JPS6213556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コーヒー豆等の原料を粉砕する粉砕
体及びその粉砕された原料を受けるフイルターを
有するケースと、該ケース内に熱湯を供給する給
湯装置を具備してなる飲料製造機に関する。

例えば、風味豊かな美味しいコーヒー抽出の条
件は、『コーヒー豆を挽いた後直ちに熱湯を注ぎ
濾過する』ことである。

従つて、一般家庭で美味しいコーヒーを得よう
とすれば、豆を粉砕するミル機能と粉砕後直ちに
熱湯を給湯しうるドリツプ機能を合わせもつこと
が必要である。

従来、コーヒー沸し器のミル機能とドリツプ機
能を合わせ持つものとして、駆動モーターを有
し、該モーターにより回転する粉砕体と、豆を粉
砕し粉砕したコーヒー粉を受けるフイルターとを
有するケース内に直接熱湯を供給するものがあつ
た。しかし、該フイルターはコーヒー豆を同一室
内で粉砕する為強度が必要であり、また、コーヒ
ーをろ過する為目の細かいものが不可欠であつ
た。そのため従来フイルターには、コスト的には
高いステンレス製等の強度のあるもので180メツ
シユ程度の目の細かいものを使用していた。

しかし、ステンレス網の線径は180メツシユ程
度のもので50μｍしかなくコーヒー豆等の粉砕を
繰り返すと網が破れフイルターとしての機能を果
さなくなり、粉砕時その破れに豆が当つて異常音
が発生し、また、コーヒー液にコーヒー粉が混入
したり、かつ、コーヒー粉が十分浸漬されないま
ずい抽出液になつていた。

又、フイルター自体豆等の粉砕時たわみ易くな
つて十分な粉砕が効率よく行なわれないものであ
つた。

又、従来粉砕体を内包するケースは合成樹脂等
で形成されていたが、該ケース径を粉砕体近く迄
近づけて小さくすると粉砕時の豆衝撃力により周
壁が摩耗してついには穴があく問題があり耐久性
に欠けていた。この為、従来は粉砕体との距離を
十分保つたケース径のものを用いていたが、これ
による器体の大型化はさけられなかつた。

又、ケース自体熱湯が給湯されるもので、この
為耐熱性の良い合成樹脂とし、かつ透明性の良い
樹脂で粉砕状態及び給湯ろ過状態を確認してコー
ヒー抽出を視覚的に楽しみ、安全性を確認するに
は透明度のよいアクリルニトリル樹脂（AS樹
脂）等では耐熱性がもたず、どうしても価格的に
高いポリカーボネイト樹脂（PC）等が必要であ
つた。

又、合成樹脂ケースの為、コーヒー粉砕粉が周
壁にベツタリとくつつき熱湯給湯時、粉砕後の粉
分布は、外周壁に細かな粉がつき内方に（中央）
は粗い粒度の粉が集まるもので中心部から滴下す
る熱湯に対してうすめのコーヒー液抽出となり抽
出効率が悪かつた。又、このことはケース清掃時
粉とケースの分離（特に周壁部）がわずらわしく
面倒でもあつた。

本考案は上記従来の欠点を解消するもので以下
添付図面を参照して説明する。

第１図、第２図において１は器体容器であり、
これは手に持ち運びしやすい奥行き幅の略長円形
をなす基台２に載置して取付けられ、仕切板ａ，
ｂで容器は区分されている。

３は器体中央内部に容器仕切板ｂと基台上面ｃ
とで構成する収納部に弾性体を有するゴム等によ
り上下方向に挾持されてなる駆動モーターで、仕
切板ｂ底面に設けた挿入部ｄよりモーター回転軸
４に取付けられた継手５が上方に延出している。
６は、上部バスケツト７と下部バスケツト８とバ
スケツト中蓋９よりなるケースで、以下これにつ
いて詳述する。上部バスケツト７は円筒状をなし
その下端部の外周壁には段部１０と突起１１を有
する。下部バスケツト８は有底円筒状をなし、一
部に注出口１２を有し、底面１３は注出口１２に
向つて下降傾斜しており中央部に貫通穴１８を設
けてある。また下部バスケツト８の上部には上部
バスケツト７の突起１１と嵌合固定するように突
起１４を有し、外周に段部１５を設け、バスケツ
ト中蓋９の外周辺部１６を上部バスケツト７の下
部端面１７と段部１５で挾持している。前記バス
ケツト中蓋９は上部バスケツト７側に突出した円
筒部１９を設け、ケース６を組立てる際、上部バ
スケツト７に嵌合して案内となり操作を容易にし
ている。

５１は、上部バスケツト７内の壁段部５２に外
周フランジ部５３を嵌着し、立上りフランジ壁５
４は上部バスケツト７の下方壁に沿つて組込まれ
る補強板で、中央部にフランジボス部５５を有し
該外方底面５６に穴５７を設けている。

この補強板５１は、例えば錆に強いステンレス
製で作られ、底面５６はバスケツト中蓋９の外周
辺部１６と内方リング５８との間に設けられた網
フイルター５９の直上に位置する。

又、前記バスケツト中蓋９のフランジボス部５
５には上部バスケツト７側に原料等を粉砕する粉
砕体２０を回転自在に支持しており、フランジボ
ス部５５を介して粉砕体２０下部にはモーター回
転軸４に取付けられる継手５に挿入嵌合し、駆動
力を伝達するように継手２１が取付けられてい
る。

而して、ケース６を組立てる場合には、内部に
粉砕体を支持し内底部に嵌着した上部バスケツト
７に下方よりフイルター５９を有するバスケツト
中蓋９を円筒部１９を案内にして装着し、次いで
下部バスケツト８を下方より装着させて突起１
１，１４で嵌合固定させて完了となる。

２６は、前記ケース６の上面開口部に着脱自在
に被着されるケース蓋で、中央部には熱湯受皿２
７が形成されており複数個の小孔２８を具備して
いる。２９は、駆動モーター３に近接し、かつ側
面に位置するガラス製等のコーヒー収納カツプで
該カツプ蓋３０とで構成される周縁部受口３１が
前記注出口１２に対向して下方に位置する。

３２はガラス容器２９の把手である。３３は容
器１に形成された貯水タンクで、３４は基台２内
に保温板３５を介して、ガラス容器２９底面に対
応して取付けられた加熱体で、シーズヒーター３
６と加熱パイプ３７を内包し、かつ加熱パイプ３
７の一端は貯水タンク３３底面に逆止弁３８を介
して連結され他端はケース６近傍の給湯装置に接
続してなる。３９は給湯装置の一部をなす給湯パ
イプで、一端は水密に加熱パイプ３７に接続され
るとともに、他端開口部４０は、回転自在なアー
ム構造とし、この開口部４０はケース６の熱湯受
け皿２７に対向するようになつている。４１は容
器１上面開口部を覆う蓋、４２は貯水タンク蓋、
尚、加熱体３４の外底部には温度制御用サーモス
タツトTHが配置されている。

次に、電気回路について第３図にて説明する。
４３及４４は例えば単相交流電源に接続された電
源端子、４５は電源スイツチ、４６は操作部とし
ての切換えスイツチで可動接片T₁及び固定接片
T₂，T₃を有する。４７は安全スイツチで、容器
１における、例えばケース６を組み込み、蓋４１
を確実に閉じた時に、閉成するようになつてい
る。而して、電源端子４３，４４間には、電源ス
イツチ４５、切換スイツチ４６の接片T₁，T₂、
駆動モーター３及び安全スイツチ４７の直列回路
が接続されており、さらに前記切換スイツチ４６
の固定接片T₃はシーズヒータ３６及びサーモス
タツトTHを直列に介して、安全スイツチ４７と
電源端子４４との共通接続点に接続されている。

次に、上記構成の本実施例の作用について述べ
る。まず、貯水タンク３３内に所定量の水を供給
し、ケース６内に原料たるコーヒー豆を投入し、
バスケツト蓋２６を載置し、容器１の仕切板ｂに
装着させると、粉砕体２０の継手２１がモーター
回転軸４に取付けられた継手５と係合する。次に
給湯パイプ３９の開口部４０は熱湯受け皿２７に
対向してセツトし、容器１の蓋４１を閉じる。而
して安全スイツチ４７が開成される。更にガラス
容器蓋３０をセツトしたガラス容器２９を保温板
３５上に載置することで、ガラス容器２９の受口
３１は前記ケース６の注出口１２に対向して臨
む。

そこで、電源スイツチ４５を閉成し、さらに操
作部の切換スイツチ４６の接片T₁，T₂間を閉成
させると駆動モーター３が通電され、その回転軸
４の回転は継手５，２１を介して粉砕体２０に伝
達される。そして粉砕体２０の回転によりケース
６内のコーヒー豆は粉砕され、適度な粗さに挽か
れてコーヒー粉となる。

そして切換スイツチ４６の接片T₁，T₃を閉成
させると、接片T₁，T₂間の開放により駆動モー
ター３が断電されて、回転を停止し、接片T₁−
T₃の閉成により加熱体３４内のシーズヒーター
３６が通電されて発熱し、加熱パイプ３７内の水
を加熱する。従つて水は加熱パイプ３７内で沸騰
膨張し、熱湯は、逆止弁３８の作用によつて給湯
パイプ３９側へ上昇し、該パイプ開口部４０より
バスケツト蓋２６の熱湯受け皿２７に滴下し、小
孔２８よりケース６内のコーヒー粉に滴下するこ
とにより、湯がコーヒー粉内を通過してフイルタ
ー２２を通過する間にコーヒー成分を抽出し、注
出口１２を介してコーヒー液がガラス容器２９内
に溜まる。尚、シーズヒーター３６が発熱すると
保温板３５を介してガラス容器２９下面を加熱
し、貯水タンク３３の水が無くなるとサーモスタ
ツトTHが動作し、ガラス容器製カツプ２９内の
コーヒー液は適宜な温度に保温される。

更に詳しく本考案のミル粉砕及び抽出機能につ
いて述べる。

まず、コーヒー豆等の原料は上部バスケツト７
下部の補強板５１上にのる。この時穴５７形状は
豆及び大きな粒度の粉が下方へ落下しないのに十
分な大きさである。

そして、粉砕体２０が回転し豆（原料）をその
回転力により粉砕するが当初豆を分断する時に特
に大きな力が下方へかかる。

従来、この力に耐え、粉砕後のろ過方法として
ステンレス網180メツシユ（線径50μｍ）を使用
していたが、繰返されるこの力で破れるという大
きな問題点が解決されえなかつた。

本考案は、この衝撃力に耐えるものとしステン
レス網から薄板の補強板５１で対応するもので強
度及び耐久性から何ら従来問題点は発生しないも
のである。

そしてフイルター５９には粉砕時の衝撃力や圧
力は何ら受けない構成になつている。

従つて、従来材質的に高価なステンレス網を使
つていたが、本考案は、補強板５１の穴５７形状
及び該補強板５１とフイルター５９間に距離を設
定することで強度のいらないテトロン製の安価な
ネツト（網）で構成出来る利点をもつている。

ここで補強板５１の穴５７形状は第４図の平面
図の如く、平行か同径もしくは、内方より外方が
その幅の少さなスリツト穴５７ａもしくは外方に
いくに従つて小さくなる穴５７ｂ形状としてい
る。

これは、粉砕体２０による粉砕時の底面の受け
る力は粉砕体２０外方向径の方が大きく内方の方
が小さな力が加わる為で穴による強度低下を防い
だ合理的な強度対策である。又このことは粉砕体
２０の羽根で下方豆を粉砕すべく下方向の折り曲
げ片２０−ａによる最大の下方衝撃力に対処する
ことにもある。この穴５７の面積はネツトフイル
ター５９の有効断面積以上であり、この補強板５
１によつてケース６からの湯あふれのないものと
している。

又、前述の如く補強板５１は金属製でその外周
立上りフランジ壁５４が粉砕体２０の羽根外方近
傍を覆つているもので、粉砕体２０によつてふき
とばされた豆、分断片等の衝撃力によつて次第に
ケース内壁が削られて摩耗し、ついには穴があく
という大きな問題に対しても金属薄板補強板５１
で受けるもので樹脂に対して大幅な耐久性アツプ
が図れ実用上でも何ら支障のないものとなつた。

従つて、従来粉砕体より幾分かの距離をもつた
必要以上にケースが大形化したのに対し、本考案
ではその距離を十分に小さくすることが可能で粉
砕体による粉砕効率が著しく向上し、美味しいコ
ーヒーを抽出出来ると共にケース６自体も小形化
にでき、器体のコンパクト化を図れるものであ
る。加えて、補強板５１はケース６内壁（上部バ
スケツト７）に嵌着されているのでケース６本体
の強度アツプ及び熱湯に伴う樹脂の変形を防止で
き、樹脂肉厚の薄肉化を図れ、例えば透明性の良
い安価なアクリルスチレン樹脂（AS樹脂）を使
い、ケース６内の粉砕状態及び抽出状態を外方よ
り目視可能として採用しても、十分にその熱変形
を阻止出来安価に作れるもので高価なポリカーボ
ネイト樹脂等を使う必要はない。

次に粉砕時の粒度分布についても、ケースは従
来の樹脂面とは異なり、板金なのですべりやすく
ケース６（上部バスケツト７内）内壁に細かなコ
ーヒー粉ぎ密着し、固定化することがない。

従つて粉砕後、上部バスケツト７内にはほぼ一
様にコーヒー粉の粗度分布がなされ、熱湯滴下抽
出時のコーヒー成分抽出が良く経済的に美味しい
コーヒー液が得られる。

又、使用後の上部バスケツト７内の後始末につ
いても従来の様に内壁に粉がこびりつく事がなく
容易に掃除が可能である。

又、その他の掃除についてもケース６が３つに
分割され、かつバスケツト中蓋９も簡単に分解出
来るのでフイルターにつまつた粉除去も容易で掃
除しやすいものである。

又、従来粉砕体２０支持部は合成樹脂等で形成
するものであつたが、本考案は、上記補強板５１
で形成させ樹脂と同一強度を有するものでもその
構造を薄板化、小形化、簡素化しているもので経
済的である。

以上の通りであるから、本考案は次のような優
れた効果を奏するものである。

(1) 金属薄板製の補強板を設け、且つその補強板
は粉砕体の外方近傍を覆つているので、ケース
外壁が摩耗することもなく、従つてまたケース
外壁の径を小さくしても差支えないので、機体
全体を小形にすることができる。

(2) 補強板が金属製であるので、粉体の付着する
のが少なく、従つてバスケツトの掃除が容易で
ある。

(3) ケースが上部バスケツトと下部バスケツト
と、中蓋とに分割できるので、バスケツトの掃
除が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の縦断面図、第２
図は、同実施例のケース断面図、第３図は、同実
施例の電気回路図、第４図は同実施例の補強板平
面図である。 １……器体容器、２……基台、３……駆動モー
ター、５……継手、６……ケース、７……上部バ
スケツト、８……下部バスケツト、９……中蓋、
１２……注出口、２９……ガラス容器、３３……
貯水タンク、３４……加熱体、３５……保温板、
３６……シーズヒーター、３７……加熱パイプ、
３９……給湯パイプ、５１……補強板、５９……
フイルター。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 水タンクを有する容器に、駆動モーターと、
   駆動モーターの回転によつてコーヒー豆等の原
   料を粉砕する粉砕体、及び粉砕体下部に位置し
   粉砕された原料を受けるフイルターを有するケ
   ースと、駆動モーターに近接して収納するコー
   ヒー液収納カツプと、前記水タンク内の水を加
   熱する加熱体と、前記粉砕体を内包するケース
   内に給湯する給湯装置とを備え、前記ケース
   は、円筒状の上部バスケツトと、有底円筒状で
   一部に注出口を有する下部バスケツトと、フイ
   ルターを有するバスケツト中蓋とに分割し、か
   つ上部バスケツト底部にはフイルターを有する
   バスケツト中蓋との間に、中央で前記粉砕体を
   支持するボス部を形成し、且つ前記粉砕体近傍
   外壁を覆うように配設した金属製の穴付き補強
   板を配設したことを特徴とする飲料製造機。 (2) 前記補強板の穴は、中心部より外側部を小さ
   くした実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の飲
   料製造機。