JPS6332488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、長手方向中央箇所周りでの揺動によ
つて左右車輪を背反昇降自在に連結するための揺
動アームを、前記左右車輪を同時に同方向に昇降
操作するための油圧シリンダに、それと一体移動
するように枢着すると共に、前記左右車輪夫々に
対する一対の連係用押引ロツドを、前記揺動アー
ムの両遊端部夫々に連結した歩行型田植機の車輪
支持装置に関する。

かかる車輪支持装置は、硬盤の深さに応じて左
右車輪を同時に昇降操作させて植付深さの一定化
を図るようにし、しかも、硬盤凹凸に応じて左右
車輪を背反昇降させて植付苗の姿勢を良好に保つ
ことができるようにしたものである。ところで、
かかる車輪支持装置においては、左右車輪が不測
に背反昇降することを抑制すべく、左右車輪が同
高さとなる状態に復帰付勢することになり、従来
では、揺動アームの枢支基部に付勢作用する押圧
スプリングを設けるようにしているが、この場
合、押圧スプリングの付勢力が揺動アームに効率
良く作用し難いため、押圧スプリングとして大き
な弾性係数の高価で大型のものを使用しなければ
ならず、そのために全体構造が高価となる不都合
があつた。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、本来構成を有効利用した簡単
な改造によつて、左右車輪を同高さ側へ復帰付勢
するための構造の簡素化を図る点にある。

本考案の特徴構成は、冒記歩行型田植機の車輪
支持装置において、前記左右車輪を同高さ側へ復
帰付勢するための一対の押圧コイルスプリング
を、前記左右押引ロツドに各別作用させる状態
で、且つ、その内部に押引ロツドが貫通する状態
で設けた点にある。

次に、本案特徴構成による作用効果を述べる。

すなわち、既設の一対の押引ロツドを各別に付
勢作用する一対の押圧スプリングを設けて、左右
車輪を同高さ側へ復帰付勢させるようにせんとす
るものであつて、一対の押圧スプリングリングの
付勢力が、押引ロツドが連結する揺動アームの遊
端部に作用することになるから、一対の押圧スプ
リングの付勢力を揺動アームに効率良く作用させ
ることができるものとなつて、一対の押圧スプリ
ングとして、弾性係数の小さな安価で小型のもの
を使用できるのである。しかも、一対の押圧スプ
リングの内部に貫通する押引ロツドを、スプリン
グの座屈防止のためのガイドとして利用できるも
のとなつて、特別な部材を新たに設けることなし
に、長期間に亘つて良好な付勢作用を発揮させる
ことができるのである。

もつて、全体として、一層便利に使用できる歩
行型田植機の車輪支持装置を得るに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、左右一対の推進車輪１，
１を設けると共に、車体が車輪軸心周りで後方揺
動することを阻止する３個の接地フロート２，
２，２Ａを、車体横巾方向に並設して、進行でき
るように構成すると共に、機体後部に、一定スト
ロークで横往復移動する苗のせ台３、及び、上下
に循環作動する４個の植付爪４を夫々設けて、機
体進行に伴い苗植付を行なえるように構成し、更
に、苗のせ台３の後部に、歩行作業者が支承する
操縦ハンドル５を設け、もつて、４条植けの歩行
型田植機を構成してある。

第１図乃至第３図に示すように、前記両車輪
１，１の伝動ケース６，６夫々を、エンジン７に
直結のミツシヨンケース８に、上下揺動自在に枢
着すると共に、それら伝動ケース６，６に立設の
アーム６Ａ，６Ａ夫々を、長手方向中央箇所の縦
軸心周りで揺動自在な横断面形状Ｕ字状の揺動ア
ーム９の両遊端部夫々に、押引ロツド１０，１０
にて各別に連動連結して、左右車輪１，１を背反
昇降できるように構成してある。又、左右車輪
１，１を同時に同方向に昇降操作するための油圧
シリンダ１１を、シリンダチユーブ１１Ａを車体
に固定支持した状態で設けると共に、シリンダピ
ストン１１Ｂの端部にスライド自在に外嵌着した
枠体１２に、前記揺動アーム９の枢支ピン１３を
回転自在に内嵌させて、前記両車輪１が同時に同
方向に自由昇降することを許容するように構成し
てある。さらに、前記左右車輪１を同高さ側へ復
帰付勢するための一対の押圧コイルスプリング１
５を、前記左右押引ロツド１０，１０に各別に作
用させる状態で、且つ、その内部に押引ロツド１
０が貫通すると共にシリンダピストン１１Ｂに一
体移動するように取付けた受枠１６に一端部を支
持させる状態で設けてある。但し、一対の押圧ス
プリング１５，１５は、左右車輪１，１の自由昇
降に対して、下降側へ復帰付勢する緩衝スプリン
グに兼用されている。

もつて、硬盤深さに合わせて昇降させる等、両
車輪１，１を昇降操作できるように構成し、しか
も、硬盤の凹凸に応じて左右車輪１，１を背反昇
降させて、車体が左右に傾斜することを抑制でき
るように構成し、しかも、両車輪１，１を同高さ
側へ復帰付勢することによつて、左右車輪１，１
が不必要に背反昇降することを抑制させるように
してある。

又、前記揺動アーム９を両車輪１，１が同高さ
となる揺動位置で固定するためのロツクピン１７
を、揺動アーム９に出退自在に支承すると共に、
前記枠体１２に、前記ロツクピン１７が係脱自在
に係合する孔１８を形成し、そして、前記ロツク
ピン１７を係合側に付勢するスプリング１９を設
けると共に、ロツクピン操作用レバー２０とロツ
クピン１７とをワイヤ２１を介して連動連結し、
もつて、路上走行時等において、左右車輪１，１
の背反昇降を固定できるようにしてある。

前記３個のフロート２，２Ａ夫々を、その後端
側の横軸２２周りで上下揺動自在に枢支すると共
に、それらフロート２のうち中央のもの２Ａを、
車体前端側に突出させ、そして、第４図に示すよ
うに、その突出端部に、押引ロツド２３を枢支連
結すると共に、そのロツド２３を、前記油圧シリ
ンダ１１に対する制御弁２４に、揺動リンク２５
を介して連動連結し、もつて、フロート２Ａの対
車体上下揺動角を設定適正角度内に維持させるよ
うに、左右車輪１，１を自動昇降操作できるよう
にしてある。但し、図中２６は、揺動リンク２５
を車輪下降操作側に係止揺動させる係止アームで
あつて、路上走行時等において車輪１，１を強制
的に下降させるべく手動操作されることになる。

又、昇降制御のためのフロート２Ａを下降付勢
すべく押引ロツド２３に作用する押圧コイルスプ
リング２７を、その内部にロツド２３が貫通する
状態で設けると共に、そのスプリング２７の一端
部を受止める枠体２８を、上下揺動自在に枢着
し、そして、枠体２８に対する操作レバー２９
を、揺動方向複数位置で係止支持する係止枠３０
を設けて、泥の硬さに応じてフロート下降付勢力
を変更調節できるように構成してある。

本考案を実施するに、揺動アーム９を油圧シリ
ンダ１１に枢着する構造等の各部の具体構成は各
種変更できる。

又、本案の車輪支持装置は、４条植えの田植機
の他、各種の歩行型田植機に適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型田植機の車輪支持装
置の実施例を示し、第１図は歩行型田植機の側面
図、第２図は車輪支持装置の一部切欠概略平面
図、第３図は第２図における−線矢視図、第
４図は車輪昇降操作構造を示す概略側面図であ
る。 １……車輪、９……揺動アーム、１０……押引
ロツド、１１……油圧シリンダ、１５……押圧コ
イルスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向中央箇所周りでの揺動によつて左右車
   輪１を背反昇降自在に連結するための揺動アーム
   ９を、前記左右車輪１を同時に同方向に昇降操作
   するための油圧シリンダ１１に、それと一体移動
   するように枢着すると共に、前記左右車輪１夫々
   に対する一対の連係用押引ロツド１０を、前記揺
   動アーム９の両遊端部夫々に連結した歩行型田植
   機の車輪支持装置であつて、前記左右車輪１を同
   高さ側へ復帰付勢するための一対の押圧コイルス
   プリング１５を、前記左右押引ロツド１０に各別
   作用させる状態で、且つ、その内部に押引ロツド
   １０が貫通する状態で設けてある歩行型田植機の
   車輪支持装置。