JPH046328B2 - - Google Patents

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JPH046328B2
JPH046328B2 JP59239551A JP23955184A JPH046328B2 JP H046328 B2 JPH046328 B2 JP H046328B2 JP 59239551 A JP59239551 A JP 59239551A JP 23955184 A JP23955184 A JP 23955184A JP H046328 B2 JPH046328 B2 JP H046328B2
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tea
flavor
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roasting
temperature
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Tatsu Yamanaka
Tadashi Takano
Katsumi Tsunoda
Shigeru Takahashi
Yasuhiro Kashiwagi
Iwao Sugai
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Takasago International Corp
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Takasago Perfumery Industry Co
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、荒茶、荒茶屑、または各種茶製造の
副産物を、焙煎する際に発生するほうじ茶に特有
の新鮮な香味成分を、加熱による変質、空気中の
酸素による酸化的変質等を極力防止しつつ、かつ
効率的に捕集する方法に関するものであつて、こ
こに得られたほうじ茶香味成分は、茶製品に添加
してその品質の改良に用いられるほか、各種飲食
品、嗜好品に添加して香気、風味の増強に用いら
れるものである。 〔従来の技術〕 茶の香味成分は大変微妙なものであり、加熱あ
るいは空気中の酸素により容易に変質劣化を受け
るため、焙煎直後の新鮮な良質な香味の捕集はむ
つかしいとされてきた。 “Soluble Tea Production Processes”
(NICHOLAS PINTAURO著、NOYES
DATA社、1970)のp.64〜83には、紅茶の香味
成分のいくつかの回収方法が記載されている。 例えば、茶の火入れ時に発生する香味成分を捕
集する目的で、加熱空気を通気し、密閉系内で茶
の火入れ時に発生した香味を含む加熱空気を露点
以下に冷却して香味成分を捕集したのち、再び加
熱し加熱空気として循環させる方法がある。この
方法は、乾燥の熱源として多量の加熱空気を必要
とし、しかも加熱空気を直接茶葉に接触させるた
め、香味成分は熱的、酸化的変質を受けやすく、
かつ揮発性成分を効率よく捕捉しがたい欠点があ
る。 また、熱水抽出に先だち、茶葉からガス状又は
液状炭酸ガスを用いて揮発性成分と脂肪成分を分
離した後、茶葉残渣を熱水抽出し、得られた抽出
液を濃縮して、これに前段階で分離した揮発性成
分と脂肪成分を還元する方法も記載されている。
しかし、これはガス状又は液体炭酸ガスを用いる
ために耐圧容器を用いる必要があり、経済的な方
法ではない。また、濃縮時に香味成分の変質劣化
も避けがたい。 さらに、茶葉の熱水抽出液から蒸気または不活
性ガスで揮発性成分のみを分離したのち、抽出液
中の高沸点成分を減圧下で濃縮し、それに分離し
た揮発性成分を還元する方法の記載もあるが、こ
の方法でも熱水抽出時あるいは濃縮時に香味成分
の飛散あるいは変質を避けがたい。 緑茶に関しては、茶葉をエーテルで抽出後、エ
ーテルを留去した残部を減圧水蒸気蒸留する方法
〔T.Yamanishi etal:Agr.Biol.Chem.、301102
(1966)〕、製茶を粉砕後、水とともに60℃付近で
減圧蒸留する方法〔T.Yamanishi etal:Agr.
Biol.Chem.、34、599(1969)〕等が、香味成分を
検索する学問上の目的で用いられている。しか
し、これらの方法では、得られる香味水溶液は希
薄液で実用的とはいいがたく、また揮発性成分の
捕集も充分ではない。 荒茶に関しては、特開昭53−6495号公報に、荒
茶に過熱水蒸気または水蒸気を含む熱ガスを接触
してなる風味の優れた茶の製造法が開示されてい
る。しかし、ここでは過熱水蒸気または水蒸気を
含む熱ガスは、荒茶の貯蔵中に生成する不良成分
(変質臭成分)を茶製品から除去すること、およ
び茶製品の水分調整を目的として使用されてお
り、香味成分の回収を目的としたものではない。 以上のごとく、茶の香味成分を天然の良さを損
わず、かつ効率的に捕集する実用的な手段は未だ
ないのである。しかも、火入れ時に最も強い香味
が発生するにもかかわらず、効率のよい捕捉手段
はいまだ捉供されていない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 茶の香味については、揮発性香気成分と高沸点
の水溶性呈味成分の共存が重要であり、特にほう
じ茶においては、こうばしい独特の香りとタンニ
ンの爽快な渋味とうま味をもつものが好ましいと
されている。しかし、茶を熱や空気にさらすと、
その香味は著しく変化し、極めて不安定である上
に、その香味は微妙に異なる。かかる水溶性成分
が、天然のままの香味組成で単離され、人為的な
成分調整を行わずに、かつ保存に耐える安定な一
定品質の濃厚な香味として製品化され、かかる製
品を用いて飲用茶の香味の改良や菓子類に香味を
添えることは望ましいことである。しかも、既存
の製茶工場では市場価値の少ない茶の木茎部、微
粉末を含む茶屑が副産されるが、このような市場
価値の少ないものから、市場価値のあるものを製
造することは経済上重要なことである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、荒茶、荒茶屑、各種茶製造の副
産物などを焙煎する際に発生するほじ茶特有の新
鮮で好ましい香味成分を、天然のままの成分組成
を損わず、かつ効率的に濃厚な水溶液として捕集
するかにつき、鋭意研究した結果、窒素などの不
活性ガスまたは不活性ガスと少量の水蒸気の混合
ガスの気流中で、上記した荒茶などを加熱し、こ
の加熱を焙煎釜外部より間接的にしかも210℃以
下で昇温的に行なうとき、揮発性香気成分と高沸
点の呈味成分が水と共に放出され、これを5℃以
下で凝縮補集するとき、ほうじ茶に特有の好まし
い香味成分をほぼ天然のままの組成、新鮮さ、香
気を保持して回収でき、しかも人為的な成分調整
を要せず、一定品質の濃厚な香味水溶液として製
品化し得ること、さらにこの製品は、茶製品、ア
イスクリーム、菓子等に少量添加したとき、香気
の強化にとどまらず、味覚とくにほうじ茶特有の
さつぱりした渋味、うま味を強化して、その風味
を向上させることを見出し、本発明を完成した。 即ち、本発明は荒茶、荒茶屑、または各種茶製
造の副産物を、不活性ガスまたは不活性ガスと水
蒸気の混合ガスの気流中で間接加熱により210℃
以下で焙煎し、発生した香味成分を5℃以下にお
いて凝縮せしめ濃厚な香味水溶液として捕集する
ことを特徴とするほうじ茶香味成分の製造法であ
る。 ここで原料とする荒茶は、原料茶葉に熱処理を
施して酵素を失格させた後、乾燥処理して得られ
るもの、詳しくは茶葉に、茶の機械製造の一般工
程に従つて、茶熱、粗揉、揉ねん、中揉、再乾、
精揉、乾燥などの処理をほどこして得られるもの
で、一般に形が不揃いで水分含量も多く、粗
(製)茶、生茶などとも呼ばれる。本発明では荒
茶のほか、この荒茶製造の各工程から出る荒茶
屑、及び各種茶製品の仕分けの際に副産する市場
価値の少ない茶、微粉末、茶木茎などの副産物を
も使用原料として用いることができる。 本発明では、ほうじ茶の香味を発生させる熱源
として、加熱空気を直接原料に接触させることな
く、加熱は焙煎釜の壁をへだてて間接加熱によつ
て行ない、焙煎釜内の温度上昇と共に不活性ガス
又は不活性ガスと水蒸気の混合ガスの気流中で加
熱された荒茶、荒茶屑、または各種茶製造の副産
物から発生する揮発成分と高沸点成分を水溶性成
分として捕集する。 既存の茶の乾燥又は荒茶の火入れ工程は、通
常、空気又は多量の加熱空気と接触させて行なわ
れているが、このような手段を荒茶、荒茶屑、ま
た各種茶製造の副産物に適応しても、ほうじ茶香
気成分の捕集は困難であるばかりでなく、その香
気は劣化する。 本発明において、不活性ガスとしては、任意の
ものを用いることができるが、経済的な面から容
易に入手できる窒素ガスを単独又は少量の水蒸気
と混合して用いるのが好適である。荒茶1Kg当り
1〜100/分の流量の不活性ガスまたは不活
性ガスと水蒸気の混合ガスを用いるのがよく、5
〜30/分の流量の窒素ガス又は窒素ガスと水
蒸気の混合ガス気流中で焙煎するのが好ましい。
不活性ガスの流量は最低1/分が必要であつ
て、それより少いと香味成分の焙煎釜内での滞留
時間が長くなつて香味劣化の原因となり、逆に不
活性ガス流量が100/分を超えると香味成分が
凝縮せずに逃げてしまう恐れがある。 窒素ガスと水蒸気の混合ガスを使用する場合の
水蒸気の割合は1〜20モル%がよく、その選択は
原料の品質と水分含量および得られる香味水溶液
の使用目的による。例えば荒茶の品質が良い場合
は、混合ガス中の水蒸気含量を大きくすることが
できる。低品位の荒茶の場合、混合ガス中の水蒸
気の含量を大きくしすぎると、香味水溶液の収率
は増加するが、固形分濃度と香気が弱くなる。 上記のように不活性ガスをキヤリアガスとして
使用することは、過剰の熱分解や空気中の酸素に
よる酸化変質が避けられ、ほうじ茶香味成分に好
ましい香味を保有せしめることになる。 本発明においては、焙煎は210℃以下で行なう
のであり、通常の乾燥や火入れよりも高温で行な
うが、これは熱分解によりできるかぎり多量に有
効成分に変換するためである。焙煎温度が210℃
を越えた温度域で捕集される香味成分は、こげ臭
が強すぎ、ほうじ茶香味成分として不適当であ
る。しかし、室温から上昇させて最高210℃まで
の温度範囲において焙煎して得られるほうじ茶特
有の新鮮で好ましい香気と風味を有するほうじ茶
香味成分水溶液は多種の用途に適用できる。この
場合、使用する荒茶などの産地、製造法によつ
て、ほうじ茶としての好ましさ、香気、渋味、旨
味は微妙に変化するので、使用目的に応じて焙煎
の最高到達温度を210℃とし、これ以下の温度を
選定し、実施するとよい。 焙煎時間は、上記の焙煎条件下では10分〜90分
の範囲にあるが、20分〜60分で行うのが望まし
い。 香味成分の捕集については、冷却温度は低い方
が望ましい。好ましい香気成分を捕集するために
は5℃以下の温度が必要で、これを超える温度で
は香味成分の捕集が充分でない。また捕集される
香味成分は水分を含むものであるため、−5℃以
下では冷却器の伝熱面に氷が生成して冷却能力が
低下し、またガス体の系路が閉塞することがある
ので、実用上は5℃〜−5℃の温度範囲に冷却す
るのが望ましい。 本発明に使用する焙煎装置は、均一に加熱でき
る撹拌などの工夫をした焙煎釜、加熱源を含む加
熱装置、水蒸気を混合できるようにした不活性ガ
ス通気系、冷媒を含む捕集装置、計測器やコント
ローラー等からなる。実際の使用時においては、
焙煎釜に原料の適当量を仕込み、撹拌、不活性ガ
スまたは不活性ガスと水蒸気の混合ガス通気下、
捕集用容器を取付け、焙煎釜を外部より加熱して
設定温度まで上昇させていき、発生した香味成分
を捕集する。実験室規模の場合、原料、香味水溶
液等の直接接触する部所は焙煎装置のごとく一部
を除き、ガラス又はステンレスの材質が用いられ
るが、工業用装置としては、ステンレス、グラス
ライニングなどのほうじ茶製品への影響を配慮し
た材質のものを用いることが望ましい。 本発明で焙煎温度が室温から上昇させて210℃
までの温度において留出する香味成分水溶液の全
量は、通常原料仕込みの重量に対して10〜30重量
%であり、その留出量は原料の品質、含水量、不
活性ガスに含まれる水蒸気含量により調節され
る。 留出する香味水溶液は、無色〜黄色であるが、
白色ロウ状物が懸濁しており、放置すると次第に
茶特有の褐色に変化する。この香味水溶液は、PH
3〜4、酸度(クエン酸換算)0.1〜3.0%、カフ
エイン含量0.01〜0.15重量/容量%、タンニン含
量50〜300mg%、固形含量(ブリツクス)1.0〜
5.0等の性状をもつ。この留分は火入れ直後のほ
うじ茶に極めて近い新鮮な芳香を有し、その香味
は通常1000倍以上に希釈しても認知できる濃厚な
香味水溶液である。またこの留分中に含有される
ロウ状物は放置により沈殿を生成するため、香味
水溶液の使用目的により冷却静置して生成した沈
殿を別除去して用いることができる。また保存
性を高める目的で天然ビタミンE等の抗酸化剤を
添加してもよく、その香味の良さは変わらない。 本発明により得られるほうじ茶香味成分は、各
種茶製品に使用されるほか、広く飲食品、嗜好品
に使用されてその香味の強化、向上、あるいは好
ましくない香味の抑制等に役立てることができ
る。その場合の使用量はとくに制限はないが、通
常0.05〜20%の範囲で用いるのが望ましい。即
ち、このほうじ茶香味液は、缶入り茶やテイーバ
ツク式の茶製品である緑茶(玉露、てん茶、抹
茶、煎茶、番茶、ほうじ茶、玉緑茶など)、発酵
茶(紅茶など)、半発酵茶(烏竜茶、包種茶な
ど)、加工茶(団茶など)には0.1〜3%添加、玄
米茶、昆布茶、麦茶、清涼飲料水(麦茶、紅茶、
烏竜茶など)、粉末清涼飲料(インスタントテイ
ー、インスタント紅茶など)、加糖粉末茶、ふり
かけ食品(茶漬など)、そば、うどん、チユーイ
ンガム、酒類、アルコール飲料、炭酸飲料などに
は0.05〜2%添加、またアイスクリーム、氷菓、
冷菓、乳飲料、キヤンデー、和菓子などには0.1
〜3%添加して、茶独特のさつぱりとした香味の
付与、味覚の強化、向上に用いることができる。 〔発明の効果〕 本発明は比較的操作が簡便で、経済的なほうじ
茶香味成分の製造法であり、ここに得られるほう
じ茶香味成分水溶液は、過剰な熱分解や空気中の
酸素による酸化的変質が避けられたもので、極め
て天然に近いほうじ茶の香味を有し、これを茶製
品、その他嗜好品に添加するときは、香味の増強
にとどまらず、好ましい風味をも付与し、その品
質を向上させることができるので、本発明は非常
に有用な方法である。 〔実施例〕 以下に実施例および応用例をあげて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例お
よび応用例のみに限定されるものではない。 実施例 1 強力な撹拌機、窒素ガス導入口と出口、温度計
を付した1容セパラブルフラスコ(以下、単に
フラスコという)に荒茶150gを入れ、撹拌を開
始し、窒素ガスを3.9/分の流量で通気してお
く。窒素ガス出口に連結して100ml容のトラツプ
2個を直列につなぎ、共に−5℃に冷却してお
く。一方、温度調節可能な高温用シリコン油浴を
21℃に予熱調節し、210℃の恒温となつたところ
で上記フラスコを油浴中に入れ、焙煎を開始す
る。焙煎開始後、約30分してフラスコ内温が195
℃に達したとき、フラスコを油浴中から引き出
し、焙煎を終える。フラスコは簡単な送風器で冷
風を吹きつけ冷却する。その間、トラツプ中には
白色ロウ状物を含有する淡黄色の香味水溶液15.5
gが捕集された。この香味水溶液を5℃で1夜静
置して生成したロウ状物沈殿を別した後、常法
に従つて分析した結果、PH3.44、酸度(クエン酸
換算)1.168%、カフエイン含量0.0298重量/容
量%、タンニン含量121.48mg%、ブリツクス2.2
であつた。 この香味水溶液を水で300倍に希釈した試料
(試験品という)と、市販の極上ほうじ茶5gを
約95℃の熱湯150mlで1分間浸出後、放冷した試
料(ブリツクス0.3)を調製し、5名のパネルに
より香りの強さ、風味(渋味、こく味、旨味)の
強さにつき評価を行つたところ、全員一致して試
験品の方を強しとした。また、ほうじ茶らしい香
味の綜合判定を行つたところ、全員試験品の方が
すぐれているとの評価であつた。 実施例 2 本例は、香味水溶液の捕集に際し、焙煎釜内温
が室温〜120℃では窒素ガスを、121〜195℃では
窒素ガスと水蒸気からなる混合ガスを使用した例
である。 実施例1と同じフラスコに茶木茎を含む茶微粉
末150gを入れる。窒素気流は乾燥した水蒸気を
含まない窒素ガスと、水蒸気で加湿された窒素ガ
スの2種類が作られるように配管しておく。即
ち、水蒸気で加湿する場合は、乾燥窒素ガスを80
℃に保持した500ml容量の湯の中をくぐらせ、所
定量の水蒸気を乾燥窒素ガスに加える。そして窒
素ガス出口には、100ml容量のトラツプ2個を直
列に接続し、共に−5℃に冷却しておく。一方、
温度調節可能な高温用シリコン油浴を210℃に予
熱調節し、所定の温度に達した時、フラスコを油
浴につけ、焙煎を開始し、所要時間23分でフラス
コ内の温度が120℃に達する。加熱は停止するこ
となく続ける一方、水蒸気を含む熱窒素ガス(水
蒸気の含有量2.2モル%)に切換えて3.9/分の
流量でさらに37分間通気し、フラスコ内温が195
℃に達したとき、フラスコを油浴中から引き上げ
て焙煎を終了した。フラスコは簡単な送風器で冷
風を吹きつけて可及的速かに冷却する。その間、
トラツプには32.2gの白色ロウ状固形分が懸濁し
た淡黄色の香味水溶液が捕集された。香味水溶液
は5℃で1夜静置後、生成ロウ状物を別し、常
法に従つて分析した結果、PH3.24、酸度(クエン
酸換算)1.141%、カフエイン含量0.0340重量/
容量%、タンニン含量111.93mg%、ブリツクス
2.5であつた。 この香味水溶液につき、実施例1に記載したと
同様に市販の極上ほうじ茶を対照品として、パネ
ル5名で実施例1に記載したと同様の評価を行つ
たところ、香り、風味の強さ、及び香味の綜合判
定共、全員一致してこの香味水溶液の方を良しと
した。 実施例 3〜5 焙煎温度と焙煎時間を第1表に記載のように変
えた他、実施例1に記載したと同様にしてほうじ
茶香味水溶液をつくつた。その結果を第1表に示
す。
【表】 (注) *1 茶使用量に対する重量%で示す。
*2 クエン酸換算で示す。
*3 カフエインは重量/容量%で示す。
応用例 1 (ほうじ茶製品への添加例) 実施例1において使用した荒茶と同じものを常
法によりほうじ茶とし、これを対照品とした。こ
のほうじ茶100gと実施例1で得た香味成分水溶
液2gを実施例1で使用したセパラブルフラスコ
に仕込み、常温常圧で30分間撹拌してほうじ茶賦
香品を作つた。 上記のほうじ茶対照品、ほうじ茶賦香品各6g
を約90℃の熱湯200mlで1分間浸出後、60℃前後
の温湯状態でパネル10名に試飲させ、ほうじ茶と
しての香味を評価させたところ、全員一致してほ
うじ茶賦香品の方を良しとした。このことは本発
明の製品がほうじ茶の品質改良に役立つことを示
している。 応用例 2 (紅茶飲料への添加例) 紅茶1部と水・アルコール・グリセリン系溶剤
3部とを密閉型抽出釜に入れ、55℃で30分間撹拌
抽出した後、茶葉を分離過して紅茶エキスを調
製した。この紅茶エキス5gに紅茶飲料用粉末カ
ラメル0.1gを加え、さらに水を加えて1000gと
したものを対照品とし、これに実施例5で得た香
味水溶液3gを加えたものを紅茶賦香品とした。 この両者を80℃に予熱後、缶充填し、120℃で
20分間殺菌した後直ちに冷却し、室温に3日間放
置したものを評価用試料とした。評価用試料をそ
れぞれ60℃と5℃に保持してパネル15名に試飲さ
せ、紅茶飲料としてどちらの方が好ましいか、又
香味はどちらがすぐれているかを評価させたとこ
ろ、60℃保持のものでは14名が紅茶賦香品の方が
紅茶飲料として好ましく、かつ香味がすぐれてい
るとし、1名が差はなしとした。また5℃保持の
ものでは12名が紅茶賦香品の方が紅茶飲料として
好ましく、かつ香味がすぐれているとし、3名が
差はなしとした。この結果、本発明の製品である
ほうじ茶香味成分が紅茶飲料の香味の強化と共
に、飲料としての好ましさを賦与することが確め
られた。 応用例 3 (茶風味ラクトアイスへの添加例) 実施例2で得た処理残渣茶を応用例2に記載の
紅茶のかわりに使用し、応用例2に記載したと同
様にして茶エキスを調製した。この茶エキス6g
に精製やし油50g、脱脂粉乳41g、脱脱加糖練乳
70g、砂糖70g、異性化糖45g、水40g、乳化剤
3g、安定剤3gを加え、さらに水を加えて1000
gとし、常法によりラクトアイス用調製液とした
ものを対照品とし、これに実施例2で得た香味水
溶液3gを加えたものを賦香品とした。 この両者につき、オーバーラン量90のラクトア
イスをつくり、−25℃で6日間保存したものを評
価用試料とした。これをパネル15名に試食させ、
茶風味ラクトアイスとしての香味の強さと好まし
さを評価させたところ、香味の強さについては、
13名が賦香品の方が強いとし、2名が差はないと
した。また香味の好ましさについては、12名が賦
香品の方を良しとし、3名が差はないとした。こ
の結果から、本発明の製品であるほうじ茶香味成
分が茶風味ラクトアイスにおいて香味の強化なら
びに嗜好性の向上に役立つことが認められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 荒茶、荒茶屑、または各種茶製造の副産物
    を、不活性ガスまたは不活性ガスと水蒸気の混合
    ガスの気流中で間接加熱により210℃以下で焙煎
    し、発生した香味成分を5℃以下において凝縮せ
    しめ香味水溶液として捕集することを特徴とする
    ほうじ茶香味成分の製造法。
JP23955184A 1984-11-15 1984-11-15 ほうじ茶香味成分の製造法 Granted JPS61119140A (ja)

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