JPS6210748B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内部が中空なる鋼管矢板等を水中にて
一工程で安全に切断する装置に関するものであ
る。

従来鋼管矢板を水中で切断する場合、鋼管部及
び継手鋼材部をアーク酸素法又は水中ガス切断法
にて切断し、水滓モルタル等をグラウトしたる継
手部分を機械的に破砕するような多工程を行なつ
て所望の切断をなしている。従つて鋼材部の切断
と水滓モルタル部の破砕とが各一工程となり切断
工数が増加する。近年海中構造物の建設が多くな
るにつれ比較的潮流の早い海域でこの作業を行な
わねばならないケースが発生しているが、この水
中での手動による切断工法では潜水夫が一々潜つ
て行なうので潮流等による作業時間が制約され作
業の進歩が遅く、又危険がともなう作業となる。
さらに鋼管杭を水中で切断する場合にも潜水夫に
よる手動作業となるため危険性が同様にともなう
と共に、汚れた水中では作業はさらに困難とな
る。また最近では自動的に水中で切断する装置例
えば特開昭50−11959号、同52−78188号公報に詳
示される方法及び装置が提案されている。しかし
之等のものはバーナの固定が不安定でしかも切断
すべき鋼管に対し同心的にバーナ旋回中心を支持
することが困難で、その操作性に難点がある。

本発明はこれに鑑みて一工程で完全にしかも正
確に切断するようになしたもので以下実施例に基
づいて説明する。

図に於て１はクレーンＣのワイヤーＷにて水中
に建て込んだ鋼管矢板の鋼管部Ｐ内に挿入するよ
うにして吊垂する水中切断装置の本体フレーム
で、この本体フレーム１の中央に垂直方向にしか
も旋回自在な主軸２を貫通支持せしめ、この主軸
２の下端にバーナ取付用のブラケツト３を水平方
向に突設し、このブラケツト３に軸５を介して取
付台４を揺動自在に設け、このバーナ取付台４に
火焔ジエツトバーナ６を少くとも２台相反方向と
なるようにして固定する。この火焔ジエツトバー
ナを具備したるバーナ取付台４と主軸の一部間に
バーナ姿勢制御装置７、例えば油圧シリンダ等を
具備せしめ、この装置７の操作にてバーナ６を軸
５を中心として揺動即ち俯仰させ、バーナ火焔の
被切断物との角度を任意に調整可能とするもので
ある。この火焔ジエツトバーナ６は通常二つを相
反方向に、主軸下端外周方向に等間隔に配して切
断作業効率向上せんとする。

又上記本体フレーム１の外側方には該本体フレ
ームを鋼管矢板Ｐ内に円滑に挿入し、かつ切断位
置上方にてしかも主軸中心を被切断物の鋼管矢板
の中心と合致するようにして確固に固定する装置
を具備せしめる。該装置は第２図、第４図、第５
図に示す如く本体フレームの上部と下部等適当な
位置にて本体フレームの外方即ち放射状に少くと
も２以上（図示の実施例では三箇所）の箇所に等
間隔でスライドローラ８，９を水平方向に突設す
る。このスライドローラのうち同一平面上にある
一つは即ち８は切断すべき鋼管矢板の内径に応じ
て可調整的にして固定する固定式とし、他のスラ
イドローラ９は先端にローラ９ａを具備したロツ
ド９ｂを支持した支持部９ｃに内蔵したばね圧に
て該ローラを突出するように作用せしめて出没自
在となしたる出没式とし、このスライドローラ
８，９にて本体フレームを鋼管矢板内へ円滑に吊
り下げ挿入及び吊り上げられるようになす。さら
に本体フレームを鋼管矢板内面に固定する装置は
本体フレーム外方に互に所要の角度を有するよう
にしかも放射状に突設したアーム１０の先端に固
定した固定クランプ１１、本体フレームの外周に
放射状に突設したクランプ装置１２とより成り、
これにて本体フレームを鋼管矢板と同心的に、し
かも周回方向及び縦方向に対して固定するもので
ある。このクランプ装置１２は本体フレームの一
部に軸１２ａを介して揺動自在に設けたクランプ
爪１２ｂとこのクランプ爪１２ｂを揺動せしめる
揺動装置１２ｃ（通常油圧シリンダを用いるが他
の方法でもよい）とより成る。又上記主軸２は本
体フレームに固定したる駆動装置１３にて所望の
速度にて均一もしくは可調整的に旋回せしめるよ
うになすものである。

而して上述の如く構成したる装置に於て水中で
鋼管矢板や鋼管内部が中空なるコンクリート杭等
を切断する場合まずクレーンＣのワイヤーＷにて
本体フレーム１を切断すべき鋼管矢板Ｐ内に挿入
するようにして吊り下げる。この場合、切断する
鋼管矢板径に合わせてスライドローラをセツト
し、又ジエツトバーナは矢板等に接触して破損し
ないように油圧シリンダ７の操作にて垂直方向に
向けておく。そして所定位置まで吊り下げられる
とクランプ装置の油圧シリンダ１２ｃを操作しク
ランプ爪１２ｂを軸１２ａより旋回させて外方に
突出せしめ、このクランプ爪１２ｂ、固定クラン
プ１１にて本体フレームを所定位置にてしかも鋼
管矢板と同心的にして確固に支持せしめる。そし
て地上又は水上にて点火されている火焔ジエツト
バーナを切断すべき所望角にセツトした後主軸２
を駆動装置にて旋回させるとバーナより噴射され
る火焔にて鋼管矢板を円周方向に順次切断してい
くものである。尚この切断速度即ち主軸の旋回速
度は被切断物の材質や形状に合わせて予じめセツ
トしておくが鋼管矢板の如きものである場合はそ
の継手部分の切断時遅くするものである。

之等クランプ爪の揺動、ジエツトバーナの角度
調整、主軸の旋回火焔ジエツトバーナの火焔調整
等はすべて地上もしくは水面上方の作業床上に設
けられた操作装置にてケーブル等を介して遠隔操
作するものである。所望の切断時被初断物上端を
クレーン等にて吊り上げるようになし切断後傾倒
するのを防止することもある。

而して本発明による時は鋼管矢板内に吊り落す
ようになした本体フレーム内に回動自在にして主
軸を支持せしめ、この主軸下端に本体フレームを
鋼管矢板内に挿入時他物にぶつからないようにバ
ーナ姿勢制御装置にてその姿勢を制御可能にした
２台の火焔ジエツトバーナを具備するとともに上
記本体フレーム外側には鋼管矢板内に正確に円滑
に挿入吊垂せしめるガイドローラを一部を固定
式、一部を出没式にして設け、かつ縦方向の固定
と周回方向の固定を行なうクランプを、揺動装置
にて揺動自在に設け、上記主軸を切断速度に合わ
せて可調整的に駆動する駆動装置を本体フレーム
に設けているため、小型にしてしかも鋼管内に正
確に挿入でき、しかも鋼管矢板と本体フレームと
を同心的にして固定を確実に行なえるので切断精
度も向上し、バーナの姿勢制御を行なうのでバー
ナ付本体フレームを鋼管矢板内への挿入時等にお
いてバーナが他の物体と衝突するのを防ぎ、バー
ナの破損をも未然に防止でき、さらに鋼管矢板の
如き鋼管部と水滓モルタル部等の異質のものより
構成されているものであつても鋼管杭であつても
コンクリートであつても、その種別に関係なく之
等の切断に有効なる火焔ジエツトバーナを用い、
しかも水上よりの遠隔操作にて作業を行うように
なしているため潜水夫が水中に潜る必要もなく簡
易に水中作業が安全に行えるだけでなく一工程の
切断作業で所望の切断が行えるので作業工程を短
縮できる等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は切断作業時の説明図、第２図は切断装
置の断面図、第３図は第２図Ｘ−Ｘ線による断面
図、第４図は平面図、第５図は第２図Ｙ−Ｙ線に
よる断面図である。 １……本体フレーム、２……主軸、３……ブラ
ケツト、４……バーナ取付台、５……軸、６……
ジエツトバーナ、７……バーナ姿勢制御装置、
８，９……スライドローラ、１０……アーム、１
１……クランプ、１２……クランプ装置、１２ａ
……軸、１２ｂ……クランプ爪、１２ｃ……揺動
装置、１３……駆動装置、Ｐ……鋼管矢板、Ｃ…
…クレーン、Ｗ……ワイヤー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋼管矢板内に吊り落すようになした本体フレ
   ーム内に回動自在にして主軸を支持せしめ、この
   主軸下端に２台の火焔ジエツトバーナを相反方向
   にして俯仰自在に設け、かつこの各バーナに本体
   フレームを鋼管矢板内に吊下時、構築物に衝突し
   ないようバーナの姿勢を俯仰制御するバーナ姿勢
   制御装置を具備するとともに上記本体フレーム外
   側には鋼管矢板の内周面と当接し、かつ本体フレ
   ームを鋼管矢板に沿つて昇降自在に支持せしめる
   スライドローラを本体フレームの放射方向に複数
   個突設し、このスライドローラの一部を固定式、
   一部を出没式にし、かつ前記本体フレームの放射
   方向の外方に揺動装置を介してクランプ爪を揺動
   させて鋼管に対して縦方向の固定を行うクランプ
   装置と周回方向の固定を行う固定クランプとを設
   け本体フレームを鋼管矢板内で同心的に固定し、
   かつ上記主軸を切断速度に合わせて可調整的に駆
   動する駆動装置を本体フレームに設けて成る火焔
   ジエツトバーナによる鋼管矢板の切断装置。