JPS6211468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案の奥行の調整可能な棚装置に関する。

従来の棚装置、特に書棚においては、棚板の奥
行寸法と書籍の巾が一致しない場合、書籍の背が
不揃いになつて体裁を悪くしたり、また棚板の露
出面にほこりが溜るなどの不都合を生じていた。
このような不都合を取り除くため、棚板の奥行を
書籍の巾に合わせようとすると、棚板を多数用意
する必要があり、また棚板の交換も厄介である。

本考案は従来の棚装置の前記問題を除去するこ
とを目的としている。

本考案によると、棚板に取り外し可能に係合す
るようにされた背当り部材が設けられ、棚板を取
り外すことなく前記背当り部材を棚板の奥行側端
部のまわりに枢動させることにより２種類の巾の
書籍に合致するように調整可能な棚装置が提供さ
れる。

以下、添付図面を参照して実施例により本考案
を説明する。

第１図を参照すると、本考案の第１実施例によ
る棚装置10が示され、この棚装置は一対の支柱
１、複数枚の棚板２、前記棚板の間口方向の両端
部と係合して支持する棚支持部材４、前記棚支持
部材と係合する背当り部材３および前記一対の支
柱の上下端部を固定する部材（図示せず）を含
む。支柱１は薄鋼板で作られ、第１図に示すよう
に六角形および２個の長方形を有する断面にさ
れ、六角柱部分には一定間隔に係止穴１ａを形成
されている。薄鋼板で作られた支柱の断面は正方
形、円形、コの字形状、一辺にスリツトのある正
方形またはＨ字形であつてもよい。棚板２は薄鋼
板で作られ、その四辺を折り曲げられ、間口側お
よび奥側の端部はさらにＵ字形に折り曲げられて
いる（第１図と第２図参照）。棚支持部材４もま
た薄鋼板で作られ、その下端部は折り曲げられて
Ｌ字形断面の部分４ａおよびＵ字形断面の部分４
ｂを形成されている。棚支持部材４の前記Ｕ字形
断面の部分４ｂはその一方の脚に１個以上の係止
爪４ｃを形成され、この係止爪は組立の際に棚板
２の間口方向の両端部の折曲げ部分２ａの係止穴
２ｂと係合して棚板の抜け止めを行う。棚支持部
材４はその奥行側端部に略Ｕ字形断面の曲げ部分
４ｄを有し、この曲げ部分は第１図に示すように
２個の係止爪４ｅを形成され、この係止爪は支柱
１の係止穴１ａに係合して棚支持部材４、したが
つて棚板２を支柱１に固定する作用を行う。

第２図と第４図に示すように、背当り部材３は
薄鋼板で作られ、棚板２の間口方向の長さに略等
しい長さを有している。この背当り部材３は、略
Ｌ字形断面の第１部分３ｂ、書籍等の背に係合す
る折曲げ形状断面、例えば略Ｕ字形断面の第２部
分３ａおよび棚板係合用の略Ｕ字形断面の第３部
分３ｃを有する。前記第１部分３ｂと第３部分３
ｃの大きさは、第２図に示す第１の位置において
Ｌ字形断面の第１部分３ｂの一方の脚が棚板２の
上面と同一平面内にあり、第３図に示す第２の位
置において第３部分３ｃが棚板２の奥行側の端部
２ｃをぴつたり包囲して係合するような寸法にさ
れている。

このような構成の棚装置１０は次のようにして
組み立てられる。一対の支柱１が上下の固定部材
（図示せず）に固定された後、背当り部材３が棚
板２の奥行側の端部２ｃに間口方向に平行に挿入
されて取り付けられる。この取付け位置は収容す
る書籍５の巾寸法に応じて第２図に示す第１の位
置または第３図に示す第２の位置にされる。次
に、一対の棚支持部材４が第４図に示すように棚
板２の間口方向の両端部２ａに組み付けられ、棚
支持部材４の係止爪４ｃが棚板２の係止穴２ｂに
係合する。最後に、棚支持部材４の第２の係止爪
４ｅが支柱１の係止穴１ａに係合して棚板１を支
柱に固定する。

第２図は巾寸法の大きい書籍５を載置する場合
における棚板２と背当り部材３の係合状態を示
し、第３図は巾寸法の小さい書籍５ａを載置する
場合における棚板と背当り部材の係合状態を示
す。棚板に対する背当り部材の係合状態を第２図
に示す第１の位置から第３図に示す第２の位置
へ、またその逆に変えるためには、背当り部材３
を押すか引くかして背当り部材および棚板の相互
の係合部分の弾性を利用して行われる。第５図と
第６図は支柱１の両側に棚板２を取り付け、背当
り部材をそれぞれ第１の位置および第２の位置に
棚板に対し係合させた状態を示す。

第７Ａ図と第７Ｂ図を参照すると、本考案の別
な実施例における背当り部材を示し、第７Ａ図に
示す背当り部材６は、折曲げ形状断面、例えば略
長方形断面の第２部分６ａを有し、第７Ｂ図に示
す背当り部材７は、折曲げ形状断面、例えば薄鋼
板を折り重ねた状態の第２部分７ａを有する。

前記実施例においては、棚板２の奥行側の端部
２ｃは第２図と第３図に示すように略Ｕ字形状の
断面を有するが、第８Ａ図と第８Ｂ図に示す第２
実施例においては棚板１２の奥行側の端部１２ｃ
は一方の脚を折り重ねたＬ字形の断面を有する。
第８Ａ図と第８Ｂ図において、背当り部材１３の
第３部分１３ｃは折曲げ部分１３ｄを有する点に
おいて第２図と第３図に示す背当り部材３の第３
部分３ｃと異なる。

前記のように、本考案によると、棚板を交換す
ることなく、背当り部材を簡単に操作することに
より書籍等の収容部の奥行寸法を調節することが
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の棚装置の分解斜視図、第２図
は棚板と背当り部の第１の係合状態を示す側断面
図、第３図は第２の係合状態を示す、第２図に類
似の図、第４図は棚板と棚支持部材の係合状態を
示す正面断面図、第５図は支柱の前後に取り付け
た棚板と背当り部材の第１の係合状態を示す破断
斜視図、第６図は第２の係合状態を示す、第５図
に類似の図、第７Ａ図と第７Ｂ図は変形した背当
り部材の断面図および第８Ａ図と第８Ｂ図は本考
案の第２実施例における棚板と背当り部材の断面
図である。 図において、１０……棚装置、４……棚支持部
材、２，１２……棚板、５，５ａ……書籍、３，
１３……背当り部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数本の支柱、１個以上の棚板および前記支柱
   に取り外し可能に取り付けるようにされ、かつ前
   記棚板の間口方向の両端部を係合支持する複数個
   の棚支持部材を含む棚装置において、さらに前記
   棚板の奥行側の端部に取り外し可能に係合するよ
   うにされた背当り部材を含み、この背当り部材の
   断面形状は略Ｌ字形の第１部分、前記Ｌ字形の両
   方の脚にそれぞれ連続している折曲げ形状の第２
   部分および略Ｕ字形の棚板係合用の第３の部分か
   ら成り、前記棚板の奥行側の端部のまわりに前記
   背当り部材を枢動させることにより物品収容部分
   の奥行寸法を調節可能な棚装置。