JP4160735B2 - 紙容器の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食品の容器や植木鉢などとして用いられる紙容器の製造方法に関する。更に詳しくは、一枚のブランクを折り曲げて形成されものであり、しかも底が深い紙容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品類などの流通用としては成形が容易であるプラスチック容器が多用されてきたが、近年では、環境ホルモンの溶出や使用後における廃棄処理の諸問題から紙容器の使用が見直されている。ここで紙容器の製造方法として、貼合わせ方や抄紙法などがよく知られている。前者の貼合わせ法は、例えばラミネート加工を施した原紙を用い、容器の胴体部と底部とを形成するブランクを個別に成形した後、その両者を金型内で加熱圧着するなどでの方法で一体化するものである。
【0003】
後者の抄紙法は、紙繊維を水中に分散させて、そのコロイド溶液を所定形状の抄き網で濾過し脱水して容器の原形を作り、これを熱風乾燥又は熱プレスして紙容器を製造するものである。これらの方法は必要工数が多く、従ってコストがかかるばかりではなく、また、得られた容器は水に弱く、飲料容器や植木鉢などの耐水性が要求されるものには利用できないという欠点があった。
【0004】
また、一枚のブランク(シート)から紙容器を一体形成する絞り加工法も従来から知られており、一般的に広く利用されてきた。この絞り加工法によれば、ラミネート加工が施されたブランクを用いるなどの方法で、耐水性のある容器を効率よく低コストで生産することができる。
【0005】
この絞り加工法は、一枚のブランクから一体形成されるので耐水性のあるものを少ない工数で比較的容易に生産できる利点があるものの、加工時の設定条件が非常に難しく、特に深絞りをするとブランクが破損してしまうという難点があった。このため、絞り加工により得られる従来の紙容器は底が浅く、その用途は限られたものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達成する。本発明の目的は、一枚のブランクから一体形成される底の深い紙容器の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、一枚のブランクから一体形成される底の深い紙容器の製造方法において、紙容器の展開図面の計算方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、一枚の原紙を所定形状に裁断してブランクとし、そのブランクの中央部に正多角形状を成す環状罫線を形成して紙容器の底面とする。そして、紙容器の周壁面を構成する周壁面の外側の分割面と内側の内襞面を上記の環状罫線の外側に形成する。このときは、分割面は底面の角数だけあり、環状罫線の各辺から外側へ延びるようにする。各分割面の間のブランク部は内襞面となり、環状罫線の角部から内壁面を2対称部に分けながら延びる対称軸線で2等分する。その後、前記内襞面を対称軸線に沿って二つ折りにしつつ環状罫線を折り畳んで各分割面の側縁を寄せ合わせると共に、内襞面を各分割面上に折り重ねて環状罫線の内側の領域を底面とする特徴とする紙容器の製造方法を提供するものである。
【0008】
前記紙容器の高さ、前記紙容器の最上面の半径、前記紙容器の最底面の半径、前記紙容器の底面の角数を決定すれば、上面が開口された任意の形状の紙容器を作れる。紙容器の最上面縁の紙の状態がある場所では、1枚、又は3枚、場合によっては5枚のものが作れる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施例〕
以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1〜図5に基づいて本発明の一例を説明する。
【0010】
〔紙容器の構成〕
図1は、紙容器の実施例の全体図を示す斜視図であり、図2には同底面図を示す。ここで、この紙容器は一枚のブランクを折り込んで上方に稍広がるテーパ状の筒形に一体成形されている。紙容器は底面1、周壁面2から構成され、上面3は開口されている。また、図1に示されたものとは逆に上面3側より底面1側へと広がる逆テーパ状のものでも良い。
【0011】
本実施の形態では底面1は正12角形状となっているが、一般的には円形又は12角以外の正多角形であっても良い。周壁面2は、区画された複数の外側の分割面(外壁面を構成する部分)5と内周側の内襞面(内壁面を構成する部分)4から構成されている。ここでいう分割面5は、図1に示されているように四辺形からなる外周壁をいい、内襞面4は折られて2重に重ねられている部分をいう。各分割面5は底面1から周方向に向けて所定の勾配で立ち上がって、周壁面2の外周面上を沿って上面3まで伸びている。
【0012】
つまり、分割面5は底面1の周縁から上面開口縁部3Aに向けて螺旋状に延びる帯状(縦長い形状)を形成しており、側縁5Aは互いに寄せ合わされ、その間の内襞面4(2枚の折り畳まれた部分)は2つの分割面5との間に挟まれて周方向に連ねられて配置されている。内襞面4は2つの三角形状を折り畳んだものからなる(図3の展開図参照)。
【0013】
一方、内襞面4は図3で明らかなように、その三角形の頂点が底面1の周縁1A(12角形の角部)に接する二つ折りの三角形状にして各分割面5の相互間に介在し、それぞれ各分割面5に沿ってその内面上に折り重ねられる。この1枚の紙から作られた紙容器は、接着剤を一切使用せずして紙容器を定形に保ち得る。このように構成される紙容器は、ブランクとして合成樹脂フィルムやその他の撥水材料で被膜を形成したコーディング紙を用いて食品の容器、植木鉢などとして利用できる。
【0014】
〔展開図〕
図3は、上記の紙容器を展開した状態を示している。図3において、山折線(線7)は破線で、又谷折線(線9)は細線で示してある。そして、この図から底面1がブランクBの中央部にあって正12角形状を成す環状罫線6にて区分され、又この環状罫線6の各角部から放射状に延びる技状罫線、線9,罫線7がある。
【0015】
一つの分割面5と一つの内襞面4を合わせて一つの周壁面2の構成単位と考えると、この構成単位の数は底面の角の数ある。図中で分割面5は四角形E’ACBとなり、内襞面4は△ADCと△DHCとからなる四角形ADHCとなる。紙容器がの分割面5の側縁5Aのリード角度αとなる。
【0016】
△ADCと△DHCが罫線7で山折り、線9で谷折りされて隣の分割面5の△HECと重なる。線ABと線DCのねじれ角度はψである。ただし、分割面5の側縁5Aのリード角度αはねじれ角度ψと異なる。線DCが直線の場合は、ねじれ角度ψは0となる。
【0017】
紙容器ができたときは、紙容器の外側から四角形E’ACBが分割面として見え、内襞面4(四角形ADHC)は見えない。紙容器の内側からは四角形ADCBが見え、△DHCと△HECが見えない。また、図中から明らかなように、紙容器の壁面の構成単位として多角形BADHECを考えることもできる。
【0018】
罫線7を中心としてこれを山折線として、かつ角度φで二つの三角形8を描いて折り曲げて重なった部分が内襞面4となる。図3で明らかなように、紙容器を構成するブランクBは底面1(環状罫線6)を構成する正12角形と、これより大径の正12角形状を同芯に配置して、底面1の正12角形の角部と大径の正12角形の角部を結んだ線が罫線7である。
【0019】
展開図を山折り線と谷折り線で折り畳み紙容器を作ったとき、罫線7、線9と重なる線を図中にそれぞれ線7’、線9’と図示している。
罫線7を中心として、その両側に、底面1の角部から角度φで大径の正12角形方向に直線を引いた線が技状線9’,9となる。技状線9’,9の内側の領域は内襞面4となる。従って、各分割面5は、環状罫線6の各辺を一辺として半径方向とある角で伸びて細長い四角形にして、各内襞面4(図1参照。)の相互間に形成されている。線7’は底面1の角部から線9と角φをなしながら延びている。
【0020】
図3では、枝状罫線7,7’が成す角度は2φとして示してあるが、その角度φを変化させることにより、得られる紙容器の上面の開口度を大きくしたり小さくしたりすることができる。また、線7と底面1の半径方向との角度θ’がπに近づくにつれて紙容器の絞りが浅くなることが明らかである。
【0021】
〔製造方法〕
ここで、以上のように構成される紙容器の製造方法を図4〜図5により説明する。先ず、図4に示すように所定の原紙Pを準備し、これを抜型などにより所定形状、特に本例では正12角形状に裁断してブランクBとする。特に、抜型として切刃のほか罫線を組み込んだものを用いるなどして、ブランクBにはその成形と同時に谷折り線の環状罫線6と線9、及び山折り線用の線7を形成する。線7は、底面1の半径方向と角度θ’をして伸びる様に形成され、線9は罫線7とφの角度を成して一方側に形成される。なお、環状罫線6は正12角形状にしてブランクBの中央部に形成する。
【0022】
これにより山折り線用の罫線7の両側の三角形8の領域を内襞面4として、その各内襞面4とその相互間に形成される帯状(矩形)の分割面5とを環状罫線6の周囲で交互に区分する。そして、図5は、図3の展開図のブランクを折り曲げて紙容器を作る途中の平面図であり、図3から見れば裏面から見た状態を示すものである。図5に示すように、各山折線用の破線7を山折りすると共に谷折線の細線9を谷折りして各内襞面4を二つ折りにしつつ折り畳んで、各分割面5を区画する側縁5A(枝状線9,9’の裏面)を寄せ合わせていく。このとき二つ折りの内襞面4を各分割面5の裏面、即ち内周面側に沿ってその内周面上に折り重ねる。よって、図1のような紙容器を得ることができる。
【0023】
又、この種の紙容器は罫線7を折り込むための突条をもつキャビティと、二つ折りの内襞面4を受け入れるための溝をもつポンチとを同軸に配置して自動成形することができる(図示せず)。特に、内襞面4を分割面5上に折り重ねる手投としてキャビティを固定してポンチを分割面5の螺旋形状にしたがって割り出し回転させることが考えられる。
【0024】
ブランクBの外周縁を花弁状にすることで紙容器の上面開口縁3Aは平らになっている(図1参照)。図1に示した紙容器はその上面開口縁3Aに何ら処理を施していないが、本実施の形態においても上面開口縁3Aをカーリングするなどして外側又は内側に折り返すようにしてもよい。紙容器の使用者が上面開口縁3Aで接触し怪我する確率が減少する。
【0025】
また、得られた紙容器の上面開口縁3Aをカーリングして外側又は内側に折り返すことにより、絞り角度が浅い場合(高さが低い紙容器)等でも、紙容器が開きにくくすることが出来る。尚、上面開口縁3Aをカーリングするなどして外側又は内側に折り返すと、各内襞面4が分割面5に沿って折り畳まれた状態を保って上面開口縁3Aの広がりを阻止するため、接着剤を一切使用せずして紙容器を定形に保ち得るが、上面開口縁3Aを折り込まず接着剤を用いて各内襞面4を分割面5上に貼り合わせるようにしてもよい。
【0026】
又、本発明に係る紙容器は、上記のように底面1が正12角形状であるものに限らず、内襞面4や分割面5をより細分化して底面1、周壁面2、及び上面3を実質的に円形としたり、又は三角形や四角形ないしは24角形程度までの多角形、特に、それらの正多角形とすることができる。
【0027】
〔計算方法〕
次の上記の工程で紙容器を形成するために必要な各パラメータの決定、その計算方法について述べる。一般的には、紙容器の高さ、底面1及び上面3の半径が与えられることが殆どであり、その上に底面1の角数が与えられることが多い。場合によっては、図6に示すように分割面5の側縁5Aのリード角度α又は紙容器の内側から見える四角形ADCBの側辺AB・DCのねじれ角度ψ、が与えられることがある。
【0028】
以下には、初期条件として、紙容器の高さh1、底面1の半径r1、上面3の半径r2及び底面1は正n角形と与えられたとき、ねじれ角度ψ(θ’又はθ)及び内襞面4と分割面5の各辺の長さ及び角度を決定する方法について述べる。以下の計算で決定したパラメータに基づいて成形した紙容器は製造誤差範囲内で十分に紙容器として製造ができるものであった。
【0029】
紙容器の各構成要素の計算方法について、図3と図6〜図8を参照しながら、述べる。一般的には、紙容器の上面3の半径r2、底面1の半径 r1、紙容器の高さh1、底面1の角数n、ねじれ角度ψを与えるとその展開図ができる。
図6は紙容器の全体図で、図3はその展開図である。周壁面2の分割面5は底面1の辺数だけあり、全体として紙容器は角度ψで螺旋状に絞るように形成されている。この分割面5は展開図、図3では正12角形の底面1の各辺から半径方向外側へと向く縦長い四角形(多角形E’ACB)の形状をしている。展開図の分割面5と分割面5の間の部分は、二つ折りの内襞面4(四角形ADHC(△ADCと△DHCから成る))となり、内襞面4が山折り線と谷折り線で折り重なられ分割面5と重なる。
【0030】
そのため、∠HCDと∠ECHが等角φになる必要がある。また、紙容器が出来たとき、分割面5と内襞面4が均一(図1に示すように紙容器の開口上面のどの部分を見ても3枚重なっている状態)に重なるためには、線分E’A、AD、DH、HEがそれぞれ等しくなければならない。そのために、∠DCA=∠HCD=∠ECH=φでなければならない。また、四角形ADCBと△DHCと△HECの各辺の長さ、各角度を求めれば紙容器の展開図ができ、紙容器が作れる。
【0031】
次に、紙容器の製作時に必要となる、四角形ADCBと△DHCと△HECの各パラメータの決定、計算方法について具体的に述べる。紙容器の底面1が多角形状でその角数nが十分多いとき、円錐形状として近似することができるので、この形で考察する。
【0032】
製作しようとする中心線の高さがh1の紙容器の中心線を含む面で切断する。切断した断面に表れる母線103を延長した線と紙容器の中心線を延長した線は、点Tで交差する。即ち、紙容器の下部を延長すると円錐形状となり、前記断面はこれを切断した形状である。即ち、円錐形状を図7のように周壁面2を底面1方向に延長して直円錐101としたときの頂点102をTとする。本発明の紙容器は、この直円錐101をある軸線の直角方向で切断したものに等しい形をしているといえる。
【0033】
この円錐101を展開した展開図は図8のようになる。図7中は、容器の上面3と頂点Tの作る円錐101の高さはH,母線103の長さはl2、そして、底面1と頂点Tの作る円錐104の高さはh2、母線105はl1である。
【0034】
多角形ABCD106の∠DABを∠A、同様に∠B、∠C、∠Dとする。
初期パラメータn、r1、r2、h1(均一な上面3のとき)から容器の展開図をつくるために、四角形ADCB106の各辺の長さ各角度そしてφの値が必要である。
【0035】
〔φの計算〕
【数7】
Figure 0004160735
四角形の内角の法則及び図8の△ABT、△DCTから
【数8】
Figure 0004160735
このとき、
【数9】
Figure 0004160735
となる。
よって、φはn、r1、r2、h1から一意的にきまる。
【0036】
〔辺の計算〕
四角形ADCB106の各辺の長さは以下の式で計算される。
【0037】
【数10】
Figure 0004160735
【0038】
〔角度の計算〕
また、四角形ADCB106の各角は以下の様に計算される。
【数11】
Figure 0004160735
【0039】
底面1の正多角形の半径r1とABの作る角度は
【数12】
Figure 0004160735
となる。
上記の計算から明らかなようにn、r1、r2、h1とθ又はψが与えられば展開図が出来る。一方、φはψに独立であり、r1、r、hの値を与えるとき、同形状の紙容器を異なるψの値を用いて作成することができる。但し、紙容器の最上面縁の紙の状態がある場所では、1枚、又は3枚、場合によっては5枚の可能性もある。
【0040】
〔分割面の上面側の縁辺が3重の場合の計算〕
また、紙容器に関しては初期条件としてn、r1、r2、h1と上面開口縁3Aが3重になるという条件を入れるとき、
∠ACD=φ
AC=HC
となる必要がある。
ここで、その計算方法を示す。
A、B、C、Dについて方程式を書くと下記のような行立式を得る
1=A
2=C
3=T
4=D
ij=P
とすると、
AC=d12=xとすると、d13=l2
【数13】
Figure 0004160735
23=l1、d24=L、
34=l2となる。
【数14】
Figure 0004160735
はとθの変数となる。
12、d11以外はn、r1、r2、h1によって一意的に決定される。
【0041】
下記の行列式を得る。
【数15】
Figure 0004160735
【0042】
点A、点C、点T、点Dは同じ平面上にあるので、Mの行列式は0になる。
よって、
det(M)=0 (式C)
となる。
【0043】
∠ACD=φ となるための関係式は次のようになる。
【数16】
Figure 0004160735
xとθの2変数の方程式になる。
【0044】
式Cと式Dの連立方程式を解き、θを求めることが出来る。
θの値より
【数17】
Figure 0004160735
【0045】
式でψの値も求めることができる。
また、ψの値はθを介せずに直接方程式を書き求めることもできる。
よって、ACの長さが計算できる。
【0046】
〔展開図の作り方の例〕
まずは、底面1の半径r1の正n角形を作り、その各頂点と底面1の多角形の中点Oを結ぶとn個の三角形が出来る。その内の三角形から半径方向外側へ向く四角形ADCBを作る。このとき、計算から得られたABCDの各角度及び辺を利用する。それとφ角度をなすCH線を作り、多角形BADHCを得る。
【0047】
その多角形BADHCを中点Oを中心に2π/n角度だけ移動させることで次の多角形を作ることが出来る。このステップを繰り返すことで、紙容器の展開図が得られ、各線ごとにを山折り、谷折りすることで紙容器ができる。多角形BADHCを得るには、ABの長さ、ADの長さ、φ、φ’の値が必要であり、各値は、初期条件n、r1、r2、h1から上記の式によって計算される。
展開図は、上記のような順番ステップだけはなく、計算された各辺の長さ、角度を用いてどんな順番でも形成しても構わない。
【0048】
〔第2の実施の形態〕
図9(a),(b)に、上面がカーリングされている紙容器の第2の実施の形態を示しており、図9(a)は正面図であり、図9(b)は一部破断した図9(a)の平面図である。紙容器20の上端がカーリング21されることによって紙容器20の分割面22が開きにくくなる。前述での分割面5の側縁5Aのリード角度α又は紙容器の内側から見える四角形ADCBの側辺AB・CDのねじれ角度ψが比較的大きい場合、分割面22が開きにくい紙容器を作ることができる。
【0049】
図9(b)から分かるように、紙容器20の分割面22の上面側の縁辺の一部のみが3重に重なったブランクになっている。この実施の形態では、分割面の上面側の縁辺を開くにくくするためにカーリング21している。なお、紙容器20の分割面22の上面側の縁辺をカーリングしないで、分割面22を開いた紙容器20を作ることも可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば一枚のブランクの中央部を残して、その周囲にガセット折りによる襞を形成することで筒状にしているため、底の深い紙容器をブランクを破損せずして容易に作れ、従来のプラスチック容器と差別化を図ることができる。
【0051】
そして、その紙容器は底を深くできることから用途が広がり、特に一枚のブランクから一体成形するので、ブランクとしてコーティング紙などを用いることにより、抄紙法により得られる紙容器とは別に飲料容器などにも適用するよう耐水性をもたせることができる。しかも、周壁面に折り畳まれた内襞面をもつことから高強度にして美的である。又、上面開口縁をカーリングしていることから、接着剤を使用せずして定形を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る紙容器の第1の実施の形態を示した斜視図である。
【図2】図2は、図1の紙容器の底面図である。
【図3】図3は、図1の紙容器の展開図である。
【図4】図4は、図1の紙容器の成形用ブランクを原紙から取り出す状態を示した平面図である。
【図5】図5は、図1のブランクを折り込む状態を示した図であり、図3から見れば裏面から見た状態を示すものである。
【図6】図6は、計算例の紙容器の全体図である。
【図7】図7は、計算に用いる円錐の正面図である。
【図8】図8は、図7の円錐の展開図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態を示した図である。
【符号の説明】
1…底面
2…周壁面
3…上面
3A…上面開口縁
4…内襞面
5…分割面

Claims (3)

  1. 一枚のブランクから一体形成され、上面(3)が開口された紙容器の製造方法であって、
    前記紙容器は、
    多角形の底面(1)と、
    周壁面(2)は渦巻き状の複数の外側の分割面(5)と、
    内側の二つ折りして重なって連続して構成され内壁面を構成する内襞面(4)とで構成され、
    前記紙容器の展開図は、
    一枚のブランクの中央に底面(1)が位置し、
    前記底面(1)の外周に四角形の分割面(5)と2つの三角形(8)からなる内襞面(4)が前記底面(1)の辺数だけあり、
    前記底面(1)の外周縁から半径方向外側へ前記分割面(5)と前記内襞面(4)が交互に位置して直線状に延びており、
    前記分割面(5)と前記分割面(5)の間のブランク部分は前記底面(1)の各頂点を頂点とする前記内襞面(4)となり、
    前記内襞面(4)は前記底面(1)の角を共通頂点とし、共通辺が対称軸(7)となる2つの三角形(8)からなり、
    前記2つの三角形(8)の共通頂点の角度φ及び前記分割面(5)の各辺はそれぞれ下記の式で計算される
    ことを特徴とする紙容器の製造方法、
    計算式:
    Figure 0004160735
    このとき、h1:紙容器の高さ、r2:上面(3)の半径は、r1:底面(1)の半径、n:底面(1)の角数。
  2. 請求項1に記載の紙容器の製造方法であって、
    前記分割面(5)の前記上面(3)側の縁辺(3A)が3重に重なるために下記の式で計算されることを特徴とする紙容器の製造方法。
    〔上面側の縁辺が3重の場合の計算〕このとき、h1:紙容器の高さ、r2:上面(3)の半径は、r1:底面(1)の半径、n:底面(1)の角数、四角形E’ACB:分割面(5)、E’BとAC:分割面(5)の側辺、E’A:分割面(5)の上面(3)側の縁辺、BC:分割面(5)の底面(1)側の縁辺、多角形ADHECB:紙容器を構成する周壁面の構成単位(紙容器の展開図は底面(1)とその周りのn個の多角形ADHECBから構成される)、ψ:線ABと線DCのねじれ角度、∠ACD=φ:底面の角部からのびる内襞面(4)の角度2φの半分、T:紙容器の底面(1)側をのばして円錐(101)にして展開したときの頂点(T))3重に重なるための条件:∠ACD=φ、AC=HC分割面(5)の頂点とTを
    =A
    =C
    =T
    =D
    とすると、
    ij=P
    AC=d12=x
    13=l
    Figure 0004160735
    23=l、d24=L、
    34=lとなる。
    Figure 0004160735
    12、d24以外はn、r、r、hによって一意的に決定される。方程式を書き下記の行列を得る。
    Figure 0004160735
    点A、点C、点T、点Dは同じ平面上にあるため、Mの行列式は0になる。よって、
    det(M)=0 (式A)
    となる。そして、∠ACD=φとなるための関係式は次のようになる。
    Figure 0004160735
    xとθの2変数の方程式になる。式Aと式Bの連立方程式を解き、θを求めることが出来る。θの値より
    Figure 0004160735
    式でψの値も求める。また、ψの値はθを介せずに直接方程式を書き求めることもできる、
    よって、ACの長さが計算でき、紙容器の展開図は一意的にできる。
  3. 請求項1又はに記載の紙容器の製造方法であって、
    前記上面開口縁(3A)がカーリングされて製造されることを特徴とする紙容器の製造方法。
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