JPS6151622B2

JPS6151622B2 -

Info

Publication number: JPS6151622B2
Application number: JP56110917A
Authority: JP
Inventors: Takashi Kuze
Original assignee: Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1981-07-17
Filing date: 1981-07-17
Publication date: 1986-11-10
Also published as: JPS5816057A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は軟質ガラスと封着する封着用合金に関
する。軟質ガラスとの封着用合金として42Ni−
6Cr−Fe合金、48〜52Ni−Fe合金、18〜27Cr−
Fe合金等が知られている。このうち42Ni−6Cr−Fe合金は封着の信頼性そ
の他の面から最もよく使用されている。この42Ni−6Cr−Fe合金と軟質ガラスとを封着
するとき、42Ni−6Cr−Fe合金をまず湿潤水素炉
中で予備酸化した後大気中加熱し、軟質ガラスと
の封着に供するのが普通である。したがつて、従来この系の合金では、予備酸化
処理により生成する酸化膜の性質、特に酸化膜と
地金との密着性、の改良が主たる技術的課題とな
つていた。そのために、42Ni−6Cr−Fe合金に
Al、Si、Ｖあるいは希土類元素を少量添加するこ
とにより、酸化膜の性質を改良することが行なわ
れてきた。本発明は、従来の技術的課題と観点を異にし主
としてガラスに封着された状態での歪を少なくす
るとともに耐食性を向上させることによりガラス
との封着強度を総合的に改善しようとするもので
ある。すなわち本発明に係る封着用合金は、重量％で
Ni46％を越え53％迄、Cr3−８％、Al 0.02〜1.5
％、O₂200ppm以下、N₂200ppm以下、残部Feと
不純物からなることを特徴とする。本発明合金は、従来の42Ni−6Cr−Fe系合金と
比較してNiを多量に含有せしめ熱膨張曲線の屈
曲点および低温での熱膨張率を上げることにより
封着時の歪を少なくするとともに、耐食性をも改
善する。またO₂、N₂を微量とすることにより、
酸化膜をより均一に生成することができ、これら
の相乗効果により封着強度を総合的に改良するも
のである。本発明の組成範囲の限定理由は、それぞれ次の
通りである。Niは前述のとおり46％以下では本
発明の効果を奏さず53％を越えると熱膨張係数が
高くなりすぎる。Crが３％未満では熱膨張係数
が低くなり、８％を越えると逆に高くなりすぎ、
いずれもガラスの熱着に不適となる。Alは、合
金表面の酸化膜を緻密にし、地金と酸化膜の密着
性を高めるものである。この効果を得るには少くとも0.02％以上必要で
あるが、1.5％を越えると熱膨張曲線の屈曲点が
下り、封着時の歪を増大させる。O₂、N₂は、酸
化膜の生成および緻密性に影響を及ぼすもので、
いずれも200ppmを越えると地金と酸化膜の密着
性を害する。また、この封着用合金は、実用的に
は、合金製造の際脱酸剤として添加されるMn、
SiあるいはCa、Mgを不純物としてMn0.05〜0.5
％、Si0.05〜0.5％あるいはCa0.1％以下、Mg0.1
％以下含むものである。更に原料その他から混入
するＣ、Ｐ、Ｓなどが含まれることがある。更に本発明合金に希土類元素を0.001〜2.0％含
有するものは、Alとの相乗効果により地金と酸
化膜の密着性が更に改善される。ここで希土類元
素は周期律表における第57番元素から71番元素及
びＹ、Scを含むものである。実用的には、Ceを
40％以上含むミツシユメタルが用いられる。希土
類元素を2.0％越えて含有するものは加工性を損
ないまた価格も上昇する。更に、本発明合金に、Ti、Ｖ、Nb、Ta、Zrを
単独又は複合で0.05〜1.5％含有するものは、地
金と酸化膜の密着性を改善する。例えばＶは、酸
化膜表面に生成する針状酸化物結晶の成長を抑制
して、ガラスとの封着を改善する。更にこの酸化
膜は地金との密着性も優れており、電気抵抗が低
く点溶接が容易である利点をも有する。これらの
元素も1.5％を越えて含有すると封着性を損ね
る。更に本発明合金にSiを脱酸剤として添加する範
囲を越えて合金成分として積極的に0.5〜３％含
有するものは、地金と酸化膜の密着性を改善す
る。Siは、予備酸化処理においてCr酸化物層と
地金との間にSi層を形成し酸化物と地金との密着
性を改善する。Siは３％を越えて含有すると熱膨
張曲線の屈曲点が下り封着時の歪増加を招く。以下実施例を説明する。溶製して得られた表１に示す合金を、軟質ガラ
スとの封着に先立ち、湿潤水素雰囲気中にて温度
1050℃〜1250℃、水素露点10℃〜40℃、時間10分
〜100分の条件で予備酸化を施した。ついで、大
気中にて温度1200℃、時間５分の条件でガラスに
封着した。

【表】表２に表１に示した合金の特性を示した。表２
中密着性及び封着性は、ガラスと封着したものに
ハンマーにより衝撃を与え破壊試験を行ない調査
したものである。密着性は地金と酸化膜との間の
付着の程度を示し、各試料それぞれ100個のサン
プルにて試験を行ない、地金と酸化膜との間では
がれないものが95％以上のものを「◎」80％以上
のものを「〇」とし、それ未満のものを「△」と
した。また封着性は上記衝撃試験によりガラスと
酸化膜の間ではがれたものと酸化膜と地金との間
ではがれたものの総数が０〜10％のものを
「◎」、10〜40％のものを「〇」、それ以上のもの
を「△」とした。また耐食性は、塩水噴霧試験
（噴霧時間8H）後の錆の発生の有無を調べた。更
に熱膨張係数を付記した。錆が発生しないものを
「〇」、錆が薄く発生したものを「△」とした。

【表】封着時ガラスに生ずる歪を、試料１及び３につ
いて調査した。この結果を図に示す。図より明らかなように従
来の歪曲線に比較して本発明合金は、歪が格段に
少ない。図の縦軸は、歪量を示し、横軸は温度を
示す。以上述べたように本発明合金は総合的に封着合
金としての特性を向上させたものであり実用的効
果は大きい。なお、本発明合金においてNiのより好ましい
範囲は、46％を越え50％迄、Crは５〜７％、Al
は0.1〜0.5％である。また、希土類元素は0.001〜
0.3％、Ti、Nb、Ｖ、Ta、Zr0.05〜0.3％であ
る。

【図面の簡単な説明】

図は、封着用合金とガラスとを封着した際のガ
ラスに生ずる歪の変化を示すグラフである。

Claims

【特許請求の範囲】１重量％でNi46％を越え53％まで、Cr3〜８
％、Al 0.02〜1.5％、O₂200ppm以下、
N₂200ppm以下（但しO₂＋N₂＞100ppm）、残部
Feと不純物からなる封着用合金。２重量％でNi46％を越え53％まで、Cr3〜８
％、Al 0.02〜1.5％、希土類元素（周期律表にお
ける57番元素から71番元素およびＹ、Scを含
む）0.001〜2.0％、O₂200ppm以下、N₂200ppm以
下（但しO₂＋N₂＞100ppm）、残部Feと不純物か
らなる封着用合金。３重量％でNi46％を越え53％まで、Cr3〜８
％、Al 0.02〜1.5％、Ti、Ｖ、Nb、Ta、Zrを単
独または複合で0.05〜1.5％、O₂200ppm以下、
N₂200ppm以下（但しO₂＋N₂＞100ppm）、残部
Feと不純物からなる封着用合金。４重量％でNi46％を越え5.3％まで、Cr3〜８
％、Al 0.02〜1.5％、Si0.5〜３％、O₂200ppm以
下、N₂200ppm以下（但しO₂＋N₂＞100ppm）、残
部Feと不純物からなる封着用合金。