JPS6156571B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気記録再生装置に関し、その目的と
するところは磁気テープの走行経路を決定するテ
ープガイドを移動させることによりテープ走行に
関して記録ヘツドと再生ヘツドの相対位置関係を
選択可能とすることにより、ヘツドの個数を増や
すことなく、安価にしてマルチチヤンネル記録再
生機のシンク記録機能を得ることができるように
したものである。

現在、記録再生装置の主流となつているアナロ
グ式のテープレコーダにおいて、特に業務用等の
マルチチヤンネルタイプの重要な機能の一つにシ
ンク録音機能がある。これは例えば、チヤンネル
Ａの記録済の信号を再生しながら、別のチヤンネ
ルＢに新しい信号を記録したり、あるいは記録済
のチヤンネルの一部分を新たに記録し直したりす
る機能を言う。ここで、前者の場合はチヤンネル
ＡとチヤンネルＢとは例えば伴奏と唄というよう
に後で再生した場合、時間的なズレが生じないよ
うに完全に同期をとつて記録されなければならな
い。また後者の場合はいわゆる「パンチイン，ア
ウト」と言つて、新たに記録した部分と記録済部
分との境目前後での信号の連続性を確保すること
が重要である。そのため、従来のアナログ式テー
プレコーダでは、前記のような操作をする場合に
は記録済信号の再生を通常の再生ヘツドでは行わ
ず、記録ヘツドを再生ヘツドとして使用すること
により実現していた。

すなわち、前者の例では再生するチヤンネルの
信号を記録ヘツドで再生し、記録しようとするチ
ヤンネルはやはり記録ヘツドで記録を行う。こう
することにより、伴奏を聞きながら歌手が唄を録
音すれば、後でこのテープを再生すると、あたか
も伴奏と唄とが同時に録音されたかのように聞え
るのである。また、後者の場合は例えば、伴奏を
間違えた部分のみを再び記録し直すような時、記
録ヘツドで再生された再生音を聞きながら間違え
た個所のみ記録ヘツドを再生モードから録音モー
ドに切り換えて記録し直す。こうすることにより
信号（音楽）の連続性をそこなうことなく、間違
えた個所を修正することができる。

一方、音声等のアナログ信号をデイジタル信号
に変換して記録するデイジタル記録再生装置にお
いては、上記のようなシンク録音機能を記録ヘツ
ドを再生ヘツドとして使用することにより得るこ
とは種々の点で困難である。第１にデイジタル記
録再生装置においては、アナログ信号を一旦デイ
ジタル信号に変換し、更に同期信号や誤り検出符
号の付加等、種々の処理を行つてから記録し、再
生時にはワウフラツタの吸収処理、誤り訂正等の
処理が行われる。このため、記録時と再生時とも
処理時間を要するのが普通である。このため、再
生音を聞きながら同時に記録するといつたことは
アナログ記録では容易な処理も、デイジタル記録
再生装置では全く不可能である。

現在のデイジタル記録再生装置においては、従
来の記録ヘツド、再生ヘツドに加え、更に別の記
録ヘツドあるいは再生ヘツドを追加することによ
り、シンク記録機能を得ている。すなわち、例え
ば再生ヘツドを追加する場合は、テープ走行方向
に上流側から第１の再生ヘツド、記録ヘツド、第
２の再生ヘツドの順に配置する。通常の操作を行
う場合には、記録ヘツドで記録した信号を第２の
再生ヘツドにて再生する、いわゆる同時にモニタ
ーのモードで使用する。シンク記録を行う場合は
第１の再生ヘツドで再生した信号を聞きながら、
記録ヘツドにて新しい信号を記録する。この場
合、記録済チヤンネルと新たに記録するチヤンネ
ルとを完全にテープ上で同期させるために、第１
の再生ヘツドから記録ヘツド間の距離をテープが
走行するのに要する時間から再生データ及び記録
データの処理時間を差し引いた時間ズレ分を補正
してやる必要がある。

これは、Ｒ・Ａ・Ｍ（Random access
memory）等を用いてデイジタルデータを遅延さ
せてやることで実現できる。また、記録ヘツドを
追加する場合は、テープ走行方向に上流側から、
第１の記録ヘツド、再生ヘツド、第２の記録ヘツ
ドの順に配置する。この場合は同時モニターの時
は第１の記録ヘツドと再生ヘツドとを用い、シン
ク記録の場合は再生ヘツドと第２の記録ヘツドと
を用いる。データの同期のとり方は前記の再生の
ヘツドを追加する場合と同様の考え方で行う。し
かし、いづれの場合においても従来のアナログ式
のテープレコーダに比べ、ヘツドの個数が増える
ことは避けられない。デイジタル記録の場合、従
来のアナログ式に比較すると、テープ上に記録さ
れる信号は著しく高く、また方式によつてはテー
プ巾方向のトラツク密度も高くなつており、ヘツ
ド自体の加工も高精度が要求されるため、技術的
にもコストの面において従来のアナログ式のヘツ
ドに比較して著しく困難かつ高価なものとなつて
いるのが通例である。また、ヘツドの個数が増加
するのに伴つて、再生ヘツドからの信号あるいは
記録ヘツドへ供給する信号を扱う処理回路の規模
も増加するのは避られない。特に、再生ヘツドを
追加する場合は第１の再生ヘツドと第２の再生ヘ
ツドとのモード（同時モニター←→シンク記録）の
切り換えは、ヘツド出力が微小であるため、ヘツ
ドアンプを通して出力信号をある程度増幅した所
で行うのが普通であるから、第１、第２の再生ヘ
ツドはそれぞれ専用のヘツドアンプを持たなけれ
ばならない。このように、従来のデイジタル記録
再生装置においてシンク記録機能を得るために
は、ヘツド及びその周辺処理回路が増大し、特に
コスト面で非常に高価なものとなる欠点があつ
た。

本発明は特にデイジタル記録再生装置において
ヘツド個数及び回路規模を増すことなく、テープ
走行路を選択的に変化することにより、ヘツド位
置を切換えて安価にシンク記録機能を得ようとす
るものである。以下本発明の一実施例について図
面とともに説明する。

１は供給リール台、２は巻取リール台であり、
３は前記両リール台、１，２に巻回されたテープ
である。

４は再生ヘツド、５はその再生ヘツド４の前方
に設けられた記録ヘツド、６ａ，６ｂは前記再生
ヘツド４の両側に設けられ、該再生ヘツド４にテ
ープ３を一定角巻付けるための固定されたテープ
ガイド、７ａ，７ｂは前記記録ヘツド５の両側に
設けられ、該記録ヘツド５にテープ３を一定角巻
付けるための固定されたテープガイドである。

８ａ，８ｂは支持部材９上に建止された可動可
能なテープガイドで、該支持部材９は基部が軸１
０，１１により回動可能に支持された回動部材１
２，１３のそれぞれの先端部にテープガイド８
ａ，８ｂの中心部で回動可能に連結されており、
これにより回動部材１２，１３を回動させること
により支持部材９とともにテープガイド８ａ，８
ｂは基板等に形成されたガイド孔１４の中を移動
して第１図の状態と第２図に示す位置をとるよう
になつている。

前記回動部材１２，１３はモータ等の駆動装置
１５により回動制御されるようになつており、駆
動装置１５への制御信号により回動部材１２，１
３は時計方向あるいは反時計方向に選択的に回動
される。

以上のような構成からなり、いまテープガイド
８ａ，８ｂが第１図に示す位置にある場合、テー
プ３は供給リール台１から再生ヘツド４，テープ
ガイド８ａ，記録ヘツド５，テープガイド８ｂ，
巻取リール台２に巻取られる。したがつてテープ
３の走行に関して再生ヘツド４が上流側，記録ヘ
ツド５が下流側となる。

一方、駆動装置１５により回動部材１２，１３
を時計方向に回動し、テープガイド８ａ，８ｂが
左方へ移動された第２図の状態では、テープ３は
供給リール台１からテープガイド８ａ，記録ヘツ
ド５，テープガイド８ｂ，再生ヘツド４，巻取リ
ール台２に巻取られる。したがつてこの場合はテ
ープ３の走行に関して記録ヘツド５が上流側，再
生ヘツド４が下流側となる。

以上のような本発明によれば、駆動装置により
テープガイドを移動させるだけでテープ走行に関
して再生ヘツドを上流側，記録ヘツドを下流側、
または記録ヘツドを上流側，再生ヘツドを下流側
とすることができるため、シンク記録が容易に可
能となるものである。

なお、再生ヘツド４と記録ヘツド５の位置は相
互に入れ換えられても同様である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す上面図、第２
図は同他の動作状態の上面図である。 ３……テープ、４……再生ヘツド、５……記録
ヘツド、８ａ，８ｂ……テープガイド、１２，１
３……回動部材、１８……駆動装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 記録ヘツドと、再生ヘツドと、テープの走行
   経路を規制するテープガイドと、制御信号により
   前記テープガイドを移動させるテープガイド駆動
   機構とを設け、該テープガイド駆動機構の動作に
   より、前記テープガイドによつて規制されるテー
   プ走行経路をテープ走行に関して上流側に記録ヘ
   ツド、下流側に再生ヘツドとなるテープ走行経路
   と、上流側に再生ヘツド、下流側に記録ヘツドと
   なるテープ走行経路とに選択的に切り換えるよう
   にしたことを特徴とする磁気記録再生装置。