JPS635679Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗濯機の脱水機への給水装置に関する
ものである。

洗濯槽と脱水槽を併置した二槽式洗濯機で洗濯
槽で「洗濯」を行ない、脱水槽で注水しながら間
欠脱水して「すすぎ」を行ういわゆる注水脱水す
すぎができる洗濯機が存在する。

ところで、すすぎ用の清水中には赤サビや土砂
が混入することがあるので上記脱水槽への注水は
フイルターを通過させて行う必要がある。

まず、かかる従来の注水脱水すすぎ用洗濯機の
フイルター取付構造を説明しよつて本考案の目的
を明らかにする。

第１図は従来の洗濯機の縦断側面図で、図中１
は外装、２は外装１内の水受槽、３は水受槽２内
に回転可能に設けた脱水かごを示し、この脱水か
ご３の下部はベローズ４を貫通するモータ５の駆
動軸５ａに連結する。

脱水かご３の上方にはヒンジ構造により回転し
て開閉する内蓋６が設けられ、その底部には漏斗
状の流出口７を形成し、側部は導水パイプ８を介
して水道蛇口９からホース等（図示せず）で注入
される給水口１０と連通する。図中１１は取外し
可能な外蓋、１２は脱水かご３の中心部に設けら
れた散水筒、１３は脱水かご３の上部に設置する
脱水キヤツプである。

かかる構造の洗濯機では、注入口７の上方にサ
ビ取り用フイルターを設けたのでは導水パイプ８
からの水が該フイルター部分で分散してしまい、
散水筒１２内にうまく注水できないおそれがあ
る。そこで第２図に示すように上記脱水キヤツプ
１３に下面に漏斗状の注水口１４ａを有する箱体
１４を嵌着し、この箱体１４内にサビ取り用フイ
ルター１５を収納していた。

しかし、このような従来のフイルター取付構造
では、脱水キヤツプ１３が脱水かご３とともに回
転している間はここで流出口７からの水がはじき
飛ばされてしまいフイルター１５を通過して散水
筒１２に導かれる有効なすすぎ水が少なくなつて
しまう。

一方、脱水かご３の回転を止めて注水するので
は脱水すすぎに要する時間が長くなりきわめて効
率の悪いものとなる。

また、フイルター１５を取付けるための収納箱
体１４という特別な部品を設けなければならず、
更に脱水キヤツプ１３にも箱体１４を取付けるた
めの加工が必要となり、物品点数及び製作工程の
点でコスト高のものになつてしまう。

本考案の目的は上記従来例の不都合を解消し、
脱水かごの回転している最中でも該脱水かご中心
部の散水筒へフイルターを介してすすぎ水を効率
よく注入でき、また特別に部品数を増すことなく
しかも簡単な加工をなすだけですむので安価な構
造でフイルター取付けを行える洗濯機の脱水機へ
の給水装置を提供することにある。

しかしてこの目的は本考案によれば、水受槽内
に回転自在に設けた脱水かごの中心部に多数の小
孔を有する散水筒を設けた脱水機において、該脱
水かご上方の内蓋底部の流出口先端外周に形成し
た掛止突条を内部中空の略半球形の多孔性材フイ
ルターの上面開口内側に設けた掛止突条に挿入し
て該フイルターを上記流出口下部に着脱自在に取
付けることにより達成される。

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第３図は本考案の給水装置を使用した洗濯機の
縦断側面図、第４図は本考案の実施例を示す縦断
側面図で、第１図と同一構成要素には同一参照番
号を付したものである。

外装１内の水受槽２内には回転可能に脱水かご
３が設置され、この脱水かご３の中心部に多数の
小孔を有する散水筒１２を設けているのは上記従
来例と同じである。

また、内蓋６は側部が導水パイプ８を介して給
水口１０と連結するが、該内蓋６の底部に形成し
た漏斗状の第４図に示すように流出口７の先端外
周に掛止突条７ａを一体的に形成する。

さらに、本考案で使用するフイルター１６は従
来のスポンジ又は綿状のフイルターとは異なり多
少硬質の多孔性材をもつて内部中空の略半球形状
に成形したものである。このフイルター１６の上
面開口１６ａの径は上記流出口７の外径と合致
し、内側には掛止突条１６ｂを一体に設けた。

かかるフイルター１６の上面開口１６ａ内に流
出口７の先端を挿入すれば、掛止突条７ａ，１６
ｂ相互が作用してフイルター１６は流出口７の下
部にしつかりと固定される。

一方、すすぎ用の水は水道蛇口からホースを介
して給水口１０に入り、ここから導水パイプ８で
内蓋６内を通り流出口７から出る時にこのフイル
ター１６で赤サビ、土砂等が取除かれ、散水筒１
２内へと注ぎ込まれる。

また、清掃等のためにフイルター１６を取外す
には、このフイルター１６の中間部を手で強く握
り流出口７から引き離せばよい。この作業は内蓋
６を開いた時、すなわち内蓋６が垂直に位置する
際に行なえば無理な姿勢を取ることなく容易に行
うことができる。

以上述べたように本考案の洗濯機の脱水機への
給水装置は、水受槽内に回転自在に設けた脱水か
ごの中心部に多数の小孔を有する散水筒を設けた
脱水機において、該脱水かご上方の内蓋底部の流
出口先端外周に形成した掛止突条を内部中空の略
半球形の多孔性材フイルターの上面開口内側に設
けた掛止突条に挿入して該フイルターを上記流出
口下部に着脱自在に取付けることとしたので、フ
イルターを取付けるに際しての加工や部品が従来
と比べて少なく安価に製作でき、またフイルター
には水を集中的に集められ、さらにフイルターを
通過した水は効率よく散水筒内に導くことができ
るものである。さらに、フイルターの着脱も容易
なので清掃等も楽に行なえるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の洗濯機の縦断側面図、第２図は
従来のフイルター取付構造を示す縦断側面図、第
３図は本考案の給水装置を用いた洗濯機の縦断側
面図、第４図は本考案の給水装置の実施例を示す
縦断側面図である。 １……外装、２……水受槽、３……脱水かご、
４……ベロース、５……モーター、５ａ……駆動
軸、６……内蓋、７……流出口、７ａ……掛止突
条、８……導水パイプ、９……水道蛇口、１０…
…給水口、１１……外蓋、１２……散水筒、１３
……脱水キヤツプ、１４……箱体、１４ａ……注
水口、１５，１６……フイルター、１６ａ……上
面開口、１６ｂ……掛止突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水受槽内に回転自在に設けた脱水かごの中心部
   に多数の小孔を有する散水筒を設けた脱水機にお
   いて、該脱水かご上方の内蓋底部の流出口先端外
   周に形成した掛止突条を内部中空の略半球形の多
   孔性材フイルターの上面開口内側に設けた掛止突
   条に挿入して該フイルターを上記流出口下部に着
   脱自在に取付けることを特徴とした洗濯機の脱水
   機への給水装置。