JPS621165Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は板状素材の剥離装置に係る。

金属等の板状の素材を加工装置に供給するにあ
たり、複数枚積み重ねた素材をバキユームパツ
ド、磁石等の吸引装置により１枚ずつ吸引して引
き上げる材料供給装置が従来公知であつたが、こ
れら素材には加工、保存の関係上オイルが付着し
ており素材同志が密着しやすく、再上段の素材を
引き上げるとそれに伴い複数枚の素材が密着引き
上げられる不都合が生じやすかつた。

この考案は上記のような不都合を防止するため
の素材の剥離装置を提供することを目的としたも
のであり、次のような特徴を有する。

第１にこの考案の素材の剥離装置は、積み重ね
られた素材間端面に圧縮空気を吹きつけることに
より素材間の真空度合を緩和して剥離を行うもの
である。

第２に圧縮空気を吹き出すノズル先端を可及的
に素材間端面に近接させるために、エアーノズル
装置を天秤状の機構とし、腕状本体の中途部分に
吸引装置保持台との枢止点を設け、一端に圧縮空
気を吹き出すノズルをノズル先端が内側を向くよ
うに、他端には重力により重錘側が下降するよう
に重錘をそれぞれ垂設し、吸引装置保持台より枢
止点を軸として揺動自在に垂設するものである。

以下、この考案の具体的実施例を図面に基づい
て説明する。

第１図はこの考案の板状素材の剥離装置の実施
例を示すエアーノズル装置部分の一部切り欠き側
面図である。

このエアーノズル装置Ａは天秤状の機構を有
し、腕状本体１の中途部分に後記する吸引装置保
持台１０との枢止点２を設け、一端に圧縮空気を
吹き出すノズル３をノズル先端３ａが内側を向く
ように、他端には重力により重錘側が下降するよ
うに重錘４をそれぞれ垂設する。

上記構成よりなるエアーノズル装置Ａは材料供
給装置の吸引装置保持台１０より枢止点２を軸と
して揺動自在に垂設される（第２図参照）。

この材料供給装置は従来公知のものであり、複
数枚積み重ねられた板状の素材をバキユームパツ
ド、磁石等の吸引装置１１により１枚づつ吸引し
て引き上げる機能を有するものであり、実施例で
はバキユームパツド１１を複数個吸引装置保持台
１０に下向きに取りつけ、この吸引装置保持台１
０を適宜機構により（図示せず）上下、前後に移
動する支持腕１３により支持する構成とする。

上記の構成よりなる剥離装置の作用は次の通り
である。

先ず、吸引装置支持台１０の上昇時には、エア
ーノズル装置Ａは重錘４の自重により枢止点２を
軸として重錘４側が下降して、ノズル３側が上昇
している状態となつている（第１図の状態）。

次に、素材Ｗを吸引するための吸引装置支持台
１０が素材Ｗに向かつて下降すると、先ず重錘４
の下面４ａが積み重ねられた素材Ｗの上面に当接
し、更にバキユームパツド１１が素材Ｗ上面に接
するまで下降させると枢止点２を軸として重錘４
側が押し上げられ、ノズル３側が下降する状態と
なる。この場合、ノズル３は枢止点２を軸として
下降するのだから枢止点２を軸として円周状に下
降し、ノズル先端３ａが素材Ｗ間の端面に近接す
ることとなる（第３図の状態）。

そして、圧縮空気装置（図示せず）によりノズ
ル先端３ａより圧縮空気を素材Ｗ間に吹きつけ素
材Ｗ間の真空状態を解消して剥離しつつ、バキユ
ームパツド１１により最上段の素材Ｗを吸引し
て、吸引状態を保つたまま支持腕１３により吸引
装置保持台１０を上昇させ一連の供給作業を開始
する。

上記の説明より明らかなように、この考案の剥
離装置を効果的に作動させるためには、ノズル先
端が重ねられた素材間端面に可及的に近接するよ
う重錘、エアーノズル及び枢止点の距離、角度を
予め設定することが必要となる。この距離、角度
は素材に合わせて予め固定してもよいが、実施例
では種々の厚さの素材に対応できるよう、枢止点
２と吸引装置保持台１０との上下方向の距離を両
者間にネジ扞１２を介在させることにより、ノズ
ル３と枢止点２との横方向の距離をノズル３と腕
状本体１間にネジ扞３ｂを介在させることによ
り、重錘４のノズル先端１ａに対する高さを重錘
４と腕状本体１間にネジ扞４ｂを介在させること
によりそれぞれ調節自在としている。

この考案は以上のように構成されるものであ
り、次のような効果を有する。

素材の剥離を機械的手段でなく圧縮空気によ
つて行うので、剥離にあたり素材に傷をつける
おそれが皆無である。

素材間端面に圧縮空気を吹きつけることによ
り素材間の真空度合を緩和して剥離を行うもの
であるから、機械的手段に比し効果的な剥離が
期待できる。

圧縮空気により剥離を行う場合でも単にエア
ーノズルを素材間端面まで直線的に下降させる
機構では、ノズル先端を素材間端面に近接させ
過ぎると素材の積み重ねのバラつきにより一部
の素材端面が飛び出している場合にはノズル下
面が素材に衝突しノズルを破壊するおそれがあ
り、勢いノズル先端は素材間端面より離さざる
を得ず効果的な剥離が困難であつた。この考案
の場合、エアーノズル装置を天秤状として、枢
止点を軸としてノズル先端が円周状に素材間端
面に下降、近接する機構としたので、ノズルが
飛び出した素材に衝突する場合でもノズル先端
正面が素材間端面に正面より当接する程度に過
ぎず実害はなく、ノズル先端を素材間端面に可
及的に近接させることが可能であり効果的な剥
離が期待できる。

実施例の如くネジ扞により重錘、エアーノズ
ル及び枢止点の距離、角度を調節自在とすれ
ば、種々の厚さの素材に容易に対応することが
でき作業上能率的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の板状素材の剥離装置の実施
例を示す吸引装置保持台を上昇させた状態のエア
ーノズル装置の一部切り欠き側面図、第２図は同
上全体の側面図、第３図は同上吸引装置保持台を
下降させた状態のエアーノズル装置の側面図であ
る。 尚、図中符号Ａ……エアーノズル装置、Ｗ……
素材、１……腕状本体、２……枢止点、３……ノ
ズル、４……重錘、１０……吸引装置保持台、１
１……吸引装置（バキユームパツド）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数枚積み重ねられた板状の素材Ｗをバキユー
   ムパツド、磁石等の吸引装置１１により１枚づつ
   吸引して引き上げる材料供給装置において、下記
   (イ)構成よりなるエアーノズル装置Ａを吸引装置保
   持台１０より枢止点２を軸として揺動自在に垂設
   したことを特徴とする板状素材の剥離装置。 (イ) 腕状本体１の中途部分に吸引装置保持台との
   枢止点を設け、一端に圧縮空気を吹き出すエア
   ーノズル３をノズル先端３ａが内側を向くよう
   に、他端には重力により重錘側が下降するよう
   に重錘４をそれぞれ垂設した天秤状の機構より
   なり、吸引装置保持台の素材吸引のための下降
   によりこの重錘下面４ａが素材上面に当接して
   重錘側が上昇した際、エアーノズルが枢止点を
   軸として円周状に下降しノズル先端が重ねられ
   た素材間端面に可及的に近接するよう重錘、エ
   アーノズル及び枢止点の距離、角度を設定した
   エアーノズル装置。