JPS6211687Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、左右車輪を背反昇降自在に連動連結
する揺動アームを前記両車輪が同高さとなる揺動
位置で固定するためのロツクピンを、係脱操作自
在に設けると共に、前記両車輪を同時に同方向に
昇降できるように前記揺動アームの枢支部を移動
自在に案内するガイド、及び、前記両車輪の下降
側に付勢するように前記アーム枢支部を付勢する
緩衝スプリングを夫々設けた歩行型田植機の車輪
支持装置に関する。

かかる田植機の車輪支持装置によれば、植付作
業時においては、硬盤凹凸に拘らず左右車輪の背
反昇降により機体が左右に傾斜することを抑制さ
せて、植付苗の姿勢を良好に保つことができるよ
うにしながらも、路上走行時等においては、左右
車輪が背反昇降することを阻止させて、左右車輪
によつて機体を安定支持させることができるよう
にしたものであるが、ロツクピンを係合操作する
ことが行ない難い不都合があつた。

つまり、ロツクピンを係合操作するに際して、
揺動アームを固定すべき揺動位置に操作すること
を、従来では、作業者の操作力のみにて機体を左
右に傾斜操作させるようにして行なわせるように
しているが、この場合、大きな操作力を要するこ
とに起因して作業者が多大な労力を費すものとな
る不都合や、揺動アームが固定すべき揺動位置で
あるか否かが正確に分り難いものであるため、機
体を微少範囲で何度も往復しながら係合ピンを係
合させる等、係合ピンの係合操作が煩しく手間の
掛る作業となるものとなつていた。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、本来構成を有効利用した簡単
な改造で、係合ピンの係合操作を容易、迅速に行
なえるようにする点にある。

本考案の特徴構成は、冒記歩行型田植機の車輪
支持装置において、前記揺動アームに、前記固定
すべき揺動位置側へ復帰させるように前記緩衝ス
プリングが付勢作用するスプリング作用部を備え
させた点にある。

次に、本案特徴構成による作用効果を述べる。

すなわち、揺動アームを固定すべき揺動位置側
へ復帰付勢させるようにしてあるから、係合ピン
を係合操作するに際して揺動アームを固定すべき
揺動位置に操作することを、作業者が補助的に機
体を左右に傾斜操作するだけで、揺動アームを固
定すべき揺動位置に確実に移動させることができ
るのであり、係合ピンを係合操作することを、多
大な労力や手間を掛ることなく、容易、迅速に行
なわせることができるようになつた。

そして、本案によれば、揺動アームを固定すべ
き揺動位置に復帰付勢するに、既設の緩衝スプリ
ングを有効利用しながら、揺動アームに緩衝スプ
リングが作用するスプリング作用部を備えさせる
ようにする簡単な改造で行なうようにしてあるか
ら、例えば揺動アーム付勢用の特別なスプリング
を設ける等の他の構造を採用するに較べて、安
価、簡単に所望の目的に達することができるので
あり、もつて、実用上の利点大な歩行型田植機の
車輪支持装置を得るに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、左右一対の推進車輪１，
１、互び、それの後部に位置する左右一対の接地
フロート２，２を設けて、進行できるように構成
すると共に、機体後部に、一定ストロークで横往
復移動する苗のせ台３、及び上下に循環作動する
４個の植付爪４を設けて、機体進行に伴い苗植付
を行なえるように構成し、更に、苗のせ台３の後
部に、歩行作業者が支承する操縦ハンドル５を設
け、もつて、４条植えの歩行型田植機を構成して
ある。

第２図乃至第４図に示すように、前記両車輪
１，１の伝動ケース６，６夫々を、エンジン７に
直結のミツシヨンケース８に、上下揺動自在に枢
着すると共に、それら伝動ケース６，６に立設の
アーム６Ａ，６Ａ夫々を、縦軸心Ｘ周りで揺動自
在な横断面形状Ｕ字状のアーム９の両端部夫々
に、押引ロツド１０，１０にて各別に連動連結し
て、左右車輪１，１を背反昇降できるように構成
してある。又、左右一対のガイド棒１１，１１に
対して前後自在に外嵌する摺動部材１２に、前記
揺動アーム９の枢支ピン１３を取付けると共に、
前記揺動アーム９の枢支ピン１３に対する係合用
孔１４を、前後方向に沿う長孔に形成して、枢支
ピン１３を、前記両車輪１，１を同時に同方向に
昇降できるように揺動アーム９の枢支部Ａを前後
動自在に案内するガイドに兼用構成してある。

前記揺動アーム９を両車輪１，１が同高さとな
る揺動位置で固定するためのロツクピン１５を、
揺動アーム９に出退自在に支承すると共に、前記
摺動部材１２に、前記ロツクピン１５が係脱自在
に係合する孔１６を形成し、そして、前記ロツク
ピン１５を係合側に付勢するスプリング１７を設
けると共に、ロツクピン操作用レバー１８とロツ
クピン１５とをワイヤ１９を介して連動連結し、
もつて、路上走行時等において、左右車輪１，１
の背反昇降を固定できるようにしてある。

前記摺動部材１２を押引き操作して両車輪１，
１を昇降操作する油圧シリンダ２０を、ピストン
ロツド２０Ａが摺動部材１２に貫通着する状態で
設けてある。そして、前記両車輪１，１を下降側
に付勢するように前記アーム枢支部Ａを押圧付勢
する緩衝スプリング２１を、ピストンロツド２０
Ａに外嵌させる状態で設けると共に、前記揺動ア
ーム９に、前記固定すべき揺動位置側へ復帰させ
るように緩衝スプリング２１が押圧付勢作用する
スプリング作用部としての受面Ｓを備えさせてあ
る。もつて、圃場深さに合わせて昇降させる等、
両車輪１，１を昇降操作できるように構成し、し
かも、緩衝スプリング２１の作用により、硬盤あ
るいは路上面の凹凸のために機体が大きく振動す
ることを抑制できるようにし、そのうえ、緩衝ス
プリング２１によつて揺動アーム９をロツクピン
１５によつて固定すべき揺動位置側へ復帰付勢さ
せることによつて、ロツクピン１５を係合操作す
る際における揺動アーム９の位置合せを容易、迅
速に行なうことができるようにしてある。

但し、前記車輪昇降用油圧シリンダ２０を、両
車輪１，１の前方に位置する上下揺動自在な昇降
制御用フロート２３の対車体上下高さを適正範囲
に維持させるように、昇降制御用フロート２３の
情報に基づいて自動的に伸縮作動させることがで
きるようにしてある。

次に、別の実施例を説明する。

前記揺動アーム９の枢支部Ａを移動自在に案内
するに、揺動アーム９のピン係合用孔１４を長孔
にするに代えて、第５図に示すように、摺動部材
１２を、ピストンロツド２０Ａに対して摺動自在
に外嵌させるようにして、ピストンロツド２０Ａ
を揺動アーム９の枢支部Ａに対するガイドに兼用
させるようにする等、その具体構成は各種変更で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１乃至第４図の夫々は本案の実施例を示し、
第１図は歩行型田植機の側面図、第２図は車輪支
持装置の概略斜視図、第３図はロツクピン装着部
の切欠き正面図、第４図は第３図における−
線矢視図、第５図は本案別実施例を示す切欠き側
面図である。 １……車輪、９……揺動アーム、１３又は２０
Ａ……ガイド、１５……ロツクピン、２１……緩
衝スプリング、Ａ……アーム枢支部、Ｓ……スプ
リング作用部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右車輪１を背反昇降自在に連動連結する揺動
   アーム９を前記両車輪１が同高さとなる揺動位置
   で固定するためのロツクピン１５を、係脱操作自
   在に設けると共に、前記両車輪１を同時に同方向
   に昇降できるように前記揺動アーム９の枢支部Ａ
   を移動自在に案内するガイド１３又は２０Ａ、及
   び、前記両車輪１を下降側に付勢するように前記
   アーム枢支部Ａを付勢する緩衝スプリング２１を
   夫々設けた歩行型田植機の車輪支持装置であつ
   て、前記揺動アーム９に、前記固定すべき揺動位
   置側へ復帰させるように前記緩衝スプリング２１
   が付勢作用するスプリング作用部Ｓを備えさせて
   あることを特徴とする歩行型田植機の車輪支持装
   置。