JPS6149582B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高層マンシヨンなどの集合住宅にお
ける各種設備配管の共用竪管とガス湯沸器を集中
して設置した設備配管及び熱源機器集中システム
に関するものである。

従来、マンシヨンなどの集合住宅においては、
雑排水管、汚水管、通気管など、共同管理を必要
とする共用竪管が、各種の専用部分のスラブを貫
通する状態に配設されていたので、居住者が不在
の場合、共用竪管の保守点検を行なうことができ
ないという欠点があつた。さらに、ある階の専有
部分で漏水事故が発生したり、間取りを変更する
場合、工事期間中、上の階の居住者が雑排水管な
どを使用することができず、他の居住者の日常生
活に重大な影響を及ぼすという欠点もあつた。

このため、近年では、共用竪管や各種メータ類
を廊下部分に配設する設備配管システムが広く採
用されるに至つたが、各戸居住者の私有物である
ガス湯沸器については、共用竪管等の設置スペー
スとは別に廊下側に開放し、かつ、居室に対して
防火区画されたチヤンバー室と呼ばれる湯沸器設
置用独立室を設けて設置していた。このチヤンバ
ー設置方式はガス湯沸器の燃焼効率を上げること
ができる反面、廊下側壁面から凹入した状態にチ
ヤンバー室を設けるので、専有部分の間取りやそ
の変更など、建物の平面計画に可成りの制約を受
けるという欠点があつた。殊に、躯体施工時にお
いては、チヤンバーコーナーを現場打ちコンクリ
ート又はPC版で構築する場合、型枠手間、PC版
製作取付手間等が多大であつた。さらに、チヤン
バー室の廊下側開口部に、換気を考慮した個々の
機器に応じた開口を有するガラリを設けねばなら
ぬことから、たかだかガス湯沸器設置のために、
全体として、相当コスト高になる欠点があつた。

また、機器に対する燃焼効果における制約及び
防災の観点からの制約等により、しばしばバルコ
ニー側に設置する方法もとられていた。しかし、
これによる場合は、専有室内の配管長さの問題、
メンテナンス等の不利、コストアツプ等が余儀な
くされていた。

本発明は、まさにこのような従来欠点を一挙に
解決するためになされたものである。

本発明の実施の態様を添付図面にもとづいて説
明すると、第１図は、高層集合住宅の一例を示す
マンシヨンのある階を概略的に示した平面図で、
大きく分けて、各居住者の専有部分１と廊下２と
に区画され、かつ、専有部分１には、ベランダ３
が設けられている。各専有部分１に対する共用竪
管４は、２戸を対として配設されている。この共
用竪管４は、第２、３図から明らかなように、給
水竪管５、汚水竪管６、通気竪管７、ガス竪管８
などからなる。各専有部分１と廊下２とは、それ
ぞれ廊下２側の現場打ちコンクリート壁又はPC
版の壁９によつて区画され、前記共用竪管４は、
廊下２のスラブを貫通して配設されている。１０
は、鋼製の配管カバーで、共用竪管４を覆うとと
もに、廊下２側から開閉し得るように構成されて
いる。この配管カバー１０の左右上部には、切欠
き１１が穿設され、これら切欠き１１に臨ませ、
かつ、一部を廊下２側に露出した状態で、ガス湯
沸器１２が設置されている。これらガス湯沸器１
２は、それぞれ、ガスメーター１３を有するガス
管１４を介してガス竪管８に、給水管１５を介し
て給水竪管５に夫々接続され、ガス湯沸器１２か
ら延出された給湯管１６が、各専有部分１内に配
設されている。第４〜６図は、ガス湯沸器１２を
天井１７に取付けるための支持金具１８の詳細を
示すもので、図中１９は断面Ｔ字型の側板、２０
は両側板１９間に固着された上部横板、２１は同
じく下部横板であり、２２は同じく両側板１９間
に固着された天板である。この天板２２には、合
計４個の取付け孔２３が、また、下部横板２１に
は、合計２個の取付け孔２４が穿設されている。

したがつて、天板２２の取付け孔２３に図外の
ホールインアンカーを挿入して、この支持金具１
８を天井１７に固着し、ガス湯沸器１２に取付け
られた引掛け金具２５を第５図に示すように上部
横板２０に引掛けるとともに、同じくガス湯沸器
１２に取付けられたブラケツト２６を図外のボル
ト・ナツトを介して下部横板２１の取付け孔２４
に固定することにより、このガス湯沸器１２を廊
下２部分において、前記切欠き１１に臨ませて設
置することができるのである。このように、ガス
湯沸器１２の取付けを、支持金具１８を介してホ
ールインアンカーによつて行なうものであるか
ら、壁９や天井１７を完全に仕上げた後に、簡単
に行なうことができ、壁９や天井１７の仕上げ作
業も容易に行なうことができる。また、共用竪管
４は完全に居住者の共有部分である廊下２部分に
配設されているので、共用竪管４の保守点検が容
易であり、ある階の専有部分１で漏水事故が発生
したり、間取りを変更する場合にも、他の居住者
に迷惑をかけることなく、工事を行なうことがで
きる。さらに、ガス湯沸器１２も廊下２部分に設
置するものであるから、従来必要とされた湯沸器
１２用のチヤンバー室も不要となり、施工の簡略
化と共に、専有面積の拡大及び大巾なコストダウ
ンが図れるのである。また、建物の骨組構造体よ
り片持スラブに、ガス湯沸器を設置したため、地
震時におけるガス機具への悪影響を除くことがで
きる。

以上の説明から明らかなように、本発明システ
ムは、設備配管の共用竪管を廊下部分に配設する
ものであるから、共用竪管の保守点検を容易に行
なうことができ、各専有部分における補修工事や
間取りの変更も、他の居住者に影響を与えること
なく、簡単に行なうことができるのみならず、ガ
ス湯沸器をも廊下部分に集中して設置するもので
あるから、従来必要とされたガス湯沸器のための
チヤンバー室が完全に不要となり、それに伴つて
冒頭で述べた高価なガラリ付扉も不要となり、専
有部分を制約なく広く使えるばかりか、施工を大
幅に簡略化して、コストダウンと地震時における
安全性の向上をも図り得るに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係る集合住宅における設備配
管及び熱源機器集中システムの実施の態様を例示
し、第１図は、集合住宅の一例を示すマンシヨン
のある階を概略的に示した平面図、第２図は、要
部の平面図、第３図は、同じく要部の正面図、第
４〜６図は、ガス湯沸器の支持金具を示し、第４
図は、正面図、第５図は、側面図、第６図は、平
面図である。 １…専有部分、２…廊下、４…共用竪管、１０
…配管カバー、１１…切欠き、１２…ガス湯沸
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 集合住宅における廊下部分に設けた配管カバ
   ー内に、廊下部分を上下に貫通する設備配管の共
   用竪管と、ガス湯沸器を設置したことを特徴とす
   る集合住宅における設備配管及び熱源機器集中シ
   ステム。