JPS6157524B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、燃油を着火時の生燃焼状態時から蒸
発気化し、その蒸発気化ガスを燃焼用空気と混合
した混気ガスを起成せしめて気化燃焼させる気化
バーナに関する。

さきに本出願人は、燃焼筒内の底部側に多数の
噴焔孔を穿孔した燃焼盤を敷設して燃焼筒の底部
と燃焼盤との間にガス室を形成し、上記燃焼筒内
には基端開放側がガス室と連通する回転気化筒を
回転自在に配設すると共に前記ガス室内には燃焼
盤の広径側に設けられた噴焔孔を開閉孔する噴焔
開閉体を昇降調節自在に設けて、該噴焔孔開閉体
を下降した際には総ての噴焔孔を開孔状態として
増量気化燃焼を行わせ、又噴焔孔開閉体を上昇し
て広径側位置に設けられた噴焔孔を閉孔した際に
は減少気化燃焼を容易に達成させた気化バーナを
開発した。

ところで上述のような気化バーナにおいては、
減少気化燃焼時に噴焔孔が完全に閉孔されるよう
になすため噴焔孔開閉体は通常耐熱性の石綿等に
より塑成されている。

したがつて、燃焼の始動に際し生燃油を回転気
化筒の回転により燃焼筒内面へ向け噴散せしめた
時には上記生燃油の一部が燃焼することなく噴焔
孔よりガス室内へ落入して噴焔孔開閉体に滲透す
る現象が見られる。

その結果、減少燃焼調節作業時に噴焔孔開閉体
により広径側の噴焔孔を如何に閉孔しても、さき
に滲透した燃油が蒸発気化燃焼され正確な減少気
化燃焼を行わせることができない許りか、不完全
燃焼焔が発生する危険が生ずる。

本発明は前記に鑑み、噴焔孔開閉体の設置位置
よりもやや内側の燃焼盤上に未燃油防流環状壁を
立設して、気化燃焼の始動に際し、回転気化筒に
より噴散された燃油が燃焼筒内面に衝突されず総
て未燃油防流環状壁に衝突して生燃焼が発生され
るようにし、もつて噴焔孔開閉体に未燃油が滲透
付着されるのを確実に防止し、減少気化燃焼を正
確に行わせると同時に不完全燃焼焔の発生を皆無
ならしめた気化バーナを提供しようとしたもので
あつて、以下に本発明に係る気化バーナの構成を
添附図面に示された好適な一実施例について説明
する。

第１図ないし第３図において、１は先端を開放
し、基端を閉じた有底筒状の燃焼筒であつて、該
燃焼筒１内の底部側には表面に多数の噴焔孔３を
穿孔した燃焼盤２を敷設装着して燃焼盤２と燃焼
筒１の底部との間に適当容量のガス室４を形成せ
しめる。そして燃焼筒１の有底側には送気室５を
隣設すると共に上記燃焼筒１と送気室５とは通気
口６を介して連通せしめる。

なお燃焼盤２の中央には燃焼筒１の通気口６に
対応して開口部７を設けてある。

８は先端を閉じ、基端を開放した筒状の気化筒
であつて、該気化筒８は送気室５側から燃焼筒１
内に挿通された回転軸９の先端に、該回転軸９に
被せた状態で取付けられている。１０は送風筒で
あつて、該送風筒１０は燃焼筒１の通気口６から
気化筒８内の先端側へ深く挿通して臨ませてあ
り、気化筒８と送風筒１０との間には混気通路１
１が形成され、該混気通路１１は基端側で開口部
７を経てガス室４と連通されている。

気化筒８内の先端には送風筒１０の先端開口に
対向して中空逆円錐状の燃油拡散体１２が固着さ
れており、該燃油拡散体１２の内面には給油管１
３の先端が近接対向されている。気化筒８の基端
開放側の端部には中央に混気ガス通路１５を設け
た環状の混気体１４を気化筒８端部との間に燃料
飛散間隙１６が形成せられるよう一体的に装着せ
しめると共に該混気体１４の周縁に設けられた燃
料飛散端１７は燃焼筒１の先端開放側へ向け拡開
状に屈曲形成せしめる。

気化筒８の開放側に装着された混気体１４と対
向する位置のガス室４は燃焼盤２を燃焼筒１の有
底側に向け凹ませて気化筒８の基端開放側とガス
室４との間に環状の混気ガス希薄室１８を形成せ
しめる。そして混気ガス希薄室１８の基端側はガ
ス室４と連通せしめると共に先端側は混気体１４
と凹陥部内面に張設した噴気壁１９とにより燃焼
筒１の先端開放側へ向け斜め上向きに開口せしめ
る。

２０は一端が混気ガス希薄室１８の途中に開口
接続され、他端が送気室５に開口接続された複数
本からなる通気管であり、２１は噴焔孔３近傍位
置の燃焼筒１に装着した点火栓である。

２２は燃焼盤２の表面に穿孔された多数の噴焔
孔３の中燃焼盤２の広径側に穿孔された噴焔孔を
完全に閉孔したり又は開孔させることができる噴
焔孔開閉体であつて、該噴焔孔開閉体２２は全体
をリング状に形成してガス室４内に収納位置せし
めると共に燃焼盤２に圧接する面は耐熱製のパツ
キングで形成されている。そして上記噴焔孔開閉
体２２は燃焼筒１の有底側と燃焼盤２との間に自
由に昇降動作されるよう構成されている。噴焔孔
開閉体２２を昇降動作させる構成は特に第３図に
詳記されている。即ち、リング状を呈した噴焔孔
開閉体２２に基端側を固着した押上ピン２３の自
由端側を送気室５を形成する壁筒２４を貫通して
送気室５内へ突出させ、上記壁筒２４の内側には
該壁筒２４に設けられた長孔２７に沿い移動でき
る摺動桿２５によつて左右方向へ自由に摺動回転
される摺動環体２６を位置せしめると共に、押上
ピン２３が対向する位置の摺動環体２６には切欠
部２８を設け、この切欠部２８には一端を摺動環
体２６に装着した弾性材からなる押上用斜板２９
を斜め下向きに傾斜するよう配設して、押上ピン
２３の自由端側を押上用斜板２９上に搭載せしめ
る。

従つて摺動環体２６の左右回転作動に応じ押上
用斜板２９上に搭載された押上ピン２３は昇降調
節されて噴焔孔開閉体２２により燃焼盤２の広径
側に開孔された噴焔孔３の一部を閉孔したり又は
開孔して燃焼量の増減調節を達成させることがで
きる。

３０は噴焔孔開閉体２２の設置位置よりもやや
内側の燃焼盤２上に立設した未燃油防流環状壁で
あつて、該未燃油防流環状壁３０は回転気化筒８
により噴散された生燃油が衝突して微粒化される
高さを有する。したがつて回転気化筒８により噴
散された生燃油は燃焼筒１内へ達しないことで、
未燃油が噴焔孔３より噴焔孔開閉体２２上に滴下
して滲透するのを未然に防止する。

次に本発明の作用について説明する。

第１図ないし第３図に示された実施例におい
て、今バーナの始動操作をすれば、気化筒８が高
速回転され、送気室５から燃焼用空気が気化筒８
内に強制送風されると同時に一部の燃焼用空気が
混気ガス希薄室１８内に強制送風される。この状
態において給油管１３より燃油を燃油拡散板１２
面に供給すれば、該燃油は燃油拡散板１２で微粒
化されて気化筒８内面に移行し、さらに気化筒８
に沿つて移行する間に気化筒８の回転と強制風の
噴送作用で一層微粒状に拡散された後、燃油飛散
間隙１６より未燃油防流環状壁３０に噴散され、
点火栓２１により点火され生燃焼を発生せしめ
る。このように燃焼筒１内において生燃焼が生ず
ると、その燃焼熱で気化筒８が急速に高温に加熱
されるので、以後、気化筒８内に噴散される燃油
は蒸発気化され、混気通路１１内を流通する間に
送風筒１０から送風される燃焼用空気と混合され
て混気ガスとなり、ガス室４内に蓄気される。そ
してガス室４内に蓄気された混気ガスは多数の噴
焔孔３より一定圧力で燃焼筒１内に噴出し、点火
により気化燃焼されると共に発生した混気ガスの
一部も混気ガス希薄室１８内に進入し、先端側よ
り燃焼筒１内に噴気して燃焼しようとする。とこ
ろが、前記混気ガス希薄室１８内には気化燃焼の
始動時より通気管２０を介し送気室５内の燃焼用
空気が噴送されているので、進入した混気ガスは
この燃焼用空気と撹拌混合し、希薄化された希薄
混気ガスとなつて、燃焼されずに燃焼筒１内に噴
出し、さきの気化燃焼焔と混合して始めて気化燃
焼される。そのため気化燃焼の継続中に気化筒８
の基端開放側が焼損変形されることなく正確に回
転して良好な気化燃焼を営ませることができる許
りか、燃焼音を小さくしたりさらにはガス室４内
への引火燃焼を未然に防止できる。

ところで上述の気化燃焼量を使用目的のため減
少して少量の気化燃焼を行う場合には、給油管１
３の給油量と送気室５より送風量を減少させた
後、摺動桿２５を第２図の状態において時計方向
に向け回転させる。さすれば摺動環体２６および
押上用斜板２９もともに時計方向に回動され、押
上用斜板２９上に搭載された押上ピン２３を上昇
させる。したがつて押上ピン２３と一体化された
噴焔孔開閉体２２は水平に上昇して燃焼盤２の広
径側に圧接されこの部分に位置した多数の噴焔孔
３を噴焔孔開閉体２２により完全に閉孔する。そ
の結果、混気ガス量が減少しても該混気ガス量に
見合つた噴焔孔３が開孔されていることで混気ガ
スの圧力は所定値に維持されるので、開孔されて
いる噴焔孔３からは燃焼筒１内に所定の噴出速度
および圧力をもつて混気ガスが噴出し、燃焼筒１
内では正常な気化燃焼が続けられると同時にガス
室４内に引火する逆火現象を防止することができ
る許りか、生燃焼の始動時に回転気化筒８より噴
散された生燃料はその総てが未燃油防流環状壁３
０により完全に阻止され、噴焔孔開閉体２２上に
は燃料が滴下滲透されていないので不完全燃焼を
発生させずに正確な減少気化燃焼を容易に達成さ
せることができる。

要するに本発明は、燃焼筒１内の底部側に、多
数の噴焔孔３を穿孔した燃焼盤２を敷設して燃焼
筒１の底部と燃焼盤２との間にガス室４を形成
し、上記燃焼筒１内には基端開放側がガス室４と
連通する回転気化筒８を回転自在に配設すると共
に、ガス室４内には燃焼盤２の広径側に設けられ
た噴焔孔３を開閉孔させる噴焔孔開閉体２２を昇
降調節自在に設けて、噴焔孔開閉体２２を下降し
た際には、噴焔孔３の総てを開孔して増量気化燃
焼を、又上昇して燃焼盤２の広径側の噴焔孔３を
閉孔した際には減少気化燃焼を容易に達成させる
ことができる気化バーナであつても、噴焔孔開閉
体２２の設置位置よりもやや内側の燃焼盤２上に
は未燃油防流環状壁３０を立設したことで、気化
燃焼の始動時に回転気化筒８により噴散された生
燃油の総てを燃焼盤２の広径側へ噴散させずに受
け止めて生燃焼の始動を行わせ、もつて噴焔孔開
閉体２２上に未燃油が滴下滲透するのを的確に防
止し、もつて減少気化燃焼状態を良好に維持させ
ることができるは勿論のこと不完全燃焼焔の発生
を未然に防止できる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナの一実施例を示
すものであつて、第１図は増量気化燃焼状態時の
一部切欠した縦断正面図、第２図は減少気化燃焼
状態時の一部切欠した縦断正面図、第３図は昇降
調節機構の一部切欠した斜視図である。 １……燃焼筒、２……燃焼盤、３……噴焔孔、
４……ガス室、８……気化筒、２２……噴焔孔開
閉体、３０……未燃油防止環状壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼筒内の底部側に、多数の噴焔孔を穿孔し
   た燃焼盤を敷設して燃焼筒の底部と燃焼盤との間
   にガス室を形成し、上記燃焼筒内には基端開放側
   がガス室と連通する回転気化筒を回転自在に配設
   すると共に、前記ガス室内には燃焼盤の広径側に
   設けられた噴焔孔を開閉孔させる噴焔孔開閉体を
   昇降調節自在に設けたものにおいて、前記噴焔孔
   開閉体の設置位置よりもやや内側の燃焼盤上には
   未燃油防流環状壁を立設したことを特徴とする気
   化バーナ。