JPS6213509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冷凍品等を収納する棚を多段に設け
るとともに、前後に開口部を有する箱形の解凍台
車を連結した解凍装置や該台車を収納するトンネ
ル式解凍庫において、上記解凍台車内の冷凍品を
解凍、保冷する循環空気を所定の温度・湿度に制
御するとともに、一定時間毎に風向を反転させる
よう構成した空気循環式解凍装置の風向反転機構
に関するものである。

従来、食肉等の冷凍品は鮮度を保つために超低
温で凍結されており、流通過程で適度に解凍・保
冷が行なわれている。しかしながら、従来の空気
循環式解凍装置では、循環空気の送風口付近にお
ける解凍速度は排出口付近に比べて早く、解凍台
車内の温度・湿度、或るいは解凍速度に分布差が
生じて一定した解凍・保冷ができず、解凍ムラが
生じる等の欠点があつた。

本考案は、上述した従来の欠点を解決するため
になされたものであり、解凍台車に連結されて、
所定の温度・湿度に制御された循環空気を送る解
凍装置の風向を一定時間毎に反転させるよう構成
してなる空気循環式解凍装置の風向反転機構を提
供するものである。

以下、本考案による実施例を添付した図面に基
づいて詳細に説明する。

第１図は本考案による実施例を示す解凍装置の
全体構成図であり、図において１は熱交換装置、
２は冷凍装置、３は整流室、４及び５は熱交換装
置１の左右に互いに逆方向に送気するよう設置さ
れた循環フアン、６は解凍台車、７は連結した解
凍台車６の後端部に連結される風向反転台車、８
は台車ガイドである。

ここで熱交換装置１で所定の温度・湿度に制御
された循環空気は循環フアン４又は５により整流
室３を介して解凍台車６に送られ、風向反転台車
７にて反転させられ、再び整流室３を介して熱交
換装置１に戻される。

また、上記熱交換装置１で制御される循環空気
が、解凍台車６内の冷凍品を解凍する場合は、冷
凍装置２が停止して熱交換装置１内の加熱ヒータ
１８が作動するとともに解凍した後で解凍台車６
内の冷凍品を保冷する場合は、冷凍装置２が作動
して、所定の温度及び湿度に調整される。

さらに、熱交換装置１の左右に設置された循環
フアン４及び５は、一定時間毎に交互に作動して
解凍台車６内の雰囲気を均一にし、循環空気によ
る解凍・保冷温度・湿度のムラをなくすようにな
つている。

また、図中９は循環フアン４及び５の駆動モー
タ、１０は解凍台車６の移動用把手、１１は解凍
台車６及び風向反転台車７の連結装置である。

第２図は、第１図の要部を示す一部破断した分
解斜視図であり、例えば本考案に示すように解凍
台車６は、仕切板６ａを介して上下に２段に分割
され、整流室３の上室３ａ、下室３ｂにそれぞれ
対応して接続されるようになつている。従つて、
整流室３の上室３ａには循環フアン４のダクト４
ａが接続され、下室３ｂには循環フアン５のダク
ト５ａが接続されれば、例えば循環フアン５を作
動させた場合、循環空気は熱交換装置１を通り、
次いで循環フアン４を介して整流室３の上室３ａ
から解凍台車６の上段を通つて流れ、風向反転台
車７により反転させられて台車６の下段を通つて
戻つてくるものであり、循環フアン５を停止し、
循環フアン４を作動した場合は、上述した順路の
逆方向に循環空気が流れるようになつている。

一方、循環空気の温度・湿度を制御する熱交換
装置１は図示の如く箱形に成形された気液接触部
１２と、その下部に水を溜めておく循環水槽１３
とからなり、上記気液接触部１２は左右水平方向
に流通する空気流に対して平行で、互い並列する
複数の熱交換板１４ａを有する熱交換部１４と、
この熱交換部１４の上方に循環水槽１３内の湯又
は水を循環ポンプ１５を介して散水する散水手段
１６と、左右の循環フアン４及び５との接続部に
設けたミストエリミネータ１７，１７とから構成
されている。また、上記循環水槽１３には加熱ヒ
ータ１８が設置されており、解凍台車６内の冷凍
品を解凍する場合には、加熱ヒータ１８が作動し
て循環水槽１３内の水を加温し、温水を循環ポン
プ１５により熱交換部１４の散水手段１６より散
水して循環空気を加温・加湿するものである。

さらに、上記熱交換部１４の熱交換板１４ａに
は、冷凍装置２からの冷媒を循環させる冷却管１
９が蛇行状に設置されており、解凍の後で解凍台
車６内を保冷する場合に、上記冷凍装置２（第１
図参照）が作動して循環空気を所定の温度に制御
するものである。

なお、上記熱交換部１４の熱交換板１４ａは、
平板に限らず、波状板にして表面積を増大させる
ことも可能である。

また、本考案による実施例では、整流室３及び
解凍台車６を上下２段に分割して、循環空気が上
下に流通するよう構成したが、左右に分割しても
良く、適宜設計変更が可能である。

つぎに、上述したように構成された空気循環式
解凍装置の作動について説明する。

まず、解凍台車６内の冷凍品等を解凍する場合
は、加熱ヒータ１８が働き、循環水槽１３内の水
が加温され、この温水は、循環ポンプ１５を介し
て散水手段１６より熱交換部１４の上方より散水
される。このとき冷凍装置２は停止しており、循
環フアン４又は５のいずれか一方が作動し、気液
接触部１２内で所定の温度・湿度に制御された空
気が吸入され、送風側ダクト４ａ、又は５ａから
整流室３を経て解凍台車６内に送風され、解凍を
行なう。上記解凍台車６内に送風された循環空気
は風向反転台車７にて反転され、再び解凍台車６
を通つて整流室３から、他の作動していない循環
フアン５又は４を経て気液接触部１２内に戻され
る。

ここで、再び熱交換部１４にて加温・加湿され
て循環するものであり、一定時間運転されると、
タイマー又はリレースイツチ等により循環フアン
４又は５の運転側が停止し、逆に停止中の循環フ
アン５又は４が運転される等、交互に運転されて
循環空気の流れ方向が反転する。

また、解凍台車６内の冷凍品等を一定の温度に
保冷する場合は、加熱ヒータ１８が停止して冷凍
機２が運転され、フロンガス等の冷媒が熱交換部
１４の冷却管１９内を循環して熱交換板１４ａを
冷却するので、前述した循環フアン４又は５の運
転により、所定の温度・湿度に制御された気液接
触部１２内の空気が解凍台車６内に送風されて保
冷がなされる。ここでも、一定時間運転されると
タイマー又はリレースイツチ等により循環フアン
４又は５の運転が交互に行なわれ、循環空気の吸
気側と排気側の分布差をなくすようになつてい
る。

また、第３図は、循環フアン４及び５を駆動モ
ータ９０一個のみで回転させる実施例を示す概略
図であり、図中９１は駆動モータ９０に連結され
た軸部、この軸部９１には各端部にピニオンギア
９２，９２が固着されている。上記ピニオンギア
には、各々ギア９３，９３が歯合され、循環フア
ン４及び５を回転するようにしてある。

したがつて、上述の通り構成すれば、例えば循
環フアン４が正転するようにモータ９０を駆動す
れば循環フアン５が逆転し吸気と排気を同時に行
なうことができるので、駆動モータが一台で済む
と共に空気循環能力が一段と向上する。

以上詳細に説明したように、本考案による空気
循環式解凍装置は構造が簡単であり、箱形の熱交
換装置であるから製作が容易で、しかも装置全体
をコンパクト化できる。従つて設置スペースもと
らずメンテナンスも容易であり、経済的効果を奏
する。

また、本考案による熱交換部による循環空気の
温度・湿度制御が容易であり、気液接触部の左右
側にそれぞれ循環フアンを設置して、交互運転で
きるように構成したもので、循環フアンの運転中
は、気液接触部内は負圧状態となり、熱交換部を
通る風速分布が均一化され圧力の損失が少ないの
で、循環フアンの駆動モータは小型でも十分な性
能を発揮し得るものである。

さらに、気液接触部内が負圧状態になるので、
熱交換部の上方に設置された散水手段の散水分布
が効率良く行なわれ、熱交換効率が向上するた
め、循環空気の温度・湿度制御が容易であり、解
凍台車内を均一な雰囲気に保持できる等、解凍・
保冷ムラが解消され、実用上の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による実施例を示す空気循環式
解凍装置の全体構成図、第２図は第１図の要部を
示す一部破断した分解斜視図、第３図は、本考案
の他の実施例を示す概略図である。 １……熱交換装置、２……冷凍装置、３……整
流室、４，５……循環フアン、６……解凍台車、
７……風向反転台車、８……台車ガイド、１２…
…気液接触部、１３……循環水槽、１４……熱交
換部、１５……循環ポンプ、１６……散水手段、
１７……ミストエリミネータ、１８……加熱ヒー
タ、１９……冷却管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換装置で所定の温度・湿度に制御された循
   環空気を解凍台車等に送風する解凍装置において
   上記熱交換装置は気液接触部と、循環水槽とから
   なり、上記気液接触部の左右側に、所定の温度・
   湿度に制御された空気を解凍台車内に送風する循
   環フアンを２基接続し、上記循環フアンを一定時
   間毎に交互に運転することにより、上記解凍台車
   内に送風する循環空気を反転させるよう構成した
   ことを特徴とする空気循環式解凍装置の風向反転
   機構。