JPS6212656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はドアガラスウエザストリツプの取付
用クリツプ、詳しくはドアパネルにドアガラスと
接触するウエザストリツプを取付けるための樹脂
製クリツプに関する。

一般に自動車用ドアは、アウタードアパネルと
インナードアパネルとから形成され、この両パネ
ル間にドアガラスを上下昇降自由に保持する一
方、前記アウタードアパネルの内側で上方肩部に
取付孔を設け、該取付孔に前記クリツプを上方か
ら挿込んで取付け、該クリツプを介して前記ドア
ガラスのウエザストリツプを支持させるべくして
いる。

ところでこの種クリツプは、普通板金により形
成され、金属特有の弾性力を利用して、前記アウ
タードアパネルの取付孔に挟み込んで取付けるべ
くしており、従つてこの板金製クリツプによれ
ば、前記パネルの塗装面を傷付け、該パネルに錆
を発生する問題があつた。

そこで従来では、側面に係合突起をもつクリツ
プを合成樹脂により形成する一方、前記アウター
ドアパネルのインナードアパネルと対向する内側
壁に係合孔を設け、この内側壁の外側方から前記
クリツプの突起を前記係合孔へと、中間に前記ウ
エザストリツプを介装させて挿嵌係合させること
により、前記クリツプを介してウエザストリツプ
を取付けることが一部採用されている。

しかしてこのクリツプによれば、合成樹脂によ
り形成しているため、前記ドアパネルを傷付ける
ことがなく、該パネルに錆が発生するのを防止で
きるのであるが、このプラスチツククリツプを用
いる場合には、前述したごとくアウタードアパネ
ルの内側壁にクリツプ取付用の係合孔を特別に形
成する必要があつて、従来一般的にドアパネルの
上方肩部に設けられている取付孔は利用できない
のであり、しかもクリツプの取付時にはアウター
ドアパネルとインナードアパネルとの狭い空間に
おいて、クリツプの取付作業を行なう必要があつ
て、該取付作業が非常に厄介で作業性が悪い問題
があつたのである。

本考案は以上のごとき各種問題点に鑑みて考案
したもので、ドアパネルを傷付けて錆を発生した
りすることがなく、しかもドアパネルに特別に取
付孔を設けたりすることなく、一般的に採用され
ているドアパネルの取付孔を用いて、簡単かつ確
実に組付けることができるウエザーストリツプ取
付用クリツプを提供せんとするにある。

しかして本考案は、所定長さをもつクリツプ基
体の長さ方向両側で幅方向一側に、上方に延びる
クリツプボデイを一体形成し、前記クリツプ基体
におけるクリツプボデイの形成位置より長さ方向
外側位置で、前記基体の幅方向他側に、該クリツ
プボデイとの間でウエザストリツプを挟み込む爪
片を立設すると共に、前記両クリツプボデイ間の
中間部に、前記クリツプボデイの上端部から下方
に延びて前記ドアパネルに設ける取付孔に嵌合で
き且つ前記クリツプボデイとで前記ドアパネルを
挟み込む挟持片を、その下端部をやや前記ボデイ
側に傾斜させて突設する一方、前記挾持片の中間
部に前記取付孔の孔縁と弾性的に係合するストツ
パーを、上端が前記挟持片に対し外側方へ傾斜指
向するごとく形成したことを特徴とするものであ
る。

以下本考案を図面の実施例によつて説明する。

第１及び第２図は自動車のドア部分を示し、該
図中１はインナードアパネル、２はアウタードア
パネルで、この各ドアパネル１，２間にドアガラ
ス３を上下昇降自由に設けている。

前記アウタードアパネル２の内側で上方肩部に
は、矩形状の取付孔４を形成し、該取付孔４にク
リツプ５を取付け、このクリツプ５に前記ドアガ
ラス３に接触する接触片６ａをもつウエザストリ
ツプ６を支持させている。

しかして本考案は前記クリツプ５を合成樹脂に
より、次のごとく形成したのである。

即ち、第３乃至第５図に詳しく示すごとく、所
定長さをもつクリツプ基体５ａの長さ方向両側で
幅方向一側に、上方に延びるクリツプボデイ５
ｂ，５ｂを一体に形成し、前記基体５ａにおける
クリツプボデイ５ｂ，５ｂの形成位置より長さ方
向外側位置で、前記基体５ａの幅方向他側に、該
ボデイ５ｂ，５ｂとの間に所定隙間をあけて、上
端内側に係合部５ｃ，５ｃをもつ爪片５ｄ，５ｄ
を一体に立設し、この各ボデイ５ｂ，５ｂと爪片
５ｄ，５ｄとにより、前記ウエザストリツプ６の
基端取付部６ｂを挟圧支持させるべくなす。

また前記クリツプボデイ５ｂ，５ｂの中間部
で、前記各爪片５ｄ，５ｄとは反対側側方におい
て、前記ボデイ５ｂ，５ｂの上端部から下方に延
びる挟持片５ｅを、その下端部をやや前記ボデイ
５ｂ側に傾斜させて一体に形成し、この挟持片５
ｅを外方へ弾性変形させながら前記ドアパネル２
の取付孔４に挿込むことにより、該パネル２の内
外両面を前記ボデイ５ｂと挟持片５ｅとにより挟
み込んで、クリツプ５を前記取付孔４に取付ける
べくなす。

そして前記挟持片５ｅの中間部に、上端外側に
係止段部５ｆをもつストツパー５ｇを、上端が前
記挟持片５ｅに対し外側方へ傾斜指向すべく一体
に形成し、クリツプ５の前記取付孔４への取付時
に、前記ストツパー５ｇを内方へ弾性変形させな
がら挿込んで、その係止段部５ｆを前記取付孔４
の上端孔縁４ａに弾性的に係合させるべくなすの
である。

尚、図中７は前記ウエザストリツプ６内に埋込
んだ補強用の芯金である。

本考案のクリツプ５は以上のごとく構成したも
ので、アウタードアパネル２の上方肩部に設けた
取付孔４に、クリツプ５の挟持片５ｅとストツパ
ー５ｇとを、それぞれ内外方に変形させながら上
方から挿込み、前記挟持片５ｅとクリツプボデイ
５ｂ，５ｂとにより前記パネル２を挟み込むと共
に、クリツプ５をさらに強く押込んで、前記スト
ツパー５ｇの係合段部５ｆを前記取付孔４の上端
孔縁４ａに弾性的に係合させるのである。しかし
て前記挟持片５ｅとクリツプボデイ５ｂ，５ｂと
が、ドアパネル２に挟持され、かつ前記ストツパ
ー５ｇの係合段部５ｆが取付孔４の孔縁４ａに係
合されて、クリツプ５が取付孔４に勝手に抜出た
りすることなく、強固に取付けられるのであり、
このクリツプ５のクリツプボデイ５ｂ，５ｂと爪
片５ｄ，５ｄとの間に、ウエザストリツプ６を挟
み込んで取付けるのである。

しかして前記アウタドアパネル２を挟持する一
対のクリツプボデイ５ｂと前記挟持片５ｅとは、
該挟持片５ｅの両側方において所定間隔オフセツ
トした位置に前記クリツプボデイ５ｂが配置され
て、前記クリツプボデイ５ｂと前記挟持片５ｅと
による前記アウタドアパネル２の挾持が、該パネ
ル２の幅方向において比較的広い範囲に渡つて行
われるので、例えば前記クリツプボデイ５ｂ及び
前記挟持片５ｅのばね力を小さくして前記ドアパ
ネル２を組付易くするも、前記クリツプボデイ５
ｂと前記挟持片５ｅとにより前記アウタドアパネ
ル２を確実に挟持することができる。

又同じくウエザーストリツプ６を挟持する一対
の前記クリツプボデイ５ｂと一対の爪片５ｄと
は、前記クリツプボデイ５ｂの両側方において所
定間隔オフセツトした位置に前記爪片５ｄが配置
されているので、前記クリツプボデイ５ｂと前記
爪片５ｄとによる前記ウエザーストリツプ６の挟
持が前記ドアパネル２の場合と同様、該ウエザー
ストリツプ６の幅方向において比較的広い範囲に
渡つて行われるので、例えば前記クリツプボデイ
５ｂ及び前記爪片５ｄのばね力を小さくして前記
ウエザーストリツプ６を組付易くするも、前記ク
リツプボデイ５ｂと前記挟持片５ｅとにより前記
ウエザーストリツプ６を確実に挟持することが出
来る。

以上のごとく本考案は、所定長さをもつクリツ
プ基体の長さ方向両側で幅方向一側に、上方に延
びるクリツプボデイを一体形成し、前記クリツプ
基体におけるクリツプボデイの形成位置より長さ
方向外側位置で、前記基体の幅方向他側に、該ク
リツプボデイとの間でウエザストリツプを挟み込
む爪片を立設すると共に、前記両クリツプボデイ
間の中間部に、前記クリツプボデイの上端部から
下方に延びて前記ドアパネルに設ける取付孔に嵌
合でき且つ前記クリツプボデイとで前記ドアパネ
ルを挟み込む挟持片を、その下端部をやや前記ボ
デイ側に傾斜させて突設する一方、前記挟持片の
中間部に前記取付孔の孔縁と弾性的に係合するス
トツパーを、上端が前記挟持片に対し外側方へ傾
斜指向するごとく形成することにより、前記挟持
片を中心にして前記クリツプボデイ及び爪片を外
方に順次オフセツトして配置しているので、前記
挟持片、前記クリツプボデイ及び爪片のばね力を
小さくして前記ドアパネルへの組付並びに前記ウ
エザーストリツプの組付が容易に行えるようにし
ても、前記ドアパネルにクリツプを強固に固定す
ると共に、該クリツプに前記ウエザーストリツプ
を同じく強固に固定することが出来るに至つたの
である。

しかも本考案によれば、ドアパネルに設けた取
付孔の上方から挿込むことにより、クリツプを極
めて簡単に取付けることが出来るのは勿論のこ
と、クリツプを合成樹脂より形成したことによ
り、ドアパネルをクリツプで傷付けて錆を発生さ
せることがないのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるクリツプのドアパネル
への取付状態を示す縦断側面図、第２図はその斜
面図、第３図は同クリツプの正面図、第４図はそ
の側断面図、第５図はその斜断面図である。 １，２……ドアパネル、３……ドアガラス、４
……取付孔、４ａ……孔縁、５……クリツプ、５
ｂ……クリツプボデイ、５ｄ……爪片、５ｅ……
挟持片、５ｇ……ストツパー、６……ウエザスト
リツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアパネルにドアガラスと接触するウエザース
   トリツプを取付けるための樹脂製クリツプであつ
   て、所定長さをもつクリツプ基体の長さ方向両側
   で幅方向一側に、上方に延びるクリツプボデイを
   一体形成し、前記クリツプ基体におけるクリツプ
   ボデイの形成位置より長さ方向外側位置で、前記
   基体の幅方向他側に、該クリツプボデイとの間で
   ウエザストリツプを挟み込む爪片を立設すると共
   に、前記両クリツプボデイ間の中間部に、前記ク
   リツプボデイの上端部から下方に延びて前記ドア
   パネルに設ける取付孔に嵌合でき且つ前記クリツ
   プボデイとで前記ドアパネルを挟み込む挟持片
   を、その下端部をやや前記ボデイ側に傾斜させて
   突設する一方、前記挟持片の中間部に前記取付孔
   の孔縁と弾性的に係合するストツパーを、上端が
   前記挟持片に対し外側方へ傾斜指向するごとく形
   成したことを特徴とするドアガラスウエザストリ
   ツプ取付用クリツプ。