JPS62101388A - スポツト溶接用電極 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、スポット溶接用電極の改良に関する。

（従来技術とその問題点） スポット溶接用電極は、被溶接部材に繰り返し圧接され
、溶接個所に大電流を伝えて溶接面を局部的に昇温させ
るとともに加圧力を加えて被溶接部材を溶着させるもの
である。

したがって、スポット溶接用電極の材料には、電気伝導
性および熱伝導性が良好であること、高温状態での硬度
が大きく変形し難いこと、耐摩耗性が良好であること等
の材料特性が要求される。

従来、これらの要求から銅にタングステン、カドミウム
、クロムあるいはジルコニウム等の合金元素を少量添加
して高温強度を向上させた銅基合金製のスポット溶接用
電極が多用されており、この種の電極は良好な電気伝導
性及び熱伝導性を有するとともに合金添加元素により高
温での機械的強度が改善されてはいる。

しかしながら、近時、スポット溶接作業も高度に自動化
され、極めて速いスピードでスポット溶接がなされるよ
うになり、これに伴って、電極の使用条件もますます過
酷なものとなってきており、従来の銅合金層のスポット
溶接用電極では高温強度等の特性が充分でなく、短時間
にして電極尖端部分が軟化して尖端形状が変形してしま
うので、高品位の溶接をおこなうためには短時間の溶接
作業の後に電極尖端形状に修正加工を施したり、あるい
は頻繁に新規電極に交換する必要があり、このことが溶
接工程の生産性を害する一つの原因となっている。

また、近時、亜鉛めっきあるいはスズめっき鋼板が多用
されているが、従来の銅合金製スポット溶接用電極を使
用してこの種の鋼板を溶接する場合、電極表面に銅と亜
鉛またはスズとの合金層が形成され、被溶接部材（鋼板
）表面の亜鉛層あるいはスズ層を剥離させるとともに電
極表面の融点を低下させ尖端形状の変形を増大させるの
で、溶接品質を低下させる上に電極の耐久性を一層低下
させることになる。

上記の問題点を解決するため、タングステン−鍋焼結合
金製の電極あるいはタングステンを銅に埋込んだ複合電
極等が提案され（例えば特公昭５９−４１８３８）、一
部実用されているが、この種のタングステンを使用した
電極は高価であり、また、加工性が悪い等、実用上問題
を有している。

これに対して本願出願人は銅製電極の少なくとも電極先
端面を含む外表面に鉄めっき層が形成されているスポッ
ト溶接用電極を先に提案した（特願昭６０−６７７４６
）。この電極は従来品に比較して耐久性が改善され、且
つ廉価なスポット溶接用電極を提供するものであるが、
特に厳しい作業条件下でのスポット溶接作業においては
、更に耐久性を向上させた電極が望まれるようになって
きた。

この発明は、上記に鑑み、耐久性を一層改善し、且つ廉
価なスポット溶接用電極を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この発明は、少なくとも被溶接部材に圧接される電極尖
端面を含む外表面にニッケルめっき層が形成されている
銅合金製スポット溶接用電極に係る。

本発明のスポット溶接用電極には従来この種の用途に一
般に使用されている廉価で、電気伝導性および熱伝導性
の良好な銅合金、例えばクロム銅（Ｃｕ−０，５％Ｃｒ
）が使用される。而してその銅合金製電極の尖端面部分
が、電極基体である銅合金の融点（約１０００℃）に比
べて高い融点を有するニッケルめっき層で保護されてい
る。

本発明で、電極尖端面部分に形成されるニッケルめっき
層の厚さが過度に薄いと、めっき層の保護効果が充分で
ないので５μｍ以上とし、また、該めっき層の厚さを過
度に厚くするとめっき層中での発熱量が多くなるととも
にめっき層が電極基体から剥離し易くなる等のマイナス
効果が生ずるので、５０μｍ以下とすることが望ましい
。

なお、本発明のニッケルめっき層は、例えば、無光沢ワ
ット浴を用いて電気めっきする従来公知のニッケルめっ
き方法により形成することができる。

（実施例） 以下添付図面に示す実施例について説明する。

電極尖端が４ｍｍφで傾斜角αが４５°をなす截頭円錐
形あるいは扁平形の調合金製（Ｃｕ−０，５％Ｃｒ）電
極１の尖端面２を含む外周面に厚さ１０μｍのニッケル
めっき層３を形成した。めっき条件は次の通りである。

浴の種類：　無光沢ワット浴 浴組成：　硫酸ニッケル　　３３０ｇ、／Ｑ塩化ニッケ
ル　　４５　ｇＩＱ 硼　　　　酸　　　　　　３５　　ｇ／（２浴温度二６
０℃ 電流密度：　　　５　Ａ／ｄｍ” 時　間：　約１０分 得られた電極を農機具の製作工程のスポット溶接に実際
に使用して耐久性試験を実施した。

耐久試験条件 被溶接部材：厚さ１．０ｍｍのボンデ鋼板溶接電流　：
　５，７０ＯＡ サイクル　：　約１秒／点 なお、比較のために同一材質形状でニッケルめっき層を
形成させない従来の銅合金製電極（比較電極Ａ）および
鉄めっき層を形成させた銅合金製電極（比較電極Ｂ）に
ついても前記同様の耐久試験を実施した。

耐久試験の結果を第２図に示す。

比較電極（Ａ）の場合には５００点の点溶接の段階で電
極尖端が拡大変形してしまい、単位面積当りの電流（電
流密度）が減少して溶接部の信頼性（品質）が低下した
。また、比較電極（Ｂ）の場合には４０００点の溶接ま
では良好な溶接状態を維持していたが。

これを超えると電極尖端の変形が認められるようになり
、溶接品質の低下傾向が発生した。

これに対して、本発明の電極は５ｏｏｏ点の溶接を連続
しておこなった後においても電極尖端形状に変形やスパ
ッターの付着が認められず、なお継続使用が可能な状態
であった。

以上の通り１本発明のスポット溶接用電極は従来の裸の
銅電極に比較してその耐久性は格段に改善されており、
鉄めっき電極の耐久性を一段と上まわった成績を示した
。

なお、上記の実施例ではスポット溶接用電極の尖端を含
む外表面に実質的にニッケルからなるニッケルめっき層
を形成した例について述べたが、不発明では、ニッケル
めっき層として、ニッケルに他の合金元素、好ましくは
鉄を添加したニッケルー鉄合金めっき層としたり、ある
いはアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、炭化
チタン等の金属窒化物微粒子、金属酸化物微粒子を層中
に分散させて有するニッケルめっき層（分散量）ケルめ
っき層）を採用することによりニッケルめっき層の強度
および硬度を向上させ、電極の耐久性を更に向上させる
ことができる。

ここで、微粒子の粒径が過度に大きい場合あるいは分散
量が過度に多い場合にはニッケルめっき層の強度が充分
でなくなり、またその量が少なければ分散めっきの効果
が認められなくなる。

したがって、ニッケルめっき層として分散ニッケルめっ
き層を採用する場合には分散させる粒子は粒径１０μｍ
以下、望ましくは５μｍ以下とし、分散量は３〜２０容
量ｚ、望ましくは３〜１５容量２とするとよい。

（効　果） 以上の通りで、本発明のスポット溶接用電極は、電気伝
導性および熱伝導性の良好な銅合金製電極の電極尖端部
分に、銅の融点より高い融点を有し高温強度および耐摩
耗性が良好で、且つ銅に比して亜鉛またはスズとの反応
性の小さいニッケルめっき層が形成されており、これに
よって電極尖端部分が保護されているので、電極尖端形
状の変形の発生やスパッターの付着が防止されるととも
に被溶接部材表面を損傷させることがなく、良好な溶接
品質を長期に亘り維持させる。したがって。

溶接作業を途中で中断して電極尖端部の形状修正をした
り電極を交換したりする余分な工数を省くことができ、
溶接工程の生産性を向上する上で顕著な効果をもたらし
、特に溶接作業が高度に自動化されている現今、その産
業上の価値は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例を示すスポット溶接用電極の
縦断面図、第２図は耐久試験結果を示すグラフである。 １００．スポット溶接用電極（調合金製）、２６６．電
極の尖端面、３００．ニッケルめっき層 出願人代理人　弁理士鴨志田次男 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. スポット溶接用電極において、少なくとも被溶接部材に
   圧接する電極尖端面を含む外表面に、ニッケルめっき層
   が形成されていることを特徴とする銅合金製スポット溶
   接用電極。