JPS6156975B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6156975B2
JPS6156975B2 JP58099491A JP9949183A JPS6156975B2 JP S6156975 B2 JPS6156975 B2 JP S6156975B2 JP 58099491 A JP58099491 A JP 58099491A JP 9949183 A JP9949183 A JP 9949183A JP S6156975 B2 JPS6156975 B2 JP S6156975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cacao
flavor
beans
ammonia
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP58099491A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59224653A (ja
Inventor
Susumu Igarashi
Iwao Hacha
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP58099491A priority Critical patent/JPS59224653A/ja
Publication of JPS59224653A publication Critical patent/JPS59224653A/ja
Publication of JPS6156975B2 publication Critical patent/JPS6156975B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はカカオ豆又はその加工品の香味改良処
理方法に関し、さらに詳述するとチヨコレート等
の原料として用いられるカカオ豆、カカオニブ、
カカオマス、混合カカオマス等を高濃度の酸素ガ
スを含有する雰囲気中で焙炒し、良好な香味及び
色調を有する製品に改良する方法に関する。 従来、チヨコレート製品において、その原料で
ある焙炒カカオマス及び焙炒混合カカオマスの香
味及び色調がチヨコレート製品の香味及び色調に
強い影響を与えることが知られている。該焙炒カ
カオマス及び焙炒混合カカオマスの原料となるカ
カオ豆は産地、品種、収穫時期、発酵条件等によ
り風味、香味及び色調が異なり、例えばガーナ
産、ベネズエラ産等の如く香味の好適な高級のカ
カオ豆或いはインドネシア産、マレーシア産等の
チヨコレートの風味が不足し、苦味、渋味及び酸
味が強く、赤茶色の色調を呈する低級のカカオ豆
等がある。 該低級のカカオ豆をそのままの状態でチヨコレ
ート製品の原料に用いると製品の品質の低下をも
たらすために、その香味を改良する方法が種々提
案されている。 例えば、焙炒カカオマスに香料を添加する方法
があるが、この方法では香料の配合が難かしくチ
ヨコレートに含まれている香料の全ての香気成分
を人為的に添加することは不可能であり、逆に本
来のチヨコレート製品の風味と異なる製品となる
欠点がある。 一方、カカオニブ又はカカオマスに所定量のア
ルカリ、還元糖、アミノ酸及びタンニンを添加し
て焙炒する方法(特公昭53―31943号)が提案さ
れている。しかし、この方法ではあらかじめ原料
のカカオ豆の組成分を測定し、必要な前記添加物
質の所定量に添加するので作業が複雑となり、又
香味を充分に改良することができず、さらに完全
に香味を改良する為には前記各種成分を添加した
水溶液中に原料のカカオ豆、カカオニブを浸漬し
て均一に浸透せしめる必要があり、処理後に水分
を散逸せしめるためのエネルギー損失が大きい等
の欠点がある。 他方、カカオ豆又はその加工品にアンモニアを
吸着せしめて焙炒し、酸成分をアンモニアで中和
して香味を改良する方法(特願昭56―196232号)
を本発明者等は既に提案した。しかし、この方法
はPHの低い酸味、酸臭の強い低級なカカオ豆又は
その加工品に対しては有効であるが、酸味以外の
渋味、苦味等の香味の改良及び好適なPHを示す高
級なカカオ豆をより充実した香味に改良すること
は困難である。 本発明はこの様な従来技術に鑑みてなされたも
のであり、低級及び高級のカカオ豆又はその加工
品の苦味、渋味、酸味等の総合的な香味及び色調
を改良すると共にカカオ豆の香気成分中の人体に
不快感を与える成分の発現を抑制し良好な香味を
呈する焙炒カカオマス及び焙炒混合カカオマスを
提供することを目的とするものである。 即ち、本発明の第一の方法は、カカオ豆、カカ
オニブ、カカオマス又は混合カカオマスを40容量
%以上の酸素ガスを含有する雰囲気中で、品温
110〜150℃で焙炒することを特徴とするカカオ豆
又はその加工品の香味改良処理方法、第二の方法
はカカオ豆又はカカオニブにアンモニアを吸着せ
しめた後、40容量%以上の酸素ガスを含有する雰
囲気中で、品温110〜150℃で焙炒することを特徴
とするカカオ豆又はその加工品の香味改良処理方
法、及び第三の方法は、カカオマス又は混合カカ
オマスを40容量%以上の酸素ガスを含有する雰囲
気中で、アンモニアを含有する気体を接触させて
アンモニアを吸着せしめつつ、品温110〜150℃で
焙炒することを特徴とするカカオ豆又はその加工
品の香味改良処理方法から成るものである。 本発明の方法により香味改良処理が施されるカ
カオ豆又はその加工品を具体的に示すと、通常の
発酵乾燥工程を経たカカオ豆、カカオ豆を剥皮し
たカカオニブ、カカオニブを磨砕してペースト状
にしたカカオマス、カカオマスを圧搾して搾油し
含脂量を8〜35重量%に調整した部分脱脂カカオ
マスにシエア脂、パーム油等の植物油脂を添加混
合した混合カカオマス等の高級又は低級のカカオ
豆又はその加工品である。 次に本発明の第一の方法について説明する。 この方法は、原料の上記のカカオ豆、カカオニ
ブ、カカオマス又は混合カカオマスを40容量%以
上の酸素ガスを含有する雰囲気中で品温110〜150
℃で1〜30分間焙炒する。 焙炒方法は熱風式又は間接加熱方式により行う
が、これ等の焙炒方法は原料の種類により異な
り、具体的には粒状のカカオ豆及びカカオニブは
間接加熱方式又は熱風式の焙炒機、カカオマス及
び混合カカオマスは内部壁面掻取装置付熱交換機
を用いて焙炒する。 この焙炒は酸素ガス濃度を40容量%以上の所定
濃度に調整した熱風を送風するか或いは所定量の
酸素ガスを連続的又は断続的に吹込み焙炒機又は
内部壁面掻取装置付熱交換機内を40容量%以上、
好ましくは60容量%以上の酸素ガスを含有する雰
囲気に保ちつつ行う。 この様な40容量%以上の高濃度の酸素ガスを含
有する雰囲気中で焙炒すると原料のカカオ豆又は
その加工品の香味は著しく改良され、例えば、高
級のカカオ豆を酸素ガス濃度約21容量%の通常の
大気中で焙炒した場合、ガスクロマトグラフイー
による香気成分の分析結果では香気成分の総量が
80ppmであるのに対し、40容量%の酸素ガスを
含有する雰囲気中で焙炒すると160ppmと2倍に
増加し、しかも全ての香気成分が増量し、特に相
対的にアルデヒド類が減少するために刺激臭が抑
制され良好な香味に改良することができる。 焙炒温度は品温110〜150℃が好ましく、該温度
範囲においては通常空気中の不活性な窒素ガスは
香味形成反応に関与するとは考えられず、残部の
酸素ガスが高温で比較的活性化され、さらに40容
量%の高濃度の酸素ガスの雰囲気中で焙炒するた
めに香味形成反応が促進される。品温110℃未満
では香味改良が充分に行われないと共に焙炒に長
時間を要し、150℃をこえると過焙炒になると共
に香味が低下し好ましくない。 焙炒時間は焙炒温度が高い場合には短時間、低
い場合には長時間を要するが、通常1〜30分が好
ましく、30分をこえるとチヨコレート香気と共に
過焙炒臭(こげ臭)が生成し、1分未満ではチヨ
コレート香気の十分な発現が行われず、いずれの
場合にもチヨコレートを調製した時に美味でな
い。 この様にして焙炒したカカオ豆は常法により剥
皮した後、又焙炒したカカオニブはそのまま磨砕
してペースト状にして焙炒カカオマスを得る。 このように処理することにより、高級のカカオ
豆又はその加工品はより一層良好なコクのある強
い香味を有し、かつ渋味の少ないマイルドな香味
を有する焙炒カカオマス及び焙炒混合カカオマス
に改良することができる。 次に本発明の第二の方法について説明する。 この方法は、カカオ豆又はカカオニブにアンモ
ニアを吸着せしめた後、前記の第一の方法と同様
に40容量%以上の酸素ガスを含有する雰囲気中で
品温110〜150℃で1〜30分間焙炒するものであ
る。 この方法においてはアンモニアをカカオ豆又は
カカオニブに吸着せしめ、カカオ豆又はカカオニ
ブに含有されている酸成分を中和した後、40容量
%の高濃度の酸素ガスを含有する雰囲気中で焙炒
することによりアンモニアと酸素ガスの相剰作用
により香味を改良するものである。 アンモニアの吸着量は原料に含まれている有機
酸等の酸成分を中和するのに必要な量を要し、原
料の品質により異なるが、通常カカオ豆又はカカ
オニブに対して0.05〜0.9重量%であり、特に酸
成分の少ない高級のカカオ豆又はカカオニブに対
しては0.05〜0.3重量%、又酸成分の多い低級な
カカオ豆、カカオニブに対しては0.2〜0.9重量%
が好ましい。通常のガーナ産、ベネズエラ産のカ
カオ豆、カカオニブはその自身でPH5.6〜5.9であ
るが、アンモニア吸着量が0.05重量%未満のとき
には上記カカオ豆、カカオニブのより好ましいフ
レーバーの発生効果をもたない。しかし上記カカ
オ豆、カカオニブはそれ自身のもつている緩衝作
用によつて0.05〜0.3重量%のアンモニア吸着を
行つてもPHの変動は少ない。0.3重量%をこえる
と過剰のアンモニアが吸着されアンモニアを浪費
すると共にカカオ豆又はカカオニブの緩衝作用が
なくなり、PHが6.4をこえチヨコレート製品にし
たとき酸味が極度に低下してナツツ臭が強くなり
すぎてチヨコレート本来の香味と異るために好ま
しくない。一方、一般的にPH5.3未満の低級なカ
カオ豆、カカオニブに対してはアンモニア吸着量
が0.2重量%未満ではアンモニア量が不足しカカ
オ豆又はカカオニブに含有されている酸成分を中
和し最適のPH5.3〜6.4、好ましくはPH5.6〜5.9に
改質することができず、0.9重量%をこえると過
剰のアンモニアが吸着されアンモニアを浪費する
と共にカカオ豆又はカカオニブのPHが6.4をこえ
チヨコレート製品にしたとき酸味が極度に低下し
てナツツ臭が強くなりすぎてチヨコレート本来の
香味と異るために好ましくない。 アンモニアを吸着せしめる方法はカカオ豆又は
カカオニブを密閉容器に収容してアンモニアを送
入する方法、或いは濃厚アンモニア水溶液のアン
モニア蒸気と接触させる方法等によつて行う。 次に、アンモニアを吸着せしめたカカオ豆又は
カカオニブを前記第一の方法と同様に40容量%以
上の酸素ガスを含有する雰囲気中で品温110〜150
℃で1〜30分間焙炒して焙炒カカオ豆又は焙炒カ
カオニブを得る。アンモニアは焙炒中に熱により
散逸し、製品中に残留することはなく、製品を最
適のPH値に保つことができる。 焙炒カカオ豆は剥皮して焙炒カカオニブとした
後、又焙炒カカオニブはそのまま磨砕してペース
ト状とし風味の良好な焙炒カカオマス又は焙炒混
合カカオマスを得る。 この様に処理することにより低級及び高級のい
ずれのカカオ豆又はカカオニブにおいても酸味、
酸臭が消失すると共に、香味が強く、コクのある
渋味の少ないマイルドな香味及び良好な色調の焙
炒カカオマス及び焙炒混合カカオマスを得ること
ができる。 次に本発明の第三の方法について説明する。 この方法は原料のカカオマス又は混合カカオマ
スを内部壁面掻取装置付熱交換機に収容し、40容
量%以上の酸素ガスを含有する雰囲気に保ちつ
つ、同時にアンモニアを含有する気体を吹込み原
料のカカオマス又は混合カカオマスにアンモニア
を接触させて吸着せしめつつ、品温110〜150℃で
1〜30分間焙炒するものである。 アンモニアを含有する気体はアンモニアと空
気、窒素ガス又は不活性ガス等との混合ガスを用
いる。 カカオマス又は混合カカオマスのアンモニアの
吸着量は原料中の酸成分を中和し最適なPH5.3〜
6.4、好ましくはPH5.6〜5.9にするのに必要な量を
要し、通常原料のカカオマス又は混合カカオマス
に対して0.01〜0.35重量%であり、特に酸味の少
ない高級のカカオマス又は混合カカオマスに対し
ては0.01〜0.3重量%、又酸味の多い低級なカカ
オマス又は混合カカオマスに対しては0.05〜0.35
重量%である。通常のガーナ産、ベネズエラ産の
カカオ豆、カカオニブは、それ自身でPH5.6〜5.9
であるが、アンモニア吸着量が0.01重量%未満の
ときには上記のカカオ豆、カカオニブのより好ま
しいフレーバーの発生効果をもたない。しかし、
上記カカオ豆、カカオニブはそれ自身のもつてい
る緩衝作用によつて0.05〜0.3重量%のアンモニ
ア吸着を行つてもPHの変動は少ない。0.3重量%
をこえると過剰のアンモニアを使用することにな
り不経済であると共に焙炒した製品のPHが6.4を
こえチヨコレート本来の香味とは異なるものとな
り好ましくない。 低級なカカオ豆、カカオニブに対しては、アン
モニア吸着量が0.05重量%未満ではアンモニア量
が不足し原料中の酸成分を中和し最適のPH5.3〜
6.4、好ましくはPH5.6〜5.9に改質することが困難
であり、又0.35重量%をこえると過剰のアンモニ
アを使用することになり不経済であると共に焙炒
した製品のPHが6.4をこえチヨコレート本来の香
味とは異なるものとなり好ましくない。 この方法においてはアンモニアを含有する気体
を接触させると同時に40容量%以上の高濃度の酸
素ガスを含有する雰囲気中で焙炒するので、110
〜150℃の高温度で活性化された酸素ガスによる
香味の改良とアンモニアの吸着による原料中の酸
成分の中和とが同時に相剰的に行われるので著し
く良好な香味改良効果が得られる。 又、上記の香味改良処理は内部壁面掻取装置付
熱交換機を用いて撹拌しながら焙炒するので、原
料とアンモニア及び酸素ガスとの接触及び混合が
均一に速やかに行われ、少量のアンモニア及び酸
素ガスの消費量で短時間に香味改良処理が終了
し、又焙炒後の焙炒カカオマス又は焙炒混合カカ
オマス中に未反応のアンモニアはほとんど残存す
ることはない。 本発明の方法は上記の様な利点を有するが、さ
らに効果を列挙すると下記の通りである。 (1) 本発明において、40容量%以上の酸素ガスを
含有する雰囲気中で焙炒して得られた焙炒カカ
オマス又は焙炒混合カカオマスは従来の方法で
得られた製品に比較して香味改良効果が優れ、
特に高級のカカオ豆又はその加工品はそれ以上
の香味に改良され、又低級なカカオ豆又はその
加工品は高級のカカオ豆と同等又はそれ以上の
香味及び色調に改良される。 (2) 香味改良処理にアンモニアを併用すると、酸
素ガスとアンモニアとの相剰作用により特に酸
味及び香味の改良に著しい効果がある。 (3) 香味改良処理に酸素ガス又は酸素ガスとアン
モニアとの混合ガスを用いるので、原料への吸
着、香味形成反応は容易に行われ、焙炒して得
られた製品にアンモニア臭、アルカリ臭、その
他揮発性成分による不快臭はほとんどない。 (4) 本発明の方法は従来の焙炒機又は内部壁面掻
取装置付熱交換機を改良することにより極めて
簡単な操作で行うことができる。 次に実施例及び比較例を示し本発明をさらに詳
細に説明する。尚、各種の測定方法は次の通りで
ある。 ΓPH値 原料カカオ豆の場合、剥皮してカカオニブとし
た後、ローラーミルにて日本標準篩325メツシユ
通過程度まで磨砕しペースト状とし、その5.0g
を50℃の脱イオン水に懸濁させ、室温まで懸濁液
の温度が下がつた時PHメーターにて測定した。一
方、焙炒カカオマスの場合も同様にしてPHメータ
ーで測定した。 Γ酸素ガス濃度 酸素ガス濃度は、あらかじめ焙炒雰囲気中の酸
素ガスを送風しない時の、つまり空気中あるいは
空気とアンモニアガスの混合気体中の酸素ガス体
積濃度を測定しておく。次に焙炒中の酸素ガス送
風条件と同様の条件で窒素ガスを焙炒機内に送風
し、酸素ガス濃度を測定する。酸素ガス濃度の測
定は焙炒機内の気体を10ml注射器で採取し、東レ
株式会社製ジルコニア式酸素濃度計モデルLC―
700Fにて測定した。該酸素濃度計は酸素ガス濃
度22体積%以上は測定不可能なため、上述の如く
窒素ガスを焙炒機内に送風し、酸素ガスの残存率
から空気あるいは空気とアンモニアガスの混合気
体に対する窒素ガスの置換率を算出し、次に送入
した窒素ガスを酸素ガスと仮定して、具体的には
次式により算出した。 焙炒雰囲気中の酸素ガス体積濃度(%)=焙炒雰囲気中の全気体体積濃度の総和(100%) −〔全気体体濃度(100%)−空気あるいは空気とアンモニアガス混合気体の酸素ガス体積濃度〕× 窒素送風機の酸素ガス体積濃度/空気あるいは空気とアンモニアガス混合気体の酸素ガス体積濃度 Γアンモニアガス濃度 アンモニアを含む気体10mlを注射器で採取し、
それを15mlの0.1規定硫酸水溶液に溶解し、0.1規
定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定し次式によ
つて算出した。 雰囲気中のアンモニアガス濃度g/m3=10(ml)/ガス採取量(ml)×17g(アンモニア分子量) ×{規定度×力価×硫酸水溶液量(ml)−規定度×力価×水酸化ナトリウム滴定量(ml)} ×1/1000ml Γアンモニアの吸着量 アンモニア吸着処理しないカカオ豆等をペース
ト化し、これを10倍量の温水に懸濁して、25℃で
3期定のアンモニア水にてアンモニア水添加量と
懸濁液のPH関係を求めた滴定曲線を作成してお
き、アンモニア処理したるカカオ豆等のPHを測定
することによつてこの滴定曲線よりアンモニアの
吸着量を算出した。 Γチヨコレートの調製 各実施例及び比較例に示す各種の処理方法にて
得られた各種焙炒カカオマスを用い、焙炒カカオ
マス20.0重量部、全脂粉乳20.0重量部、カカオバ
ター17.5重量部、砂糖42.0重量部、レシチン0.5重
量部から成るチヨコレートを調製した。 Γ官能試験によるチヨコレートの香味評価 チヨコレートの香味識別能力に優れた専門家パ
ネル30名にて実施した。評点はガーナ産、ベネズ
エラ産カカオ豆等好適な香味を有するカカオ豆の
通常の焙炒法により得られた焙炒カカオマスより
調製したチヨコレートと比較して香味が同程度の
ものを0、良好なもの1、非常に良好なもの2、
香味が良くないもの−1、非常に良くないもの−
2の5段階評価とた。 実施例 1 内容積100gの熱風型回転式閉回路焙炒機の回
路中に圧縮酸素ガスボンベを接続し、酸素ガスを
標準状態換算で毎分7.6導入して完全にシール
ドした熱線で加熱して焙炒機内の風温を150℃と
する。該焙炒機の回転部分にベネズエラ産カカオ
豆(PH6.0)800gを装着し、焙炒機内の雰囲気の
酸素ガス濃度は80容量%、カカオ豆品温は130℃
で19分間焙炒する。焙炒カカオ豆(PH5.8)を常
法により剥皮つづいて磨砕して焙炒カカオマスを
得た。 該焙炒カカオマスを用いて調製したチヨコレー
トの香味評価はベネズエラ産カカオ豆を通常の方
法で調製した対照品と比較して香味が強く、コク
があり、なおかつ渋味が少なくマイルドであり、
対照品の平均評点0.0に対して、本実施例のもの
は1.7の評価を得た。 実施例 2 内容積2.4gのデシケーター底部に28重量%の
アンモニア水を約200投入し、該デイケーター
中に水分4.9%のガーナ産カカオ豆を剥皮してカ
カオニブ(PH5.90)を800g収納し、25℃の室温
で30分放置した。この時、デシケーター内のアン
モニアガス濃度は300300g/m3、アンモニアのカ
カオニブへの吸着量は0.1重量%であつた。 次に、該カカオニブを熱風型回転式閉回路焙炒
機にて実施例1と同様の方法で酸素ガス標準状態
換算で毎分15.3導入し、酸素ガス85容量%の雰
囲気中で焙炒した。風温150℃、品温145℃で19分
間焙炒後、常法により磨砕して焙炒カカオマスと
した。焙炒カカオマスのPHは5.90であつた。 該焙炒カカオマスを用いて調製したチヨコレー
トの香味評価はガーナ産のカカオ豆より得たニブ
を通常の方法で調製した対照試料は平均評点が
0.0であるのに対し、本実施例は1.7であり、また
対照試料と比較して香味が強く渋味が弱くマイル
ドであるとの評価を得た。 実施例 3 水分4.7%のインドネシア産カカオ豆より調製
されたカカオニブ(PH4.80)をローラーミルにて
磨砕してカカオマスとし、内容量3の内部壁面
掻取装置付熱交換機に1.5Kg投入して、該熱交換
機ジヤケツト部に3.0Kg/cm2の蒸気を通しつつか
き取装置を200rpmで回転させて加熱処理した。
その際、底部試料取出穴から標準状態換算で0.1
Kg/m3のアンモニアガスと毎分15.3の酸素ガス
を該カカオマス中に吹込む。酸素ガスの吹込みは
カカオマスの品温が80℃以上になつてから焙炒終
了まで継続的に実施し、一方、アンモニアガスの
吹込みはカカオマスの品温が50〜86℃に上昇する
5分間と105〜120℃に上昇する7.5分間に吹込み
該カカオマス1Kgに合計32gのアンモニアを供給
し、続いて更に、品温が125℃で4分間加熱処理
しPH6.60の焙炒カカオマスを得た。この時酸素ガ
ス濃度は90容量%であつた。 該焙炒カカオマスを用いて調製したチヨコレー
トの香味評価は酸味酸臭が完全に消失し、色調も
深いダークブラウンで良好だが、強いチヨコレー
ト芳香と同時にかくし味的なナツツ臭があり、通
常のチヨコレート香味とは、やや異る独特の風味
であると評価された。実施例2の対照試料と比較
した結果、対照試料の平均評点が0.0に対して、
本実施例のチヨコレートの平均評点は0.2であつ
た。 実施例 4 ガーナ産カカオ豆(PH5.90)を剥皮、磨砕して
得たカカオマス1.5Kgを内容量3の内部壁面掻
取装置付熱交換機に投入して、該熱交換機ジヤケ
ツト部に3.0Kg/cm2の蒸気を通しつつかき取装置
を200rpmで回転させて加熱処理した。その際底
部試料取出穴に圧縮酸素ガスボンベを接続し、標
準状態換算で毎分15.3の酸素ガスを該カカオマ
ス中に吹込み、カカオマス品温が120℃で8分間
焙炒し、焙炒カカオマス(PH5.8)を得た。この
時、該熱交換機内の雰囲気中の酸素ガス濃度は90
容量%であつた。 該焙炒カカオマスを用いて調製したチヨコレー
トの香味評価はチヨコレートの色調を全く変化さ
せることなく香味が増し、コクがあり、なおかつ
渋味が少くマイルドで、対照試料の香味平均評点
0.0に対して本実施例は1.5であつた。 実施例 5 ベネズエラ産カカオ豆を剥皮し、ローラーミル
にて磨砕しカカオマス(PH6.0)とした後、油圧
式圧搾機にてカカオバターを分離し、カカオバタ
ー分22重量%の部分脱脂カカオマスを得た。次
に、該部分脱脂カカオマス100重量部にシア脂
73.3重量部を添加混合し、油分約55重量%の混合
カカオマスとした。該混合カカオマス1.5Kgを内
容量3の内部壁面掻取装置付熱交換機に投入し
て該熱交換機ジヤケツト部に3.0Kg/cm2の蒸気を
通しつつかき取装置を200rpmで回転させて加熱
処理した。その際底部試料取出穴より酸素ガス50
容量%、窒素ガス50容量%の混合気体を標準状態
換算で毎分15.3送りつつ該混合カカオマス品温
が120℃で8分間焙炒し焙炒混合カカオマス(PH
5.8)を得た。この時、該熱交換機内の雰囲気中
の酸素ガス濃度は50容量%であつた。 該焙炒混合カカオマスを用いて調製したチヨコ
レートの香味評価はチヨコレートの色調を全く変
化させることなく、香味が増し、コクがあり、な
おかつ渋味が少なくマイルドとなり、本実施例の
混合カカオマスより通常方法で得た対照試料の香
味平均評点が0.0に対し、本実施例は0.8であつ
た。 実施例 6 水分4.95%、PH4.95のインドネシア産カカオ豆
から実施例5と同様の方法で混合カカオマスを得
た。該混合カカオマス1.5Kgを内容量3の内部
壁面掻取装置付熱交換機を投入し、該熱交換機ジ
ヤケツト部に3.0Kg/cm2の蒸気を通しつつ、かき
取装置を200rpmで回転させて加熱処理した。そ
の際実施例3と同量のアンモニアと酸素ガスを該
熱交換機内に導入し、混合カカオマス品温が124
℃で8分間焙炒して焙炒混合カカオマス(PH
5.90)を得た。 該焙炒混合カカオマスを用いて調製したチヨコ
レートの香味評価は色調がチヨコレートらしから
ぬ赤茶色からチヨコレートらしいダークブラウン
にかわり、またインドネシア産カカオ豆特有の酸
味酸臭が消失し、香味が増強され、コクがあり、
渋味が少なくマイルドとなり、ガーナ産カカオ豆
を上記と同様に混合カカオマスとし通常の方法で
焙炒して得た対照試料の平均香味評点が0.0に対
して、本実施例試料では0.5となつた。 実施例 7 内容積100の熱風型回転式閉回路焙炒機の回
路中に圧縮酸素ガスボンベを接続し、酸素ガスを
標準状態換算で毎分7.6導入しつつ空気取入口
より空気を混合し、完全にシールドした熱線で加
熱して焙炒機内の風温を150℃とする。この時、
焙炒機内の酸素ガス濃度は40容量%である。該焙
炒機の回転部分にガーナ産カカオ豆(PH5.90)よ
り剥皮して得たカカオニブ800gを装着し、カカ
オニブの品温130℃で19分間焙炒する。該焙炒カ
カオニブを常法により磨砕してPH5.70の焙炒カカ
オマスを得た。 該焙炒カカオマスを用いて調製したチヨコレー
トの香味評価は通常の方法で焙炒した対照品と比
較して香味がやや強く、渋味が少なくマイルドで
あり、色調もチヨコレートらしい色調で香味平均
評点0.7の評価を得た。 実施例8〜11及び比較例1〜2 第1表に示す各種のカカオ豆又はカカオニブを
熱風型焙炒機を用いて、所定の酸素ガス濃度に調
整した16.0℃の熱風で品温145℃、19分間焙炒し
た。焙炒後磨砕して焙炒カカオマスとし、該焙炒
カカオマスを用いて調整したチヨコレートの香味
評価の結果を第1表に示す。
【表】 実施例 12〜14 第2表に示す各種のカカオ豆を25℃でアンモニ
アガス濃度300g/m3の空気中に所定時間放置し
てアンモニアを吸着させた後、熱風焙炒機で酸素
ガス濃度95容量%の150℃熱風下でカカオ豆の品
温145℃で19分間焙炒した。焙炒後磨砕して焙炒
カカオマスとし、該焙炒カカオマスを用いて調製
したチヨコレートの香味評価の結果を第2表に示
す。
【表】 第1表及び第2表の結果から明らかな如く、ベ
ネズエラ産、ガーナ産カカオ豆の如き適度の酸味
と好適なチヨコレートらしい香味、色調を有する
高級カカオ豆は本発明の方法で処理すると色調を
損うことなく適度の酸味とコクのある強いチヨコ
レート芳香と、渋味のないマイルドな味を有する
焙炒カカオマス又は焙炒混合カカオマスとなつ
た。一方、酸味が強くチヨコレート芳香に乏し
く、色調も赤茶色のチヨコレートらしからぬ焙炒
カカオマスを呈するインドネシア産、マレーシア
産、ニユーギニア産の如き低級なカカオ豆は適度
の酸味とコクのある強いチヨコレート芳香と渋味
のないマイルドな味を有し、なおかつ色調もチヨ
コレートらしい高級なカカオ豆から得た焙炒カカ
オマス又は焙炒混合カカオマスと同等か又はそれ
以上の香味色調を有する焙炒カカオマス又は焙炒
混合カカオマスが得られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 カカオ豆、カカオニブ、カカオマス又は混合
    カカオマスを40容量%以上の酸素ガスを含有する
    雰囲気中で、品温110〜150℃で焙炒することを特
    徴とするカカオ豆又はその加工品の香味改良処理
    方法。 2 カカオ豆又はカカオニブにアンモニアを吸着
    せしめた後、40容量%以上の酸素ガスを含有する
    雰囲気中で、品温110〜150℃で焙炒することを特
    徴とするカカオ豆又はその加工品の香味改良処理
    方法。 3 アンモニアの吸着量が0.05〜0.9重量%であ
    る特許請求の範囲第2項記載のカカオ豆又はその
    加工品の香味改良処理方法。 4 カカオマス又は混合カカオマスを40容量%以
    上の酸素ガスを含有する雰囲気中で、アンモニア
    を含有する気体を接触させてアンモニアを吸着せ
    しめつつ品温110〜150℃で焙炒することを特徴と
    するカカオ豆又はその加工品の香味改良処理方
    法。 5 アンモニアの吸着量が0.01〜0.35重量%であ
    る特許請求の範囲第4項記載のカカオ豆又はその
    加工品の香味改良処理方法。 6 内部壁面掻取装置付熱交換機を用いて焙炒す
    る特許請求の範囲第4項記載のカカオ豆又はその
    加工品の香味改良処理方法。
JP58099491A 1983-06-06 1983-06-06 カカオ豆又はその加工品の香味改良処理方法 Granted JPS59224653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58099491A JPS59224653A (ja) 1983-06-06 1983-06-06 カカオ豆又はその加工品の香味改良処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58099491A JPS59224653A (ja) 1983-06-06 1983-06-06 カカオ豆又はその加工品の香味改良処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59224653A JPS59224653A (ja) 1984-12-17
JPS6156975B2 true JPS6156975B2 (ja) 1986-12-04

Family

ID=14248768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58099491A Granted JPS59224653A (ja) 1983-06-06 1983-06-06 カカオ豆又はその加工品の香味改良処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS59224653A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020135906A1 (en) 2018-12-28 2020-07-02 Vestas Wind Systems A/S A lifting assembly and a method for handling a component

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006092922A1 (ja) * 2005-02-01 2006-09-08 Grapestone Co., Ltd. チョコレート及びその製造方法
JP5873017B2 (ja) 2009-07-29 2016-03-01 バリー カレボー アーゲー ココア材料の発酵のための微生物組成
JP2014503226A (ja) * 2011-01-31 2014-02-13 バリー カレボー アーゲー ココア官能特性

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020135906A1 (en) 2018-12-28 2020-07-02 Vestas Wind Systems A/S A lifting assembly and a method for handling a component
US11787667B2 (en) 2018-12-28 2023-10-17 Vestas Wind Systems A/S Lifting assembly and a method for handling a component

Also Published As

Publication number Publication date
JPS59224653A (ja) 1984-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2012218372C1 (en) Method for manufacturing ingredient for tea drink
JPS61195647A (ja) ビタ−チヨコの製法
CA1071924A (en) Process for treating partially defatted nuts
JP2011147401A (ja) コーヒー生豆の焙煎方法
JPS6447344A (en) Improvement in roasted coffee
JPS6156975B2 (ja)
JPH0131866B2 (ja)
KR20170110465A (ko) 예가체프 블렌딩 커피 로스팅방법
JPS6225013B2 (ja)
JPH0551262B2 (ja)
JP3898151B2 (ja) 焙煎コーヒー豆の製造方法
JPH046328B2 (ja)
JPH0328184B2 (ja)
KR100915249B1 (ko) 향미가 개선된 티백형 옥수수 수염차 및 그 제조방법
JP3035610B1 (ja) バニラチンキの抽出方法
JP2004267078A (ja) 生理活性物質を付加した麦茶の製造方法
JP2001231450A (ja) 高タンニン含有緑茶缶飲料の製造方法
SU1734642A1 (ru) Способ обжарки зерен кофе
JPH0750993A (ja) コーヒー豆の焙煎方法
WO2011110213A1 (en) Treatment of chicory
JPH0212553B2 (ja)
JPH0315357A (ja) 乾燥酢大豆
JPH0533016B2 (ja)
JPH0418824B2 (ja)
JP3608662B1 (ja) 醸造用大豆およびその製造法ならびに醸造調味料の製造法