４の両側部を上方に折曲成形し、１対の
側壁としての立上り部５とによつて断面略形に
構成されている。そして立上り部５の外周に支柱
６の基端部が嵌合するようになつており、上記立
上り部５の上端縁には、内側に向う傾斜面５ａが
形成されている。

７はボルトアンカー２に螺合する高ナツトであ
つて、該高ナツト７を緊締することによつて、ボ
ルトアンカー２の突出部に取付孔３を介して挿通
したアンカー金具１を床面に固定できるようにな
つている。そして、アンカー金具１を床面に固定
した状態の高ナツト７の上端は、アンカー金具１
の立上り部５上端より低く形成されている。８は
上記アンカー金具１の上方開放部に挿入される押
圧体であつて、その周縁部には前記アンカー金具
１の立上り部５上端縁に形成された傾斜面５ａと
摺接する傾斜面８ａが形成され、中央部には高ナ
ツト７の上端部に螺入される締付ボルト９の挿通
孔８ｂが穿設されている。

また第３図には他の実施例を示してあるが、同
図Ａに示すものは、アンカー金具１の立上り部５
を上方に向つて縮小状に形成し、立上り部５の外
面に支柱６の内壁と当接する凸部イを形成したも
のであり、同図Ｂに示すものは上記同様、縮小状
に形成した立上り部５を凹凸状に折曲して凸部
ロ、を形成したものである。また同図Ｃに示すも
のは、アンカー金具１の底板４を外側方に延設し
て床面との接触面を拡大したものである。

上記の如き構成において、手摺等の支柱６を固
定するには、まず床面の所定位置にボルトアンカ
ー２の打込孔を穿設し、該打込孔にボルトアンカ
ー２を打込み固定してから、その突出部に取付孔
３を介してアンカー金具１を挿通し、上記アンカ
ー金具１の底板４をボルトアンカー２に螺合した
高ナツト７で上方から締付ければ、アンカー金具
１を床面の所定位置に確実に固定することができ
る。

ついで、支柱６の基端部を上記アンカー金具１
の立上り部５に嵌着し、ボルトアンカー２に挿通
した押圧体８を、高ナツト７の上端部に螺入した
締付ボルト９で締付ければ、上記高ナツト７は立
上り部５より低く形成されているので、押圧体８
は傾斜面８ａが立上り部５の傾斜面５ａに沿つて
摺動しながらアンカー金具１の開放部に圧入さ
れ、その垂直応力によつて外側方に拡開せしめら
れた立上り部５の外壁と支柱６の内壁とが圧接し
て強い摩擦力を生ずるので、支柱６をアンカー金
具１に固定するために別の取付ネジ等を用いるこ
となく確実に固定することができる。また第３図
Ａ，Ｂに示すアンカー金具１を用いれば、立上り
部５が上方に向つて縮小状に形成してあるので支
柱６を容易にアンカー金具１の立上り部５に嵌入
できて手摺等の組立て作業を能率化することがで
き、しかも立上り部５に設けた凸部がそれぞれ支
柱６の内壁と圧接して大きな摩擦力を生ずるので
支柱６を一層強固に固定することができる。さら
に第３図Ｃに示すアンカー金具１は、床面との接
触面が拡大されているため固定された支柱６の安
定性を増大させることができる。

これを要するに本考案は、ボルトアンカーに取
着される支柱固定具を、上方に開放部を有したア
ンカー金具と該アンカー金具の開放部に嵌入され
る押圧体とで構成し、筒状支柱体が嵌着されたと
きに該筒状支柱体の内壁面に押圧体の垂直応力に
よりアンカー金具の開放部外面が外方に拡開して
圧接し、筒状支柱体を押圧固定可能に構成したか
ら、１本のボルトアンカーを利用して押圧体をア
ンカー金具の開放部に嵌入させる操作のみで支柱
を固定することができるので、床面にボルトアン
カーを打込むための孔開け作業が容易となり、正
確に支柱の位置出しをすることができるうえ、支
柱の側面や支柱を固定した床面から取付ネジのネ
ジ頭等が突出することはなく、極めて好ましい外
観とすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る手摺等の支柱固定具の実施
例を示すものであつて、第１図は分解傾斜図、第
２図は組立説明図、第３図Ａ，Ｂは他の実施例を
示す要部の断面図、同図Ｃは要部の斜視図、第４
図は従来例を示す説明図である。 図中、１……アンカー金具、２……ボルトアン
カー、３……取付孔、４……底板、５……側壁立
上り部、６……支柱、７……高ナツト、８……押
圧体、９……締付ボルトである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 床面に植設したボルトアンカーによつて固定
   し、手摺等の支柱の下端を固定するようにした
   支柱の固定具において、この固定具は、上方と
   １対の対向側面とを開放した断面が上向きコ字
   形のアンカー金具と、該アンカー金具の１対の
   側壁の上端に設けた内方に傾斜する斜面に当接
   するように周辺下面を同様に傾斜させた板状の
   押圧体とからなり、アンカー金具の底板と押圧
   体の中央にはボルトの挿通孔を有し、アンカー
   金具はアンカー金具をその内部上面から床面に
   固定する側壁よりも高さが若干低い別体の高ナ
   ツトを有し、押圧体は筒状支柱体がアンカー金
   具に嵌着されたのちに、押圧体をその上面から
   高ナツトに緊締固定する別体の締付けボルトを
   有していることを特徴とする手摺等の支柱固定
   具。 (2) アンカー金具の側壁外面は、アンカー金具の
   拡開時に支柱内壁に当接する凸部を設けて構成
   されていることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第(1)項記載の手摺等の支柱固定具。