JPS6159951B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動二輪車等におけるフートレスト及
びブレーキペダルの支持構造に関する。

フートレスト及びブレーキペダルは操作性の面
で夫々同軸上に取付けられることが望ましい。

即ち、ブレーキペダルは搭乗者がフートレスト
から足で操作するため、その回動中心がフートレ
ストの軸心からずれていると踏み込んだ際にペダ
ルが逃げて操作性が悪い。

しかして、従来は車体に固定されたフートレス
トの外周にブレーキペダルのボス部を嵌め合わ
せ、両者を同軸上に取付けるようにしている。

ところが、斯る構造ではエンジン振動或いは路
面からの衝撃による車体の振動がフートレストに
直接伝わり、フートレストが共振して足に振動が
伝わつてしまうという不具合がある。

従つて、フートレストの取付けを防振構造とす
る必要があるが、その従来構造としてフートレス
トをダンパーゴム等の緩衝部材を介して車体に弾
性的に取付け、該フートレスト外周にブレーキペ
ダルのボス部を嵌め合わせるようにしたものがあ
る。

しかし、斯る構造ではフートレストに荷重がか
かるとフートレストが上下左右に揺動し、それに
伴つてブレーキペダルも一緒に揺動することにな
り、該ペダルに連繋するブレーキ装置が作動して
ブレーキ動作が起こる惧れがある。

また、ブレーキ装置が油圧式のものにあつては
ブレーキペダルとマスタシリンダを連結するロツ
ドがフートレストの揺動に伴つて傾斜し、その状
態でブレーキペダルを操作するとロツドが傾斜し
たままマスタシリンダを作動させるので、マスタ
シリンダに負荷がかり損傷する惧れがあるという
不具合がある。

本発明は叙上事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とする処はフートレストとブレーキペダル
が夫々同軸上であつてしかも独立して車体に取付
けられ、フートレストの防振効果を有効に発揮さ
せ得ると共にブレーキ操作を確実に行えるように
したフートレスト及びブレーキペダルの支持構造
を提供せんとするものである。

本発明実施の一例を図面により説明すると、第
１図は自動車二輪車の後半部を示し図中Ａは車
体、ａはシートレール、ｂはバツクステー、ｃは
三角形状に構成されたリヤアーム、１はフートレ
スト、２はブレーキペダルである。

上記バツクステーｂはその下部に後方へ突出す
る２本の支持パイプ３，３′が溶接される。

支持パイプ３，３′はその各先端が接合し、そ
の両者の接合端に筒状のボス部材４が直交状に溶
接固定される。

このボス部材４の構造及び該部材４に取付支持
されるフートレスト１とブレーキペダル２の支持
構造を第２図、第３図に拡大して示す。

ボス部材４はその軸線方向全長に渉つて切割り
４ａが形成される。

この切割４ａはその両側にボス４ｂが設けら
れ、該ボス４ｂにボルト５及びナツト６を介して
ボス部材４を締付けるようにする。

そして、上記ボス部材４に支持筒７が挿着され
る。

支持筒７はその内端がボス部材４の内端と面一
とされると共に、外端がボス部材４外方へ突出し
その突出端に鍔部７ａが形成される。

この鍔部７ａは後述するブレーキペダル２のボ
ス部２ｂを抜て止めするようにする。

そして、上記支持筒７は前記ボルト５及びナツ
ト６によりボス部材４を締付けて固定されると共
に、ボス部材４外周より螺着挿入されるボルト８
を介して抜け止めされる。

しかして、支持筒７は車体Ａに固定状に設けら
れ、そのボス部材４からの突出部にブレーキペダ
ル２が取付けられる。

ブレーキペダル２は操作杆２ａと該杆２ａの一
端に設けられるボス部２ｂとからなつている。

操作杆２ａは管部材で構成されボス部２ｂと反
対側の端部にペダル９が設けられる。

ボス部２ｂは筒状部材でもつて構成され、操作
杆２ａに直交状に溶接される。

そして、ボス部２ｂは操作杆２ａと反対側の外
周にアーム１０が溶接される。

アーム１０は板部材でもつて構成され、その先
端のブレーキ装置を構成するロツド１１が連結さ
れる。

しかして、上記ブレーキペダル２はそのボス部
２ｂを支持筒７の突出部外周に回動自在に嵌め合
わせて取付支持され、操作杆２ａが前方へ下向き
傾斜状に突出しアーム１０が後方へ突出する。

そして、支持筒７に取付支持されたブレーキペ
ダル２はその回動操作よりブレーキ装置を作動さ
せるようにする。

ブレーキ装置は機械式、油圧式どちらでもよい
が、図示せる例は油圧式のものを示す。

この油圧式ブレーキ装置はバツクステーｂ上部
に取付けられたマスタシリンダ１２と、ブレーキ
ペダル２のアーム１０に枢着されマスタシリンダ
１２を作動させるロツド１１と、マスタシリンダ
１２により作動するキヤリパ１３とからなつてい
る。

しかして、ブレーキペダル２を下方へ回動操作
するとそれに伴つてボス部２ｂとともにアーム１
０が回動し、そのアーム１０の回動がロツド１１
の上方への変位に変換されマスタシリンダ１２を
作動させる。

そして、このマスタシリンダ１２によつてキヤ
リパ１３が作動しブレーキがかかる。

また、ブレーキペダル２は該ペダル２を定位置
に復帰させるリターンスプリング１４が設けられ
ると共に、ブレーキペダル２の傾斜角を調節する
調節手段が設けられる。

リターンスプリング１４はボス部２ｂ外周に巻
き掛けられ、その一端が上側の支持パイプ３に掛
止されると共に他端が操作杆２ａに掛止され、ブ
レーキペダル２を上方へ付勢するようにする。

調節手段は操作杆２ａ内側に受部材１５を介し
てボルト１６を螺着してなり、該ボルト１６の先
端を下側の支持パイプ３′下縁に当接させるよう
にする。

即ち、ボルト１６の受部材１５からの突出量を
調節することによりブレーキペダル２が支持パイ
プ３′に近接又は離反し、その傾斜角が調節され
る。

一方、フートレスト１は支持筒７内周に緩衝部
材１７を介して弾性的に挿着される。

緩衝部材１７は内筒１７ａと外筒１７ｂとの間
にゴム材１７ｃを焼付けてなり、支持筒７内に圧
入される。

前記内筒１７ａ及び外筒１７ｂは夫々板金製で
あつて、その各内端が支持筒７の内端と面一とさ
れると共に内筒１７ａが外筒１７ｂよりも長く形
成され、その外端が支持筒７外端より突出する。

そして、この緩衝部材１７の内筒１７ａ内にフ
ートレスト１が挿着される。

フートレスト１はその一端に螺子部１ａが形成
され中間部に鍔部１ｂが形成される。

螺子部１ａは支持筒７内端より突出し、その突
出端にワツシヤ１８を介してナツト１９が螺着さ
れる。

このナツト１９はその締付けによつてワツシヤ
１８を内筒１７ａの内端に当接させるようにす
る。

また、鍔部１ｂは支持筒７外端より外側に位置
して内筒１７ａの外端に当接する。

これによりフートレスト１は緩衝部材１７に固
定されると共に、該部材１７を介して支持筒７に
弾性的に支持される。

しかして、フートレスト１は車体Ａに対して弾
性的に取付支持され、車体Ａの振動が緩衝部材１
７で吸収され防振構造とされる。

これに対してブレーキペダル２はフートレスト
１と独立して車体に取付支持されているから、フ
ートレスト１の揺動に伴つて変位することがな
い。

従つて、従来のもののようにロツド１１が傾斜
した状態でマスタシリンダ１２を作動させること
がなく、該シリンダ１２の損傷を防止することが
できる。

また、ブレーキの誤作動も防止できる。

尚、前記実施例では支持筒７をボス部材４を介
して車体Ａに固定状に設けたが、これら両部材を
一部材でもつて一体的に形成しても良いことは勿
論である。

本発明は叙上の如く構成したので、ブレーキペ
ダルが車体に固定状に設けられた支持筒外周に取
付支持され、フートレストが支持筒内周に緩衝部
材を介して弾性的に挿着されるから、ブレーキペ
ダル及びフートレストが夫々同軸上であつてしか
も独立して車体に支持されることとなつて、フー
トレストの防振効果を有効に発揮させることがで
きると共にフートレストの揺動に伴つてブレーキ
ペダルが変位せず、ブレーキ操作を確実に行うこ
とができる。

依つて所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動二輪車の後半部を示す側面図、第
２図はそのフートレスト及びブレーキペダルの支
持構造を拡大して示す一部切欠側面図、第３図は
第２図の−線断面図である。 尚図中、Ａ……車体、１……フートレスト、２
……ブレーキペダル、２ｂ……ボス部、７……支
持筒、１７……緩衝部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体に支持筒を固定状に設け、その支持筒外
   周にブレーキペダルのボス部を回動自在に嵌め合
   わせると共に、支持筒内周に緩衝部材を介してフ
   ートレストを弾性的に挿着したフートレスト及び
   ブレーキペダルの支持構造。