JPS6211587Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、洗たく槽と脱水槽を並設し、脱水槽
側へ給水し、脱水槽側でのみすすぎを行なうこと
ができる脱水すすぎ装置付洗たく機に関するもの
で、水道水等に赤錆等が含まれて着色されている
場合に、すすぎ時に、洗たく物に赤錆等がつき、
洗たく物が変色することを未然に防止することを
目的とする。

第１図および第２図は、従来の脱水すすぎ装置
付洗たく機の構成を示しており、１は洗たく機本
体、２は洗たく槽であり、底部に回転自在な攪拌
翼３を配設している。４は脱水槽で、底部にダイ
ヤフラム５と排水口６が設けてあり、排水口６
は、外部排水ホース７に接続してある。８は脱水
かごで、周壁に多数の脱水用小孔９を設け、脱水
軸１０等を介して脱水用電動機１１に直結され、
脱水槽４内に回転自在に配設されている。

１２は脱水キヤツプであり、多数の通水用の小
孔１３を有し、脱水かご８の上方開口部に着脱自
在に取付けてある。

１４はパネル部であり、各種スイツチ等の他、
給水弁１５が設けてあり、脱水槽４側への給水ホ
ース１６がこの給水弁１５に接続され、又、給水
ホース１６の先端には脱水かご８上方に開口する
給水ノズル１７を設えており、脱水かご８内への
給水は、給水ノズル１７から脱水キヤツプ１２を
通り行なえる。

上記した従来の構造によれば、洗たく槽２内で
洗たくを行なつた後、洗たく物１８を脱水かご８
内へ移し、脱水・給水を繰り返し、或いはこれを
同時に行なうことにより、すすぎをし、最後に脱
水を行ない、洗たくを終了する。

上記工程の中でのすすぎ工程において、水道水
に赤錆等が含まれている場合に、脱水かご８内へ
給水された水は、直接洗たく物１８に浸透してい
き、洗たく物１８に赤錆等がつき、洗たく物１８
を変色させる。この洗たく物１８についた赤錆等
は、その後の脱水により、繊維の中へ入り込み、
結局、洗たく物についたままですすぎが終了す
る。その結果、衣類に赤錆等がつき、衣類が変色
することになり、洗たく機の製品としての価値を
著しく低下させるものである。

又、脱水キヤツプ１２をフイルターとして、糸
くず、ごみ等が脱水かご８内の洗たく物へ付着し
ないようにした構造も提案されているが、この場
合でも、錆の様な非常に細かいものは、フイルタ
ーの穴を通過して洗たく物へ浸透し、やはり洗た
く物を変色させることになるものであつた。

又、第３図に示すように、脱水キヤツプ１２の
上方において、不織布等のろ過体Ａを、脱水キヤ
ツプ１２の円周リブ１２ａ内に位置して設けたも
のもみられるが、この場合には、ろ過体Ａが水を
含めば膨潤、膨張し、よつて、円周リブ１２ａ内
のろ過体Ａは脱水キヤツプ１２の上面に密着し、
ろ過体Ａの水の透過が悪くなる。そのため、赤錆
を含んだ水の殆んどがろ過体Ａを通過せず、円周
リブ１２の周囲から洗たく物へ浸透し洗たく物を
汚したり、また、脱水かご８の上縁より溢れ、外
へ流れ出てしまつて無駄水となるものであつた。

本考案は、上記従来の問題を解決するもので、
以下、その実施例を説明する。第４図、第５図に
おいて、第１図〜第３図と同一符号は、同一機能
を有するものであり、その説明を略す。

第４図で示す様に、多数の小孔１９を有する脱
水キヤツプ２０と、同じく通水用の多数の小孔２
１を有する脱水キヤツプカバー２２を、適当な隙
間２３を保つ様にして爪２４の嵌着等により着脱
自在とする。この脱水キヤツプ２０と脱水キヤツ
プカバー２２との隙間２３に、木綿布或いは不織
布等のろ過体２５を挿入する。

又、脱水キヤツプ２０の底面から下方に向い、
放射状、或いは環状のリブ２６を突出形成する。
そして脱水キヤツプカバー２２の底面には、第４
図にみられるように中心部が低くなる様にいくつ
かの段差２７を設けている。

上記構成によれば、すすぎ工程において、給水
ノズル１７から供給される赤錆等を含む水は、洗
たく物２８に浸透する前に、ろ過体２５を通過す
ることになる。そして、ろ過体２５に、糸くず、
ごみ等と共に赤錆がろ過され、糸くず、ごみはろ
過体２５の上面に溜り、又、赤錆はろ過体２５に
吸収され、下方の洗たく物２８へはろ過された水
のみが浸透していく。その結果、洗たく物２８を
変色させることなく、すすぎ、脱水を行なうこと
ができる。ゆえに、洗たく物を汚すことによつ
て、製品の価値を低下させることもない。

又、ろ過体２５が水を含んだ場合、ろ過体２５
が木綿布等の場合には膨潤、膨張し、当初、脱水
キヤツプ２０と、脱水キヤツプカバー２２との間
の隙間２３を適当にとつていても、ろ過体２５と
脱水キヤツプ２０、或いはろ過体２５と脱水キヤ
ツプカバー２２の隙間は殆んどなくなり、ろ過体
２５は貼り付いた状態となる。このような状態で
は、ろ過体２５の水の透過が悪くなり、赤錆を含
んだ水の殆んどがろ過体２５を通過せず、周囲か
ら洗たく物へ浸透し洗たく物を汚したり、又、脱
水かごの上縁より溢れ、洗たく物へ浸透しないで
外へ流れ出てしまつて無駄水となる。

しかしながら、前述の脱水キヤツプ２０の下部
にリブ２６を、脱水キヤツプカバー２２に段差２
７を設けることにより、ろ過体２５との隙間を常
にほぼ一定に保つことができ、上記したような不
具合は生じない。

又、脱水キヤツプカバー２２の段差２７のかわ
りに、上方に向いたリブ２９を設けても同様の効
果を得ることができる。

又、ろ過体２５が汚れてくれば、脱水キヤツプ
カバー２２を脱水キヤツプ２０から外すことによ
り、ろ過体２５を簡単に取り出すことができ、ろ
過体２５の交換、洗たく等も容易に行なうことが
できる。そして、脱水キヤツプ２０と脱水キヤツ
プカバー２２は爪２４等の嵌着の為、支持は強固
なものであり、脱水キヤツプカバー２２、ろ過体
２５が外れて、ろ過体２５の効果がなくなるとい
つた恐れはない。

一方、水道水が赤錆等で汚れていない場合に
は、脱水キヤツプカバー２２とろ過体２４を外
し、脱水キヤツプ２０単独で使うこともできる。

上記実施例でも明らかな様に本考案によれば、
脱水すすぎ装置付洗たく機において、脱水キヤツ
プと、この脱水キヤツプと適当な隙間を持たせた
脱水キヤツプカバーとを着脱自在に一体化し、前
記脱水キヤツプと脱水キヤツプカバーの隙間にろ
過体を挿入することにより、脱水かご内に供給水
される水が赤錆等を含み、着色している場合で
も、洗たく物に赤錆等が付着するのを未然に防止
でき、洗たく物を変色させることはなく、洗たく
機の製品としての価値を低下させることはなく、
又、前記ろ過体は、その交換、或いは洗たくが容
易に行なえ、実用性に富む。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の脱水すすぎ装置付洗たく機の縦
断面正面図、第２図および第３図はその脱水キヤ
ツプの取付け状態を示す断面図、第４図は本考案
の実施例における脱水キヤツプの取付け状態を示
す断面図、第５図はその脱水キヤツプカバーを示
し、同図Ａは上面図、同図Ｂは断面図である。 ２……洗たく機、４……脱水槽、１９，２１…
…小孔、２０……脱水キヤツプ、２２……脱水キ
ヤツプカバー、２３……隙間、２５……ろ過体、
２６……リブ、２７……段差、２９……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗たく槽と脱水槽を並設し、脱水槽側へ給水
   し、脱水槽側ですすぎを行なう脱水すすぎ装置付
   洗たく機であつて、多数の小孔を有する脱水キヤ
   ツプ下方に、多数の小孔を有する脱水キヤツプカ
   バーを、両者間に適当な隙間を形成するように着
   脱自在に一体化し、前記隙間にろ過体を配設する
   とともに前記脱水キヤツプ下面には下方に向うリ
   ブを設け、前記脱水キヤツプカバー底面には少な
   くとも中心部が低くなる段差あるいは上向きのリ
   ブを設けた脱水すすぎ装置付洗たく機。