JPS6155277A - インクジエツト染色用布帛およびその染色法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はシャープで鮮明なプリント画像をインクジェッ
ト方式により付与し得る布帛に関するものである。

（従来技術） 従来、布帛に図柄を形成する方法として、手捺染、ロー
ラ捺染、スクリーン捺染、転写捺染が採用されて来たが
、いずれも予め図柄を形成したスクリーン、彫刻ローラ
、転写紙を用意しておくことが必要であり、この方法で
は経済的な点のみならず、ファッションの多様化してい
る今日に要求される多種多様性、少量生産性ならびに即
時プリント性（スピード）を満足することはできない。

近年、紙の印写分野でインクジェットによる印写方式が
発達し、一部で実用化されている。インクジェット方式
による図柄形成は、図柄読取りＭ構やコンピューターと
組合せることにり、時間と費用をかけることな（形成可
能である点で、４）Ａｌｔ１分野でも注［１を集め、そ
のままイ１１帛類に適用する試みがイ【されている。た
とえば特開昭５４−１８９７５号がある。

しかし、この方法を適用しても、布帛は紙と異り、吸水
性のレベルがまちまらであり、かつ繊維組織や編織組織
の方向性や空隙があるため、染料インクがタテ、ヨコ方
向へニジみ、鮮明な図柄がｉＵＩられない。かかる欠点
を改善するために被印写イ［帛を予め加熱したり、該布
帛を加熱しながら染液をイリ与する方法など、乾燥を迅
速化する方法も提案されているが、かかる方法だけでニ
ジミを防止することはそれほど期待できない。またイン
クの粘度を上げることも考えられるが、インクジェット
ノズルからインクを飛翔させるための粘度は、たとえば
通常の捺染で使用するようなペーストの粘度では到底使
えず、極めて低粘度のものしか実用性がない。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明はインジェット方式による染色において、ニジミ
がなく、シャープで鮮明な図柄を形成し得る布帛Ｊ５よ
びそれを用いた染色法を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） （リ　布帛素材に染着させる染料に対して実質的に非染
着性である化合物を、該布帛素材に対して０．１〜５０
ｉｉ　ｆｆ１％含有することを特徴とするインクジェッ
ト染色用布帛。

（２）　　染料に対して非染着性である化合物が水溶性
高分子、水溶性塩類ならびに水不溶性態ｖ１微粒子の群
から選ばれた１１以上である特許請求の範囲第（１）項
記載のインクジェット染色用布帛。

（３）　　染料に対して非染着性である化合物を、布帛
に０．１〜５０重量％含有せしめた後、インクジェット
方式により染料インクを付与し、次いで固着熱処理した
後、該化合物を洗浄除去することを特徴とするインクジ
ェット染色法。

（４）　　染料に対して非染着性である化合物が水溶性
高分子、水溶性塩類ならびに水不溶性態ａ微粒子の群か
ら選ばれた１種以上である特許請求の範囲第（３）項記
載のインクジェット染色法。

本発明の特徴は、布帛のインクジェット染色において致
命的な欠点とされていた図柄のニジミを効果的に防止す
る点にある。

布帛の染色は繊維に染料が単に吸収されるのではなく、
染符するという点で紙の場合と大きな差異・がある。

たとえば特開Ｄａ　５５−１４６７８６号や特開昭５７
−７０６９１号などの例では、紙に水溶性高分子を塗布
して、支持体上に水溶性高分子層を形成せしめ、この高
分子層にインクを染着する技術を開示している。

すなわち、紙の場合のインクジェットでは、インクは高
分子層に染着させるものであり、染料を＆！１雑に直接
染＠♂しめる布帛の染色とは全く染着機構が相違するも
のである。

本発明者らは、かかる染着機構について検討したところ
、特定な化合物を布帛に含有せしめると、それに染料イ
ンクが吸収されてニジミや拡散が抑制され、しかも該化
合物が非染着性なので固Ｊ４時に染料が布帛に移行する
ことを究明し、濃色で鮮明な画像を得ることを見出した
ものである。

本発明でいう布帛とは、織物、編物、不織布をいう。素
材としては特に限定がなく各種の合成繊維、天然繊維、
これらの混用品などすべての繊維素材を適用することが
できる。

本発明でいうインクジェット法としては、液滴を飛翔さ
せて染着するものであれば、いずれの方式であってもよ
いが、代表的なものとしては、り１）　　加圧振動型、
（２）　　静電加速型、（３）　　圧力パルス型などが
ある。なかでもインク吐出ｍ１ｆｉ’ｌｔ更できるｉｌ
！Ｉを有するものが好ましく適用される。

インク成分としては、布帛に対し染Ｍ）Ｉ能な染料を含
有するものが必要であり、酸性染料、カチオン染料、反
応性染料、分散染料、バット染料などが用いられる。イ
ンクはそれぞれのインクジェット方式に適したインク設
計とすればよいが、環境上および布帛へのニジミの点か
ら水性インクが好ましく適用される。かかるインクには
必要に応じて物性調整剤（粘度、表面張力、電Ｓ瓜、ｐ
Ｈなどの調整）、防黴剤、殺菌剤、酸素吸収剤、キレー
ト化剤、インク乾燥防止剤などの添加剤を配合される。

特に、インク乾燥防止剤はインクジェットノズルでのイ
ンクづまりを防止する作用を有するもので、たとえば、
グリコール、グリフールエーテルなどの多価アルコール
類、アミド類、ピロリドン類などの高沸点有機溶剤など
が適用される。

かかるインクはそのまま繊維製品に適用してもニジミや
拡散が著しく画像が不鮮明になり商品的価ｈａがない。

本発明では、適用されるインクを構成する染料に対して
非染着性である化合物を布帛に含有せしめるものである
が、かかる化合物は使用するインクに対応して変更され
なければならない。′たとえば、布帛を構成する繊維が
ポリエステルである場合はインクは分散染料を用いて構
成される。したがって、かかるインクに非染着性の化合
物として、たとえば水溶性高分子、水溶性塩類、水不溶
性の無機微粒子などが選択される。

布帛を構成する繊維素材が羊毛、絹、ナイロン、綿、レ
ーヨンなどアニオン性染料可染素材の場合は染料として
、酸性染料、直接染料などアニオン性染料が適用される
。かかる７ニオン性染料は繊維中の７ミノ基などの塩基
性成分とイオン結合して染着するものであり、したがっ
て、ゼラチンやカゼインなど塩基性成分を有する高分子
には該染料の染着がおこり、繊維への染着が阻止される
。

したがって、この場合の非染着性化合物としては塩基性
成分を含有しない化合物が選択される。

また、アクリル系繊維やカチオン可染ポリエステル系繊
維などカチオン性染料で染色される繊維で構成された布
帛の場合は、繊維中−のカルボン酸暴やスルホン酸基な
どの酸性成分とカチオン性染料がイオン結合して染着す
る。したがって、この場合には、アルギン酸ナトリウム
など酸性基を含有する高分子ではカチオン性染料の繊維
への染着が阻止される。したがって、かかる酸性成分を
含有しない化合物が非染着性化合物として選択される。

また、綿、羊毛などのセルロース繊維を反応染料で染色
する場合には、反応染料はセルロースとの反応で染首ツ
る。したがってこの場合には、セルロースまたはメチル
セルロースなどを含有する水溶性高分子では反応染料の
繊維への染着が阻止される。したがってかかるセルロー
ス成分を含有しない化合物が非染着性化合物として選択
される。

かかる非染着性化合物としては各種のものがあげられる
が、処理の容易性の点から勘案すると、水溶性のものが
好都合であり、たとえば水溶性高分子や水溶性塩類など
があげらる。しかしながら分散染料にもイオン性染料に
も染着しないものとして水不溶性烈鵬微粒子があげられ
る。本発明ではかかる化合物の他にもインクに対して非
染着性であれば適用可能であり、特に限定する必要はな
い、。

かかる化合物の具体例をあげる。

水溶性化合物の典型的４１例としては、天然水溶性高分
子と合成水溶性高分子、水溶性塩類などがある。

天然水溶性高分子としては、たとえば甘藷、馬鈴薯、ト
ウモロコシ、小麦、などのデンプン物質、カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロースなどのセルロース系物質、アルギン酸ナトリ
ウム、アラビヤゴム、ローカスイトビーンガム、トラガ
ントガム、グアーガム、タマリンド種子などの多糖類、
ゼラチン、カゼインなどの蛋白質物質、タンニン系物質
、リグニン系物質などがある。

合成水溶性高分子としては、たとえばポリビニルアルコ
ール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、アク
リル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系水溶性高分子
などがおる。なかでも多糖類系高分子、セルロース系高
分子が好ましい。

水溶性塩類としては、たとえば、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属のハロゲン化物のように、典型的なイオン結
晶をつくるものであって、ｐＨ４〜１０である化合物が
あげられる。かかる化合物の代表的な例としては、たと
えばアルカリ金属では、Ｎａ　Ｏｎ、Ｎａ　２８０４　
、ＫＣｕ、ＣＨ３Ｃｏ。

Ｎａなどががあげられ、またアルカリ土類金属としては
、Ｃａ　ＣＱ　２　、ＭｇＣＱ２などがあげられる。な
かでもＮａ、Ｋ、Ｃａの塩類が好ましい。

水不溶性然別微粒子としては、たとえばｚｎｏｌＳ　＋
　０２　、Ｃａ　ＣＯ３、Ｂ　ａ　Ｓ　Ｏ４、ＴＩ　Ｏ
２、八　〇、（０ト（）　　３　、　　Ｆｅ　　　２０
３　　、　　Ｃａ　　　ｏ、　　　Ｋ２Ｏ。

り゛イ酸アルミニウム塩など、更に天然の粘土物質、た
とえば、ベントナイト、珪藻土、活性白土、カオリン、
タルク、モンモリロナイトなどがあげられる。なかでも
粘土物質が好ましい。

これらの非染着性物質は１１１独または１秤以上９１用
して用いることができる。

本発明は適用する染料に対して非染着性である化合物を
選択することが！ｎ要である。この非染着性化合物は発
色後布帛の風合硬化や、染料や布帛の変色など悪影響を
与えない場合は別として、通常は洗浄除去されるのが好
ましく、したがって通常の洗浄によって除去可能なもの
を選択するのが好ましい。

かかる非未着性物質はパッド法、スプレー法、浸漬法、
コーディング法、インクジェット法などの付与手段によ
り布帛に含有せしめる。

布帛に対する非染着性化合物の含有ｍは、通常０．５〜
５０％ｏｗｆ、好ましくは１〜２０％ｏｗｆである。

０．５％ｏｗｆ未満ではニジミ防止効果がほとんどなく
、また５０％ｏｗｆを越えて含有せしめてもニジミ防止
効果は飽和に達しており、それ以上の改善効果がないば
かりか、逆に布帛の風合硬化、変褪色や染料の色相変化
などの欠点が生ずる。

（実施例） 実施例１〜３、比較例１〜２ ポリエステ９系ｍｌｆｆ１からなる加工糸織物を用意し
、分散染料に対して非染着性であるアラビアゴム（実施
例１）、ＮａＣＱ（実施例２）、モンモ、リロナイト（
実施例３）のそれぞれを１００／Ｉの水溶液にして、こ
れらを上記織物にパッドして、ａ　ｆｌ類のインクジェ
ット用布帛を作成した。

比較として、未処理のもの（比較例１）と、ポリウレタ
ン１０ｇ／Ｉのエマルジョンをパッドしたもの（比較例
２）を用意した。

なお、パッド絞り率は６２％、乾燥条件は１００℃×１
０分間であった。

これらの布帛を下記条件で染色した。

１、インク調製 Ｔｅｒａｐｒｉｎｔ　　３１ａｃｋ　　２　Ｒ１０部（
チバ・ガイギー社！ＩＩ：分散染料）グリセリン　　　
　　　　　　　　２０部イオン　換水　　　　　　　　
　　　７０部合計　　　　　　　　　　　　　　１００
部粘０　　　　　５，５ｃｐｓ 表面張力　　　４８．５ｄｙｎ　／ｃ＋＋（液温：２５
℃）■、インクジェット染色 （リインクジエツト方式：オンデマンド型（２）ノズル
径　　　　　＝６０μ （３）ノズルと織物の距離＝１１１１１１（４）印加電
圧　　　　　＝４０ｖ インクジェットでインクを付与したものは、次いで湿熱
１８０℃×１０分間固着し、発色させた後、還元洗浄し
た。

染色品の拡散度、ニジミ性、鮮明性、色濃度（Ｌ値）に
ついて評価した。結果を表１に示した。

表　　１ 表中 拡散ｆｌｔ：飛翔中のインク液滴の径に対する布帛上で
のドツト径の比率であり、数値が小さい程、インクのニ
ジミが小さく良好であることを示す。

ニジミ性：肉眼へ判定した。

鮮明性：肉眼で観察した時の図柄のシャープさで判定し
た。

Ｌ値：スガ試験機（株）デジタル測色々差計により測定
した値で、濃色はど小さい値である。

表１の結果から、比較例１の未処理の通常の布帛は拡散
度が大きく、ニジミ性も大きく、縦横ににじみ、図柄が
ボヤケたものであった。また、分敗染料に対して親和性
のあるポリウレタンを用いた比較例２の布帛は染料がウ
レタンに染着し、繊維へ染料が染着する債が極めて少な
く、発色性は若しく低下したものであった。

これに対し、本発明のインクジェット用に改良した布帛
は拡散度もニジミ性もなく１ｍ色で鮮明な図柄を呈した
。

実施例４〜６、比較例３〜４ 布帛として絹織物を用い、酸性染料に対する非染谷性化
合物として、ポリビニルアルコール（実施例２＞、Ｃａ
　Ｇａ４（実施例３）、ベントナイト（実施例４）を用
い、これらのそれぞれを１０Ｑ／１水溶液にして、絞り
率６２％でパッドし、１００℃×１０分間屹燥した。

比較として、未処理のものく比較例３）と、酸性染料に
対して親和性を有するゼラチン１０！ＩＩ／１の水溶液
を用いて上記と同一条件でパッド処理したものを用意し
た。

インクジェットに用いるインクとして、次のインクを調
製した。

Ｃ，１，ＡＣｉｄ　Ｂｌａｃｋ　　１　　　　　１０部
（酸性染料） グリセリン　　　　　　　　　　　２０部イオン　換水
　　　　　　　　　　　７０部合計　　　　　　　　　
　　　　　１００部インクジェット処理は実施例１と同
一に行った。

インク付与後の処理品は湿熱１００℃ｘ３０分間固着、
発色した、さらに海面活性剤で洗浄した。結果を表２に
示した。

表　　２ 表２のように、比較例３（未処理の通常の絹織物）は濃
色に染色されるが、拡散度もニジミ性も大きくて図柄が
不鮮明であった。比較例４（ゼラチン）は拡散度もニジ
ミ性も小さくすぐれているが、染料の繊維への染着■が
少なく、染色布帛の色ｆｉＩ度が著しく低下したものし
か得られなかった。

これに対して、実施例４〜６のものは、いずれも濃色で
、拡散度、ニジミ性も小さく、シャープな図柄が形成さ
れた。

（本発明の効果） 本発明のインクジェット染色用布帛は濃色に、かつ拡散
もニジミもなく染色されるので、図柄がシ１／−プ性な
高級捺染品を１ひることが、できる。特に通常染色しに
くいポリエステルのような疎水性の繊維からなる布帛を
素材にする場合にずぐれた効果を発揮する。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）布帛素材に染着させる染料に対して実質的に非染
   着性である化合物を、該布帛素材に対して０．１〜５０
   重量％含有することを特徴とするインクジェット染色用
   布帛。
2. （２）染料に対して非染着性である化合物が水溶性高分
   子、水溶性塩類ならびに水不溶性無機微粒子の群から選
   ばれた１種以上である特許請求の範囲第（１）項記載の
   インクジェット染色用布帛。
3. （３）染料に対して非染着性である化合物を、布帛に０
   ．１〜５０重量％含有せしめた後、インクジェット方式
   により染料インクを付与し、次いで固着熱処理した後、
   該化合物を洗浄除去することを特徴とするインクジェッ
   ト染色法。
4. （４）染料に対して非染着性である化合物が水溶性高分
   子、水溶性塩類ならびに水不溶性無機微粒子の群から選
   ばれた１種以上である特許請求の範囲第（３）項記載の
   インクジェット染色法。