JPS6212566B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば１ヘツドヘリカルスキヤン方
式のVTRに使用して好適な信号再生装置に関す
る。

かかるVTRにおいては、例えば40〔cm〕をこ
す長さの映像トラツクがテープ長さ方向に対し２
゜34′の傾斜をもつて記録されており、再生時に
この映像トラツクと再生ヘツドの走査軌跡とが正
しく合致するような自動トラツキング補正が行な
われる。このトラツキング補正は電気―機械変換
素子例えば圧電素子の２枚を３枚の電極で挾んで
なるバイモルフ板の先端に再生ヘツドを取り付
け、トラツクずれを打消すようにバイモルフ板に
駆動信号を供給することにより行なわれる。

ところで、磁気テープの走行速度を記録時のそ
れと異ならせたり、或いは磁気テープを停止させ
て再生した場合、映像トラツクと再生ヘツドの走
査軌跡との傾きが異なつたものとなる。このトラ
ツクずれを上述のような自動トラツキング補正装
置により補正する際、或るトラツクの再生から次
のトラツクの再生に移る時間（フライバツク時
間）がΩ巻きの場合では、約0.6〔ms〕のように
きわめて短時間であるため、或るトラツクの終端
付近のトラツクずれを補正するのに必要な電圧か
ら次のトラツクの始端付近のトラツクずれを補正
するのに必要な電圧までステツプ的にレベルを変
化させねばならない。このようにバイモルフ板に
印加される電圧をステツプ的に変化させても、バ
イモルフ板が充分に追従して動かず、トラツクの
始端近傍では、トラツクずれを補正できなかつた
り、過渡応答時のリンギングが生じるおそれがあ
つた。このリンギングは、ゴムダンパーによつて
減少させうるが、ゴムダンパーを設けることによ
りバイモルフ板の振れ感度が劣下する問題点が生
じることになる。本発明は、上述のようなトラツ
キング自動補正装置において生じる問題点が解決
された信号再生装置の提供を目的とするものであ
る。

以下、本発明の一実施例について説明する。第
１図Ａ及びＢは、本例のVTRの構造を示すもの
で、上ドラム１ａ及び下ドラム１ｂの周面に対し
て約350゜程度の巻付角でもつて磁気テープ２
（２点鎖線で示す）が繞らされている。上ドラム
１ａに同期信号記録再生用の補助ヘツド３が設け
られると共に、この補助ヘツド３に対して所定の
角間隔と或る段差でもつてビデオ信号記録再生用
のヘツド４ａ，４ｂが設けられる。なお、ビデオ
信号記録再生用には更に別のヘツドが設けられる
が、ここに示したヘツド４ａで記録を行なつても
良い。したがつてもしヘツド４ａ又は４ｂを記録
再生の両方に用いる必要がないのであれば、図示
のように補助ヘツド３と近接させてペアヘツド４
ａ，４ｂを設ける必要がない。上ドラム１ａした
がつて各ヘツド３，４ａ，４ｂが矢印Ｘ方向にフ
イールド周波数でもつて回転するようになされ、
これと反対方向の矢印Ｙ方向に磁気テープ２が走
行する。ヘツド４ａ，４ｂの取付位置は、同一高
さで且つ近接したものである。

このヘツド４ａ，４ｂは、第２図に示すように
カンチレバー状の別個のバイモルフ板５ａ，５ｂ
の夫々の先端に固着されている。バイモルフ板５
ａ，５ｂの他端は、ホルダー６によりヘツド取付
基板（図示せず）に固定される。このバイモルフ
板５ａ，５ｂの上下の電極に夫々加える電圧に応
じてヘツド４ａ，４ｂは、回転方向に対して垂直
方向に変位する。また、バイモルフ板５ａ，５ｂ
の変位を検出するためのストレインゲージ７ａ，
７ｂがバイモルフ板５ａ，５ｂの夫々に貼り付け
られている。

上述の構成のVTRで取り扱うビデオテープの
フオーマツトは、第３図に示した磁気テープ２上
に示してある。すなわち補助ヘツド３用のシンク
トラツク８′はビデオ信号中の垂直同期信号を含
む16H（Ｈは１水平区間）の区間の信号が記録さ
れており、フイールドのビデオ信号部分はビデオ
トラツク８として記録されている。このビデオト
ラツクには、FM変調されたビデオ信号が記録さ
れることになる。

また、９ａ，９ｂ，９ｃは、オーデイオトラツ
クであり、オーデイオトラツク９ｃには、タイム
コード信号等が記録されうる。更に、１０は、コ
ントロール信号が記録されるコントロールトラツ
クである。以上のトラツクパターンはIEC／
SMPTEタイプＣのテープフオーマツトと一致す
るものである。

このように記録された磁気テープ２を再生する
場合において、磁気テープ２の走行速度を記録時
のそれよりも遅くするか、或いは磁気テープ２を
停止させると、ヘツド４ａ，４ｂの走査軌跡は、
ビデオトラツク８の傾斜角より大きい傾斜角のも
のとなり、トラツクずれが生じる。また、磁気テ
ープ２の走行速度を記録時のそれよりも早くする
と、ヘツド４ａ，４ｂの走査軌跡の傾斜角は、ビ
デオトラツク８の傾斜角より小さくなり、トラツ
クずれが生じる。本例では、バイモルフ板５ａ，
５ｂに所定の電圧を印加することによりこのトラ
ツクずれを補正することができる。第４図は、こ
のトラツクずれを補正するためのヘツド４ａ，４
ｂの位置（高さ）の時間変化を示している。第４
図において、実線で示す変化の軌跡がトラツクず
れを生じないために必要とされるヘツドの動きで
あり、この１周期が１フイールドの長さと一致し
ている。また、第４図において破線で示す軌跡が
ヘツド４ａの動きを示し、一点鎖線で示す軌跡が
ヘツド４ｂの動きを示している。

磁気テープ２の走行速度が記録時のそれに対し
て1/4とされるスローモーシヨン再生時では、ト
ラツキング補正を行なわないとすると、或るビデ
オトラツクの始端と一致する走査軌跡が描かれて
から、次のビデオトラツクまでの間に３本の走査
軌跡が描かれることになる。したがつて１本のビ
デオトラツクをヘツド４ａ及び４ｂが交互に４回
走査するようなトラツキング補正が行なわれる。
即ちある１本のビデオトラツクとヘツド４ａの走
査軌跡の始端とが一致しているものとすると、第
４図ＡにおいてTaで示す区間では、バイモルフ
板５ａによつてヘツド４ａの位置が徐々に下方に
動かされてヘツド４ａの走査軌跡とビデオトラツ
クとが一致するようになされ、このヘツド４ａか
らトラツクずれによるノイズを含まない再生出力
が取り出される。これと共に、他方のヘツド４ｂ
の位置が動かされ、次の走査期間の始めにおい
て、ヘツド４ｂの位置がビデオトラツクの始端と
一致するようにスタンバイされる。区間Taの後
にフライバツク区間Tfが存在し、更に次の区間
Tbになると、ヘツド４ｂの位置がビデオトラツ
クと一致するように徐々に下方に動かされ、この
ヘツド４ｂからトラツクずれによるノイズを含ま
ない再生出力が取り出される。これと共に、区間
Tbでは、ヘツド４ａの位置が上方に徐々に戻さ
れ、次のフライバツク区間の後の走査開始時にお
ける位置がビデオトラツクの始端と一致するよう
にスタンバイされる。このような動作が繰り返さ
れ、ヘツド４ｂの２回目の再生動作期間では、ヘ
ツド４ａの位置が次のビデオトラツクと一致する
位置に迄上方に動かされ、次のビデオトラツクを
ヘツド４ａ，４ｂが４回走査する上述と同様の動
作がなされる。

次に、磁気テープ２が停止して同一トラツクを
繰り返し再生するスチル再生時では、走査軌跡と
ビデオトラツクとの傾きの違いのみを補正すれば
良いので、第４図Ｂに示すように所定の量だけヘ
ツド４ａ，４ｂが上下方向に変位するようになさ
れ、下方に位置が動かされるヘツド４ａ又は４ｂ
の一方から再生出力が取り出される。

また、磁気テープ２の走行速度が記録時のそれ
の1/2とされるスローモーシヨン再生時では、ト
ラツキング補正を行なわないとすると、一方のヘ
ツド４ａの走査軌跡の始端とビデオトラツクの始
端とが一致し、他方のヘツド４ｂの走査軌跡がこ
のビデオトラツクと次のビデオトラツクとの間に
位置するようなトラツクずれが生じる。このよう
なトラツクずれを補正するためには、第４図Ｃに
示すようにヘツド４ａの位置を区間Taにおいて
徐々に下方に移動させると共に、次の区間Tbの
始めでは、次のビデオトラツクの始端と一致する
位置となるようにヘツド４ｂを徐々に上方に移動
させる。次の区間Tbでは、ヘツド４ｂが下方に
徐々に移動されて次のビデオトラツクとこのヘツ
ド４ｂの走査軌跡とが一致するようになされる。
更に次の区間Taでは、このビデオトラツクとヘ
ツド４ａの走査軌跡とが一致するようになされ
る。つまり、同一トラツクをヘツド４ｂが走査
し、次にヘツド４ａが走査するようになされ、各
ヘツドから交互に再生出力が取り出される。

また、磁気テープ２の速度が記録時より早いも
の例えば1.5倍とされている場合には、トラツク
の傾斜角よりもヘツドの走査軌跡の傾斜角がより
小さくなり、あるビデオトラツクの始端とヘツド
４ａの走査軌跡の始端とが一致したとすると、次
のビデオトラツクと更にその次のビデオトラツク
との間にヘツド４ｂによる走査軌跡が位置するよ
うなトラツクずれが生じる。したがつてかかるト
ラツクずれを補正するには、第４図Ｄに示すよう
に、ヘツド４ａを区間Taにおいて徐々に上方に
移動させてこのヘツド４ａから再生出力を得、こ
の区間Taでは、ヘツド４ｂを徐々に下方に移動
させ、次の期間Tbの始めでは、ヘツド４ｂの位
置が次のビデオトラツクの始端と一致するように
なされる。更に次の区間Taでは、前の区間Tbで
走査されたビデオトラツクの次のビデオトラツク
を飛び越して更に次のビデオトラツクをヘツド４
ａが走査するようになされる。このように、磁気
テープ２の速度が記録時の1.5倍とされるとき
は、３本のうちで１本のビデオトラツクが飛び越
されるような再生動作がなされる。

同様に磁気テープ２の速度が記録時に比して早
くされる場合であつて例えば２倍とされるときに
は、１本おきのビデオトラツクを走査するような
再生動作がなされる。つまり、トラツキング補正
を行なわないときに、ある１本のビデオトラツク
の始端とヘツド４ａの走査軌跡の始端とが一致し
ていたとすると、１本飛び越して次のビデオトラ
ツクの始端とヘツド４ｂの走査軌跡の始端とが一
致することになるので、第４図Ｅに示すように、
ヘツド４ａ，４ｂの走査軌跡の傾斜角が大きくな
るようなトラツキング補正を行なうようにすれば
良い。

このようにヘツド４ａ，４ｂの位置を制御する
と、一方のヘツドから再生出力を得ている区間で
は、他方のヘツドは、任意の位置をとりうるの
で、この他方のヘツドを次の区間の始めでビデオ
トラツクの始端と一致するような位置まで徐々に
変化させることができる。したがつて短いフライ
バツク区間でバイモルフ板によつてヘツドの位置
を急激に変化させる必要がなくなる。本発明に依
れば、バイモルフ板が充分に追従して動かず、ト
ラツクずれを補正できなかつたり、過渡応答時の
リンギングが生じるおそれを一掃することがで
き、トラツクずれの補正を高精度に行なうことが
可能となる。

上述のようにヘツド４ａ及び４ｂの位置を変化
させるのに必要なバイモルフ板５ａ及び５ｂに対
する駆動信号は、例えば第５図に示すような構成
により得ることができる。ヘツド４ａ，４ｂの各
再生出力が再生アンプ１１ａ，１１ｂと再生イコ
サイザ１２ａ，１２ｂとを夫々介してスイツチン
グ回路１３に供給される。スイツチング回路１３
でヘツド４ａ，４ｂの再生出力が１チヤンネルと
されてFM復調器１４に供給され、FM復調器１
４の出力端子１５に再生ビデオ信号が取り出され
る。ヘツド４ａ，４ｂ間の取付位置の差により両
ヘツドの出力では、若干の信号のずれが生じるけ
れども、これは、時間軸補正回路によつて補正す
ることができる。

トラツキングずれの検出は、ヘツド４ａまたは
４ｂをウオブリングさせ、その結果生じた再生
（RF）信号のエンベロープの変化を検出すること
によりなされる。１６は、周波数_cのウオブリ
ング信号を発生する発振器を示し、加算器１７に
よりウオブリング信号と誤差電圧とが加算され、
更にスイツチング回路１８により２つに分離さ
れ、アンプ１９ａ，１９ｂを夫々介してバイモル
フ板５ａ，５ｂに駆動信号として供給される。ス
イツチング回路１３からの再生信号がエンベロー
プ検波器２０に供給され、その検波出力が同期検
波器２１に供給される。同期検波器２１に対して
は、スイツチング回路２２から基準信号が供給さ
れる。バイモルフ板５ａ及び５ｂの夫々に貼りつ
けられたストレインゲージ７ａ及び７ｂは、バイ
モルフ板５ａ及び５ｂの振動に応じた出力信号を
発生し、各出力信号がアンプ２３ａ及び２３ｂを
介することにより基準信号となされ、スイツチン
グ回路２２で選択されて同期検波器２１に供給さ
れる。この同期検波器２１からの出力信号がフイ
ルタ２４に供給され、２_cの周波数の高調波成
分がフイルタ２４により除去され、誤差電圧とし
て加算器１７に供給される。誤差電圧の極性と振
幅は、ビデオトラツクの中心からのヘツド４ａ又
は４ｂの位置をあらわしている。この加算器１７
の出力がスイツチング回路１８によつて選択さ
れ、再生動作中の一方のヘツドのバイモルフ板に
加えられる。

一方、バイモルフ板５ａ，５ｂに対する傾斜波
は、ロジツク回路２５ａ及び２５ｂの夫々から発
生する。この傾斜波は、再生信号を取り出してい
るヘツドに対するものと、再生信号を取り出して
なくスタンバイ状態のヘツドに対するものとの２
種類存在している。再生信号を取り出しているヘ
ツドに対する傾斜波は、記録時及び再生時の速度
比と再生垂直同期信号の位相とにもとずいて形成
される。

FM復調器１４からの再生ビデオ信号が同期分
離回路２６に供給されることによつて水平同期信
号が分離される。この水平同期信号が速度比検出
回路２７に供給される。速度比検出回路２７で
は、再生水平同期信号の周波数を検出することで
もつて速度比に応じたレベルの検出電圧を発生
し、ロジツク回路２５ａ，２５ｂに供給する。一
方、ビデオトラツクには、垂直同期信号が記録さ
れていないので、カウンタ２８に同期分離回路２
６からの水平同期信号が供給されることによつて
再生垂直同期信号が形成され、この再生垂直同期
信号と端子３０からの基準の垂直同期信号とが位
相比較回路２９にて位相比較される。この比較出
力と前述の速度比に応じたレベルの検出電圧とに
もとずいてロジツク回路２５ａ，２５ｂからビデ
オトラツクと走査軌跡との間での傾きを補正する
傾斜波が形成され、スイツチング回路１８によつ
て再生動作を行なうヘツドのバイモルフ板に加え
られる。また、再生信号がとり出されていないヘ
ツドに対する傾斜波もロジツク回路２５ａ，２５
ｂにより形成される。

またスイツチング回路１８，２２とロジツク回
路２５ａ，２５ｂとに対する切替パルスは、ヘツ
ド４ａ，４ｂの回転位相を磁気的或いは光電的に
検出することにより形成されて端子３１に供給さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用しうるVTRの説明に用
いる略線図、第２図は本発明の一実施例の拡大斜
視図、第３図はトラツクパターンの一例の略線
図、第４図は本発明の一実施例による自動トラツ
キング補正におけるヘツドの動きを示す略線図、
第５図は自動トラツキング補正を行なうための回
路構成の一例を示すブロツク図である。 ２は磁気テープ、３は同期信号記録再生用の補
助ヘツド、４ａ，４ｂはビデオ信号記録再生用の
ヘツド、５ａ，５ｂはバイモルフ板、８はビデオ
トラツク、８′はシンクトラツクである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転ドラムに巻き付けられた磁気テープ上の
   傾斜トラツクに記録された信号の再生を行なう信
   号再生装置において、 上記回転ドラム上に隣接して配された第１及び
   第２の磁気ヘツドと、上記第１及び第２の磁気ヘ
   ツドを先端部に取り付け基端部が上記回転ドラム
   に固定された第１及び第２の電気―機械変換素子
   と、上記第１及び第２の電気―機械変換素子に
   各々異なる駆動信号を供給する駆動信号供給手段
   とを有し、 上記磁気テープの速度を変化させて変速再生を
   行なう際、上記第１及び第２の磁気ヘツドが上記
   駆動信号によりそれぞれ異なる変位を行ない交互
   に上記傾斜トラツクを走査するようにしたことを
   特徴とする信号再生装置。