JPH05156392A - ダンパ用屈曲部材 - Google Patents
ダンパ用屈曲部材Info
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- JPH05156392A JPH05156392A JP34817791A JP34817791A JPH05156392A JP H05156392 A JPH05156392 A JP H05156392A JP 34817791 A JP34817791 A JP 34817791A JP 34817791 A JP34817791 A JP 34817791A JP H05156392 A JPH05156392 A JP H05156392A
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- resistance
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 強度,耐振動性,耐環境性に優れたダンパ用
屈曲部材を提供する。 【構成】 Ni1.8 〜5.5 wt%、Si0.3 〜1.5 wt%を
含み、残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金により
構成され、前記銅合金の結晶粒度が15μm以下であるこ
とを特徴とするダンパ用屈曲部材。
屈曲部材を提供する。 【構成】 Ni1.8 〜5.5 wt%、Si0.3 〜1.5 wt%を
含み、残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金により
構成され、前記銅合金の結晶粒度が15μm以下であるこ
とを特徴とするダンパ用屈曲部材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度,圧力,湿度等の
環境要因が厳しいもとに置かれるダクト等を壁部に又は
相互に支持する為の振動吸収能を有するダンパ用屈曲部
材に関する。
環境要因が厳しいもとに置かれるダクト等を壁部に又は
相互に支持する為の振動吸収能を有するダンパ用屈曲部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】温度,圧力,湿度等の環境要因が厳しい
もとに置かれるダクト等を壁部に支持する支持具には、
振動騒音等を防止する為に振動吸収能を有するダンパ用
部材が用いられており、このダンパ用部材には金属その
ものの弾塑性変形を利用する弾塑性ダンパ用部材が実用
されてきた。しかしながら、この弾塑性ダンパ用部材
は、用いた金属材料の材質により、その吸収し得る振動
の周波数領域が限られてしまう為、用途に応じて種々の
ダンパ用部材を使いわける必要があり、管理上からもコ
スト的にも不利であった。このようなことから、ダンパ
用部材として、金属材料を波状に成形したダンパ用屈曲
部材が用いられるようになった。このダンパ用屈曲部材
は、振動をその波状部分の弾塑性変形により吸収するも
ので、振動吸収能が金属材料の材質により左右されるこ
とがなく、従って金属材料を広い視野にたって選択でき
るという利点があった。
もとに置かれるダクト等を壁部に支持する支持具には、
振動騒音等を防止する為に振動吸収能を有するダンパ用
部材が用いられており、このダンパ用部材には金属その
ものの弾塑性変形を利用する弾塑性ダンパ用部材が実用
されてきた。しかしながら、この弾塑性ダンパ用部材
は、用いた金属材料の材質により、その吸収し得る振動
の周波数領域が限られてしまう為、用途に応じて種々の
ダンパ用部材を使いわける必要があり、管理上からもコ
スト的にも不利であった。このようなことから、ダンパ
用部材として、金属材料を波状に成形したダンパ用屈曲
部材が用いられるようになった。このダンパ用屈曲部材
は、振動をその波状部分の弾塑性変形により吸収するも
ので、振動吸収能が金属材料の材質により左右されるこ
とがなく、従って金属材料を広い視野にたって選択でき
るという利点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のダン
パ用屈曲部材には、従来より普通鋼(例えばSS-490)や
燐青銅合金等の既存の金属材料が用いられていたが、前
記金属材料はいずれも、ダンパ用屈曲部材に要求される
強度や耐振動疲労特性(以下、耐振動性と略記する。)
或いは耐環境性等に劣るものであった。
パ用屈曲部材には、従来より普通鋼(例えばSS-490)や
燐青銅合金等の既存の金属材料が用いられていたが、前
記金属材料はいずれも、ダンパ用屈曲部材に要求される
強度や耐振動疲労特性(以下、耐振動性と略記する。)
或いは耐環境性等に劣るものであった。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明はかかる状況に鑑み
鋭意研究を行った結果なされたもので、その目的とする
ところは、強度、耐振動性、耐環境性に優れたダンパ用
屈曲部材を提供することにある。即ち、請求項1の発明
は、Ni1.8〜5.5 wt%、Si0.3 〜1.5 wt%を含み、
残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金により構成さ
れ、前記銅合金の結晶粒度が15μm以下であることを特
徴とするダンパ用屈曲部材である。
鋭意研究を行った結果なされたもので、その目的とする
ところは、強度、耐振動性、耐環境性に優れたダンパ用
屈曲部材を提供することにある。即ち、請求項1の発明
は、Ni1.8〜5.5 wt%、Si0.3 〜1.5 wt%を含み、
残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金により構成さ
れ、前記銅合金の結晶粒度が15μm以下であることを特
徴とするダンパ用屈曲部材である。
【0005】又請求項2の発明は、Ni1.8 〜5.5 wt
%、Si0.3 〜1.5 wt%を含み、更にMg0.005 〜0.50
wt%、Mn0.01〜1.0 wt%の少なくとも1種以上を含み
残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金により構成さ
れ、前記銅合金の結晶粒度が15μm以下であることを特
徴とするダンパ用屈曲部材である。
%、Si0.3 〜1.5 wt%を含み、更にMg0.005 〜0.50
wt%、Mn0.01〜1.0 wt%の少なくとも1種以上を含み
残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金により構成さ
れ、前記銅合金の結晶粒度が15μm以下であることを特
徴とするダンパ用屈曲部材である。
【0006】又請求項3の発明は、Ni1.8 〜5.5 wt
%、Si0.3 〜1.5 wt%を含み、更にTi0.005 〜0.15
wt%、Zr0.005 〜0.3 wt%、Cr0.01〜0.35wt%、Y
0.005〜0.05wt%、La0.005 〜0.05wt%、V0.01〜0.1
wt%、Nb0.005 〜0.05wt%からなる群より一種又は
二種以上を合計で0.005 〜0.5 wt%含み、残部Cuと不
可避的不純物からなる銅合金により構成され、前記銅合
金の結晶粒度が10μm以下であることを特徴とするダン
パ用屈曲部材である。
%、Si0.3 〜1.5 wt%を含み、更にTi0.005 〜0.15
wt%、Zr0.005 〜0.3 wt%、Cr0.01〜0.35wt%、Y
0.005〜0.05wt%、La0.005 〜0.05wt%、V0.01〜0.1
wt%、Nb0.005 〜0.05wt%からなる群より一種又は
二種以上を合計で0.005 〜0.5 wt%含み、残部Cuと不
可避的不純物からなる銅合金により構成され、前記銅合
金の結晶粒度が10μm以下であることを特徴とするダン
パ用屈曲部材である。
【0007】又請求項4の発明は、Ni1.8 〜5.5 wt
%、Si0.3 〜1.5 wt%を含み、更にMg0.005 〜0.50
wt%、Mn0.01〜1.0 wt%の少なくとも1種以上を含
み、更にTi0.005 〜0.15wt%、Zr0.005 〜0.3wt
%、Cr0.01〜0.35wt%、Y0.005〜0.05wt%、La0.0
05 〜0.05wt%、V0.01〜0.1 wt%、Nb0.005 〜0.05w
t%からなる群より一種又は二種以上を合計で0.005 〜
0.5 wt%含み、残部Cuと不可避的不純物からなる銅合
金により構成され、前記銅合金の結晶粒度が10μm以下
であることを特徴とするダンパ用屈曲部材である。
%、Si0.3 〜1.5 wt%を含み、更にMg0.005 〜0.50
wt%、Mn0.01〜1.0 wt%の少なくとも1種以上を含
み、更にTi0.005 〜0.15wt%、Zr0.005 〜0.3wt
%、Cr0.01〜0.35wt%、Y0.005〜0.05wt%、La0.0
05 〜0.05wt%、V0.01〜0.1 wt%、Nb0.005 〜0.05w
t%からなる群より一種又は二種以上を合計で0.005 〜
0.5 wt%含み、残部Cuと不可避的不純物からなる銅合
金により構成され、前記銅合金の結晶粒度が10μm以下
であることを特徴とするダンパ用屈曲部材である。
【0008】
【作用】請求項1の発明部材を構成する合金の主要成分
であるNiとSiは、Cuと反応してCu−Ni−Si
系化合物を高密度に且つ微細に形成して、強度と耐振動
性を向上させる作用を果たすものである。而してその組
成範囲をNi1.8 〜5.5wt%、Si0.3 〜1.5 wt%に限
定した理由は、Ni又は/及びSiが前記限定範囲を下
回ると、前記化合物量が不足して強度と耐振動性に十分
な値が得られなくなり、又Ni又は/及びSiが前記限
定範囲を上回ると、前記化合物が多量に生成して、耐環
境性等のダンパ用屈曲部材として重要な特性が低下する
為である。
であるNiとSiは、Cuと反応してCu−Ni−Si
系化合物を高密度に且つ微細に形成して、強度と耐振動
性を向上させる作用を果たすものである。而してその組
成範囲をNi1.8 〜5.5wt%、Si0.3 〜1.5 wt%に限
定した理由は、Ni又は/及びSiが前記限定範囲を下
回ると、前記化合物量が不足して強度と耐振動性に十分
な値が得られなくなり、又Ni又は/及びSiが前記限
定範囲を上回ると、前記化合物が多量に生成して、耐環
境性等のダンパ用屈曲部材として重要な特性が低下する
為である。
【0009】請求項2の発明部材は、請求項1の発明部
材を構成する合金に更にMgとMnを添加し、その結晶
粒度を15μm以下に調整したものである。添加元素のM
gとMnは、既に知られているように(特開昭60−1586
50)、熱間加工性を阻害するS元素をトラップし熱間加
工性を向上させる働きがあり、この他に、Si元素の酸
化を抑制してCu−Ni−Si系化合物の形成に寄与
し、又使用環境においてダンパ用屈曲部材の表面に密着
性の良い緻密な酸化皮膜を形成し、酸化膜剥離による酸
化の拡大を防止して、強度及び耐振動性の低下を防止す
るものである。而してその組成範囲をMg0.005 〜0.50
wt%,Mn0.01〜1.0w%に限定した理由は、Mg又は/
及びMnが前記限定範囲を下回ると前記作用が十分に果
たされず、又前記限定範囲を上回ると鋳造時の溶湯の湯
流れ性が低下し又ガスが溶湯中に大量に含有されて、鋳
造欠陥や圧延欠陥が生じ易くなる為である。前述の請求
項1と請求項2の発明部材において、その結晶粒度を15
μm以下に限定した理由は、結晶粒度が15μmを超える
と耐振動性及び耐応力緩和特性が急激に低下する為であ
る。
材を構成する合金に更にMgとMnを添加し、その結晶
粒度を15μm以下に調整したものである。添加元素のM
gとMnは、既に知られているように(特開昭60−1586
50)、熱間加工性を阻害するS元素をトラップし熱間加
工性を向上させる働きがあり、この他に、Si元素の酸
化を抑制してCu−Ni−Si系化合物の形成に寄与
し、又使用環境においてダンパ用屈曲部材の表面に密着
性の良い緻密な酸化皮膜を形成し、酸化膜剥離による酸
化の拡大を防止して、強度及び耐振動性の低下を防止す
るものである。而してその組成範囲をMg0.005 〜0.50
wt%,Mn0.01〜1.0w%に限定した理由は、Mg又は/
及びMnが前記限定範囲を下回ると前記作用が十分に果
たされず、又前記限定範囲を上回ると鋳造時の溶湯の湯
流れ性が低下し又ガスが溶湯中に大量に含有されて、鋳
造欠陥や圧延欠陥が生じ易くなる為である。前述の請求
項1と請求項2の発明部材において、その結晶粒度を15
μm以下に限定した理由は、結晶粒度が15μmを超える
と耐振動性及び耐応力緩和特性が急激に低下する為であ
る。
【0010】請求項3の発明部材は、請求項1の発明部
材を構成する合金に更に副成分としてTi以下の各元素
群を添加することにより、その結晶粒度が10μm以下に
調整されたものである。而してTi以下の各元素群は、
NiとSiを主要合金成分とするCu合金材料の結晶粒
度をより微細化する作用を果たし、これによりダンパ用
屈曲部材の耐振動性が著しく高められる。更に、Ti以
下の各元素群は、前述のMgとMn元素と同様に、使用
環境下で、密着性の良い緻密な表面酸化皮膜を形成し
て、表面層の酸化剥離によるダンパ用屈曲部材の強度や
耐振動性の低下を防止する作用を果たすものである。T
i以下の各元素群の組成範囲を前述のように限定した理
由は、各々の元素又はその合計量が下限を下回ると、前
述の結晶粒の微細化や緻密な酸化皮膜の形成作用が十分
に発揮されず、又各々の元素又はその合計量が上限を上
回ると、鋳造時の溶湯の湯流れ性が低下し又ガスが溶湯
中に大量に含有されるようになって、鋳造欠陥や圧延欠
陥が生じ易くなる為である。
材を構成する合金に更に副成分としてTi以下の各元素
群を添加することにより、その結晶粒度が10μm以下に
調整されたものである。而してTi以下の各元素群は、
NiとSiを主要合金成分とするCu合金材料の結晶粒
度をより微細化する作用を果たし、これによりダンパ用
屈曲部材の耐振動性が著しく高められる。更に、Ti以
下の各元素群は、前述のMgとMn元素と同様に、使用
環境下で、密着性の良い緻密な表面酸化皮膜を形成し
て、表面層の酸化剥離によるダンパ用屈曲部材の強度や
耐振動性の低下を防止する作用を果たすものである。T
i以下の各元素群の組成範囲を前述のように限定した理
由は、各々の元素又はその合計量が下限を下回ると、前
述の結晶粒の微細化や緻密な酸化皮膜の形成作用が十分
に発揮されず、又各々の元素又はその合計量が上限を上
回ると、鋳造時の溶湯の湯流れ性が低下し又ガスが溶湯
中に大量に含有されるようになって、鋳造欠陥や圧延欠
陥が生じ易くなる為である。
【0011】請求項4の発明部材は、請求項2の発明部
材を構成する合金に更に副成分としてTi以下の各元素
群を添加することにより、その結晶粒度が10μm以下に
調整されたものである。而してTi以下の各元素群の作
用及びその組成範囲の限定理由は、請求項3の発明部材
の場合と同様である。前述の請求項3と請求項4の発明
部材において、その結晶粒度を10μm以下に限定した理
由は、結晶粒度が10μmを超えると耐振動性及び耐応力
緩和特性が急激に劣化する為である。本発明部材を構成
する合金の結晶粒度は、通常の製造方法をとることによ
り、自ずと15μm又は10μm以下に調整されるものであ
る。
材を構成する合金に更に副成分としてTi以下の各元素
群を添加することにより、その結晶粒度が10μm以下に
調整されたものである。而してTi以下の各元素群の作
用及びその組成範囲の限定理由は、請求項3の発明部材
の場合と同様である。前述の請求項3と請求項4の発明
部材において、その結晶粒度を10μm以下に限定した理
由は、結晶粒度が10μmを超えると耐振動性及び耐応力
緩和特性が急激に劣化する為である。本発明部材を構成
する合金の結晶粒度は、通常の製造方法をとることによ
り、自ずと15μm又は10μm以下に調整されるものであ
る。
【0012】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 先ず、表1に示した合金のうちのNo1〜12の合金を溶
解,鋳造して鋳塊となし、この鋳塊を 920℃で熱間圧延
して厚さ10mmの圧延材となした。次にこの圧延材を表面
研削したのち、冷間圧延により厚さ0.8mm の板材に加工
した。しかるのち、この板材に 850℃×60秒の中間加熱
処理を施し、前記加熱処理温度から急冷し、これを酸洗
研磨したのち冷間圧延して厚さ0.5mm の板材に仕上げ、
更に 420℃×2時間で仕上げ加熱処理を施して供試材と
なした。 比較例1 実施例1において、表1に示した合金のうちのNo1,4,7,
10の合金について、板材に施す中間加熱処理を 850℃×
30分間とした他は、実施例1と同じ方法により供試材を
作製した。 比較例2 実施例1において、表1に示した合金のうちのNo13〜17
の合金を用いた他は、実施例1 と同じ方法により供試材
を作製した。 従来例1 表1に示したNo18,19 の合金の、市販されている厚さ
0.5mmの板材を供試材となした。このようにして得ら
れた供試材について、強度,耐振動性,耐環境性を調査
した。結果は表2に示した。尚、引張強度は、JIS-Z224
1 に準拠して行った。耐振動性は、供試材から幅10mm,
長さ 100mmの短冊片を切出し、その中央部を曲率5mmで
90度曲げし、一端を固定し他端に振幅30mm,周期 0.1秒
の振動を繰り返し与えて試験した。試験時間は最大24時
間とし、破断までの時間で示した。耐環境性は応力緩和
試験と耐食性試験により評価した。応力緩和試験は、供
試材から幅10mm、長さ 200mmの短冊片を切出し、この短
冊片を負荷応力が 500MPaになるように撓ませた状態
で 150℃× 500時間保持し、負荷応力開放後に残存する
撓み量を百分率で求めた。耐食性試験は、振動試験で用
いたのと同じ短冊片に、「10%NaClの塩水噴霧中に15分
間保持→40℃の 100%RH雰囲気中に30分間保持→80℃
の30%RH雰囲気中に60分間保持」の腐食サイクルを30
回繰り返し施したのち、前述と同じ条件で振動試験を行
って評価した。
る。 実施例1 先ず、表1に示した合金のうちのNo1〜12の合金を溶
解,鋳造して鋳塊となし、この鋳塊を 920℃で熱間圧延
して厚さ10mmの圧延材となした。次にこの圧延材を表面
研削したのち、冷間圧延により厚さ0.8mm の板材に加工
した。しかるのち、この板材に 850℃×60秒の中間加熱
処理を施し、前記加熱処理温度から急冷し、これを酸洗
研磨したのち冷間圧延して厚さ0.5mm の板材に仕上げ、
更に 420℃×2時間で仕上げ加熱処理を施して供試材と
なした。 比較例1 実施例1において、表1に示した合金のうちのNo1,4,7,
10の合金について、板材に施す中間加熱処理を 850℃×
30分間とした他は、実施例1と同じ方法により供試材を
作製した。 比較例2 実施例1において、表1に示した合金のうちのNo13〜17
の合金を用いた他は、実施例1 と同じ方法により供試材
を作製した。 従来例1 表1に示したNo18,19 の合金の、市販されている厚さ
0.5mmの板材を供試材となした。このようにして得ら
れた供試材について、強度,耐振動性,耐環境性を調査
した。結果は表2に示した。尚、引張強度は、JIS-Z224
1 に準拠して行った。耐振動性は、供試材から幅10mm,
長さ 100mmの短冊片を切出し、その中央部を曲率5mmで
90度曲げし、一端を固定し他端に振幅30mm,周期 0.1秒
の振動を繰り返し与えて試験した。試験時間は最大24時
間とし、破断までの時間で示した。耐環境性は応力緩和
試験と耐食性試験により評価した。応力緩和試験は、供
試材から幅10mm、長さ 200mmの短冊片を切出し、この短
冊片を負荷応力が 500MPaになるように撓ませた状態
で 150℃× 500時間保持し、負荷応力開放後に残存する
撓み量を百分率で求めた。耐食性試験は、振動試験で用
いたのと同じ短冊片に、「10%NaClの塩水噴霧中に15分
間保持→40℃の 100%RH雰囲気中に30分間保持→80℃
の30%RH雰囲気中に60分間保持」の腐食サイクルを30
回繰り返し施したのち、前述と同じ条件で振動試験を行
って評価した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】表2より明らかなように、本発明のダンパ
用屈曲部材(試料No1〜12)は、強度,耐振動性,応力
緩和特性,耐食性のすべての試験項目において、良好な
成績を示した。これに対し、比較例品のNo13〜16は仕上
げ加熱処理時間が長かった為、結晶粒度が15又は10μm
を超え、その結果耐振動性及び耐応力緩和特性が低下し
た。又比較例品のNo17はNiとSi量が少なかった為、
全般に特性が低い値のものとなった。又No18は、Niと
Siの含有量が多い為、強度は高かったが、Cu−Ni
−Si化合物が多量に生成して耐応力緩和特性が著しく
低下した。又、No.19 はMnとMg元素の含有量が多い
為、No.20 は副成分のVとNbの含有量が多かった為、
いずれも鋳造時の湯流れ性が悪く又ガス吸収量が増加し
て、鋳造割れや圧延割れを生じて供試材を作製できなか
った。又No.21 は、副成分のCrとZr元素が多かった
為、粗大なCu−Cr共晶物やCu−Zr化合物が生成
して、耐振動性、応力緩和特性、耐食性が著しく低下し
た。又従来材のNo22と23は、本発明のダンパ用屈曲部材
に較べて、耐振動性,耐応力緩和性,耐食性が極めて低
い上、強度も不十分なものであった。
用屈曲部材(試料No1〜12)は、強度,耐振動性,応力
緩和特性,耐食性のすべての試験項目において、良好な
成績を示した。これに対し、比較例品のNo13〜16は仕上
げ加熱処理時間が長かった為、結晶粒度が15又は10μm
を超え、その結果耐振動性及び耐応力緩和特性が低下し
た。又比較例品のNo17はNiとSi量が少なかった為、
全般に特性が低い値のものとなった。又No18は、Niと
Siの含有量が多い為、強度は高かったが、Cu−Ni
−Si化合物が多量に生成して耐応力緩和特性が著しく
低下した。又、No.19 はMnとMg元素の含有量が多い
為、No.20 は副成分のVとNbの含有量が多かった為、
いずれも鋳造時の湯流れ性が悪く又ガス吸収量が増加し
て、鋳造割れや圧延割れを生じて供試材を作製できなか
った。又No.21 は、副成分のCrとZr元素が多かった
為、粗大なCu−Cr共晶物やCu−Zr化合物が生成
して、耐振動性、応力緩和特性、耐食性が著しく低下し
た。又従来材のNo22と23は、本発明のダンパ用屈曲部材
に較べて、耐振動性,耐応力緩和性,耐食性が極めて低
い上、強度も不十分なものであった。
【0016】
【効果】以上述べたように、本発明のダンパ用屈曲部材
は、強度,耐振動性,耐環境性に優れ、且つ周波数の異
なる種々の振動を吸収し得るもので、工業上顕著な効果
を奏する。
は、強度,耐振動性,耐環境性に優れ、且つ周波数の異
なる種々の振動を吸収し得るもので、工業上顕著な効果
を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】 Ni1.8 〜5.5 wt%、Si0.3 〜1.5 wt
%を含み、残部Cuと不可避的不純物からなる銅合金に
より構成され、前記銅合金の結晶粒度が15μm以下であ
ることを特徴とするダンパ用屈曲部材。 - 【請求項2】 Ni1.8 〜5.5 wt%、Si0.3 〜1.5 wt
%を含み、更にMg0.005 〜0.50wt%、Mn0.01〜1.0
wt%の少なくとも1種以上を含み残部Cuと不可避的不
純物からなる銅合金により構成され、前記銅合金の結晶
粒度が15μm以下であることを特徴とするダンパ用屈曲
部材。 - 【請求項3】 Ni1.8 〜5.5 wt%、Si0.3 〜1.5 wt
%を含み、更にTi0.005 〜0.15wt%、Zr0.005 〜0.
3 wt%、Cr0.01〜0.35wt%、Y0.005 〜0.05wt%、L
a0.005 〜0.05wt%、V0.01〜0.1 wt%、Nb0.005 〜
0.05wt%からなる群より一種又は二種以上を合計で0.00
5 〜0.5 wt%含み、残部Cuと不可避的不純物からなる
銅合金により構成され、前記銅合金の結晶粒度が10μm
以下であることを特徴とするダンパ用屈曲部材。 - 【請求項4】 Ni1.8 〜5.5 wt%、Si0.3 〜1.5 wt
%を含み、更にMg0.005 〜0.50wt%、Mn0.01〜1.0
wt%の少なくとも1種以上を含み、更にTi0.005 〜0.
15wt%、Zr0.005 〜0.3wt %、Cr0.01〜0.35wt%、
Y0.005 〜0.05wt%、La0.005 〜0.05wt%、V0.01〜
0.1 wt%、Nb0.005 〜0.05wt%からなる群より一種又
は二種以上を合計で0.005 〜0.5 wt%含み、残部Cuと
不可避的不純物からなる銅合金により構成され、前記銅
合金の結晶粒度が10μm以下であることを特徴とするダ
ンパ用屈曲部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34817791A JPH05156392A (ja) | 1991-12-03 | 1991-12-03 | ダンパ用屈曲部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34817791A JPH05156392A (ja) | 1991-12-03 | 1991-12-03 | ダンパ用屈曲部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05156392A true JPH05156392A (ja) | 1993-06-22 |
Family
ID=18395266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34817791A Pending JPH05156392A (ja) | 1991-12-03 | 1991-12-03 | ダンパ用屈曲部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05156392A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009060873A1 (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-14 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | 銅合金板材 |
CN106011535A (zh) * | 2016-07-19 | 2016-10-12 | 山东大学 | 一种稀土氧化物改性铜镍硅合金材料及其制备方法和应用 |
CN116121586A (zh) * | 2022-12-16 | 2023-05-16 | 中国科学院金属研究所 | 一种Cu-Ni-Si-La合金板带及其短流程制备方法 |
CN116732384A (zh) * | 2023-08-08 | 2023-09-12 | 宁波兴业盛泰集团有限公司 | 铜镍硅合金铸锭及其制备方法 |
-
1991
- 1991-12-03 JP JP34817791A patent/JPH05156392A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116732384B (zh) * | 2023-08-08 | 2023-11-21 | 宁波兴业盛泰集团有限公司 | 铜镍硅合金铸锭及其制备方法 |
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