JPS6146738B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、単一のケーシング内に圧縮機、熱源
側熱交換器、利用側熱交換器、前記両熱交換器の
フアン等の各種機器を収容した一体型空気調和機
に関するものである。

従来からこの種の一体型空気調和機として第１
図に示すようなウインド型のもの、第２図に示す
ような室外設置型のもの（例えば実公昭45−3665
号公報のもの）、第３図に示すような室内設置型
のもの等が知られているが、従来のこれらの一体
型空気調和機ではそれぞれ次のような問題があつ
た。

先ず、第１図に示すウインド型の空気調和機
X₁では、該空気調和機を据え付ける際に、窓又
は壁３０に大きな取付穴４１が必要でしかも専用
の調和機支持台４２を使用して行われるため、空
気調和機の据付工事が大がかりとなるとともに、
据え付けられた空気調和機X₁の前面が直接室内
に露出しているので、室内に運転時の騒音が聞こ
えるという問題があつた。

又、第２図に示す室外設置型の空気調和機X₂
では、室外の床面上に空気調和機X₂を設置する
ためのスペースが必要となるとともに、空気調和
機X₂と室内とを接続するために比較的長いダク
ト４３が必要でありしかもそのダクト４３が美観
を損うという問題があつた。

更に、第３図に示す室内設置型の空気調和機
X₃では、室内の床面上に空気調和機X₃を設置す
るためのスペースと空気調和機支持脚４４が必要
となるばかりでなく運転時の騒音が大きいという
問題があつた。

本発明は、上記の如き従来の一体型空気調和機
の問題点に鑑み、据付が簡単で且つ室内及び室外
における床面への設置スペースを必要とせずしか
も室内への運転時の騒音侵入をこれまで以上に低
減し得るようにするとともに、単一機種の空気調
和機であつても一部の部品（ダクト）を適宜選択
するだけでその設置場所に応じて簡易に据付する
ことができるようにした一体型空気調和機を提供
することを目的とするものであり、本発明の一体
型空気調和機は、ケーシング内に圧縮機、熱源側
熱交換器、利用側熱交換器、前記両熱交換器のフ
アンを収容する一方、前記ケーシングの前面側
に、建物の壁を貫通して室内に達する長さを有し
しかも独立部品として形成された適宜形状の吸込
ダクトと吹出ダクトを装着するとともに、該吸込
ダクト及び／又は吹出ダクトを介して自重量の全
部又は大部分を前記壁に担持せしめることができ
るようにしたことを特徴とするものである。

以下、第４図ないし第１２図に示す実施例を参
照して本発明の一体型空気調和機を説明すると、
第４図ないし第７図に示す第１実施例の一体型空
気調和機Ｘは冷房用の空気調和機で、単一のケー
シング１内に、圧縮機２、熱源側熱交換器（凝縮
器）３、利用側熱交換器（冷却器）４、凝縮器用
フアン５、冷却器用フアン６、各フアン５，６用
の単一の両軸モータ７等の各種機器を収容して構
成されている。

ケーシング１内は縦仕切壁９によつて前室１０
と後室２０の前、後２室に区画されていて、その
前室１０側には圧縮機２、冷却器４、冷却器用フ
アン６が収容され、又後室２０側には凝縮器３、
凝縮器用フアン５が収容されている。尚、モータ
７は縦仕切壁９を貫通して前、後両室１０，２０
に臨んでいる。

凝縮器用フアン５及び冷却器用フアン６は、こ
の実施例ではそれぞれ薄型のシロツプフアンが採
用されているが、この他ターボフアン等の遠心フ
アンであればよい。又この各フアン５，６はケー
シング１内の前後方向中間部において背中合せ状
態で設置されている。

冷却器４はケーシング１の前室１０内の底部よ
りやや上方部位に横長に設置されていて、該ケー
シング１の前室１０は冷却器４によつて該前室１
０の大部分を占める上室１１と後述するように吹
出空気W₂の折返通路兼ドレン溜となる下室１２
に区画されている。

冷却器用フアン６のフアン吸込口６ａはフアン
ケーシング１６の前壁１６ａに形成され、又フア
ン吹出口６ｂはフアンケーシング１６の下部に形
成されている。フテン吸込口６ａには皿状のフア
ン吸込口カバー１７がかぶせられている。そして
フアンケーシング前壁１６ａ及びフアン吸込口カ
バー１７によつて前記上室１１の一部を区画する
ようにしている。即ち、上室１１内におけるフア
ンケーシング１６の前壁１６ａとフアン吸込口カ
バー１７からなる仕切壁部分より前側の室（反フ
アンロータ側）が吹出空気室１４となり、フアン
吸引口カバー１７の後側の室が吸込空気室１３と
なつている。吸引空気室１３の空気吸込口１３ａ
はケーシング１の前面１ａに形成した穴２３から
前方に臨ませており、又吹出空気室１４の空気吹
出口１４ａもケーシング１の前面１ａに形成され
ている。尚、この空気吸込口１３ａと空気吹出口
１４ａとはケーシング１の前面１ａの上方部にお
ける同一高さ位置において適宜間隔を隔てた状態
で形成されている。

ケーシング１の前面１ａには空気吸込口１３ａ
及び空気吹出口１４ａを囲うようにしてそれぞれ
円筒状の吸込ダクト１８及び吹出ダクト１９が突
設されている。この各ダクト１８，１９は独立部
品として形成されていて、その各基端部に形成し
た取付フランジ１８ｂ，１９ｂをボルト３２，３
２………でケーシング１の前面１ａに固定して取
付けられている。又、この各ダクト１８，１９は
その取付用ボルト３２，３２………を取外すとケ
ーシング１の前面１ａから離脱させることができ
るようになつており、空気調和機Ｘの据付場所に
応じて例えば第９図、第１０図、第１１図に示す
ような適宜形状の各ダクトを交換可能となつてい
る。

この吸込ダクト１８及び吹出ダクト１９はそれ
ぞれ建物の壁３０（第６図）を室外側から貫通し
て室内側に達する長さを有している。又この各ダ
クト１８，１９は、空気調和機Ｘの自重量の全部
又は大部分を担持し得る程度の強度を備えており
後述するように該ダクト１８，１９部分を壁３０
に固定することにより空気調和機Ｘ全体を支持し
得るようにしている。

ケーシング１の後面１ｂには凝縮器側の空気吸
込口２１が形成されており、又ケーシング１の後
室２０の下部には空気吹出口２２が形成されてい
る。

この一体型空気調和機Ｘでは、両フアン５，６
が回転せしめられると、凝縮器側では、ケーシン
グ１の後面１ｂに設けた空気吸込口２１から室外
空気W₁′を吸込んで凝縮器３で熱交換させた型、
ケーシング１の後室２０下部に設けた空気吹出口
２２から符号W₂′で示すように外部へ吹出すよう
に作用し、他方冷却器側では、室内空気W₁を吸
込ダクト１８を通して吸込空気室１３内に吸込
み、その空気W₁を下室１２を介して冷却器４を
折返し２度通過させた後、吹出空気室１４内に送
り、そこから吹出ダクト１９を通して符号W₂で
示すように室内へ吹出させるように作用する。

次に第４図ないし第７図に示す一体型空気調和
機Ｘの取付方法を説明すると、まず建物の壁３０
の適所に、吸込ダクト１８及び吹出ダクト１９を
挿通するための穴２８，２９を貫通形成してお
く。そして空気調和機Ｘの各ダクト１８，１９を
室外側からそれぞれパツキン２４，２４を介して
各穴２８，２９に挿通させた後、室内側から各ダ
クト１８，１９の先端に形成した雄ネジ１８ａ，
１９ａに当板２６を介してそれぞれ締着具（ナツ
ト）２５，２５を螺合緊締させることによつて該
空気調和機Ｘを壁３０に担持させている。

ケーシング１の前面１ａの下方部にはクツシヨ
ン材２７，２７が設けられている。このクツシヨ
ン材２７，２７は空気調和機Ｘを壁３０に設置し
た際に壁３０の外面に当接してクツシヨン作用と
防振作用を行うようになつている。

第６図に示す状態では空気調和機Ｘの全重量Ｗ
は吸込ダクト１８及び吹出ダクト１９を介して建
物の壁３０によつて担持されるが、その際各ダク
ト１８，１９に負荷されるモーメントＷ×ｌ（但
しｌは空気調和機Ｘの重心Ｇから壁３０までの垂
直距離）は距離ｌが小さい程小さくなる。

上記実施例ではこのような見地から空気調和機
Ｘの前後幅ｄが可及的に小さくなるように配慮し
ている。その具体例をあげれば、 (1) 冷却器用フアン６と冷却器４を上下方向に重
なるように配置し、しかも吸込空気室１３と吹
出空気室１４が同一前後幅ｍ内に形成されるよ
うにしたこと、 (2) 背中合せに密着配置した両フアン５，６の間
にフアンモータ７を配置したこと、 等があげられる。

室内側の壁面には両ダクト１８，１９の閉開部
を覆うようにしてガラリ３１が取付けられてい
る。

尚、第４図ないし第７図において符号１５は凝
縮器用フアン５のフアンケーシング、６１は圧縮
機被覆用の断熱材、６２，６３は圧縮機支持金
具、６４，６５は防振材、６６はドレンホースを
示している。

第８図及び第９図には第２実施例、第１０図に
は第３実施例、第１１図及び第１２図には第４実
施例の一体型空気調和機がそれぞれ示されてい
る。この第２ないし第４実施例の各空気調和機
は、それぞれケーシング１の前面１ａに取付けら
れる吸込ダクト１８及び吹出ダクト１９の変形例
を示したものである。

第８図及び第９図に示す第２実施例の空気調和
機Ｘでは、ケーシング１の前面１ａに吸込ダクト
１８及び吹出ダクト１９を一体形成した横長箱型
の一体ダクト３３をボルト３２で取外し可能な状
態で固定している。この一体ダクト３３の横方向
中間部にはダクト縦仕切壁３４が設けられており
該ダクト縦仕切壁３４によつて該一体ダクト３３
内を吸込ダクト１８と吹出ダクト１９に区画させ
ている。この第８図及び第９図に示す空気調和機
Ｘは、例えば次のようにして取付けられる。即ち
予じめ据付場所の建物の壁３０に一体ダクト３３
の外形とほぼ同形の横長矩形の穴３５を形成して
おき、ケーシング１の前面１ａの一体ダクト３３
を窓外側から該穴３５を挿通させた状態で、室内
側から当板３６を当てて該当板３６と一体ダクト
３３とをボルト３７，３７………で固定すること
により空気調和機Ｘを取付けている。

第１０図に示す第３実施例の空気調和機Ｘは、
建物壁面の窓５０と庇５１の間の比較的間隔（間
隔Ｌ）の短い場所に設置し得るように構成された
もので、この空気調和機Ｘでは、ケーシング１の
前面１ａにそれぞれＬ型筒状の吸込ダクト１８及
び吹出ダクト１９をボルト３２，３２………で取
外し自在に固定している。尚、空気調和機Ｘのケ
ーシング１は空気調和機Ｘを縦置きにした場合の
高さＨ（第１０図では横方向の長さ）より奥行き
Ｄ（上下方向の長さ）がかなり短く形成されてい
る。この第１０図の空気調和機Ｘは、そのケーシ
ング１の前面１ａを下側に向けた状態で、第１実
施例（第４図ないし第７図）の場合と同様に各ダ
クト１８，１９の先側を室外側から建物の壁３０
に形成した穴２８，２９を通し、該ダクト１８，
１９を室内側から壁３０に固定することによつて
取付けている。

第１１図及び第１２図に示す第４実施例の空気
調和機Ｘは、建物の壁３０に形成された窓枠５２
に取付け得るように構成したもので、この空気調
和機Ｘでは、ケーシング１の前面１ａに吸込ダク
ト１８及び吹出ダクト１９を一体形成した薄型縦
長の一体ダクト３８をボルト３２，３２………で
取外し自在に固定している。尚、この空気調和機
Ｘでは、その空気調和機本体はケーシング１の前
面１ａに開口する空気吸込口１３ａと空気吹出口
１４ａが上下に位置するように向けて設置され
る。一体ダクト３８はケーシング１の前面１ａの
空気吸込口１３ａと空気吹出口１４ａに跨がる大
きさをもつ基側ケース部３８と該基側ケース部３
８ａの前部に一体形成された薄型縦長の前側ケー
ス部３８ｂを備えている。又この一体ダクト３８
には、基側ケース部３８ａ及び前側ケース部３８
ｂの各上下方向中間部に横仕切壁３９が設けられ
ており、該一体ダクト３８内を上下に区画して、
その上側を吸込ダクト１８とし、下側を吹出ダク
ト１９としている。尚、一体ダクト３８の前側ケ
ース部３８ｂの厚さＴは窓枠５２内に入れられる
サツシ戸５３の枠５４の幅Ｓよりやや薄く（例え
ば20〜30mm）なるようにしている。又この一体ダ
クト３８の前側ケース部３８ｂの前端縁には上下
方向の全長に亘つて横曲片４０が一体形成されて
いる。この横曲片４０は空気調和機Ｘを窓枠５２
に取付ける際の取付台となるものである。そして
この空気調和機Ｘは、一体ダクト３８の前側ケー
ス部３８ｂの外側面を窓枠５２の一方の内側面５
２ａに当接させ、該前側ケース部３８ｂをビス５
５，５５………及び同５６，５６………で二方向
から窓枠５２に固定することによつて取付けられ
ている。

尚、この空気調和機Ｘを取付けた際に一体ダク
ト３８の前側ケース部３８ｂ上端と窓枠５２上部
の下面５２ｂとの間に隙間が生じる場合には、そ
の隙間に適宜の詰物５７を嵌装させればよい。こ
の第１１図及び第１２図に示す空気調和機Ｘで
は、壁３０への穴あけ作業が不要となるととも
に、一体ダクト３８の前側ケース部３８ｂの厚さ
Ｔをサツシ戸５３の枠５４の幅Ｓより小さくして
いるので各サツシ戸５３，５３を閉じておけば、
該各サツシ戸５３，５３の枠５４，５４の一部が
上下方向の全長さに亘つて重合するため、その各
サツシ５３，５３間に隙間が生じなくなるという
作用がある。

又、第１３図ないし第１６図にはそれぞれ一体
型空気調和機の他の構造例を示している。

第１３図及び第１４図に示す第５実施例及び第
６実施例の各一体型空気調和機Ｘでは、内部に冷
却器、冷却器用フアン等の機器を収容した冷却側
ユニツトＡの下部に凝縮器３及び凝縮器用フアン
５を収容した凝縮側ユニツトＢを一体的に結合し
て構成されている。尚、第１３図に示す一体型空
気調和機Ｘでは、凝縮器用フアン５として軸流フ
アンが採用されており、又第１４図に示す一体型
空気調和機Ｘでは、凝縮器用フアン５としてクロ
スフローフアンが採用されている。尚、他の実施
例では冷却側ユニツトＡを下側に、凝縮側ユニツ
トＢを上側にした状態で一体型とすることもでき
る。

第１５図に示す実施例の一体型空気調和機Ｘで
は、凝縮器３はコ形の形状のものを採用するとと
もに、凝縮器用フアン５として軸流フアンを採用
している。尚、モータ７は両軸モータを使用し、
凝縮器用フアン５（軸流フアン）と冷却器用フア
ン６（シロツコフアン）とに共用している。

第１６図に示す実施例の一体型空気調和機Ｘで
は、長方形状の凝縮器３をやや傾斜させて設置す
るとともに、凝縮器用フアン５としてクロスフロ
ーフアンを使用している。

続いて本発明の効果を説明すると、本発明の一
体型空気調和機は次のような効果がある。

(1) ケーシング前面側に吸込ダクトと吹出ダクト
を突設して該ダクトを介して一体型空気調和機
の自重量の全部又は大部分を建物の壁に担持せ
しめ得るようにしているので、該空気調和機の
据付けのための工事が簡単となる。

(2) 空気調和機を建物の壁の外面に取付けること
ができるので、室内及び室外における床面を有
効利用することができる。

(3) 空気調和機の本体が室外側に取付けられるの
で、室内への運転時の騒音侵入をこれまで以上
に低減することができる。

(4) 吸込ダクト及び吹出ダクトを独立部品とて形
成しそれらをケーシング前面に装着するように
しているので、空気調和機が設置される場所に
応じてその設置場所に適した吸込ダクト及び吹
出ダクトを取付けることができ、それによつて
単一機種の空気調和機であつても設置場所に応
じて簡易に据付けすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はそれぞれ従来の一体型空
気調和機の概略図、第４図は本発明の第１実施例
にかかる一体型空気調和機の縦断面図、第５図は
第４図の−断面図、第６図は第４図の空気調
和機の据付状態を示す断面図、第７図は第６図の
分解斜視図、第８図は本発明の第２実施例にかか
る一体型空気調和機の縦断面図、第９図は第８図
の分解斜視図、第１０図は本発明の第３実施例に
かかる一体型空気調和機の取付状態を示す縦断面
図、第１１図は本発明の第４実施例にかかる一体
型空気調和機の分解斜視図、第１２図は第１１図
の一体型空気調和機の取付状態を示す図、第１３
図ないし第１６図はそれぞれ本発明の第５ないし
第８実施例にかかる一体型空気調和機の構造説明
図である。 Ｘ……一体型空気調和機、１……ケーシング、
１ａ……ケーシング前面、２……圧縮機、３……
熱源側熱交換器、４……利用側熱交換器、５，６
……フアン、１８……吸込ダクト、１９……吹出
ダクト、３０……壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ケーシング１内に圧縮機２、熱源側熱交換器
   ３、利用側熱交換器４、前記両熱交換器３，４の
   フアン５，６を収容する一方、前記ケーシング１
   の前面１ａ側に、建物の壁３０を貫通して室内に
   達する長さを有ししかも独立部品として形成され
   た適宜形状の吸込ダクト１８と吹出ダクト１７を
   装着するとともに、該吸込ダクト１８及び／又は
   吹出ダクト１７を介して自重量の全部又は大部分
   を前記壁３０に担持せしめることができるように
   したことを特徴とする一体型空気調和機。