JPS6212575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、第１図に示されるように、ボス部１
が、該ボス部１の外周面から張り出し形成された
複数の補強リブ２，３，４を介して、基体５の表
面６に連接されており、ボス部端面７と基体表面
６との間に、間隔部たるアンダカツト部８が形成
されているがごとき合成樹脂成形品を成形する合
成樹脂成形金型におけるアンダカツト部８の成形
装置に関するものであり、比較的薄肉の基体５
に、合成樹脂材料の所謂ヒケを生ずることなく、
ボス部１を一体に形成するためのアンダカツト部
を容易に成形でき、また冷却サイクルも短縮しう
ると共に、機構も比較的簡単ならしめうる装置を
提供することを目的としている。

第１１図に示されるように、基体Ａにボス部Ｂ
を補強リブＣを介して一体に成形した合成樹脂成
形品においては、従来の成形方法では、第１１図
に示されるように、ボス部Ｂの位置に対応する基
体Ａの背面に、合成樹脂材料の所謂ヒケＤが生ず
る欠点がある。

このヒケＤに対する従来の対策としては、基体
Ａの肉厚を厚くする手段も採られているが、製品
重量の増加、コストアツプ等の欠点があるし、別
の手段としては、ボス部Ｂの付根の薄肉化がある
が、この手段では、シヨートシヨツトとなつた
り、ウエルドラインが生ずる等の欠点が生じ、製
品の外観が悪く、商品価値を低下させる等の欠点
がある。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する
ように、エゼクタピンを回動自在とし、該ピンの
先端に入子を固着し、この入子により、基体５と
ボス部１との間にアンダカツト部８を成形するよ
うにし、製品重量の増加、コストアツプあるいは
外観の悪化等を伴なうことなく、また所謂ヒケを
生ずることなく、更には機構の複雑化を伴なうこ
となく、基体５にボス部１を連接させ得たもので
ある。

以下、図示例についてその構成を説明する。

第２図は、成形が完了し、可動金型９が型開き
運動によつて矢印イ方向へ移動し終つた直後の可
動金型９部分を縦断面として示したものであつ
て、可動金型９には、第１図に示されるボス部１
と補強リブ２，３，４との成形用のキヤビテイ１
０，１１，１２，１３が形成されている。

また可動金型９には、エゼクタピン１４を貫通
させるピン溝１５およびスリーブピン１６を貫通
させるピン溝１７とが貫設されている。

上述のエゼクタピン１４の先端１８には、第１
図に示されるアンダカツト部８を形成すべき入子
１９が固着されている。

この入子１９は、その端面２０が、第２図、第
３図に示されるように、基体５用のキヤビテイ２
１の底面２２と同一面内に配置されると共に、側
端面２３，２４，２５が、キヤビテイ１１，１
２，１３の内端面を規制するように配置されてい
る。

前述のピン溝１５のキヤビテイ側には、螺旋溝
２６，２７が削設されており、他方エゼクタピン
１４には、螺旋溝２６，２７に摺動自在に嵌入さ
れる突子２８，２９が突設されている。

このため、エゼクタプレート３０が矢印ロ方向
に進出運動されると、前記螺旋溝２６，２７と突
子２８，２９との作用により、エゼクタピン１４
が螺旋溝２６，２７に従つて、矢印ハ方向に回動
される。この矢印ハの方向は、第３図中矢印ニで
示されるように、入子１９がキヤビテイ１１，１
２，１３の間から、成形品すなわち成形された補
強リブ２，３，４と干渉しないように離間する方
向とされている。

また螺旋溝２６，２７の削設位置は、後述する
ように、エゼクタピン１４が回動せずにある長さ
だけ進出したのちに、該ピンの回動が開始される
位置とされている。

次に本考案に係る装置の作用を説明すると、第
２図に示される状態から、第４図に示すようにエ
ゼクタプレート３０が矢印ロ方向に進出し始める
と、その初期において、成形品が、エゼクタピン
１４とスリーブピン１６との進出により、入子１
９の厚さｔと、付加厚さｄとの和に相当する長さ
だけ進出させられるまでは、エゼクタピン１４は
回動することなく、進出運動を行なう。この時点
では、入子１９と補強リブ２，３，４の成形用の
キヤビテイ１１，１２，１３との関係は、第５図
に示されるように、第３図に示される状態と全く
同一である。

エゼクタプレート３０の進出が更に進むと、第
６図および第７図に示すように、エゼクタピン１
４が螺旋溝２６，２７と突子２８，２９との作用
により矢印ハ方向に回動し始め、成形品が各キヤ
ビテイ１０，１１，１２，１３から抜けると共
に、入子１９もキヤビテイ１１，１２，１３の間
から第７図に示すように離間する。

エゼクタプレート３０が進出端に達すると、エ
ゼクタピン１４とスリーブピン１６の作用によ
り、成形品と入子１９とは、第８図および第９図
に示される状態となり、入子１９はアンダカツト
部８から完全に抜け出し、成形品は脱型される。

かくて成形された成形品の断面は第１０図に示
される状態となり、合成樹脂材料の所謂ヒケ３０
は、ボス部端面７に形成されるものの基体５の表
面には全く発生しない。

上記実施例においては、エゼクタピン１４を回
動させる機構が、螺旋溝と該溝に摺動自在に嵌入
する突子とで構成されているが、エゼクタピン１
６を既述のごとく回動させうる限りは、如何なる
機構であつてもよい。

本考案に係るアンダカツト部成形装置は、以上
説明した構成、作用のものであつて、基体の肉厚
に関係なく、ボス部を連接でき、しかも基体の外
観を良好に保ちうるので、外観、強度の両面にお
いて、必要な部位にボス部を設定できる効果を奏
する。

また上述の効果を奏するためのアンダカツト部
を、比較的簡単な機構で形成できる効果があり、
アンダカツト部を成形する入子の存在により、成
形品の冷却サイクルを短縮しうる効果もある。

またヒケ防止のため基体の肉厚を厚くする必要
を無くしうるのでコストアツプを防止できる効果
も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置を用いて成形した成形品
の１例を反転させて示した斜面図、第２図は実施
の１例を型開き直後の状態で示した縦断面図、第
３図は第２図中−線断面図、第４図はエゼク
タプレートの進出初期の時点における第２図と同
様の縦断面図、第５図は第４図中−線断面
図、第６図はエゼクタプレートが更に進出した時
点における第２図と同様の縦断面図、第７図は第
６図中−線断面図、第８図はエゼクタプレー
トの進出終期における第２図と同様の縦断面図、
第９図は第８図中−線断面図、第１０図は第
１図に示すものの縦断面図、第１１図は従来方法
によつて成形された成形品の縦断面図である。 １……ボス部、２，３，４……補強リブ、５…
…基体、６……基体の表面、７……ボス部端面、
８……アンダカツト部、９……可動金型、１０，
１１，１２，１３……キヤビテイ、１４……エゼ
クタピン、１５……ピン溝、１９……入子、２
６，２７……螺旋溝、２８，２９……突子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボス部が、該ボス部外周面から張り出し形成さ
   れた複数の補強リブを介して基体表面に連接され
   ており、ボス部端面と基体表面との間に間隔部た
   るアンダカツト部が形成されている合成樹脂成形
   品を成形すべき、可動金型と固定金型とよりなる
   合成樹脂成形金型において、可動金型に、前記補
   強リブとボス部との成形用のキヤビテイが形成さ
   れており、可動金型に貫設されたピン溝を貫通す
   るエゼクタピンに、前記ボス部端面と基体表面と
   の間のアンダカツト部を形成すべき入子が固着さ
   れていると共に、前記可動金型のピン溝とエゼク
   タピンとの間には、エゼクタピンの進出時に、該
   ピンに回動運動を与えうる回動機構が付設されて
   いることを特徴とする合成樹脂成形金型における
   アンダカツト部成形装置。