JP3176746B2 - 溶接用給電チップ - Google Patents

溶接用給電チップ

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JP3176746B2
JP3176746B2 JP03230093A JP3230093A JP3176746B2 JP 3176746 B2 JP3176746 B2 JP 3176746B2 JP 03230093 A JP03230093 A JP 03230093A JP 3230093 A JP3230093 A JP 3230093A JP 3176746 B2 JP3176746 B2 JP 3176746B2
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雄二 鈴木
礦三 山下
和男 長友
一師 須田
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日鐵溶接工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスシールドアーク溶
接、エレクトロスラグ溶接、エレクトロガス溶接などの
消耗電極式アーク溶接用トーチに使用する溶接用給電チ
ップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動溶接、半自動溶接に使用されている
溶接用チップは、溶接ワイヤを安定な状態に保ちながら
円滑に送給し、また溶接ワイヤに安定した給電を供給す
るトーチ本体の一部品としての役割を担っている。一般
に溶接用チップは主に電気伝導性、熱伝導性に優れた
銅、銅合金、また高温での耐磨耗に優れたクロム銅ある
いはクロム−ジルコニウム銅により全体を構成してい
る。
【0003】しかし、比較的軟質な金属なためワイヤ送
給量の増加に伴ない、ワイヤに対して接触給電を行って
いるチップは次第に磨耗することから給電不良や狙いず
れの支障をきたす。また、溶接中におけるチップ先端部
は輻射熱の影響を受けることから高温に加熱され、溶接
時に発生するスパッタが付着しやすい状態となり、安定
したワイヤ送給を妨げたり、時には送給不良などを引き
起こしたりする。
【0004】そのため特開平1−181980号公報記
載のごとくワイヤ送給口を堅固で耐熱耐磨耗性に優れた
硬質の導電性金属とし、チップ本体部を安価な銅、黄
銅、アルミニウムあるいはアルミニウム合金で構成し
て、主要箇所の機械的性質の向上を図っている。
【0005】また、特開平2−80492号公報記載の
ごとく、銅、銅合金マトリックス金属に潤滑剤と耐磨耗
剤を均一に分散した複合材からなる被膜を、チップの内
外面に被覆処理したチップと、潤滑剤と耐磨耗剤を均一
に分散した複合材を焼結して成型したチップで、耐磨耗
性、耐スパッタ性能の向上を図ることが知られている。
しかし、前述の問題点を解決することはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は先に示した従
来の問題点を解決して、ワイヤ送給時における溶接用給
電チップ送給口の磨耗に対する耐久性を大幅に向上させ
た溶接用給電チップを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はAl:50〜7
0%、Cu:30〜50%を主成分とする合金から構成
された溶接用給電チップで、かつ常温におけるビッカー
ス硬さ200〜350(Hv)の機械的性質を有すること
を要旨とする耐磨耗性に優れた溶接用給電チップにあ
る。
【0008】
【作用】本発明の溶接用給電チップの技術的手段による
作用は次のようになる。Al,Cuを主成分とした合金
でチップ全体を構成し、ビッカース硬さ200〜350
(Hv)の機械的性質を持たせたもので、その数値限定理
由について説明する。溶接用給電チップ製造時における
製作工程の簡略化、コスト低減、切削加工を考慮して耐
磨耗性の得られる溶接用給電チップの研究を進めた結
果、AlとCuを主成分とし、含有比率をAl:50〜
70%、Cu:30〜50%の範囲に制御することで、
極めて硬く、耐磨耗性に適した物性を得られることが明
らかになった。
【0009】ミクロ的に調査した結果でも、金属組織に
金属間化合物が分散した組織で、偏析が極めて少ないこ
とが明らかになり、製造時の切削性およびワイヤ送給時
の耐磨耗性について更に調査した結果、極めて優れた材
質であることが分った。しかし、Cuの含有率を減らし
て30%未満、Alの含有率を70%超に増やすなど
で、本発明の範囲からはずれると、軟質化へと物性が変
わり、耐磨耗性が劣ることや、耐衝撃性が悪く容易に変
形するなどの問題を生じる。
【0010】また、Cuの含有率50%を超えて本発明
範囲より増やしAlの含有率を減らすと、更に硬質化の
傾向を示し、耐磨耗性は高まるが、硬質過ぎて割れ易く
なる。割れ発生領域を調査した結果、Cu含有率56%
前後で割れ易くなることが分った。
【0011】また、この時のビッカース硬さを調べた結
果350(Hv)前後であった。このことからもCu含有
率を50%より多くしても硬さはほぼ同等であるので、
製造時における含有比率調整の容易性と割れの安全率を
考慮した結果、Cu含有率の上限を50%とし、Al,
Cuの含有比率の範囲をAl:50〜70%、Cu:3
0〜50%とした。
【0012】
【実施例】
〔実施例1〕図は本体2を全てアルミ−銅の本発明条件
の成分、硬度で構成した本発明チップで、比較例におい
ても同じ形状とした。更にワイヤ送給口1の内径は使用
ワイヤ1.2mmφに対して1.4mmφとし、長さは45
mmである。表2に示す溶接条件で、MAG溶接において
溶接ワイヤは1.2mmφの銅メッキしたスプール巻き、
キャスト径450〜500mmを100kg消費させた後の
ワイヤ送給口の磨耗度合を調査した。
【0013】表1に本発明チップと比較チップの材質と
機械的性質値を記載した比較例を示す。本発明チップ
1,2は、本発明範囲に属した含有比率を有するチップ
で、チップ3は比較例で成分含有比率が発明範囲外のチ
ップである。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】溶接ワイヤ100kg消費後において、本発
明チップ1,2のワイヤ送給口の磨耗度合を調べた結
果、磨耗箇所は、特に見当らず、溶接作業中においても
狙い位置のずれや、給電不良などは起こらず良好であっ
た。また、スパッタの付着についても特に問題はなく良
好であった。
【0017】次に、比較例チップ3は溶接作業性や給電
などについては特に問題はなく良好であったが、100
kg消費後の送給口を調べたところ、出口側の内径が20
0mmとなり、ワイヤ先端の狙い位置がややずれてきて、
それ以上の継続使用には問題となった。その他、スパッ
タの付着などについては特に問題はなかった。
【0018】また、比較例チップ4において、100kg
消費後の送給口の磨耗度合を調べたところ、磨耗箇所が
見当り、その磨耗程度を調べた。ワイヤ出口側の内径が
2.2mmと当初に比べて0.8mmも大きくなり、狙い位
置が4mm程度ずれてビードが曲った。
【0019】〔実施例2〕本発明チップの耐磨耗特性に
大きく関与するAlとCuの有効含有比率を調べるた
め、表3に示す含有比率のチップを製作し、表2の溶接
条件チップの形状は実施例1と同じでMAG溶接を行
い、実施例1と同じ溶接ワイヤ100kgを消費させた時
のワイヤ送給口の耐磨耗性について調べた。
【0020】
【表3】
【0021】本発明チップ2,3,4においていずれも
磨耗はなしか、0.2mmφ以下で耐磨耗性に優れ、安定
したアーク状態を持続していることが明らかになった。
一方、比較チップ1は、若干磨耗を受けたと見受けられ
る箇所が見付かった。磨耗の程度は、出口側内径が1.
9mm程度のものになり、ワイヤ狙い位置がずれ始めた。
【0022】比較例チップ5は、チップ製作時の切削加
工において、殆んどのチップに細かいヒビ割れが入っ
た。それでも更に加工を進めたが、ワイヤ送給口をドリ
ル加工する際、肉厚の希薄なところが欠け落ちてしま
い、完成品を調達することは困難となった。
【0023】
【発明の効果】本発明の溶接用給電チップは、耐磨耗性
に極めて優れた特徴を持たせたことで、チップの寿命を
大幅に向上させ、安定したワイヤ送給や給電の維持、溶
接作業時のトラブルを低減させることを可能とした。従
って、ランニングコストの削減も図れ、本発明の工業的
価値は非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す溶接用給電チップの断
面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ送給口 2 溶接用給電チップ本体部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須田 一師 東京都中央区築地三丁目5番4号 日鐵 溶接工業株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−43740(JP,A) 特開 平4−284977(JP,A) 特公 昭52−27609(JP,B2) 特公 昭53−5261(JP,B2) 特公 昭51−32590(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/26 C22C 21/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al:50〜70%、Cu:30〜50
    %を主成分とし、かつ常温におけるビッカース硬さ20
    0〜350(Hv)の機械的性質を有することを特徴とす
    る溶接用給電チップ。
JP03230093A 1993-02-22 1993-02-22 溶接用給電チップ Expired - Fee Related JP3176746B2 (ja)

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