JPS6146335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、天井吊り形空気調和機の熱交換
器、送風機などの点検用パネル装置の改良に関す
るものである。

従来、この種の空気調和機は第１図に示すよう
な構造であつた。つまり、空気調和機本体１は、
天井スラブ面２に固定された吊りボルト３によつ
て天井内に吊り下げられ、空気調和機本体１内に
形成された通風路Ａには送風機４、熱交換器５、
エアフイルター６およびドレンパン１５が組込ま
れてある。一方、天井開口部７周縁の天井８下面
には通風路Ａに連通する吹出口９および吸込口１
０を有するパネル枠１１を当接して空気調和機本
体１に取付ねじ（図示せず）により取り付けられ
ている。また、このパネル枠１１の内側すなわ
ち、吸込口１０の一側には点検用パネル１２がパ
ネル取り付金具１３を介して取り付ビス１４によ
り取り付けられ、点検用パネル１２の他側はヒン
ジ１６により係止されている。このような構成に
おいて、室内の空気は送風機４により吸込口１０
より吸入され、エアフイルター６を通過し、熱交
換器５で熱交換され吹出口９より再び室内に吹き
出させ、室内を空調する。ところが、長期の運転
によりエアフイルター６の目つまり等による交
換、冷房時に熱交換器５で凝縮した凝縮水を受け
るドレンパン１５に堆積したごみの清掃、および
熱交換器５に付着したごみの清掃などの保守が必
要となる。それらの作業は取付ビス１４を外して
点検用パネル１２を開放して行なうものである
が、高所作業であり工具を使用しての点検パネル
１２の開閉は困難で危険を伴なつた。また、点検
用パネル１２を開放しただけでは上部にある熱交
換器５の清掃等は開放した点検パネルが作業の妨
げとなり、その作業を困難なものとしていた。さ
らにパネル表面に取り付ビス１４が露出されるの
で、意匠上においても好ましくなかつた。

この考案は、上記のような従来の欠点を除去す
べくなされたものである。以下、この考案の一実
施例を説明する。第２図はこの考案の一実施例で
ある空気調和機のパネル部分の拡大断面図であ
り、空気調和機本体１部分については従来のもの
と同様であるので省略している。第２図に示すよ
うにパネル枠１１における吸込口１０の両側壁に
は互いに所定距離をおいて一対の係止ピン１７，
１８が吸込口１０の内方へそれぞれ突出して設け
られ、また、点検用パネル１２の両側壁には一対
の係止ピン１７，１８と対応した位置に互いに反
対向きに一対のＬ字状スリツト１９，２０が形成
されている。そして、Ｌ字状スリツト１９，２０
の一方の近辺にヒネリバネ２３が取付ねじ２３ａ
によつて取付けられている。第３図は点検用パネ
ル１２の斜視図で第５図は第３図の要部を示す拡
大図であり、同図に示すようにスリツト１９，２
０は点検用パネル１２の側壁１２ａの上端縁から
垂直方向へ延びた垂直部１９ａ，２０ａとこの垂
直部１９ａ，２０ａと連続して水平方向へ延びた
水平部１９ｂ，２０ｂとからなると共にこのスリ
ツト１９，２０の垂直部１９ａ，２０ａ間ピツチ
は係止ピン１７，１８間ピツチよりも小さく形成
されている。

また、一方のスリツト１９の水平部１９ａの端
部には点検用パネル１２の位置決めと移動防止の
ため水平部１９ａに連続して垂直方向へ延びた溝
からなる係止部２１が形成されると共にこの係止
部２１を横切るようにヒネリバネ２３が延びてい
る。従つて、点検用パネル１２を装着する場合
は、まず点検用パネル１２のスリツト２０と係止
ピン１８を対向させて点検用パネル１２を空気調
和機本体１の下面側から押し上げるようにして係
止部２１の方向へ移動させ、スリツト２０と係止
ピン１８とが合致した位置で点検用パネル１２の
他側を押し上げ、若干、上記とは逆方向へ移動さ
せれば一対の係止ピン１７，１８はスリツト１
９，２０の垂直部１９ａ，２０ａを通り水平部１
９ｂ，２０ｂに係合し、ヒネリバネ２３の弾性に
より係止される。そして、さらに点検用パネルを
ヒネリバネ２３の弾性に抗して上方へ押し上げ気
味にして係止部２１とは逆方向移動させ、スリツ
ト１９の水平部１９ａ端部に係止ピン１７が当つ
た状態で点検用パネル１２を離せば係止部２１に
係止ピン１７がはまり込み、点検用パネル１２は
係止部２１を設けることにより形成されたストツ
パ部２２およびヒネリバネ２３の弾性によつて水
平方向へは不動となり、その位置に確実に保持さ
れ第４図に一点鎖で示すように吸込口１０の一部
を閉鎖するように装着される。一方、点検用パネ
ル１２を開放する場合は、点検パネル１２をヒネ
リバネ２３の弾性に抗して押し上げて係止部２１
と係止ピン１７との係止を解き、上記とは逆方向
へ移動させ、係止ピン１７とスリツト１９の垂直
部１９ａとが合致した位置では係止ピン１８とス
リツト２０の水平部２０ａとは係合状態にあるの
で、その位置で点検パネル１２を回動すれば係止
ピン１７はスリツト１９の垂直部１９ｂから離脱
すると共に点検用パネル１２は係止ピン１８によ
りスリツト２０の水平部２０ｂの端部において係
止され、第４図に実線で示すように開放状態とな
る。さらに、点検パネル１２を離脱させる場合
は、上記したようにして、係止ピン１７をスリツ
ト１９から離脱させたのち点検用パネル１２を係
止部２１とは逆方向へ移動させ、係止ピン１８と
スリツト２０の垂直部２０ａとが合致した位置で
点検用パネルを下方に下げればよい。なお、上記
実施例では係止部２１およびヒネリバネ２３をス
リツト１９に設けた場合について述べたが、スリ
ツト２０にも設ければ点検用パネル１２の保持は
安定する。また、係止ピン１７，１８間ピツチと
スリツト１９，２０の垂直部１９ａ，２０ａ間ピ
ツチを同一にすれば点検用パネル１２の着脱操作
はさらに簡単になる。さらに、係止ピン１７，１
８は必ずしもピンに限定されるものではなく、吸
込口１０内へ突出しているものであればよい。

以上のようにこの考案では、点検用パネルの両
側壁に互いに逆向きに形成した一対のほぼＬ字状
スリツトおよびこのスリツトのどちらか一方の近
辺に取付けたヒネリバネと吸込口の両側壁から内
方に突出する一対の突起との係合、離脱により点
検用パネルを着脱、あるいは開閉するようにして
いるので、点検用パネルの着脱、あるいは開閉に
際しては何ら工具を用いることなく行なえ、とく
にヒネリバネにより点検用パネルを確実に係止で
き、高所作業での安全性を確保することができ
る。

また、従来のように人目につく点検用パネルに
は取付ビス、ヒンジがないので意匠的にも向上す
る効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空気調和機の側断面図、第２図
はこの考案の一実施例を示すパネル部分の側断面
図、第３図はこの考案の要部である点検パネルの
スリツト部を示す斜視図、第４図は同じく点検パ
ネルの作動を示す作動図、第５図は第３図の要部
を示す拡大斜視図である。 図中、１は空気調和機本体、４は送風機、５は
熱交換器、９は吹出口、１０は吸込口、１１はパ
ネル枠、１２は点検パネル、１７，１８は係止ピ
ン、１９，２０はスリツト、２３はヒネリバネで
ある。なお、図中、同一符号は同一、または相当
部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に形成された通風路に熱交換器、送風機な
   どを収納し、かつ天井に据付けられる空気調和機
   本体、この本体の下面側に取付けられ、上記通風
   路に連通する空気吸込口および吹出口を有するパ
   ネル枠体、上記空気吸込口の一部を開閉可能に上
   記パネル枠体に取付けられた上記熱交換器、送風
   機などの点検用パネルを備え、上記空気吸込口の
   両側壁には、互いに所定距離をおいてそれぞれ内
   方へ突出する一対の突起を設けると共に上記点検
   用パネルの両側壁には、垂直部および水平部から
   なり、上記一対の突起に対応して互いに反対向き
   に形成されたほぼＬ字状の一対のスリツト及びこ
   のスリツトのどちらか一方の近辺にヒネリバネを
   設け、上記一対の突起を上記一対のスリツトの垂
   直部を通して水平部に係合し、上記ヒネリバネに
   より上記突起を押圧して上記スリツトの水平部に
   保持させるように構成したことを特徴とする天井
   吊り形空気調和機の点検用パネル装置。