JPS6215887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープ状記録媒体再生装置に係り、磁
気テープの正方向走行再生時及び逆方向走行再生
時のいずれかの場合にでも高精度にテープ走行速
度制御し得る再生装置を提供することを目的とす
る。

従来、テレビジヨン信号を磁気テープに記録
し、再生するテープ状記録媒体再生装置として
は、カセツトケースより磁気テープを引出してビ
デオヘツドを設けられた回転ドラムを含むテープ
走行路にローデイングせしめて記録、再生するカ
セツト式や、オープンリールから磁気テープを回
転ドラムに巻回して記録、再生するオープンリー
ル式等がある。これらの装置では、一般に、通常
のノーマル速度再生の他、正転高速再生や逆転高
速再生等の特殊再生も行ない得、特に、高速再生
では、ピンチローラをキヤプスタンから離間さ
せ、テープを一方のリール（正転時には巻取側リ
ール、逆転時には供給側リール）の回転のみによ
つて巻取つて高速走行させることが行なわれる。

ところで、これらの装置は、一般に、回転ドラ
ムと巻取側リールとの間或いは回転ドラムと供給
側リールとの間のテープ走行路に設けられたコン
トロール信号再生ヘツド（以下、コントロールヘ
ツドという）にて磁気テープに記録されているテ
ープ走行速度制御用コントロール信号を再生し、
テープ走行速度が一定になるように、ノーマル速
度再生時にはキヤプスタンモータの回転を、高速
再生時には一方のリールモータの回転を夫々制御
する。

このような従来の装置には、コントロールヘツ
ドは一般に１個しか設けられておらず、例えば、
回転ドラムと巻取側リールとの間のテープ走行路
に設けられているものでは、コントロールヘツド
と巻取側リールとの間のテープ走行距離がコント
ロールヘツドと供給側リールとの間のテープ走行
距離に比して短かいため、正転高速再生時、巻取
側リールの巻取り力（テープテンシヨン）の変化
がコントロールヘツドに伝達されるのに比較的迅
速であり、これにより、巻取側リールの巻取り力
の変化（結果的にはテープ走行速度の変化とな
る）が迅速にテープ走行速度制御サーボ系に伝達
され、高精度に速度制御し得、特に問題はない。
然るに、逆転高速再生時、コントロールヘツドと
供給側リールとの間のテープ走行距離が長いた
め、供給側リールの巻取り力（テープテンシヨ
ン）の変化がコントロールヘツドに伝達されるの
が比較的遅く、これにより、供給側リールの巻取
り力の変化（結果的にはテープ走行速度の変化と
なる）が迅速にテープ走行速度制御サーボ系に伝
達されず、高精度に速度制御し得ず、ワウ・フラ
ツタを生じ、この結果、特に、ビデオヘツドを回
転ドラム軸方向に上下動させてテープの既記録信
号のうちのインヒビツトラインを跨いで高速再生
するタイプ（ヘツドムービング機構付再生装置）
のものにおいてはトラツキング制御に悪影響を及
ぼし、画像に乱れを生じる等の欠点があつた。

なお、ノーマル速度再生時のテープ走行速度は
高速再生時のそれに比して遅いため、上記理由に
よつて生じるワウ・フラツタはある程度許容さ
れ、実質上問題はない。

本考案は上記欠点を除去したものであり、以下
図面と共にその一実施例について説明する。

第１図及び第２図は夫々本考案になるテープ状
記録媒体再生装置の一実施例の概略平面図及びそ
の高速再生時の動作説明用ブロツク系統図を示
す。同図において、ビデオヘツドを設けられた回
転ドラム１と巻取側リールデイスク２との間のテ
ープ走行路の所定位置にテープガイド３、音声信
号消去ヘツド４、コントロールヘツド５、キヤプ
スタン６及びピンチローラ７等が夫々取付けられ
ている一方、回転ドラム１と供給側リールデイス
ク８との間のテープ走行路の所定位置にテープガ
イド９及び全幅消去ヘツド１０等が取付けられて
いる。以上の構成は従来装置と同じである。

１１は補助コントロールヘツドで、モード切換
スイツチ（図示せず）の操作により、ノーマル速
度再生時はテープ走行路から離される一方、高速
再生時は図示のように磁気テープ１２に当接され
るように変位自在にドラム１と供給側リールデイ
スク８との間のテープ走行路に設けられている。
補助コントロールヘツド１１は、後述のように逆
転高速再生時のみに用いられるもので、本考案の
要部をなす。

ノーマル速度再生時、ノーマル速度再生スイツ
チ（図示せず）の操作により、ローデイングアー
ム（図示せず）が変位され、テープ１２はカセツ
トケース（図示せず）から引出されてテープ走行
路にローデイングされ、ドラム１に添接される一
方、ピンチローラ７はキヤプスタン６に当接さ
れ、補助コントロールヘツド１１は図中左方向に
変位してテープ走行路から離される。この状態
で、テープ１２はピンチローラ７及びキヤプスタ
ン６により図中右方向へ送られて巻取側リールデ
イスク２に巻取られる。この際、ドラム１は第２
図中ドラムサーボ回路１３の動作によつて30Hzで
回転するように制御され、ドラム１の回転によつ
てとり出される信号によりフリツプフロツプ１４
からビデオヘツドの回転に同期したドラムパルス
がとり出されてキヤプスタンサーボ回路１５に供
給される。

一方、コントロールヘツド５にて再生されて入
力端子１６に入来した再生コントロール信号はス
イツチ回路１７を介してキヤプスタンサーボ回路
１５に供給され、フリツプフロツプ１４からのド
ラムパルスと位相比較される。これにより、キヤ
プスタンサーボ回路１５から位相比較誤差電圧が
とり出されてキヤプスタンモータ１８に供給さ
れ、テープ１２が一定速度で走行するようにモー
タ１８の回転数を制御する。この時、リールモー
タ１９は切換スイツチ２０を介してリールモータ
駆動回路２１からの電圧を印加されて回転されて
おり、巻取側リールデイスク２はアイドラ２２を
介してリールモータ１９からの回転を伝達されて
回転される。

次に、高速再生の動作について第３図示の回路
を併せて説明する。

正転高速（９倍速）再生する場合、正転高速再
生スイツチ（図示せず）を操作すると、ピンチロ
ーラ７がキヤプスタン６から離れると共に、テー
プ１２が第１図示の位置にローデイングされ、補
助コントロールヘツド１１がテープ１２に当接さ
れ、又、アイドラ２２が巻取側リールデイスク２
に当接される。これと同時に、端子２３は電圧レ
ベル零とされ、これにより、速度検出回路２４の
基準周波数、ゲインアンプ２５のゲイン、分周器
２６の分周比、単安定マルチバイブレータ（モノ
マルチ）２７の遅延時定数、スイツチ回路１７、
極性反転スイツチ３０、切換スイツチ２０の可動
接片が夫々正転高速再生側に切換えられる。一
方、正転高速再生の場合、テープ１２とビデオヘ
ツドとの相対速度が低下して水平走査周波数が例
えば4.6％低下するため、これを防止するために
ドラム１はドラムサーボ回路１３の切換えにより
この分だけ速く回転される。

コントロールヘツド５にて再生され端子１６に
入来した再生コントロール信号は、スイツチ回路
１７を介して速度検出回路２４に供給されて９倍
速再生時の基準周波数と比較され、速度検出回路
２４より速度誤差信号がとり出されてゲインアン
プ２５にて増幅されてミキサ２８に供給される。
一方、再生コントロール信号は分周器２６にて1/
９に分周され、モノマルチ２７にて最適トラツキ
ングになるように所定時定数を以て遅延され、位
相比較器２９にてフリツプフロツプ１４からのド
ラムパルスと位相比較されて位相誤差信号がとり
出されてミキサ２８に供給され、速度誤差信号と
混合される。ミキサ２８にて混合されてとり出さ
れた誤差信号はスイツチ３０，２０を介してモー
タ駆動電圧としてリールモータ１９に供給され、
テープ１２が一定速度で走行するように巻取側リ
ールデイスク２の回転を制御する。なお、スイツ
チ回路１７は端子１６側に切換えられているた
め、補助コントロールヘツド１１で再生されたコ
ントロール信号は速度検出回路２４及び分周器２
６に供給されない。

この際、正転であるために巻取側リールデイス
ク２の巻取力が変化している。この変化は巻取側
リールデイスク２側にあるコントロールヘツド５
にて再生コントロール信号の周期変化として検出
されるため、迅速に速度制御系に伝達され、高精
度にテープ走行制御し得る。

一方、逆転高速（７倍速）再生する場合、逆転
高速再生スイツチ（図示せず）を操作すると、正
転高速再生時と同様に、ピンチローラ７がキヤプ
スタン６から離れると共に、テープ１２が第１図
示の位置にローデイングされ、補助コントロール
ヘツド１１がテープ１２に当接され、又、アイド
ラ２２が供給側リールデイスク８に当接される。
これと同時に、端子２３の電圧レベルは＋Ｖ_ccと
され、これにより、速度検出回路２４の基準周波
数、ゲインアンプ２５のゲイン、分周器２６の分
周比、モノマルチ２７の遅延時定数、スイツチ１
７，３０，２０の可動接片が夫々逆転高速再生側
に切換えられる。一方、逆転高速再生の場合、テ
ープ１２とビデオヘツドとの相対速度が増加して
水平走査周波数が例えば4.6％増加するため、こ
れを防止するためにドラム１はドラムサーボ回路
１３の切換えによりこの分だけ遅く回転される。

逆転高速再生時、スイツチ回路１７は端子３１
側に切換えられている。補助コントロールヘツド
１１にて再生され端子３１に入来した再生コント
ロール信号は、速度検出回路２４に供給されて７
倍速再生時の基準周波数と比較され、速度誤差信
号はゲインアンプ２５を経てミキサ２８に供給さ
れる一方、分周器２６にて1/7に分周され、モノ
マルチ２７にて最適トラツキングになるように遅
延された後位相比較器２９において位相比較誤差
信号とされ、ミキサ２８にて速度誤差信号と混合
される。ミキサ２８の出力信号はスイツチ３０，
２０を介してリールモータ１９に供給され、テー
プ１２が一定速度で走行するように供給側リール
デイスク８の回転を制御する。

この際、逆転であるために供給側リールデイス
ク８の巻取力が変化している。この変化は供給側
リールデイスク８側にある補助コントロールヘツ
ド１１にて再生コントロール信号の周期変化とし
て検出されるため、逆転高速再生時にも正転高速
再生時と同じコントロールヘツドにてコントロー
ル信号を再生している従来のものに比して迅速に
速度制御系に伝達され、高精度にテープ走行制御
し得る。

なお、第３図中、R₁及びR₂は夫々正転高速時
及び逆転高速再生時のモノマルチ２７の遅延時定
数決定用の抵抗であり、R₃及びR₄は夫々正転高
速時及び逆転高速再生時の速度検出回路２４の基
準周波数決定用の抵抗である。

３２はプランジヤ駆動回路で、逆転高速再生
時、プランジヤ３２ａを駆動させて供給側リール
デイスク８のテンシヨンブレーキを解除するため
のものである。３３は時定数回路で、高速再生時
（正転及び逆転）端子３３ａに印加される電圧を
所定時定数を以て立上らせ、急にリールモータ１
９に電圧が印加されないようにし、テープ１２に
無理な力が加わらないようにするためのものであ
る。３４はチエツク端子で、２２よりとり出され
た信号をオシログラフ等に供給し、端子１４ａに
入来するドラムパルスとモノマルチ２７の出力端
子２７ａからの信号との位相関係をチエツクす
る。

なお、本考案は第１図に示す如きテープをカセ
ツトケースよりローデイングアームにて引出して
テープ走行路にローデイングさせるカセツト式の
装置にのみ適用されるものではなく、オープンリ
ール式の装置にも同様に適用し得る。

又、本考案は前記ヘツドムービング機構付再生
装置以外の装置にも適用できることは勿論であ
る。

上述の如く、本考案になるテープ状記録媒体再
生装置は、回転ドラムと他方のリールとの間のテ
ープ走行路に補助コントロールヘツドを設け、テ
ープの正方向走行再生時及び逆方向走行再生時に
おいて一般のコントロールヘツドからの再生コン
トロール信号と補助ヘツドからの再生コントロー
ル信号とをテープ走行速度制御回路に切換えて供
給する回路を設けたため、テープの正方向走行再
生時は一般のコントロールヘツドからのコントロ
ール信号を用い、一方、逆方向走行再生時は補助
コントロールヘツドからのコントロール信号を用
い得、これにより、テープをどちらの方向に走行
させた時にでもテープを巻取る側のリールの巻取
力をそのリールの側にあるコントロールヘツドに
直接伝達し得、即ち、テープ走行速度の変化を巻
取力の変化する側のコントロールヘツドにて検出
しているため迅速に検出し得、このため、テープ
の正方向走行再生時及び逆方向走行再生時いずれ
の場合でも１つのコントロールヘツドにてコント
ロール信号を再生していた従来の装置に比して高
精度に走行速度制御し得、ワウ・フラツタを生じ
ることはなく、特に、ヘツドムービング機構付再
生装置の高速再生ではトラツキング制御を確実に
行ない得、鮮明な画像を得ることができる等の特
長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例の概略平面図、
第２図は第１図示の装置における高速再生時の動
作を説明するためのブロツク系統図、第３図は第
２図示のブロツク系統図の要部の具体的回路図で
ある。 １……回転ドラム、２……巻取側リールデイス
ク、５……一般のコントロールヘツド、８……供
給側リールデイスク、１１……補助コントロール
ヘツド、１２……磁気テープ、１６……正転時再
生コントロール信号入力端子、１７……スイツチ
回路、１９……リールモータ、２０，３０……ス
イツチ、２３……正転、逆転切換信号入力端子、
２４……速度検出回路、２６……分周器、２８…
…ミキサ、２９……位相比較器、３１………逆転
時再生コントロール信号入力端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビデオヘツドを設けられた回転ドラムと一方の
   磁気テープリールとの間の磁気テープ走行路に磁
   気テープ走行速度制御用コントロール信号の記
   録、再生に用いられる一般のコントロールヘツド
   を設けられたテープ状記録媒体再生装置におい
   て、該回転ドラムと他方の磁気テープリールとの
   間の磁気テープ走行路に該一般のコントロールヘ
   ツドとは別の補助コントロールヘツドを設け、該
   磁気テープの正方向走行再生時及び逆方向走行再
   生時において該一般のコントロールヘツドからの
   再生コントロール信号と該補助コントロールヘツ
   ドからの再生コントロール信号とを磁気テープ走
   行速度制御回路に切換えて供給する回路を設けて
   なるテープ状記録媒体再生装置。