JPS6215129Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、開口部のカールが容易かつ美麗に
行えるようにしたプラスチツク製円筒容器に関す
る。

一般のプラスチツク製簡易容器は、適当な大き
さに裁断されたプラスチツクフイルムを筒状に巻
回し、その重合部を熱又は溶剤等で接着して胴部
を形成したうえ、上下の開口縁をカールして、更
にその下部開口に別途底板を上記同様、熱又は溶
剤により接着するものであつた。

しかし、上記胴部のカールに際して、深く屈曲
させる必要がある上部開口では、その重合接着部
が二重構造のため、加熱、軟化に時間がかゝるだ
けでなく、重合部の接着が剥れたり、潰ぶれたり
して屡々不良品が発生し、その生産能率を著しく
低下させていたものであつた。

このような実情に鑑み本考案は、所定の大きさ
に裁断されたプラスチツクフイルムの一側縁の上
角、又は上下両角に予め切欠部を設けて胴部を形
成し、巻回時にその開口部におけるフイルムの重
合量を減少させて、慨ね一重構造とすることによ
り、そのカール加工が容易かつ美麗に行えるよう
にしたものである。

以下その構成を実施例に従つて更に詳述すると
図において、１はプラスチツクからなる円筒容器
の胴部、２，２′は胴部の上下開口におけるカー
ル部であり、又３は下部のカール部２′に適宜接
着された底板、更に４は胴部の重合線を示す。

而して、上記円筒容器の胴部の製作に当つては
第２図に示すように所定の大きさに裁断されたプ
ラスチツクフイルムｆの一側縁f′の上下両角に、
その頂点５，５′を中心として巻回時の重合巾に
見合う半径で四半円状の切欠部６を設け、上記フ
イルムｆを巻回した際に互いに重合する他側縁
f″の上下の頂点７，７′が上記切欠部６の切断頂
点ａ，a′と突合う位置で、その重合線４に沿つて
接着することにより、上下開口縁が慨ね一重構造
の円筒体を得るものである。

又、上記胴部１を連続的に製作する場合には、
第３図に示すように長尺のフイルムＦを横断して
予め所定の胴長に見合う間隔で多数の切取線８，
８…を切設し、更に該フイルムＦの一側縁F′上
に各切取線８…を跨いで半円状の切欠部６，６′
……を設けておき、フイルム全体を巻回しつつ、
その両縁F′，F″を重合接着して連続した円筒体
を形成した後、上記各切取線８から切離すことに
より、前記構造の多数の容器胴部が効率よく得ら
れるものである。

このようにして得られた上記容器胴部の上下の
開口縁を常法によつて内乃至は外方にカールを施
し、更にその下端開口に別途、用意された底板３
を接着して目的の円筒容器を製作するものであ
る。

叙上の構成に係る本案容器は、上記切欠部６，
６′によつて、その重合線４上の上下両端は、他
の周縁部と同様に一重構造であるため、従来カー
ルを施す場合に重合部の加熱軟化に長時間を要し
ていたものが、短時間で均一な加熱が行え、カー
ル加工のスピード化を計ることができる上、深く
カールしても折屈したり、潰れることがなく美麗
な仕上りが得られ、この種円筒容器の生産性を著
しく向上させ得るものである。

尚、本案容器における切欠部６は、比較的屈曲
率の少ない底縁部についてはこれを省略してもよ
く、又その切欠部の形状は上記実施例に示した四
半円状に限定されるものではなく、例えば一辺が
重合巾である方形、若しくはその対角線上に沿つ
て切断したもの（第４図参照）であつても、従来
の完全に重合した縁部に比較してカール加工のス
ピードアツプと不良品の防止を計るうえで充分な
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案円筒容器を一部切欠して示す斜視
図、第２図はその胴部の展開図、又第３図は胴部
の連続製作に使用するプラスチツクフイルムを示
す平面図、更に第４図は切欠部の他の実施例を示
す胴部の展開図である。 尚、図中、１……胴部、２，２′……カール
部、３……底板、４……重合線、６……切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクフイルムを筒状に巻回して、その
   重合部を接着したうえ、上下の各開口縁をカール
   し、その下部開口に別途底板を接合してなるプラ
   スチツク製円筒容器において、巻回時に互いに重
   合するフイルム一側縁の上角、又は上下両角に切
   欠部を設けたことを特徴とするプラスチツク製円
   筒容器。