JPH0327469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は台所用の水切棚又は、屋内における
日用品整理棚等の下側へ付設する引出し式補助棚
に関するものである。

「従来の技術」 従来、組立棚の下側に補助棚を引出し式に付設
した棚として、実公昭49−3239号公報により紹介
されたものは、平板製組立棚の両側を支持した棚
受用袖板にレール部材を一体的に設け、その両レ
ール部材により平板製補助棚の両側縁を摺動自在
に支持させたもので、この組立棚は書籍等の整理
棚として本体棚と補助棚とを一体的に結合したも
のであり、簀子状又は格子状、網状に形成された
水切棚やその他の既設棚に付けて利用することは
構造上不適当である。

「考案が解決しようとする問題点」 そこで本考案においては、簀子状又は格子状、
網状等のパイプ棚、水切棚、整理棚等各種の棚下
側に随時取け冷取外しが可能であつて、既設棚下
側に引出し式に付設して出入れ自在な補助棚を提
供しようとするものである。

「問題点を解決するための手段」 簀子棚、篭棚又は網棚等に形成された補助棚の
両側板外側に夫夫係合片を突設し、この係合片を
遊動レールの係合片上に重合させて係嵌し、更に
この重合係合片を吊レールの同形係合片上に重ね
て係嵌し、吊レールに沿つて遊動レールと補助棚
側板とを相互摺動自在に三者を嵌合させたもの
で、補助棚側板上壁の中央部に上向き突設した突
起が遊動レールの前端縁に係合し、遊動レール上
壁中央部に上向き突設した突起が吊レールの前端
縁に係合するようにして補助棚と遊動レールとが
夫夫前半分づつを上側の各レールから前方へ突出
摺動した時点でその摺動を止め規制するように構
成し、尚、前記吊レールの上壁前後二箇所に、挟
板を挿着した吊杆を挿抜自在に螺挿したものであ
つて、この挟板を既設のパイプ棚等の上面側に載
置し、その中心部透孔に挿通した吊杆の螺子部を
吊レール上壁に螺入して締付けることにより吊レ
ール上壁と挟板間に既設棚の棚棧を挟持して吊レ
ールが棚下面に沿つて固定されるよう構成してい
る。

「作用」 吊レール内に遊動レールを介して補助棚の側板
係合片を係嵌することにより、三者の相似形状の
各係合片を上下に重ねて摺動自在に係嵌してあ
り、尚、遊動レールと補助棚側板との各上壁面中
央部に夫夫上向き突起を突設してあるから、遊動
レールは吊レールから前半分を突出し、補助棚側
板は遊動レールから前半分を突出した状態で各係
合部の摺動が規制せられ、補助棚はその全幅を吊
レールから前方へ突出して止る。従つて、吊レー
ルを既設棚の下側に固定すれば、既設棚に対して
補助棚が引出し式に出入自在に設けられる。

尚、吊レールは、吊杆の挟板を既設棚の棚棧上
に置いてその中心透孔に挿通された吊杆を下側の
吊レール上壁に螺入してゆくことにより挟板と吊
レール上壁間に棚棧を挟持して吊レールが棚棧下
面に固着する。

「実施例」 本考案の実施例として三態様のものを添付図面
に従つて順次説明すると、第１図はパイプ棚Ａの
下側に線材製の補助棚Ｂを引出し方式に付設した
一例を示したもので、パイプ棚Ａは、複数の並列
パイプ群１…の左右両端を夫夫挟着連結具２によ
り連結固定した棚板を左右一対の方形吊枠３，
３′により吊設するものである。

補助棚Ｂは、並列させた多数の横線材群４…に
対し数本の縦線材５…を等間隔に配し、両側端に
は側端縦線５′を配して夫夫直交させた各交点を
夫夫溶着して簀子状に形成し、尚、両側端縦線材
５′を除く他の縦線材５…の前後両端部を夫夫上
方へ折曲げて前後両立上り縁４′，４′を形成し、
この簀子状棚板の左右両側端に側板６，６′を固
着してある。そして、前記両側板６，６′はその
上方外側の折曲部を両遊動レール７，７′の内側
下部に遊嵌され、両遊動レール７，７′は更にそ
の上側の両吊レール８，８′の内側下部に遊嵌さ
れ、両吊レール８，８′は吊杆９と挟板１０とに
よりパイプ棚Ａの前後部パイプ１，１に挟着され
ている。

そして、前記補助棚側板と遊動レール及び吊レ
ールとは相互に前後摺動自在に嵌合させてあるの
で、三者の相互摺動により補助棚がパイプ棚下側
において引出し押入れ自在に付設されている。

尚、前記補助棚Ｂと遊動レール７，７′及び吊
レール８，８′の詳細な構成について第３図に各
部の分解斜視図を示しているように、補助棚の側
板６，６′は、その下端水平板６ａ，６′ａの外端
から立上壁６ｂ，６′ｂと外向き水平上壁６ｃ，
６′ｃ及び外端垂下壁６ｄ，６′ｄを曲成し、尚垂
下壁６ｄ，６′ｄの各下端部をＵ字形係合片６ｅ，
６′ｅに曲成し、水平上壁６ｃ，６′ｃの各中央部
に上向き突起６ｆ，６′ｆを切出し突設してあり、
下端水平板６ａ，６′ａの各前後部に夫夫ビス孔
６ｇ，６′ｇを設けてある。そして水平板６ａ，
６′ａを夫夫簀子状棚板の両側端下面に配し、棚
板上面から小挟板１１，１１を当てがいビス１
２、ナツト１３で両者を締付け固定するようにし
てある。

又、遊動レール７，７′は、下向き開口の溝形
材の外側壁を延長垂下させた垂下壁７ａ，７′ａ
の下端部をＵ字形係合片７ｂ，７′ｂに曲成し、
水平上壁７ｃ，７′ｃの各中央部に上向き突起７
ｄ，７′ｄを切出し突設してあり、前端に前端縁
７ｅを設けてある。

尚又、吊レール８，８′は、前記遊動レールと
同様な下向き開口の溝形材の外側壁を遊動レール
の垂下壁７ａの高さだけ余分に延長垂下させた垂
下壁８ａ，８′ａの各下端部にＵ字形係合片８ｂ，
８′ｂを曲成し、水平上壁８ｃ，８′ｃの各前後部
に夫夫螺孔８ｄ，８′ｄを設け、前端に前端縁８
ｅ，８′ｅを設けてあり、挟板１０を挿着した吊
杆９を前記螺孔８ｄ，８′ｄに挿抜自在に螺挿す
るものであり、前記挟板１０の中央部には前後方
向の長孔１０ａを設けると共に、前後両端部に下
向き彎曲部１０ｂを、左右両側中央部に凹陥部１
０ｃを設けてあり、長孔により吊杆の挿通位置を
調整する。

そして、前記補助棚の側板と遊動レール及び吊
レールの三者を相互摺動自在に嵌合するものであ
るが、先ず吊レールの内側に之と相似形状の遊動
レールを同向きで嵌合させると、両者の外端垂下
壁が内外に重合しＵ字形の両係合片が上下に重な
り係嵌する。この両者嵌合状態において遊動レー
ルの上壁７ｃ，７′ｃ上面に吊レールの内側壁８
ｆ，８′ｆが乗るように両者の上壁幅を少し広狭
に形成している。

次に、嵌合された吊レールと遊動レールとのＵ
字形係合片の内側上方から、補助棚側板のＵ字形
係合片を挿入係合すれば、三係合片が上下に重な
り相互摺動自在に嵌合される。その嵌合状態を第
６図に示す。

第７図に示すものは、補助棚B′だけの構造を
変更した他の実施例であつて、この補助棚B′は、
例えばエキスバンドメタルのような一面に網目を
形成した網板１４の前後両端部を上方へ曲げて形
成した前立上縁１４ａと後立上縁１４a′との各上
端に夫夫縁線１４ｂ，１４b′を溶着した網棚の左
右両側端に夫夫前実施例における補助棚Ｂの側板
６，６′と同形状で立上壁１５ｂ，１５b′だけが
広幅の側板１５，１５′を配し、棚上面に帯板１
６を当ててスポツト溶着又は、ビス止めにより側
板を固着するものであり、その他の部材である遊
動レール７，７′及び吊レール８，８′、吊杆９、
挟板１０の構成は前実施例のものと同一である。

第８図に示すものは、更に補助棚B″だけの構
造を変更した別異の実施例であつて、この補助棚
B″は、一面に無数の小判形孔を穿孔した穿孔板
１７の前後両端部を上方へ曲げて形成した前立上
縁１７ａと後立上縁１７a′との各上端に夫夫縁線
１７ｂ，１７b′を溶着した篭状棚板の左右両側端
に夫夫前実施例における補助棚側板１５と同形状
の側板１８，１８′を配し、棚板上面に帯板１９
を当ててスポツト溶着又はビス止めにより側板を
固着するものであり、その他のレール部材等の構
成は前記両実施例のものと同一である。

本考案の構成は前述の各実施例により具体化さ
れたものであつて、吊レール、遊動レール、棚側
板に夫夫相似形状に形成された三個のＵ字形係合
片が上下に重なり係嵌した状態で互に前後摺動し
て全体が伸縮することにより補助棚を既設棚の下
側で出入れ自在な引出し棚として利用できるよう
にし、その各係合片がＵ字形に形成されているか
ら、相互の摺動操作が円滑であると共に、互の係
嵌状態が崩れ難く両レールと棚側板との他部嵌合
摺接面と相俟つて、補助棚の吊レールへの嵌合姿
勢を正しく保持し安定性を確保する。

そして、各係合片が前進摺動する場合に、遊動
レールと棚側板との各中央部に突設した突起が夫
夫相手レールの前端縁に当つて係合することによ
り遊動レールと棚側板との前方摺動範囲を規制
し、両者が各々前半分だけを相手レールから前方
へ突出するので、結局補助棚の全幅だけが既設棚
から前方へ突設され、余分な突出を防止する。

「考案の効果」 この引出し補助棚は、吊杆と挟板とにより吊レ
ールを既設棚の下側に固定できるから、第１図に
示す実施態様の外、既設棚が簀子状、格子状、篭
状、網状又は平板状等、各種形状の棚にも吊レー
ルを左右一対固定することにより補助棚を引出し
式に付設して既設棚の載置面積不足を補うことが
でき、要、不要に応じて棚を出入れし、又既設棚
に対して着脱自在であり、生活上において有効に
活用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の補助棚を既設棚の下側に付設
した一例を示す斜視図、第２図は補助棚の一実施
例を示す斜視図、第３図は前図の各部の分解斜視
図、第４図は前々図に示す補助棚を引出した状態
における側面断面図、第５図は同棚を押入れた状
態における側面断面図、第６図は同棚の一部を切
欠して示した背面図、第７図は補助棚の他の実施
例を示す斜視図、第８図は補助棚の更に他の実施
例を示す斜視図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 吊レール内に遊動レールを介して補助棚の側
   板係合部を摺動自在に嵌合したものにおいて、
   吊レール、遊動レール及び側板に設けた各係合
   片を互に上下重合させて係嵌し、吊レールの上
   壁前後部に、挟板を挿着した吊杆を挿抜自在に
   螺挿した引出し補助棚。 ２ 吊レール、遊動レール及び補助棚側板の各外
   側に設けた係合片を互に相似形状のＵ字形係合
   片となした実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の引出し補助棚。 (3) 遊動レールと補助棚側板との各中央部に夫夫
   突起を突設し、遊動レールの突起が吊レール前
   端縁に、補助棚側板の突起が遊動レール前端縁
   に夫夫係合することにより係合片の摺動範囲を
   規制するようにした実用新案登録請求の範囲第
   １項又は、第２項記載の引出し補助棚。 (4) 前後に並列させた多数の横線材群に数本の縦
   線材を等間隔に直交連結し、その左右両側端に
   夫夫固着した側板の外側に垂下壁を曲成し、該
   垂下壁の下端部にＵ字形係合片を設けた実用新
   案登録請求の範囲第１項又は、第２項又は、第
   ３項記載の引出し補助棚。 (5) 一面に網目を形成した網板の前後両端部に夫
   夫立上縁を曲成し、その左右両側端に夫夫固着
   した側板の外側に垂下壁を曲成し、該垂下壁の
   下端部にＵ字形係合片を設けた実用新案登録請
   求の範囲第１項又は第２項又は、第３項記載の
   引出し補助棚。 (6) 一面に穿孔を施した穿孔板の前後両端部に夫
   夫立上縁を曲成し、その左右両側端に夫夫固着
   した側板の外側に垂下壁を曲成し、該垂下壁の
   下端部にＵ字形係合片を設けた実用新案登録請
   求の範囲第１項又は、第２項又は、第３項記載
   の引出し補助棚。