JPS6151057B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、動力で駆動される帯状材料引出し
ロールと、この引出しロールの前方と後方に位置
され帯状材料を介し前記引出しロールに当接する
それぞれ１個のロツド状の変向要素とを有し、こ
れら２つの変向要素は位置固定的に配設され、前
記引出しロールは軸線と直交方向に移動自在に配
設され、前記変向要素の間の間隔は前記引出しロ
ールの直径より小さい値とした、繊維機械特に織
機の帯状材料引出し装置に関する。

この型式の従来の引出し装置において、帯状材
料引出しロールの前方側の変向要素は、平滑な表
面を有する変向ロールとして形成され、その表面
上を経て引出しロールに導かれる帯状材料により
連行されて回動されるようになつている。

帯状材料には、シート止め部又は幅保持部材と
引出しロールとの間において、引出し装置側から
の強い引出し力による大きな応力が生じる。この
ため帯状材料の幅が引出しロールに到達する前に
相当減少することがある。

引出しロールから離れる際に布巻から織物（帯
状材料）に及ぼされる引出し張力は一般に相当小
さい値である。織物は場合により全く無張力の状
態で容器内に収容されることがある。そのためこ
の領域において織物の幅が緯糸の張力の下に再び
広げられ、しわが生ずることがあり、このしわは
引出しロールとその後方側の変向ロールとの間の
締付け個所において織物に永続的に圧縮形成され
る。

本発明の課題は、特にこの点において改良され
た引出し装置を提供することにある。

本発明の特徴は、引出しロールの前方側の変向
要素を帯状材料の幅保持機構として形成すること
に存する。これにより帯状状材料を持に幅出しさ
れた状態で引出しロールに送り出すことができ
る。帯状材料は引出しロールを去る際又はその少
し前においてすでに比較的低い応力の下に送出側
に到達する。しかし帯状材料は幅保持機構のため
その全幅に保持されているので、長手方向の張力
の弛緩により更に幅が広くはならない。そのた
め、実験的に確かめられたように、従来の引出し
装置において引出し装置から送出される際に特に
後方側の変向要素の圧力の下に生じることがあつ
た帯状材料のしわの発生が防止される。

次に図面に示した本発明の好ましい実施例につ
いて詳述する。

帯状材料１（幅Ｂを有する）は、支持台５２を
経て矢印５１の方向に変向要素の１つである変向
ロツド３に導かれる。変向ロツド３はその２つの
区分３８，３９に互に反対方向のねじ山４１，４
２を有する（特に第３図の実施例参照）。その後
に帯状材料１は、ゴムライニング４を具える引出
ロール５と、その後方に配置された変向要素の他
の１つである変向ロール３ｃとを経て、布巻６５
に巻取られる。ロール５の直径Ｄは変向ロツド３
と変向ロールCcの間の間隔Ａよりも大きい。

引出しロール５は、第２図に示すように、機枠
２の側部壁２３に支承した歯車１８，１９，２０
を介して駆動される。駆動力は歯車２０からカル
ダン継手又は球継手２１を経て引出しロール５に
伝えられる。従つて引出しロール５は作動中一定
の回転速度で回転する（帯状材料１の積極送
出）。

変向ロツド３と変向ロール３ｃとは何置固定的
に配設され、変向ロール３ｃは帯状材料１はより
連行される（即ち矢印５８の方向に回転する）が
引出しロール５は、球継手２１により、軸線６２
と直交方向に（第１図の矢印２５のように）移動
し得る。

帯状材料の引出し装置全体は第１図に符号１５
で表わされている。引出しロール５の前方側の変
向ロツド３は、ロツド５に連結した支持体４７が
係合する溝５３を具えている。ロツド５５は機枠
２の保持部材６の凹部５６中に回動自在に支承さ
れている。これにより変向ロツド３は、帯状材料
１が無張力の状態になるか又は運び去られた時
に、１点鎖線で表わした位置３ｂまで矢印４６の
方向に回動する。

支持体４７は作動時に時保持部材６の止め部４
８に押圧されている。これは作動時に帯状材料１
に生じる張力Ｚと張力成分Ｐと合力Ｒが、第１図
においてロツド５５の回動点５７の下方を通るよ
うに、ロツド５５の回動点５７を定めることによ
つて達成される。これにより作動時に回動点５７
の回りに反時計方向の回転モーメントが生ずる。

引出しロール５の後方側の変向ロール３ｃは、
機枠６の凹部２２中に回転自在に支承されてい
る。

変向ロツド３を通つて導かれる帯状材料１は、
引出しロール５に到達する直前に、ねじ山４１，
４２により幅出しされる。帯状材料１はその後に
引出しロール５から強い引出しロール５から強い
引出し張力Ｐを受けて幅狭になる（帯状材料１の
収縮）ことはない。

このためさらに帯状材料１の幅は、帯状材料１
が引出しロール５を去り変向ロール３ｃに到達す
る傾域７１（この領域では布巻６５から比較的低
い引張り力Ｓが及ぼされる）において、それ以前
より更に大きくはなりえない。従つて実験の結果
が示すように、製造された帯状材料１にしわがで
きない。

変向ロツド３から引出しロール５に帯状材料１
を送る時に直ちに帯状材料１の幅を広げないと、
多少とも強い応力が糸方向に発生する。そのため
領域７１において帯状材料が広がり、製造された
帯状材料１にしわが生じることがあり、このしわ
は特に押圧個所７２において状材料１に永続的に
刻印される。

第３図の実施例では、引出しロール５の前方側
の変向要素は回動自在に支承された変向ロール３
ｄとして構成されており、変向ロール３ｄは、駆
動部４３により常時回動され、この回動方向４０
は、変向ロール３ｄ上を走行する帯状材料１の走
向方向（矢印５１により示す）と反対の方向にな
つている。変向ロール３ｄの両端には、帯状材料
１の幅を保つための、帯状材料１のより連行され
るニードルロール６１が配設れている。

第４図の実施例では変向ロツド３は第１図の例
と同様に、即ち回動しないように拘束されてい
る。変向ロツド３の両端には、傾斜方向に位置さ
せたニードルロール６１ａが担持してあり、これ
らのロールは空間内での傾斜位置を保ちながら回
動自在に支承されている。変向ロツド３の有効長
さは帯材料１の幅Ｂに適合させる。ロール６１ａ
はねじ山４１，４２とによつて材料１の幅が広げ
られる。

変向ロツド３及び変向ロール３ｃ，３ｄは少く
とも作動中は位置固定的に支承さている。引出し
ロール５は材料１の張力Ｚにより変向ロツド３及
び変向ロール３ｃ，３ｄに押付けられるので材料
１が逆方向に移動することが防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は織物の布引出し装置の断面図、第２図
は布側からみた織機の前面図、第３図は本発明の
変形実施例による布引出し装置の一部の上面図、
第４図は本発明の更に別の変形実施例による布引
出し装置の一の上面である。 符号の説明、１……帯状材料、３……変向ロツ
ド（癖向要素）、３ｃ……変向ロール（変向要
素）、５……引出しロール、Ａ……間隔、Ｄ……
直径。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 動力によつて駆動される帯状材料引出しロー
   ルと、この帯状材料引出しロールの前方と後方に
   配設され帯状材料を介し前記帯状材料引出しロー
   ルに当接するそれぞれ１個のロツド状の帯状材料
   変向要素とを有し、これら２つの変向要素は位置
   固定的に配設され、前記引出しロールは自己の軸
   線と直交方向に移動自在に配設され、前記変向要
   素の間の間隔は前記引出しロールの直径より小さ
   い値を有し、前記引出しロール５の前方側の変向
   要素３，３ｄを帯状材料１の幅保持機構として形
   成したことを特徴とする、繊維機械特に織機の帯
   状材料引出し装置。 ２ 引出しロール５の前方側の変向要素３に幅保
   持用のねじ山４１，４２を設けた特許請求の範囲
   第１項記載の帯状材料引出し装置。 ３ 引出しロール５の前方側の変向要素を両方の
   半区分３８，３９にそれぞれ逆向きのねじ山４
   １，４２を有する変向ロツド３とした特許請求の
   範囲第１項又は第２項記載の帯状材料引出し装
   置。 ４ 引出しロール５の前方側の変向要素を回転し
   ないように拘束した変向ロツド３とした特許請求
   の範囲第１項から第３項の内いずれか１項記載の
   帯状材料引出し装置。 ５ 引出しロール５の前方側の変向要素を帯状材
   料の走行方向と逆方向に駆動される変向ロール３
   ｄとした特許請求の範囲第１項から第３項の内い
   ずれか１項記載の帯状材料引出し装置。 ６ 引出しロール５の後方側の変向要素３ｃを駆
   動するようにした特請求の範囲第１項から第５項
   に内いずれか１項記載の帯状材料引出し装置。 ７ 引出しロール５の後方側の変向要素を少くと
   も引出しロール５の周速に等しい周速で駆動され
   る変向ロール３ｃとした特許請求の範囲第６項記
   載の帯状材料引出し装置。 ８ 引出しロール５の前方側の変向要素３を機枠
   ２に揺動自在に配設した支持体４７に支承した特
   許請求の範囲第１項から第７項の内いずれか１項
   記載の帯状材料引出し装置。 ９ 支持体４７が作動中に織物１の張力Ｒにより
   機枠２の止め部４８に常時押圧されるようにした
   特許請求の範囲第８項記載の帯状材料引出し装
   置。 １０ 引出しロール５の前方側の変向要素３ｄが
   幅保持用ニードルロール６１，６１ａを有する特
   許請求の範囲第１項から第９項の内いずれか１項
   記載の帯状材料引出し装置。 １１ 引出しロール５の前方側の変向要素３の有
   効長さを帯状材料１の幅Ｂに適合させたことと、
   その変向要素３を回動しないように拘束し、先端
   に傾斜配向させたニードルロール３１ａを担持さ
   せ、このニードルロールを変向要素３に回動自在
   に支承した特許請求の範囲第１０項記載の帯状材
   料引出し装置。