JPS6210148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は収納具付帳票に関する。

従来より荷物の運送、配達等に当つて、運送用
送り状や百貨店のお届け伝票等にみられる如く、
裏面にカーボンインキ等を施して複写可能とした
複数枚綴りの帳票が用いられている。この帳票は
荷物と一体で運送、配達されるため、その運送途
中での破損、粉失や、風雨に曝されることによる
汚損等の問題があり、そのため従来は帳票を透明
なビニール袋に入れてその保護を図つていた。こ
の場合、帳票とビニール袋は別体となつており、
帳票に必要事項を記入した後、帳票をビニール袋
内に入れ、該ビニール袋を荷物に貼着するもので
あつた。しかしながら、かかる従来の帳票におい
ては、１横長状の帳票をビニール袋内に入れるの
が面倒であること、２ビニール袋を荷物に貼着す
るに当つて、その都度接着剤を塗布するか、或い
は接着テープを用いて貼着していたから貼着作業
に手間がかかること、３運送途中で帳票がビニー
ル袋から脱落して粉失してしまう不具合があるこ
と、等の欠点があつた。

本考案は上記従来の欠点を解消した取扱い上便
利な収納具付帳票を提供することを目的とする。

即ち、本考案は、表面に所定事項記入欄を形成
し、且つ裏面に接着剤層を形成し、接着剤層に剥
離紙を貼着してなる基材の上部に、表面に筆記用
インキ接着性付与処理を施し、且つ該表面に所定
事項記入欄を形成すると共に裏面に複写用カーボ
ンインキ層を形成してなり、且つ上端部および下
端部近傍に長手辺に沿つてミシン目を設けてなる
耐水性を有する被覆材を重合し、該被覆材の上端
部および下端部を長手辺に沿つて前記基材に接合
して収納具を構成し、該収納具に、所定事項記入
欄を形成した帳票を収納固定してなることを特徴
とする収納具付帳票を要旨とする。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

第１図〜第３図には、本考案の１実施例である
収納具付帳票１が示されている。この収納具付帳
票１は矩形状であり、基材２および被覆材３より
なる収納具４と、該収納具４に収納固定されてな
る帳票５より構成される。収納具４の基材２は例
えば、紙、紙と合成樹脂フイルムの積層体、該積
層体に樹脂コート層を形成したフイルム、または
合成樹脂フイルムに樹脂コート層を形成したフイ
ルム等からなり、これらの合成樹脂フイルムおよ
び樹脂コート層は後述する被覆材のものと同様で
ある。基材２の裏面には接着剤層６が形成され、
該接着剤層６には剥離紙７が貼着されており、剥
離紙７には必要に応じてハーフカツトの如き切込
みを設ける。また基材２の表面には、所定事項記
入欄８が印刷形成されている。

被覆材３はポリエチレン、ポリプロピレンン、
塩化ビニル等の合成樹脂フイルム、紙とポリエチ
レンとの積層フイルム、合成紙等の耐水性を有す
る素材からなり、裏面にはカーボンインキ層９が
形成され、表面には樹脂コート層１０が形成され
ている。このように被覆材３の表面に樹脂コート
層１０が形成されることにより被覆材３には筆記
用インキ接着性付与処理が施されることになる。
筆記用インキ接着性付与処理とは、ボールペンイ
ンキや複写用カーボンインキ等の筆記用インキを
良好に接着させるための加工処理をいい、要する
に被覆材３にボールペンで直接筆記したり、或い
は後述する上部帳票の裏カーボンインキによつて
被覆材３に複写筆記したりすることができるよう
にするための加工処理をいう。前記樹脂コート層
１０としては例えば硝化綿系、塩素化ポリプロピ
レン系、セルロース系、ゴム系の各樹脂を用いる
ことができる。

被覆材３の表面、具体的には樹脂コート層１０
の表面には、品名欄、荷受人荷送人住所氏名欄等
の所定事項記入欄１１が印刷形成されている。こ
の記入欄１１は後述する帳票の所定事項記入欄と
内容、構成において略同一である。また被覆材３
には上端部および下端部近傍に長手辺に沿つてミ
シン目１２，１３が設けられている。このミシン
目１２，１３の一側端は後に切取り易いようにす
でに破断されている（破断部１４，１５）ことが
好ましい。

帳票５は複数枚綴りからなり、各葉は横長矩形
状の例えば紙からなり、裏面には複写用カーボン
インキ層（図示せず）が形成され、且つ各葉の表
面には前述した被覆材３と略同様の所定事項記入
欄１６が印刷形成されている。なお１７は切取り
用ミシン目である。

収納具付帳票１を形成するに当つては、帳票５
を基材２上に載置し、その上から記入欄１１が帳
票５の記入欄１６と位置が対応するように被覆材
３を重合し、基材２、帳票５、被覆材３の各一端
２ａ，５ａ，３ａを整合し、帳票５の一端部付近
を例えば接着剤により基材２に固定する。次に基
材２と被覆材３の上下両端を長手辺に沿つて例え
ば接着剤等により相互に固定することにより袋状
の収納具４が構成され、帳票５が該収納具４に収
納固定された状態となる。即ち、収納具４の製作
時に同時に帳票５の収納固定が行なわれ、両者は
一体に構成される。帳票５の他端部分は収納具４
の開口部１８より張出して露出部分５ｂを構成し
ている。この露出部分５ｂにも必要事項記入欄を
設けてもよく、またこの露出部分５ｂは必要に応
じて帳票５各葉の横長寸法を異ならせ、下葉にい
くに従つて段階的に該寸法が長くなるように構成
することもでき、かく構成したときはインデツク
ス的な機能を有して帳票各葉の検索が容易となる
利点がある。

本考案は必要に応じて被覆材３の上に更に上部
帳票１９を貼着することもできる。上部帳票１９
は例えば紙からなり、表面には被覆材３の所定事
項記入欄１１と略同様の内容、構成の所定事項記
入欄２０が印刷、形成され、裏面には複写用カー
ボンインキ層２１が形成されており、一端は例え
ば接着剤により被覆材３に接着固定される。なお
上部帳票１９には切取り用のミシン目２２を設け
ても設けなくてもよいが、ミシン目２２を設けた
場合には、上部帳票１９を被覆材３に固定すると
き、被覆材３に設けられているミシン目１２，１
３より上方および下方側に相当する位置は固定し
ないことが好ましい。

上記構成からなる本考案の収納具付帳票１を実
際に使用するに当つては、被覆材３の記入欄１１
に例えばボールペンで必要事項を記入する。しか
るとき、カーボンインキ層９によつて帳票５の最
上葉５ｃの記入欄１６に複写されると共に帳票各
葉のカーボンインキ層によつて最上葉５ｃ以下の
各葉の記入欄および基材２の記入欄８にも複写さ
れる。上記帳票１９を設けたときは上部帳票１９
の記入欄２０に記入し、しかるときカーボンイン
キ層２１によつて被覆材３の記入欄１１に複写さ
れると共に前記と同様、帳票５各葉の記入欄１６
に複写される。所定事項記入後の上部帳票１９は
ミシン目２２に沿つて切取られ控帳票として保管
される。必要事項記入後、収納具付帳票１は運送
用荷物（図示せず）に貼着されるが、この際、剥
離紙７を剥がして接着剤層６を介して荷物に貼着
される。運送途中、運送に携わる幾人かの業者に
よつて相当する帳票が順次切取られるが、この場
合、露出部分５ｂがあるので切取りが容易であ
る。運送完了時、被覆材３がミシン目１２，１３
より切取られ（第４図）て基材２のみが荷物に貼
着された状態となるが、このとき、ミシン目１
２，１３の一端は破断部１４，１５となつている
ので円滑に切取ることができる。

本考案の他の実施例として、帳票５の一端５ａ
を被覆材３、基材２の一端３ａ，２ａと整合させ
ず、内方にずらした位置で該一端５ａを接着固定
してもよい。筆記用インキ接着性付与処理として
樹脂コート層１０を設ける以外に被覆材３の素材
にマツト加工面やエンボス加工面を形成してもよ
い。帳票５各葉の枚数は任意であり、一枚でも可
能である。

以上説明したように本考案は帳票と収納具を一
体に構成し、収納具の被覆材の表面に筆記用イン
キ接着性付与処理を施し、かつ所定事項記入欄を
設け、裏面に複写用インキ層を設けたので帳票を
収納具に固定したままの状態で必要事項を記入す
ることができ、従来のように記入後に帳票を袋に
入れるという煩わしさがなく取扱い上便利であ
る。また被覆材にミシン目を設けて切取り可能と
したので、被覆材だけでなく基材も帳票として機
能できるようになり、収納具は帳票を収納固定す
る機能と帳票としての機能を併せ持つ特徴を有す
る全く無駄のないものである。本考案は収納具裏
面に予め接着剤層を設けているので収納具付帳票
を運送用荷物に貼着する際には単に剥離紙を剥が
すだけでよく貼着作業が簡単であり、また帳票は
収納具に収納固定されているので脱落する虞れは
なく、また外力による破損を防止できると共に被
覆材は耐水性を有するので水濡れによる汚損、破
損を防止できる等種々の利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
本考案の収納具付帳票の一部切欠平面図、第２図
は第１図の−線に沿う縦断面図、第３図は第
１図の−線に沿う縦断面図、第４図は被覆材
を基材から切取る状態を示す平面図である。 １……収納具付帳票、２……基材、３……被覆
材、４……収納具、５……帳票、６……接着剤
層、７……剥離紙、８，１１，１６……所定事項
記入欄、９……複写用インキ層、１０……樹脂コ
ート層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面に所定事項記入欄を形成し、且つ裏面に接
   着剤層を形成し、該接着剤層に剥離紙を貼着して
   なる基材の上部に、表面に筆記用インキ接着性付
   与処理を施し且つ該表面に所定事項記入欄を形成
   すると共に裏面に複写用インキ層を形成してなり
   且つ上端部および下端部近傍に長手辺に沿つてミ
   シン目を設けてなる耐水性を有する被覆材を重合
   し、該被覆材の上端部および下端部を長手辺に沿
   つて前記基材に接合して収納具を構成し、該収納
   具に所定事項記入欄を形成した帳票を収納固定し
   てなることを特徴とする収納具付帳票。