JPS6211268B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は天井吊り型ヒートポンプ式空気調和機
の吹出流れの偏向角度を大巾に拡大し、良好な空
調効果を得ることを目的とするものである。

従来天井吊り型ヒートポンプ式空気調和機の吹
出流れの上下偏向は、複数の横羽根のみで行なわ
れていた。しかし、この場合には、下方向へ大き
く偏向しようとすると風量抵抗が増加するため実
用上偏向角度が十分とれず、特に暖房時には暖気
が上昇するため、居住空間下方は良好な空調効果
が得られないものであつた。

本発明はこのような難点を改良するもので、以
下本発明をその一実施例を示す図面を参考に説明
する。

第１図において、１は天井吊り型ヒートポンプ
式空気調和機の室内側本体である。２は外ケー
ス、３はシロツコフアン、４はフイルター、５は
熱交換器、６はヒーターである。

７は熱交換器５とシロツコフアン３の下流側に
設けた空調流吹出部である。８は供給口下側部材
で、ほゞ円弧状に形成されている。９は供給口上
側部材でその上部と下部は、それぞれほゝ円弧状
に形成されている。１０は、吹出部上板である。
空調流吹出部７の上流から来る流れは供給口下側
部材８と供給口上側部材９にて制限された供給口
１１および供給口上側部材９と、吹出部上板１０
にて制限されたバイアス流れ入口１２より流出す
る。

供給口１１の近傍には、軸１３を支点として自
由に回動しうる横羽根１４が配置されている。横
羽根１４は任意の回転位置において係止可能とな
つている。また横羽根１４は、少なくともその一
部が供給口１１の下流側に位置するように、構成
されている。

１５は下流側壁であり、その上流側形状はほぼ
円弧状をなして、流路巾が漸次拡大形状となつて
おり、上流端が供給口下側部材８に結合されてい
る。

１６はガイド部材であり、供給口上側部材９と
によりバイアス流れ出口１７を形成している。バ
イアス流れ出口１７はバイアス流れ入口１２と連
通している。

１８は吹出流を水平方向に偏向させる縦羽根で
ある。

また、第４図において、１９は被空調室であ
り、上方右端に室内側本体１が設置してある。さ
らに、第７図において、２０，２１は側板であり
空調流吹出部７の流れを二次元状に区画する。

２２，２３はバイパス開口であり、下流側壁１
５の一部を切り欠くことにより空調流吹出部７の
流れの一部を流出し得るように形成されている。
さらにまた、第８図において２４は開口であり、
下流側壁１５の下流側において紙面と垂直方向に
スリツト状に設けられている。２５は案内部材
で、その形状は下流側壁１５と相まつて、開口２
４を通過する流れが下流側壁１５の円弧の下流端
における接線方向に向けられるように形成されて
いる。

次に動作を説明する。

第１図において、送風スイツチ（図示せず）を
オンすると、シロツコフアン３が回転する。そし
てフイルター４を通過してシロツコフアン３に吸
入された流れはシロツコフアン３により吐出され
熱交換器５、ヒーター６を通過し空調流吹出部７
において供給口１１とバイアス流れ入口１２とを
経る二つの流れに分岐されたのち縦羽根１８を通
過して被空調室へ送出される。

そして冷房時に熱交換器５は蒸発器として冷却
作用をし、暖房時には凝縮器として放熱作用をす
る。また暖房時には、ヒーターを付加的に使用す
ることも可能である。

さらに第２図、第３図において空調流の偏向動
作を説明する。

第２図において横羽根１４はバイアス流れ出口
１７と下流側壁１５の間を回動し、この第２図に
おいては横羽根１４の上面が流れの上流側を向く
ようにして係止した場合である。この時、横羽根
１４と供給口上側部材９とで区画された部分の流
れＡはバイアス流れＣにより、下方へ偏向されよ
うとするが横羽根１４の傾斜を適当に設定すると
横羽根１４により流れＡは上方への偏向効果を与
えられ、バイアス流れＣの偏向効果を抑止する。
また横羽根１４と供給口下側部材８とで区画され
た部分の流れＢは、流れＡに合流する。この結果
流れＡ，Ｂ，Ｃの合流した流れＤはほゞ水平方向
に向う。

第３図は横羽根１４を第２図の状態から軸１３
を中心にして反時計方向に回転し横羽根１４の下
面が流れの上流側を向くようにして係止した場合
である。

この時横羽根１４と供給口下側部材８とで区画
された部分の流れＢは下流側壁１５に付着してコ
アンダ効果により下流側壁１５に沿つて偏向され
る。また、供給口上側部材９と横羽根１４とで区
画された部分の流れＡは、バイアス流れＣにより
下方へ偏向され、さらに、流れＢとの間に形成さ
れる負圧領域Ｅの作用により流れＢと一体化する
ようさらに下方へ偏向される。

これらの作用により流れＡ，Ｂ，Ｃの合流した
流れＤは水平より角度θだけ下方へ向かう。

この角度θの値は従来の複数枚の横羽根使用で
あれば30゜程度であつたが、本発明のように下流
側壁への付着効果とバイアス流れの偏向効果を加
えることにより60゜近い角度を達成しうるもので
ある。

また、横羽根１４の位置が第２図と第３図に示
す中間位置の場合、流れＢは横羽根１４にて規制
される方向に吹き出しその流れと下流側壁１５と
の相互干渉の程度によつて方向が定まる。流れＡ
はバイアス流れＣの偏向効果と流れＢとの相互干
渉により方向が決定される。この時流れＡ，Ｂ，
Ｃの合流流れＤは、第２図と第３図の中間的な方
向に向かう。

このように横羽根１４の回動に伴なう流れの偏
向動作は連続的に制御される。

これら偏向動作において供給口下側部材８の半
径は小さすぎるとそこを通過する流れの流速ベク
トルが上側に向き、下側偏向時に流れＢが下流側
壁１５に十分付着しない。また大きすぎると水平
吹き出し時にも下流側壁１５に付着気味になる。
したがつて全体の流れと相まつて適当な大きさが
必要である。

第４図は第１図に示す天井吊りヒートポンプ式
空気調和機の室内側本体１を被空調室１９の上方
に配置した状態である。被空調室１９を冬期の状
態に設定し天井吊りヒートポンプを暖房運転す
る。この時、吹出流の水平よりの偏向角度θを30
゜、45゜、60゜と変化させ、被空調室１９の上下
の温度差ΔＴの平均値をグラフに示すと、第５図
のようになる。これにより、偏向角度が大きくな
るにつれ温度差は小さくなり、暖気が居住域に十
分届いて空調効果が良好になることがわかる。

第６図、第７図は、空調吹出部７において下流
側壁１５の一部を切り欠いてバイパス開口２２，
２３を設けたものである。第１図に示す空調吹出
部７は流れの付着を行なうための側壁を配置した
ため供給口１１が室内側本体１の上方に位置して
いる。この時下流側壁１５の上流側における背圧
は供給口１１を通過する流れを上方に押し上げよ
うとし、下方への偏向を妨げる。この傾向を緩和
するため、第６図、第７図に示すバイパス開口２
２，２３が設けられる。流れの一部はバイパス開
口２２，２３より流出し、下流側壁１５の上流に
おける背圧の発生を緩和する。また、このバイパ
ス開口２２，２３により、全体の風量増加、すな
わち能力上昇の効果も得られるものである。

第８図において、空調流は供給口１１、バイア
ス流れ入口１２および開口２４より吹き出され
る。開口２４より吹き出される流れは、下流側壁
１５と案内部材２５とにより下流側壁１５の下流
端における接線方向に流出する。いま、第８図の
ように横羽根１４を下方に向けると、横羽根１４
と供給口下側部材８とで区画される流れＢは、下
流側壁１５に沿うが、開口２４よりの流れＨが存
在するため、この流れに誘引されより下方に偏向
され、したがつて、バイアス流れＣにより、下方
に偏向される横羽根１４と供給口上側部材９とに
より区画される流れＡも流れＢとの相互干渉によ
り、より下方へ向かう。これにより流れＡ，Ｂ，
Ｃ，Ｈの合流流れＤは流れＨがない場合よりも、
下方への偏向度合いを強める。流れＨはまた下流
側壁１５の上流側における背圧の低下をきたして
偏向を助長すると共に、全体の風量増加にも寄与
する。

本発明において、下流側壁形状は、ほぼ円弧状
のものにて説明したが、流れの付着を生じるもの
であれば、流路巾が流れの下流側に向かつて衝次
拡大する様な、例えば第１図に示すごとく、円弧
状の下流側に直線状の部分を備えた形状であつて
もさしつかえない。

上記実施例から明らかなように、本発明の空気
調和装置は、空調吹出部に絞り部を形成し、この
絞り部の流れを横羽根とバイアス流れにより下流
側壁に付着するよう構成したため、下方向への吹
出偏向角度が大きくとれ、暖房時の上下温度差が
少なくなり、空調効果が良好になつた。

また、冷房・暖房を問わず吹出角度が広範囲に
選択可能となり、空調の最適化がはかれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す空気調和装置
の断面図、第２図、第３図は同装置の要部拡大断
面図、第４図は同装置を被空調室に配置した図、
第５図は空調流の偏向角度と上下温度差との関係
を示す図、第６図は本発明の他の実施例を示す空
気調和装置の断面図、第７図は第６図のｂ−b′線
断面図、第８図は本発明のさらに他の実施例を示
す空気調和装置の断面図である。 ３……シロツコフアン（送風機）、５……熱交
換器、７……空調流吹出部、８……供給口下側部
材、９……供給口上側部材、１１……供給口（絞
り部）、１４……横羽根（羽根）、１５……下流側
壁（案内壁）、１７……バイアス流れ出口、２
２，２３，２４……開口（バイパス開口）、Ｃ…
…バイアス流れ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 送風機、熱交換器の下流に、空調流吹出部を
   設け、この空調流吹出部に絞り部を形成し、この
   絞り部より下流側に少なくともその一部を有する
   回動自在な羽根を配設し、この絞り部の下流側に
   おいて、流れの一方側には少なくとも一部に円弧
   状部を有し、流れの下流側に向かつて流路巾が漸
   次拡大する形状を有する案内壁を設け、同絞り部
   の下流側において前記流れの他方側にはこの流れ
   に対してほぼ直角方向のバイアス流れを形成する
   バイアス流れ出口を設け、前記羽根は、前記案内
   壁とバイアス流れ出口間を回動するごとく構成し
   た空気調和装置。 ２ 送風機、熱交換器の下流に、空調流吹出部を
   設け、この空調流吹出部に絞り部を形成し、この
   絞り部より下流側に少なくともその一部を有する
   回動自在な羽根を配設し、この絞り部の下流側に
   おいて、流れの一方側には少なくとも一部に円弧
   状部を有し、流れの下流側に向かつて流路巾が漸
   次拡大する形状を有すると共に、前記空調流のバ
   イパス開口を有した案内壁を設け、同絞り部の下
   流側において前記流れの他方側にはこの流れに対
   してほぼ直角方向のバイアス流れを形成するバイ
   アス流れ出口を設け、前記羽根は、前記案内壁と
   バイアス流れ出口間を回動するごとく構成した空
   気調和装置。 ３ バイパス開口を絞り部において背圧の高い側
   に設けたことを特徴とする特許請求の範囲第２項
   記載の空気調和装置。 ４ バイパス開口を円弧状の形を有する案内壁の
   円弧の下流端接線方向に向く様に設けたことを特
   徴とする特許請求の範囲第２項記載の空気調和装
   置。