JPS6196060A

JPS6196060A - 耐食耐摩耗性焼結合金

Info

Publication number: JPS6196060A
Application number: JP21722584A
Authority: JP
Inventors: Makoto Kano; 眞加納; Kenji Ikezawa; 池沢　健治; Akira Fujiki; 章藤木
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1984-10-18
Filing date: 1984-10-18
Publication date: 1986-05-14

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、耐食性と耐摩耗性に優れ、特にディーゼル
機関用ロッカーアームチップ部材に適した炭化物分散型
の鉄基焼結合金に関するものである。

（従来技術）従来の鉄基耐摩耗性焼結合金としては、例えば、特開昭
５７−１０８２４６号公報に開示された、Ｆｅ−２〜７
重量％Ｃｒ−０，１〜１．５重棋１匁Ｍ　＾　−Ａ　　
　　Ｉ　　Ｎ　’２　壬君！ンＶ−０１〜　９缶番％（
Ｐ、Ｂ）−０，５〜３重量重量％環る化学組成の焼結合
金がある。

しかしながら、このような従来のｒＭ摩耗性焼結合金に
あっては、（１）含有Ｍｏ量が０．１〜１．５重量％と
低く、さらに（２）含有Ｖ量も０．１〜３重量％と低い
合金組成となっていたため、（１）マトリックスに固溶
するＭｏ量が不十分であることからマトリックスの耐食
性が劣り、（２）硬質相Ｖ４Ｃ，炭化物の量が少ないこ
とから耐摩粍や耐スカッフィング性にも劣るという問題
点があった。

（発明の目的）この発明は、このような従来の問題点に着目してなされ
たもので、従来の鉄基＃摩耗性焼結合金よりも耐食性に
優れていると同時に、耐摩耗性・耐スカッフィング性が
さらに優れている鉄基耐食耐摩耗性焼結合金を提供する
ことを目的としている。

（発明の構成）この発明による耐食耐＋９！鮭性焼結合金は、化学組成
が、重量％で、Ｃｒ：２〜５重量％、ＭＯ：２〜７重量
％、ｖ：３〜７重量％、Ｐ：０．１〜１重量％、Ｃ：０
．５〜３重量％、残部実質的にＦｅからなるものであっ
て硬質の炭化物が分散したものであることを特徴として
いる。

次に、この発明による耐食耐摩耗性焼結合金における各
元素量（重量％）の限定理由について述べる。

Ｃｒ：Ｃｒは焼結時に黒鉛と結合して（Ｆｅ、Ｃｒ）７Ｃ３も
しくは（Ｆｅ、Ｃｒ）３Ｃ炭化物を析出させ、耐摩耗性
を著しく向上させる。また、マトリックスに一部固溶し
て耐食性を向上させる。しかし、２％未満では硬さおよ
び強度が低下して耐摩耗性が著しく劣り、５％を越えて
含有しても効果の向上があまり見られず、コストも高く
なるので、２〜５％の範囲とした。

ＭＯ：ＭＯは焼入性を向上させるとともに焼結時に黒鉛と結合
して硬質の炭化物を形成することにより耐摩耗性を向上
させる。また、Ｃｒとともにマトリックスに一部固溶す
ることにより耐食性を著しく向上させる。しかし、２％
未満では耐食性向上の効果が見られず、７％を越えて含
有しても効果の向上が小さく、コストも高くなるので、
２〜７重量％の範囲とした。

Ｖ： ■は焼結時に黒鉛と結合して硬質炭化物ｖ４Ｃ３を析出
させることにより耐摩耗性・耐スカッフィング性を著し
く向上させる。しかし。

３％未満では上記硬質炭化物の析出量が少ないために効
果が見られず、７％を越えて含有すると相手材への攻撃
性が大きくなるので、３〜７重量％の範囲とした。

Ｐ：Ｐは焼結中に液相（ステダイト相：γＦｅ−Ｆ　ｅ３　
Ｃ−Ｆｅ３　Ｆ）を生じることによりＣの拡散を促進さ
せ、焼結性を向上させる。しかし、０．１％未満では所
要の効果が得られず、１％を越えると液相量が過剰とな
り、焼結後の寸法変化が大きくなるので、ｏ、ｉ−ｉ％
の範囲とした。

Ｃ：Ｃは焼結時に（Ｆｅ　、Ｃｒ）、Ｃ３、（Ｆｅ　。

Ｃｒ）３Ｃ，Ｖ２Ｏ３等の硬質炭化物を形成させること
により耐摩耗性を向上させる。また、一部マトリックス
に固溶して焼入性を向上させ、マトリックス硬さを高め
る。しかし、０．５％未満では所要の効果が得ら、れす
、３％を越えて含有すると成形性が悪化するので、０．
５〜３％の範囲とした。

この発明による鉄基耐食耐摩耗性焼結合金は、上記の化
学組成を有するものであるが、このような焼結合金を製
造する一実施態様においては、Ｃｒ：２〜５重量％、Ｍ
ｏ：２〜７重量％、ｖ：３〜７重量％、残部実質的にＦ
ｅからなる合金粉末をマトリックス粉末とし、これにＦ
ｅ−Ｐ系合金粉末と黒鉛粉末とを全粉末中においてＰ：
０．１〜１重量％、Ｃ：０．５〜３重量％となる囲気中
で液相焼結する。

また、上記のような焼結合金を製造する他の実施態様に
おいては、Ｃｒ：２〜５重量％、ＭＯ＝２〜７重量％、
Ｖ：３〜７重量％、Ｐ：０．１〜１重量％、残部実質的
にＦｅからなる合金粉末をマトリックス粉末とし、これ
に黒鉛粉末を全粉末中にＣ：０．５〜３重量％となるよ
うに添加して得られる混合粉末を、非酸化性雰囲気中で
液相焼結する。

（実施例）第１表に示すような粉末組成のＦｅ−Ｃｒ−Ｍｏ−Ｖ系
鉄基合金粉末にＦｅ−Ｐ系合金粉末と黒鉛粉末とを同じ
く第１表に示す割合で配合したもの（Ｎｏ、１．３，４
．５）、もしくはＦｅ−Ｃｒ−Ｍｏ−Ｖ−Ｐ系鉄基合金
粉末に黒鉛粉末を同じく第１表に示す割合で配合したも
の（ＮＯ１２，６）に、潤滑剤として各々ステアリン酸
亜鉛を０．７５重量％添加した後、Ｖ型ブレンダーで約
２０分間混合した。

次に、このようにして得た各混合粉末を成形圧カフ　ｔ
ｏｎ　ｆ　／　ｃ＋１１２テ＄　１図に示うようなロッ
カーアームチップ１の形状に圧粉成形した０次いで、得
られた成形体を窒素中６００’０で１時間加熱して脱ろ
うした後、窒素雰囲気中で同じく第１表に示す各温度で
１時間加熱焼結してロッカーアームチップ１を製作した
。続いて、各ロッカーアームチップ１を第２図に示すよ
うにロッカーアームボディ２にろう付により接合してロ
ッカーアーム３を製作した。

（比較例）第１表のＮｏ、　７〜１０に示すような組成のロッカー
アームチップ１を製作した。これらのうち、Ｎｏ、　７
は特開昭５７−１０８２４６号に開示された焼結合金で
あり、本発明合金に比べてＭＯとＶの含有量が低いもの
である４、また、Ｎ００８は上記各実施例に比べてＣｒ
の含有量が低いものであり、Ｎｏ、　９はＶの含有量が
低いものである。さらに、Ｎｏ、１０は低合金チル鋳物
材からなるものである。これらのロッカーアームチップ
１についても前記実施例と同様にして第２図に示すよう
なロッカーアーム３を製作した。

（試験例１）次に、各試料Ｎｏ、　　１〜１０の組成からなるロッカ
ーアームチップ１の機械的特性値と耐食性を調第２表に
示すように、実施例ＮＯ６１〜６ではいずれも硬さが高
く、また抗折強度も大きく、さらにｌＮ−Ｈ２ＳＯ２中
での重量減が少なく耐食性にも優れていることが朗らか
である。これに対して、比較例Ｎｏ、７．１０はＭｏ量
が低いために耐食性が低く、また、比較例Ｎｏ、　７　
、９はＶ量が低いために硬質炭化物Ｖ、Ｃ３（１０ｇＭ
Ｈｖ＝２５００）の分散量が少ない、さらに、比較例Ｎ
ｏ、　８はＣｒ量がｌ′ｒＪ、量％と低いために硬さお
よび強度が低い。

（試験例２）次に、前記試料陽、１−１０の組成よりなるロッカーア
ームチップ１をロッカーアームボディ２にろう付接合し
たロッカーアーム３を水冷直列６％筒２＆００ＣＣディ
ーゼルエンジンに組込み、アイドル回転にて実車耐久試
験を行った。なお、相手材であるカムシャフトには低合
金鋳鉄のチル鋳物を用いた。そして、耐久試験は第３表
に示す条件で行った。

第３表次いで、上記条件による耐久試験後のカムピース表面お
よびロッカーアームチップ表面の最大摩耗深さを測定し
た。この結果を第３図に示す。

第３図に示す結果より明らかなように、比較例陥、７で
はＭｏおよびＶ量が少ないため耐食性が劣りかつ硬質Ｖ
炭化物の分散量が少ないことからロッカーアームチップ
およびカムともに大きく摩耗しているψ また、比較倒動、８ではＣｒ量が少ないため硬さおよび
強度が低いことからロッカーアームチツプおよびカムと
もに大きく摩末毛している。さらに、比較例間、９では
Ｖ量が少なく硬質Ｖ炭化物の分散量が少ないことからロ
ッカーアームチップおよびカムともに大きく摩耗してい
る。さらにまた、比較例Ｎｏ、ＩＯではＭｏ量が少ない
ため耐食性が劣り、Ｖ量がＯであって硬質Ｖ炭化物を含
まないことからロッカーアームチップおよびカムともに
著しく摩耗している。

以上の比較例間、７〜１０に対して、実施例Ｎｏ、　　
１〜６においてはロッカーアームチップおよびカムの摩
耗が著しく低減しており、ロッカーアームチップ自身の
みならず相手材であるカムシャフトの耐摩耗性向上にも
著しく有効であることが明らかである。

そして、Ｐを合金化した鉄基合金粉末を用いた実施例Ｎ
ｏ、　２　、６においては、Ｐの偏析がないために相手
材への攻撃性がさらに小さくなるという利点があること
も確認された。

（発明の効果）以上説明してきたように、この発明による耐食耐摩耗性
焼結合金は、化学組成が、重量％で。

Ｃｒ：２〜５重量％、ＭＯ＝２〜７重量％、Ｖ：３〜７
重量％、Ｐ：０．１〜１重量％、Ｃ：０．５〜３重量％
、残部実質的にＦｅである硬質炭化物分散型のものであ
るから、従来の鉄基耐摩耗性焼結合金に比べてさらに耐
食性および耐摩性・耐スカツフイング性に優れており、
特に耐食性および耐摩耗性に優れていることが要求され
るディーゼルエンジン用のロッカーアームチップ素材と
して適用した場合に、ロッカーアームチップそれ自体の
耐食性および耐摩耗性を従来以上に向上させることが可
能であると共に、相手材あるカムの摩耗をも少なくする
ことが可能であるという著しく優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例および比較例において製作し
たロッカーアームチップの外観を示す説明図、第２図は
第１図に示すロッカーアームチップをロッカーアームボ
ディに接合した後のロッカーアームの外観を示す説明図
、第３図は実車耐久試験結果を示すグラフである。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）化学組成が、重量％で、Ｃｒ：２〜５重量％、Ｍ
ｏ：２〜７重量％、Ｖ：３〜７重量％、Ｐ：０．１〜１
重量％、Ｃ：０．５〜３重量％、残部実質的にＦｅであ
ることを特徴とする炭化物分散型の耐食耐摩耗性焼結合
金。