JPS6160925B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は基礎杭の施工法に関するものである。

従来より、場所打ち杭の施工にあたつては、杭
の耐久性や耐震性を確保するために、杭コンクリ
ート断面を大きくしたり、又は主筋数を多くした
りしている。しかしながらこの杭コンクリート断
面を大きくすることは、それだけ杭孔掘削に時間
がかかり、大幅なコスト高となり、そして掘削時
の孔壁保護対策を必要とする等の問題点があり、
また杭主筋数を増加させることはボンド力の低下
を招来するという不都合がある。

この不都合を除去するものとして、特公昭46−
42737号公報記載の場所打ちコンクリート杭が提
案されている。このコンクリート杭はかご鉄筋の
上端部に鋼管をこの鋼管の下部に取付けた鉄筋脚
を介して接続している。そしてこの杭の施工過程
におけるかご鉄筋と鋼管との接続方法は、鋼管に
取付けた鉄筋脚をかご鉄筋の主筋に重なり合うよ
うに溶接接合するものである。

しかしながら、従来例の施工法によると、鋼管
の鉄筋脚を１本ずつかご鉄筋の主筋に接合するた
めに、接合に非常に手間がかかり、施工能率が悪
く、また鋼管を垂直に立てて接続しないと、鋼管
の心とかご鉄筋の心とがずれる問題があつた。

本発明の目的は施工の迅速化を図る共に鋼管と
鉄筋かごとの心ずれをなくし両者を、精度良く建
て込むことにある。

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

まず第１図に示すように地盤１中に杭孔２を掘
削する。この杭孔として図面で拡底杭孔を示して
あるが、必ずしもこの種の杭孔に限定されない。
ついで、第２図に示すように杭孔２内に鉄かご３
を挿入する。そして第３図に示すように杭孔２上
部、例えば杭孔の上部５分の１〜10分の１の長さ
の鋼管４をクレーン等にて地上に吊り上げて、鋼
管下端部を杭孔２内の鉄筋かご３の上端部と対向
させる。この鋼管４の径は杭孔２の径とほぼ同一
であつて、鋼管の直径は杭孔内径を越えない長さ
ある。そして鉄筋かご３を再度吊り上げて、鉄筋
かごの上端部を地上に引き上げた状態で、鋼管４
を降下させて、鎖線に示すように鋼管内に鉄筋か
ごを挿通させつつ、杭孔上部に挿入設置し、鉄筋
かご上端部が第４図に示すように所定の長さ分だ
け鋼管上端から突出したところで、鋼管の降下を
停止する。

そこで、例えば連結筋５を用いて、連結筋の両
端部を鋼管４上端部と鉄筋かご３とに溶着して、
鋼管と鉄筋かごとを結合する。その後第５図に示
すように鋼管４と鉄筋かご３とを同時に杭孔２内
に挿入する。この結果鋼管４は杭孔２上部に設置
される。そして第６図に示すように杭孔２内にコ
ンクリート６を打設して杭を形成する。

上例では、鉄筋かご３の上部を地上に吊り上げ
てから鋼管４を挿入して、この鋼管と鉄筋かごと
を連結させたが、鉄筋かごを第２図示のように杭
孔２内に設置してから、鋼管の下部を杭孔２内に
挿入して、その後鉄筋かごを再度吊り上げて、地
上にて連結筋５で結合して、鋼管と鉄筋かごとを
同時に杭孔内に挿入してもよい。

なお、鋼管４の長さは、地盤性状や杭の種類、
長さ、径の大きさ等に応じて適宜決定される。

鋼管を、この管内に鉄筋かごを貫通させてから
この鉄筋に取付けるので、取付け方法も鋼管を吊
り持ち支持すればよいので、従来例のように鉄筋
を１本ずつ接合する必要がないので、取付けが簡
易となり施工の迅速化を達成でき、また鋼管を鉄
筋かごに取付けると同時に鋼管の心が鉄筋かごと
同心となるので、心ずれのおそれがなく、精度良
く建て込むことができる。鉄筋かごの降下に伴つ
て鋼管を挿入設置できて、独立した鋼管の挿入設
置作業が不要となり、杭の施工の迅速化を図れ
る。そして杭孔上端開口部を鋼管を支持するため
に拡開する必要はない。鋼管が案内手段となつて
鉄筋かごの降下が円滑に行える。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
乃至第６図は基礎杭の施工の順序を示す説明図で
ある。 ２……杭孔、３……鉄筋かご、４……鋼管、６
……コンクリート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 杭孔掘削完了後、この杭孔内に配筋された鉄
   筋かごを挿入し、ついでクレーン等にて杭孔径と
   ほぼ同一径であつてかつ孔径を越えない直径を有
   する鋼管を地上にて吊り上げて上記鉄筋かごの上
   端部と対向させ、そして鉄筋かごを再度吊り上げ
   て鉄筋かご上端部を上記鋼管内に貫通させ、その
   後鋼管と鉄筋かごとを結合し、さらに鋼管と鉄筋
   かごとを同時に杭孔内に挿入し、鋼管が杭孔上部
   に位置するようにしたことを特徴とする基礎杭の
   施工法。